INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第10話、こだまする声

追いかけた先に現れた新たなる『黒き炎』の一員。一方東の町付近にいたファイター達も

また黒き炎の一員からこれは平和の為の組織であり理想郷をつくろうとしている事。そん

な彼らの元に知らせが飛び込み一刻を争う事態に一同は急いで町へと向かうのだった
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「に・・・げ・・・」

「死なないでよ?私、犯罪者にはなりたくないから」




前髪を掴まれ頭を上げられると耳元であざ笑うかのような声が聞こえた。足に何かが

滴る感触が伝う、けど痛みはない。感覚のマヒなどではなく、あることをする事によって

感じないのだ。限界を感じ始めていた。言葉を発しようとするけれどいつもの声が出ない




「・・・?」




再び顔が近づくとぱっと話した手で重力に逆らえずに顔は倒れる


「あっはははは!リリーナ様、こいつずっと逃げてって言ってるよ?」

「!」

「あー楽し。『あの時』みたい」


3人はにやりと笑う。が声は小さすぎてリリーナの耳には届かない






「でも、ほら、あの時みたいに泣かないの?ちょっと面白くないかも」

「そういえば、イーブイの姿を見かけない。一緒に連れてないの?」


辺りを見渡すが人間以外の姿は見当たらない。衣服を持ち上げるがモンスターボールもない





「・・・なんだか飽きてきちゃった。そうだ」





そういって一人が横を見ると彩花の元から離れて行く





(この・・・ままじゃ・・・っ)


「!」


動かずにいたリリーナは一瞬青い膜が薄くなり揺らいだことに気づく。そして目の前に

は一歩、また一歩と迫ってくる少女の姿が。戦いは避けられないと魔道書を握りしめる





(なんとしても・・・にがさ・・・ないと・・・)





どれだけ力を入れても立ちあがれない。力が入らず踏まれるがまま地面から動けず

にいた。足音が聞こえ遠ざかって行く事からどこへ向かっているのかは想像がつく

そんな音さえも聞こえなくなるように目の前の風景が揺らいでいった





(もう・・・)





あの人の身に何かが起きる、それだけは何があっても避けなければいけない。そう・・・何

があっても、自分を盾にしてでも。間違ってもあの人物に再び悲劇を見せてはいけないと






リリーナが胸の前に魔道書を持ち上げた時、最大の力を振り絞った叫び声が響いた





「蒼真っ!リリーナを連れて・・・逃げろ!!」





全てを振り絞った叫び声の直後、彩花の体内から青い光が飛び出た。それは彩花を

踏んでいた2人を通り抜け、防御壁が崩れた直後リリーナの身体を包み込み浮かんだ


「!?」


何が起きたのか分からず、声を発する間もなく突然足が地面から離れた。ただでさえ低い

位置に見えた彩花の姿がさらに低く見え状況を確認するように見渡すが見えるのは自分

を包んだ青い光のみ。浮かんだリリーナは遠ざかるように飛んで行った



「彩・・・っ」


身体が後退した瞬間、手を伸ばすが声は届かず数秒も経たないうちに彼女達の姿が

見えなくなった。そして彼女の去った荒野では風の音しかなく、静けさに満ちていた




(逃げ・・・たか・・・)



安心したのもつかの間、離れていた一人が戻ってくると再び背中を強く踏んだ


「うぐっ」

「何ナメた真似してくれるの?そういうの、ほんとウザいんだけど」

「・・・・・・」



言い返したい、けど思うように動けず声は出ない。もはや自分がどんな状態かすらもわか

らない。意識は朦朧とし、目の前はぼやけほとんど茶色い何かしか目に入っていなかった



「正義ぶっちゃってさ、ヒーローにでもなったつもり?」



イライラした様子で告げるが返事は返ってこない。自分たちの行動によって言葉すらも出

せなくなっているというのに返事が返ってこないことに3人のイライラはエスカレートする



「ほら、何かいいなよ・・・あ?無視すんなっつってんだよ」

「・・・ほんとむかつく」

「っ」



もはや蹴られてもなにも感じない。感触すら感じられないことからある事が予想できた

その時、ずっと背中に感じていた圧迫感がなくなる。踏んでいた足が離されたのだ




「そうだ。私たちがやらなければ・・・人殺しにはならないんだ」

「・・・・・・」



一人の少女が手をかざすと何もない場に人とは呼べない生物が現れる。そして彼女達の一

人はニヤリと笑みを浮かべると目の前に現れた数体の魔物に向かって一言だけ言い放った





「ゴミ処理、よろしく」





ただひたすらに、無事で会って欲しいことだけを祈って走っていた


「どうしよう・・・!」

「ばっか、あいつだって認めたくねえが強いんだから大丈夫だろ!」

「そうだよ。彩花なら・・・きっと・・・」


数人が声を発するが誰もがポジティブに考える事が出来なかった




「リリーナ・・・!」




何度も、走り続ける中青年は言葉を発する


「リリーナ・・・っ」

「ロイ様・・・」

「頼む・・・っ!お願いだ・・・!どうか無事で・・・いてくれ・・・っ!」



祈るような、縋(すが)るような声に彼の仲間を始め兵士達やファイターたちも締め付けら

れるような表情になる。あのサムスですらこんな状況で笑っていられるほどの余裕はない





「お願い・・・!」





その時、ふと目の前で何かがキラリと光ったことに先頭を走っていた数人は気づいた

そして数秒後、ものすごい勢いでファイター達の横を通り過ぎると強風が一同を襲った



「うわっ」

「何・・・今の?」




風が通った方向を振りかえるとそこにある姿に一同は急ブレーキをかけ立ち止まる

そしてはっきりと姿を捕らえた青年はその名を呼んだ。青い光に包まれた少女の名を



「リリーナっ!」

「ロイ!」


光が少女の元から離れると少女はふわりと地面に降り立った




「リリーナ様!ご無事でしたか!」




兵士達が声をかける中魂を抜かれたような唖然とした表情でロイは震えていた




「リリーナ・・・」




一歩、また一歩近づき両手が伸び触れそうになる。がその時リリーナの叫びに全ては戻った



「ロイ!この先に彩花が・・・!」

「!」


発した声にハッとすると目の前の少女は涙を浮かべながら空間中に叫んだ



「私を逃がす為に・・・急いで!早くしないと・・・死んじゃう!」

「!?」


切羽つまる表情で、相当追い詰められた状況を現すかのような声にファイター

達は騒然とした。そしてさらにファイター達は少女に流れた涙にぎょっとする




「助けて!彩花を・・・彩花を・・・っ!」

「えっ・・・どういうこと!?」

「リリーナさん、どういうことで・・・」



ポケモントレーナーが尋ねかけた時、声を遮るようにロイの声が響いた



「・・・っ!フレイ、皆!リリーナを頼む!」

「ロイ様!?」




「僕は・・・彩花を助けに行く!」





有無を言わさず駆け出すロイに対し相当よくない状況を痛感していたファイター達は

一部を除きどうしていいものかおろおろしていた。さらに数人は思考が回らない状況だ




「えっと・・・えっと・・・ど・・・どうすれば・・・」

「ピーチ達も彼女と共に残っていて!リリーナさんと皆さんは城に戻っていてください!」

「・・・く・・・分かったわ」


数人が駆け出すとWii Fit トレーナーが告げた


「ネス、リュカ、むらびとも彼女達と共に城へ」

「え!?」

「どのような状況であれ、どちらかに戦力を偏らせてはいけません。念の為です」

「・・・わかった!」

「皆!彩花の事・・・頼んだわよ・・・っ!」




ピーチの叫び声にファイター達は頷くと駆け出した




「嘘だろ・・・」




誰もが信じられず、無事でいてほしいと縋る思いで走っていた。あまりの衝撃に誰もが声を

発することはなく、これまで何度も不戦力扱いしていたとはいえある事件をきっかけに彼女の

強さをその身をもって思い知らされた。少なくともこんな事態になると想像できなかったのだ





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次回

ロイの後を追いかけるファイター達だったがそこに彩花の姿はなく、絶壁とも呼べる谷

の前にやってくる。未だ混乱は収まっていない事にスネークは町に戻る事を提案する

が諦めきれないファイターたちは一部を残し探し続ける一同に望みを賭けるのだった



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