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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第27話、新緑の芽

一年も後半に差し掛かり冬に向かっていた。そんな中本校のシステムでもある

交流留学に沙織が誘われたという。同じくして緋香琉は両親との約束でもあり

二年は地元大阪の学校に通うことに。そんな中、生徒会にある噂話が入り……
____________________________________
あの日から、考えるに考え抜いた彩花は彼女らに訊ねた

「え?新しい『勇気の守護者』?」

「緋香琉達なら知ってるんじゃないの?」


問い詰めるに近い形での質問に緋香琉はクロスと顔を見合わせ「あー……」と唸

りながら彩花の表情を伺っていた。そんな様子を彩花は無言のまま見つめているが


「あー……まあ、知ってるっちゃ知ってるけど……」

「誰なの?私の近くにいるってエリアは言ってたけど」

「……やっぱり、エリア様から聞いたのね」

クロスが呟くと、彩花は頷いた

「私達は、『彼女』から聞いたの」

「彼女……ってことは、女の人なんだ」

「……えぇ」
思い出すようにクロスは話し始めた

「私達も初めは驚いたわ。私達の中ではこの三人が、って思ってたから」

「どうしてそうなったかは聞いた?」

「……いえ?私達はただ代わりに守護者の力を受け継いだて聞いただけで」

「そうなんだ」

「彩花の事は知らないみたいだったな。私達が名前を言ってその人の
 代わりになったって言ってたし。……それで、彩花は納得したのか?」

「え?」

「なんでそうなったのかは知らないけどさ、突然こんなことになるなんて思
 わないだろ?ゲームでもこんなことないし。ウチらも急なことで驚いたし」

「あぁ……。まあ、理由からすれば納得というか、理解せざるを得ないんだけどね」


彩花が勇気の守護者でなくなった理由を、エリアとの会話の事を話すと二人は

驚いたように言葉を発する。そんな二人に対し彩花はこれまでも何度か元々魔

力が強いと言われたことがあると話す。高難易度の女神の魔法が結晶もなしに

使えたのも、あらゆる属性の魔法が使えたのも、全ては潜在能力の働きによる

もの。それがエリアが授けた力を引き金に、更に解放され明らかになった


「なんだか変な話だね」

「あの時の事が全ての結果だよ」

「……」

「あの事があったから、エリアは嘘をついている訳でもなく、紛れもない
 事実なんだと思う。……ねえ、誰なの?新しい『勇気の守護者』って」

「それは……」

だがその質問は、チャイムによって遮られた



「駄目です」

「ええー!?なんでぇ~!?」

ある日の放課後、第一生徒会室から叫び声が聞こえた。扉を開くと

副会長に向かって駄々をこねている会長、城島夏目の姿が見えた


「書類を見に来てって言ってたので来たんですけど、一体どうしたんですか?」

「いつものくだらない思いつきだから気にしなくていいよ」

「やーだーやーだー!」
だが、その理由は直ぐに判明した

「え?クリスマス会?」

「ね?楽しそうでしょ?っていうか絶対楽しいって!」

「つい最近文化祭をやったような……」

「クリスマス会とかできる訳ないでしょう。普通に考えて無理だよ」

「なんで」

「三年生は受験だし、そもそもそんなに遊びに予算を使えるわけないでしょう!」
虚しく却下され落ち込む城島先輩に苦笑いしていると彩花は告げた

「確かに、ここまで遊びが多い学校はそうないと思いますよ。私の記憶の中では」

「勉強勉強勉強ってつまんないじゃん。バランスが大事なんだよ!」

「確かに体育祭や球技大会は好みが分かれ、文化祭だけではその
 理論も一理あるけど、今年はもう十分すぎるほどやったでしょう」

「カラオケ大会に、メイド部、執事部合同のもてなし会とかあったんでしたっけ
 ?他にも学年によって色々あったとか……。一年はスタンプラリーしましたし」

「殆どの予算は文化祭や部費、備品費用に消えるし……無理じゃない?」

「のーちゃんまでひどい!」


嘆きの声が聞こえる中笑っているとふと彩花は横のポスターを見て思い出す。

東京に来てもう半年が過ぎ、一年に向かっている事にしみじみと体感する


「もう11月なんですね」

「早いよねー。生徒会選挙もあるし、生徒会はまだまだ忙しいけどね」
書類に目を通し判子を押しながら彩花は

「それって、第三生徒会も変わるんですか?」
「うん?多分継続だと思うよ。今はそういう流れだし、選挙も関係ないし。あ、
 風紀委員とボランティアと一緒に開票と集計の手伝いはしてもらうと思うよ」

「……そうか、新しい人に変わるのか……」

「神月ちゃん?」

手を止めると、彩花は呟く

「生徒会長が城島先輩で、とても面白くて楽しい人だったから……なんか……」

「……神月ちゃんっ!」

その時、途中まで話を聞いていた城島先輩は席から飛び出し彩花に飛びついた

「寂しいなんて、嬉しくて私泣いちゃうっ!」

「ちょっ……!?」

「もう~可愛いなぁ~!」


喜びながら抱きしめ頭を撫でる城島夏目に対し、彩花は困惑し焦りながら

それを振り払おうとしていた。その時扉が開き彼に異様な光景が飛び込む


「こんなに可愛い後輩がいてもうー!」

「離して下さい!」

「……」
扉を開けた瞬間、目に入った光景に緒方結希は言葉を失っていた

「……あぁ、生徒会選挙か」

「私としては、ユキちゃんに次の会長を任せられたら安心だなーって思っ
 てたんだけど、ねえねえユキちゃん、第一生徒会会長に立候補しない?」

「第三生徒会は?」

「んー、それは……」


考え込みながらも彼女は真面目で人前に出るのも慣れてるユキちゃんなら

問題ないと思うのよとくるくる回りながら告げる。そのあとに続き第一生徒会

副会長もまた緒方なら任せられると強く頷いている


「まあ、後期で第三生徒会も三年生は抜けると思うけど、選挙で決
 めるって訳にはいかないしねえ。何せ業務内容が特殊なだけに」

「私的には、緒方先輩が次の第一生徒会の会長になってくれたら、今後も
 やりやすいと思うんですけど……。先輩なら生徒会長って感じもしますし」

「……でも、三年生が抜けたら第三生徒会は俺を入れても三人しか残らな
 いよ?そこに俺まで抜けたら……。流石に二人では対処しきれないんじゃ」

「あの時のような大々的な襲撃もありませんし、この間のニュースで急激に
 減ったと聞きます。生徒間だけの問題なら二人でもなんとかなるかと」

「……」

「偶に喧嘩くらいなら起きますけど、ここには問題児なんかはいないようです
 し。現にそういった問題の殆どは最初以外は先生たちがなんとかしてますし」


そう話す彩花に対し、彼は見つめていた

「第一生徒会なら内申にも有利になりますし、第三生徒会は業務内容
 だけにあまり評価はされませんから……多分その方が将来的にも」

「そうだけど、二人だけに問題を任せられないよ。特に神月は戦闘慣れ
 してると言っても、一生徒なんだから問題全てを任せるわけには……」

「うーん……」

緒方先輩に続き城島先輩は唸った。私にも色々と不安があると続き



「第二生徒会は留学生を主に編成されてるじゃない?冬休みを越すと殆どの
 留学生は期間が終わって帰るから、実質第二生徒会はないものなのよね」

「あ……」

「一人……現副会長なんだけど、彼は留学生じゃなくて帰国子女だから、全く
 残らない訳じゃないんだけど……。それでも新学期の準備とかあるしね……」


それにあたって、来年度からは第二生徒会じゃなくて第三生徒会を補佐としたい

と彼女は告げる。少しでも負担を減らすために。留学生と同じ留学生を生徒会に

することによって、留学生の不安を取り除いたり悩みを聞く……それに全うする


「大々的な行事には勿論手伝ってもらうつもりだけど、ここに来てしばらくは
 ……前期はそうしてもらうつもり。その方があの子の負担も少なそうだし」

「問題が山積みだな……」

生徒会の面々は揃ってため息をはいた。その姿に再度一同が振り向けば

彼女は深刻な表情のまま彩花に向き直り、両肩に手を置き告げた


「神月ちゃん」

「はい?」

「このまま新会長が就任した場合……明らかに学校からイベントがなくなる!
 残っても体育祭と文化祭だけ……そんなの、そんなのつまらないじゃない!!」



手が離れると彼女は力説し

「学業が本分だとしても!勉強ばっかりじゃ絶対つまんない!適度に息
 抜きは必要だと思うの。でも私が卒業したら、誰がそれを計画するの!」

「本来あるべき姿に戻るだけだろ」

「それに今までが多すぎた気が……」

「ユキちゃんは見ての通りお固い人だし、仮に新会長が就いても期待出来
 ないし、神月ちゃん、もう残されたのは神月ちゃんしかいないんだよ!」

「えええっ!?それを私に言います!?」

「嫌なの。卒業した私がここに遊びに来た時、葬式みたいになってる学校
 と生徒を見るのが……!受験と勉強に追われる器械だらけになってたら」

「そんな大袈裟な」


それから数日後、生徒会選挙は行われイベント好きとして有名であり、生徒

達から好感の高かった城島先輩達は受験に打ち込むこととなった。ある日


「……なんで先輩方がここに?」


書類と向き合っていた緒方結希は目の前の椅子に座りくるくる

回りながら新会長の仕事ぶりを観察している人物に問いかけた


「何か問題でも?新かーいちょ?」

「いや、先輩受験生でしょう」

「ふふーん。私エスカレーター式で大学行くから受験なんてないのー!」

「はあ……」

外から生徒達の声が聞こえる中椅子ごと振り返ると
「本当に立候補するなんてね。第三生徒会は良かったの?」

「後期の間は、第三生徒会の役目も兼任する事にしましたよ。部活
 動の関係で新副会長は霧島さんに。……会長は変わらず、ですが」

彼の発した言葉に対し、聞いていた城島夏目は回転していた椅子を止め言葉を返す

「第三生徒会の仕事がどれだけ危険な事か身をもって知っているはず
 ……。なのに、彼女は何故かそれに慣れている。不思議なまでにね」

「前も言ってたね。問題が起きてから周りへの対処、状況確認に手馴れてるって」

「会長は、それを知っててあの人を会長にしたのでは?」

「違うよ。先生から今年凄いポケモントレーナーだった子が入学したって聞い
 て、ポケモン部でポケモンバトルで彼女は強かったて聞いて思いついただけ」


だが彼女はあの魔物に対抗する手段を持っていた。それを思い出しながら表

情を陰らせている緒方結希の姿を見ているとふと近くから夏目の声が聞こえる


「……心配?」

「え?」

「生徒会に来た時からそうだったもんね。ユキちゃんってば心配性で、病弱
 で休みがちな前会長さんが野外活動に同伴するって言った時も心配して」

「……」

「私が会長になった後も計画表の期限がどうとか副会長と一緒に心配して、今
 度は後輩を心配するなんて、とんだ心配性だよね。面倒見がいいというか」

「……だって、見た目は全然強く無さそうじゃないですか」

「まあね。神月ちゃん細いし、小さいし、筋肉も無さそうだし」

「手段を持つ以上それをすることに異論はありません。現に彼女を引き入れた
 のは俺達ですし。けど……問題に対し、真っ先に自分でやろうとするんです」


最近は特に。前は面倒くさがっていたけど、なんだかんだ問題を収めて。生徒

を誰一人傷つけずに収束させるから先生から第三生徒会の評価も高い。その

多くはポケモンを使用しているとは言え、一歩間違えれば大事故になる


「いくら手慣れていても、見ていて不安というか。もう少しくらい、俺達の事も
 頼ってくれてもいいんじゃないかなって思うんです」

「だから兼任を?」

「見ていて危なっかしいというか、誰かが見守ってないといけない気がして」

「まあ、『あんなこと』もあったしねえ」


彼らは知らない。あの余裕の対応と精神はどこから来ているのか。何を起源にそれ

を引き起こしているのかを。それから後日、三年生が抜けた第三生徒会にとある話

が入ってきていた。部屋に集まった彩花と亜理紗は第一生徒会室で


「それって、全校集会でも聞いてた……」

「教室内でも担任が注意を促してたわね」

「うちの生徒も何人か被害に合ってるみたいでね。皆お金を取られてるんだって」

「それって恐喝じゃないですか」


またしても会長としての任を終えた城島先輩の言葉に亜理紗は眉を

潜めた。現在三人以外に人はおらず、本来今日の活動は休みらしい


「友達に頼まれちゃってね。その子の友達が被害に合ったらしいんだけど、第
 三生徒会の噂を聞いて頼みに来たって訳。あっという間に知名度も広がって」

「……」

「第三生徒会の評判は上々だよ。お陰で生徒の問題も減ってるらしいし、不良
 だった人達も生徒会に恐れをなしてやめたって話も聞くし。まあ、元々治安の
 悪い学校じゃなかったけれど、どうしてもそういうのは起きちゃうからねえ……」

「それを話すってことは……」

「……本当は学校外の事は活動外だったんだけど」


その人の話だと、街を歩いていた時突如引き込まれ、数人の不良に金を渡

せと脅された。言われた通りにするとそれ以上危害は加えられなかったそうだ


「でも、出すのを渋った人は締め付けられたり、殴られたりで怪我を負ったみたい」

「警察に通報はしたのですか?」

「うん。一応被害届も出したみたいだけど、現行犯を見たわけじゃない
 から、本格的な捜査とか、そういうのはしてくれないって嘆いてたよ」

「……でしょうね。ただでさえ数多くの事件の中、監視させるなんて余
 裕はないでしょうから。……だから、私達に頼んだと言うことですか」
霧島さんが尋ねると城島先輩は頷いた

「でもね。相手が同じ高校生なのか、大人なのかは皆恐怖で覚えてないん
 だ。男の集団だったのは間違いないらしいんだけど、容赦ないらしいし」

「流石に、この件を私達が背負うのは危険では」

「やっぱりそうだよねえ」


それから生徒会室を去った彩花は、学校から出てある場に来ていた。賑や

かな声が聞こえるが、その声は一箇所に留まるとさことなく次から次へと流れ

ていく。川の流れのように絶えず人が歩いていくのと同じように


「……」
見慣れぬ街に辺りを見渡していると声が聞こえた

「やっぱりここに来てたか」

「っ!?緒方先輩!?」

「会ちょ……城島先輩が多発してる恐喝事件の話をしたって聞いて。学
 校の生徒も被害に合ってるとはいえ、この話は一時保留になった筈」

「あぁ、はい。これは警察レベルの話だと……」

「一応聞くけど、君は何故ここに?」
彼の質問に身体がピクリと動いた。警戒するように見上げると

「それは……」

「予想通りだったよ。話を聞いたらそこに行きそうだなって思ったけど」

「えっ……。少し様子を見に行こうとしていただけですよ。顔とか覚えられ
 たら面倒だし、私も不良の相手は嫌なんでざっと見て帰るつもりでしたし」

「様子を見に行くって、もしその事件に合ったらどうするつもりだったの?」

「ちょっと付近を見に行くだけですよ?事件が起きた路地裏まで覗こう
 なんて思ってませんし、そのくらいの危険は把握してるつもりです」


口論が続くと、緒方結希は溜息をつき考え込んだ後、再度ため息をつくと

自分も同行すると告げた。驚きを見せ言葉を発する彩花だが彼はこう告げる


「一人よりは安全だし、もしもの時も機転が聞くから」


こうして共に行動することになった二人は被害にあった生徒が多いとされる路地

付近の大通りにやってくる。まだ日は登り明るく、学生や社会人など人通りも多い

「こんなに人が多いのに?」

「ここはね。でも路地に入ればあっという間に人目につかなくなるから」

「集会では休日の昼でも、平日の明るい時でも起きてるって」

「まあ、多少の差はあれど、それも路地に入っちゃえば関係ないから
 ねえ。建物の裏が集中してる所なんかは暗いし声も届きにくいしね」


歩きながらそんなことを話しているとやがて会話は止まり、大通りのを無言で歩

いていた。歩いている途中、彩花は異様な気配がすると緒方には気づかれぬよ

うに辺りを警戒していたがそんな人の姿は見当たらない。だがしばらく進んだ時、

突如片手を引かれた。勢いに逆らうまでもなく細い路地に引き込まれた


「な……」

引き込まれた先、薄暗くとも日の光により数メートル前方に数人の人の姿が見えた

(まさか、これが……?)

「そこのお前、金を寄越せ」

「!」


間違いない。これが事件の容疑者。ハッキリとした容姿は見えないが私服のよ

うでシルバーアクセサリーのようなものも見える。言えば不良のように見える


「……」


相手は5、6人。これまでの経験上の条件に比べれば大したことはないが、細く

暗い路地では自由に動けない。そして魔法など使えば辺りはただでは済まな

い。ひとまずここは穏便に従うべきだろうと強張った表情のまま問いかける


「……いくら?」

「そこに投げろ。キラキラした金を」

(キラキラした金?)

恐喝と言えば、金を目的とするなら少なくとも札を要求されると想像して

いた。だがキラキラした、となるとそれは札ではなく小銭になる

「早くしろ」

「俺達は気が短けぇんだ。さっさとしねえと、痛い目を見ることになるぜ」

「……」


脅す男達を前に、疑問を感じながら無言を押し通すとやがて痺れを切らした

男達は一歩、また一歩と距離を詰めていく。強張ったままその様子を見つめ


「……」

僅かに口が動き、その場から姿が消えると男達の背後に現れ手に現した

剣を振るった。男達が突如背後に移動した事に気づいた時には手から剣

はなく、消え入りそうな声で呟いた


「人なら切れないはず。そう、『人』なら」

「ぐ、が……」


切りつけた一人が苦しげに声を発するが、腹から血が流れることは無

い。そして人であった場合の反応と違う。それは明らかに苦しんでいて


「なっ……こいつ!?」

「正体を明かせ」

「くっ……」


低く、冷徹な声で告げると直後男達は歪み姿形を変え現れた。二本足で立って

はいるが全身は毛で覆われ獣そのもの。一人が姿を現すと周りもざわつき


「こいつ、俺達の正体を……!」

「魔物……?」「チッ、ここは一旦ずらかるぞ!」

路地から人通りに駆け出し、上空へ飛び逃げ出した魔物達に慌てて大通

りに出ると通り過ぎた後で慌てた人の姿が見えた。そして僅かに見えた姿

を追いかけるように走り出すと、十字路に差し掛かる広場が目に入った

「いた……!」


曲がり角で広場に魔物の姿を確認すると駆け出しかけた時、魔物の動きに

合わせてある光景が目に飛び込み、足は止まった。広場にいた魔物は人と

対峙し誰かと戦っていた。そして魔物と戦っているのは彩花の知る誰でもなく

、一人の少女だった。疑問が頭にまとわりつくが今はそれよりもすべき事が

ある。手に剣を表すと振りかざし、振った直後襲いかかる攻撃を避けていた


「え……?」

突如現れた姿に少女は短く声を漏らした。多くの人が対抗手段を持たぬと

されている魔物に対し、手馴れた様子で戦いを見せていた。そして、何より

も少女の視線は彼女の持つものへと向けられた

「……」

間もなく、鈍い音と共に倒れた魔物は消滅し、少女は彩花から目を離せなかった


「私と、同じ剣……?」

「……」

唖然とし呟いた少女に彩花が振り向くと、二人の間には奇妙な間が流れた。

どう言葉を発していいか分からずにいると、やがてある人にこの力を渡された

時のことを思い出し告げる。それえに対し彩花は無表情のまま見つめると

「まさか、貴方が……」

「その剣……。そう、君が新しい『勇気の守護者』……」

「!」

彩花の言葉に対し彼女は驚きながらも、目の前に起きた現実と真実を飲み込んでいた



「……」

「……さん、神月さん、聞いてる?」

その後緒方結希が現れると新しい勇気の守護者とはそれきりになった

「えっ、は、はい」

「ホントに反省してる?」
そう問い続ける緒方結希の表情は若干険しく、怒っているのが雰囲気からも見てとれた

「ほ、ほんとにしてますって」

「何かあれば大問題だし、学校の評価にも関わるからこれは自身の問題
 とかじゃないんだよ?勝手な行動が思わぬ結果になることだってあるし」

「うっ、ハイ……すみません」


歩きながら無言が続く。互いが険悪とはいかずとも言葉を発しにくい空気にな

り、周りの雑音がせめてもの救いにすら聞こえる。そんな中彼はため息をつき


「……はぁ。真面目というかなんというか。いくら手段があるから
 と言ってもそれはあくまで手段であって義務じゃないんだよ?」

「……」

「僕達は『生徒会』という一つの組織なんだ。現状、相手や状況によっては
 多くの手段を持つ神月さんに任せないといけない時も多い。現にそうだし」

僕らは魔物と戦う力はないから。そう話す言葉を何も言わず聞いていた

「何が起きてもパニックにならず状況を把握して指示も的確で……。神月さん
 が第三生徒会会長に就任したのは正解だと思うし、あの的確さは俺も尊敬するよ」

「……」

「なんだかんだ言って問題にも対処してくれるし、元会長の無理難題にも付き合って」

「それは別に……」

「でも、一人で解決しようとし過ぎて、もう少し俺達を頼って欲しいなとも思うんだ」


霧島さんや引退した先輩方……皆それぞれ出来る範囲で努力していた。神月

さんに比べたら出来ることは微々たるものだけど、第三生徒会として尽くしたい


「……」

なんだろう。似たようなことを何度も聞いた気がする

「……その、すみません……」

「あ、あのね、僕らじゃどうにも出来ない事ばかりなのはわかってるんだ。神月さ
 んの迅速な対応は僕も尊敬してるし。魔物なんかが現れ始めてからは世間も警
 戒せざるを得ない。そんなこともあってこの学校の安全面での評価は高いんだ」

「……」

「……学校に戻って報告しようか」


それ以上、言葉が交わされることは無かった


====================================

次回

三年生が生徒会から抜け新体制となって最初の会議が行われる。会議が終

わった後待っていた啓の姿を見つける。人気者の中『用があって抜けた』と言う

とある伝言を告げる。それは一難去ってまた一難の始まりだった……


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