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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第22話、多彩な想い

原因を突き止め侵攻を防いだ翔太達。しかし一方校舎では廊下で倒れた彩花

を見つけ、やがてそれは翔太達の耳にも入るのだった。彩花の一部というアク

アから衝撃の理由を聞いた翔太達は目覚めさせる方法を探そうとするが……
___________________________________


「……探そうよ」

静寂の部屋の中、発された沙織の一言に翔太達は沙織に集中する。

そしてこれまで興味を示さなかったアクアも彼女の方を向いた


「方法があるかもしれないなら……!」

「貴様、正気か?本来これを見越して起したこと。禁術にも等しい力を使った
 ものの末路はお前だってそれなりに想像はつくだろう?助かる方法など」

「……でも……。……このままなんて諦められないよ」

「……」

「努力もしないで諦めるなんて出来ない。彩花が決死の覚悟でここを
 守ったなら、私も危険を冒してでもその方法を見つけてみせるよ……!」

「!」


やがて、緋香琉とクロスが現れ、改めて沙織は意思を告げた


「どんなに可能性が低くて危険でも」

「沙織、お前……」


その後日、図書室に沙織は訪れていた。数多く並ぶ書物を眺めていく。

列を変え何度も何度も無数にある中から一冊を取り出しては捲っていく。

更に数日が経ち、日を重ねど状況が悪化することはなかったが良くなる

こともなかった。そんなある日啓はある人物を連れ保健室に現れる

「こちらです」

啓に続いてベッドの前に歩み出たのは彩花の父、博だった。彼は目を

閉じたまま動かない姿を見て立ち止まるとそのまま眺めていた


「……申し訳ございません。私がついていながらこのような事に……」

「謝らないで」

俯いたままそう謝罪した彼に対し博は穏やかなままそう告げた

「これは彩花が選んで決めた結果なのだろう?」

「……」

「だとするなら、誰かを責めるようなことじゃない。仕方のないことなんだ」

「し、しかし……このまま方法が見つからなければ一生目覚めぬまま……」


時刻は夕方を過ぎ間もなく辺りも暗くなるだろう。そんな中、部活を終え保健室

に近づいた翔太は扉に手を伸ばしたところで話し声が聞こえ手を止めた。聞き

覚えのない声が聞こえ手を伸ばし僅かに扉を開くと啓と見慣れぬ男性がいた

(北条と……誰だ?)

見覚えのない姿に翔太は疑問に思う。中年程の男性と北条は会話を続け


「啓君、君にある話をしよう」

「……」

「母……英理の事は知っているだろう?私達は不便を起こさないようにつ
 い最近まで英理の事は話さないようにしていたんだ。幼い頃、あんなこと
 もあったからこそそれからは彩花の意見を尊重するようにしていたんだ」

そんな中、彼はある状況にある彩花と偶然再会する

「実は英理も昔、今の彩花に近い年頃の頃、同じような経験をしたそうだ。それ
 から彼女はあの道を進み始めたのだという。……不思議なものだな。あの時
 は英理の事は知らないはずなのに、自然と同じ道を辿っていたのだから」


北条はただ静かに彼の話を聞いており、そんな中ふと男性は笑みを浮かべた

「買い物にすら一人で行けなかったあの彩花が、色んな事を自分で選び、動
 いた事が何よりも嬉しくてね。たとえ危険でも、命に関わってもその意思を
 尊重したいと思ってるんだ。親としては、間違ってるかもしれないけれどね」

「そんなことは……」

「だから、今回の事も誰かを責めたりする気はないよ。だから君も、
 自分を責めたり悔やむんじゃなくて、彩花の覚悟を汲んで欲しい」

(……)

完全に入るタイミングを見失い、翔太は話を聞きながら何かを思う


「そうだ啓君、学校での様子を教えてくれないか?」

「え?」

「あまり帰ってこられないからね。君から見てどうだい?」

「それは……」

「連絡がないということは、あのようなことはないようだけど」

(……!)

「……えぇ。毎日、ご友人と過ごされております。それぞれ趣味趣向は異
 なるようですが、毎日楽しそうですよ。他には生徒会に所属され尽力さ
 れています。先輩方も親切で友好的なようで、問題なく過ごされていると」

「……彩花が?」


驚いたように呟くが、直後彼は笑って告げる

「そりゃいいことを聞いた。あの彩花が生徒会とはまたどういう?」

「この学校は三つの生徒会に分かれており、お嬢様は第三生徒会に属され
 ています。主な活動は大々的な催しでの後方支援など活動は表に出にくく、
 だから第一生徒会長の誘いを受けたと思われます。あぁ、第三生徒会は
 選挙で選ばれるのではなく、第一生徒会の推薦により権限を得るのです」

「なるほどなるほど」

「一年でありながらポケモンを扱えるのが評価されたのだと考えられます」

「……」
ふと啓は笑みを浮かべ

「色んな事がありましたが、どれもお嬢様にとって大きな経験をもたらした
 と思います。私も、半年以上お仕えして……彼女の人柄に触れました」

それは自分にとってもとても有意義なものだったと啓は話した

「ということは、君の事を受け入れたのかい?」

「それはまだ分かりません。ですが、私は彼女にお仕えできたことを誇り
 に思います。彼女という人を知り、彼女の生きて来た世界を見て……」


やがて、進展があれば連絡するように約束した後保健室から男性は去って

いく。その姿を扉から見送っていた啓は人気のない廊下に向かって告げた


「そこにいるのはわかってますよ」

「……バレてたか」

諦めたように息を吐き啓の前に姿を現すと

「私を誰だとお思いで?特別な訓練を受けていない人の気配を察知す
 るなど容易いことです。……貴方なら隠れる必要もなかったでしょうに」

「何か真面目な話をしてたから出ていくタイミングを見失っただけだ」

やがて保健室の中に入ると啓はあの男性について話した


「彼女はお嬢様のお父上ですよ」

「なんとなくそんな感じはしてたけどやっぱりそうだったか」

ふと翔太はベッドの方を見ると

「やっぱり寝たままなのか。もしかしたら、と思ったんだけどな」

「念の為に都内の大病院に入院することになりました」

「そうか」


しばらくの間が空き、互いが言葉に詰まっているとやがて啓が口を開く

「……ありがとうございます」

「え?」

「お嬢様を気にかけて下さって。私からお礼を言わせてください」

「な、そんな俺は別に……」
俯き、手を握る力が強くなると悔しさを滲ませた声で翔太は呟いた

「……お礼を言うのはこっちの方だ」

「……え?」

「きっと北条が来たからこいつは変われたんだ。お前が心からこいつを
 気にかけていたから。だから……お礼を言うべきなのは俺の方なんだ」




「……悔しいな。あの日から、あいつは俺が元に、あの時のように戻すって
 決めてたのに。俺の行動は全部空回って、逆に傷を抉っただけで。結局
 俺じゃない別の人達があいつを変えていってさ、俺は何もできなかった」

「……」

当時あいつに何があって、どうなったのかを知っているから全てを知って

いる俺が一番変えられると思っていた。あの日あいつが俺達の前から消え

て、その罪の重さを知った時からずっと俺が元に戻さないとと思ってた


「けどある日気づいちまったんだ。ある時昔のように生き生きとした彩花の姿
 を。自分ではない誰かがそれを引き起こした事を。……実はここより前で俺
 達は偶然再会したことがあるんだ。その時も、まだあの面影はあれど……」

「……」

「どう足掻いても、勝てないと思った。俺とそいつは何もかもが違
 う。そしてここでもあいつは、多くの出来事の中で変わろうとした」


それがどんなに勇気のいる事か、経験のない自分でもそれなりに想像は

つく。同時にあの時受けた傷の深さを。そして北条や鈴木に出会い変わり

たいと、変わる為に白桜律や霧島、六本木なんか関わらなくても構わない

奴らとも関わろうとした。自ら変わる為の道を開き始めた


「俺なんて、いてもいなくても変わらなかったんじゃないかな」

「……」

「きっと俺がいなくても、俺がどうにかしようとしなくてもこうなっていたんだ」

「上田さん……」

「俺がいなくても、きっとお前や六本木、鈴木がいればあいつは……」

「それは違うよ」


その時、別の声が聞こえた。その声に二人が扉の方へ振り向けばそこには

夕暮れにも関わらず六本木の姿があり二人は驚いたように彼を見つめていた。

そんな彼らに動じることもなく六本木は室内に入ると近づきながら告げる


「君は大きな勘違いをしているよ」

「六本木さん、貴方もお嬢様の様子を……?」

「うん、まあそれもあるけどね」
やがて二人の前で立ち止まると目を開いた翔太の問いに答えていく

「勘違い?何を……?」

「君は、僕や北条君が彼女を変えたと思ってるだろうけど、それは少
 し……いや、かなり違うかな。もちろん、君も大いに影響してるよ」

「えっ……?」

「人はね、一度染みついた考えや性格は簡単には変えられないんだ。もし
 それが変わるとするのなら、それは少しずつ、ゆっくり変わっていくんだ」

昔の彼女を知る君から見たら彼女は一気に変わったように見えるだろう。

共にいた期間に間が空いたのなら、尚更それは突然起きたように見える。

六本木の言葉に呆然としていると隣にいた啓も笑みを浮かべ話し始めた


「そうです。確かに私が現れた事により、お嬢様の環境は大きく変化した
 かもしれません。ですが私が彼女に出来たことはほんの僅かなのです」

「……」

「私も、いつも魔物の襲撃に慣れた様子で対処できる貴方を、私より遥
 かに近い距離にいる貴方を羨ましく思っていた事が何度もあります」

「皆そうなんだ。誰が、とかじゃなくて、それぞれが見えないところで彼女は
 経験し、感じた事があるから変わっていく。そしてそれを突然目にするんだ」


だから、と六本木は続けて言葉を発した。その言葉は翔太に衝撃を与える


「だから、強いて言うなら彼女を変えたのは北条君であり、君なんだ」

「!!」

「きっと他にも僕達の知らない誰かが彼女に影響を与えたのかもしれない。
 あるいはそんな人たちや、僕達の影響が積み重なってやっと変わり始めた
 のかもしれないね。そしてこれからも、僕達も含め人は変わっていくんだ」


彼の言葉はそれまで翔太の中にあった考えを薙ぎ払った。疎みも、悩みも、

勝手な思い込みと。自分は何も出来ていないと思い込んでいただけだった

と気づかされる。そして六本木は笑みを浮かべながら


「僕だってそうだよ。偶然出会った人、訪れた人、また仲間達……。
 色んな人と出会い関わることで学び、多くの事に気づかされたんだ」

「そう、か……」

そう答えると翔太は思い返す。この十年近く生きて来た自分の記憶を。

思い返せば思い返す程、彼の言っている言葉の意味を理解していく


(言われてみれば俺もそうだ。俺もあいつの知らないところで色んな事を
 思って。出会った人がいて、起きた出来事があって……影響を受けて)

「人間だからね。人は人のなにもかも知りたいと思いがちだよね。それ
 が特別な人なら尚更。けど、全てを知ろうなんて到底不可能なんだよ」
さっきまで力んでいた力が抜け、脳内は別の方向に向き始めていた

(なら、俺はどうすればいいんだ)


これまで信じていたものが覆され、どうすればいいのか分からなくなっていた





「君は……」

沙織が外から帰った時、リビングにある姿があった。間もなく椅子

に座ると目の前にいる少女、アクアの姿を見て沙織は呟いた。


「アクアは恨みや憎しみ……だっけ」

「言うならば『冷酷』……」

翔太曰く彼女は言葉が冷たく鋭利。傷つく事を何度も言われ挙句の果て

には攻撃すら受けた。それを彼女自身も理解しており、今言及したのが

全て。そんな事を考えていると彼女が再び言葉を発したことに気づく


「貴様……」

「えっ、何?」

「俺はずっと奴の中にいた。これまでの行動や言動を見る限り人当
 たりもいい…。俺が嫌いな分類だ。だが……なんだこの変な感じは」
「?」

「貴様からは、無に近いものを感じる」

「あぁ」

理解したように沙織は告げた

「あまり執着しないようにしてるからじゃないかな。彩花にもドライって言わ
 れたけど。他人の過去とか、執着するのは馬鹿らしいって思うんだよね」

「……」

「だって別れて、もう会わなければそこまでだし」


ピクリと眉を動かすが言葉には表さず、沙織は言葉を続けた


「意外だった?」

「今回の件に、他のものと同じように悲しんでいるように見えたからな」

「悲しいって言うかこんな事初めてで、あまりの衝撃に脳が追いつかなか
 ったって感じ?何日も経って、やっと状況を今受け入れられたみたいな」

この部屋に沙織とアクア以外はおらず、今日は両親も帰ってこないため

時間を気にする必要は無いと沙織は告げた。アクアは無言で聞いていたが

「こんなことになるなんて、ねえ」

「……」

「でも、やっぱり変わった出会い方をして、こうして仲良くしてたんだから情
 も湧くよね。あの時も…彩花の気持ちに共感出来たから、あぁなった訳だし」

「……」

「あの人達、この事知ったら悲しむだろうなあ」

「どうでもいいな」
沙織の言葉に短く言い捨てる

「そもそも、このまま二度と会わないかもしれんのだからな」

「それはあそこは再結成されないって事?それとも……彩花は、助から
 ないかもしれないって事?それでも、もし再会したらあの人達は……」

疑問に答えることはなく、アクアは沈黙を貫いた。それを見かねた沙織は

「まあそれはいいや。私、今は君の事が気になるなあ。性格
 が分かれたなんて、理屈は分かったけど摩訶不思議だね?」

「ただの呪いの一種だ」

「元凶を倒して、戻るはずだったけど、再び分かれてしまった。…多分、
 彩花の感情の強さがそれを引き起こしたんだろうけど中々ない事だよ」

「……」


しばらく間を起き、アクアの言葉にそれまで楽観的だった沙織の表情は変わる

「望みは皆無、そう思っておけ」

「!…どうして?私達は絶対に彩花を助けるよ?それがどんなに危険でも」

「……たとえ方法を見つけて、成し遂げたとしても最終的には奴の『意思』
 が無ければ目覚めることは無い。『戻りたい』……という強い意思がな」


これまで幾度となく苦しいこと、悲しい事があったからこそ、そう思うかどうかは

分からない。仮に思ったとしても、型にはめただけのものでは話にならないだろう


「良き思い出と悪しき記憶…。その両方を天秤にかけ、良き思い出が引き下がらなければ努力は意味がないだろう」
「そんな……」
「当然未来は不確定要素。どう転ぶかわからん中過去がある以上完全なる希望など簡単に持てるものか。人間なら誰でも理解できるだろう」

(あの人達がいてくれたら……)


それから数日後の事、翔太はある教室に呼ばれた。空き教室として滅

多に使わない場だが、中に入った瞬間緋香琉とクロスの姿が目に入った


「上田」

「赤井にクロス。お前らも呼ばれたのか。ってことは……」

「共通点から思い当たるのは……一つだな」
そしてしばらく後、沙織が現れ保健医がやってくると保健医の先生は一同に向かってこう告げた

「呼び出してごめんなさいね」

「いえ。それより俺達が呼ばれたって事は……」

「ええ。可能性が見つかったわ」

「!」

彼女の言葉に、一同は血相を変える

「本当か!?」

「えぇ。都内にある大学病院があって、その大学では海外からあらゆる
 薬剤を集め研究してるの。問い合せた所、例の薬も置いてあるそうよ」

「や、やった!!」

場所を聞いた瞬間、沙織は表情を変える

「……そこ、色んな噂が飛び交ってるから一筋縄じゃいかないかもね」

「ん?沙織?どうかしたか?」

「多分先生が言ってるのは、大学の中にある薬物研究科……ええと、学部
 として存在してる訳じゃなくて、一種の研究機関って見た方がいいかも」

土地と設備の揃いからそこに構えてはいるけれど、そこに関わる人

の殆どは外国人で、日本人もいるがごく僅からしい。更に沙織は続け


「噂として聞いただけだから、本当かどうかはわからないけど、
 機密情報を守る為に危ない人達を雇ってるとかなんとか……」

「えっ!?」

「一部の学校で取り入れてる騎士学生…みたいなものだとは思うけど」

「これまで多くの発見をして結果を残して来たのも事実よ。とても有名だけ
 ど、研究者も滅多に表に出ないからこそそこに関する噂は絶えないわね」

「……」

沙織と保健医が会話していると、翔太は考え込んだ。話だけ聞いていれ

ばただでは済まない可能性もある。だけどこれまでも、自分は何度か危険な

目にあってきた。そして今回はこれまでと代えられない理由が関わっている


(例え危険でも、戦わなければ人々が、世界が傷つく事になるから。だから成し
 遂げられてきた。それに比べたら人一人の命は大したものじゃない。けど……)



同時刻、別の場ではコーヒーカップから湯気が立ち込める中、

六本木はあの時のことを思い返していた

『だから、彼女を変えたのは北条君であり、君なんだ』

「人って、自分が与えてる影響に気づかないよね」

「六本木さん?急にどうしたのですか?」
月島に尋ねられると言葉を続けた

「ちゃんと助けられてるのに、悪い方にばっかり目がいっちゃうんだ
 よね。特に日本人はその傾向にあるけどなんでだろう……と思って」

「そうですね。自分の事は自分がよくわかる、とは言いますがついつい周
 りの事ばかり目に入ってしまうからではないでしょうか。特に古来より
 目上を立てる文化が定着していましたからその影響も大きいのでは?」

「周りばかりが優秀に見える……」
コーヒーカップを置くと都庁が告げる

「自分がきちんと成果を出せていることに気づいていない人は多い。だか
 ら私達が気づかせる必要がある。言葉で。その為に私達はいるのだから」

「そうですよね」

「それを受けいられない人もいるが、いつかその時は来る」


「……俺、行きます」
静寂の中、教室に声が響いた

「俺が薬を貰いに行きます」

「え、上田くん?」

「気持ちはわかるけれど…」

歯切れの悪いクロスの言葉の後、翔太は意を決し迷いなき瞳で言葉を発する

「危険でも、可能性があるなら行きます。可能性があるのに、本当かど
 うか分からない噂に臆して何もしないなんて、きっと後悔するから」

「ふふん、私も着いていくよ♪」

振り返ると、楽しげに沙織が告げる

「危険と聞き燃えるのが冒険者の性。スリルもピンチも、全部私の人生な
 んだから楽しまなくちゃね。最悪、私の魔法もきっと役に立つだろうし?」

「沙織?!なんか違くないか!?」

「というか冒険者って、これはそんな話じゃ……。まさか緋香琉じゃない人
 にツッコミを入れる時が来るなんて。沙織って少し緋香琉に似てるわよね」

焦るように言うクロスに対して、沙織は笑った後、いつもと変わらぬ口調で答えた

「仮にも一緒に世界を救った仲だからね。ここで終わらせるのは勿体
 ないなー。彩花といれば、これからも面白い事沢山起きそうだし」

「う、うーん」

「私は『友達だから』とか薄っぺらい理由付けなんてしないよ?真の友
 達と名乗るには、まだ日が浅いだろうしね。なんて真面目な理由私に
 は似合わないか。やっぱり面白そうっていうのが正直な理由かな?」

「わ、私も行くぞ!」
沙織の言葉に違和感を感じながらも緋香琉は立ち上がると叫んだ

「友達だし、このまま放っておけるもんか!今度は、私が彩花を助ける時なんだ!」

「……」

沙織と緋香琉の言葉を聞いていたクロスは、何も言わずに考え込み俯いていた

「クロスも行くだろ?仮にも昔一緒に戦った仲だろ!?」

「……うん。けど危険と言われる以上、簡単に判断できるものじゃないわ。
 あの時のように、何が起きるかわからない以上軽い気持ちでは臨めない」

「……」

「私も緋香琉達に比べたら一緒にいた時も短くて、知らない事も多い」


だけど、同じ人に選ばれて、一緒に戦って世界を守って、こうしてまた同じ場所

で色々な事をした。些細なことでも、どれも私にとっては輝いて大切な思い出


「また、皆で色んな事をしたいから。……私も行くわ。彩花に、また会いたいから」

「そうこなくっちゃ!」

「皆……」

そんな様子を、翔太は驚くように見つめていた。後日、四人は病院に顔

を出してからあの場に向かうことに決めていた。病室には啓の姿もあり


「皆さん、よろしくお願いします」

「任せとけ!絶対薬を貰ってくるからな!」

「緋香琉、もう少し小さな声で」


クロスに注意され緋香琉はしまったという表情になる。今も変わらず眠る

人物の前で、彼らの意思は更に固いものとなる。そして、頑なな意思を胸

に彼女へ背を向け病室を後にした。啓はそんな背中を見つめていた



=====================================

次回

大学にたどり着いた翔太達。いたって普通の白衣の男性に連れられ研究

室にやってくると、彼は薬を渡す代わりにある条件を持ち掛ける。翔太達は

それを受け、これまでの出来事で培った力や能力を発揮していくのだった


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