INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第9話、絶望の淵

魔道書を買いに出た彩花とリリーナは用事を済ませ戻ろうとした時彩花は『黒き炎』の

一員がいる事を知る。リリーナもロイに代わり町を守る義務があると追いかけるがそこ

である姿と遭遇することになるのだった。圧倒的だった彩花の違和感に気づくが・・・
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「でも・・・久々に面白いものを見つけたんだもの。少し・・・遊ぼう?」




にっこりと笑うと少女は一歩前に出た。それと同時に半歩前に出ていた彩花はリリーナ

に並ぶように半歩下がる。表情に曇りが見えリリーナはずっと違和感を感じ続けていた


「こんな犯罪者みたいなこと・・・許されると思ってるの?」

「何の話?」

「正義の味方でも、町を襲ったり罪のない人の命を奪って正義なんてあるもんか!」

「随分と、生意気に口を聞くようになったのね」

「!」




さっきまで響いていた音は無音に近くなり。地面に落ちる金属音が響くと数人が建物

内から逃げ出していく。この地はフェレの兵達とファイター達によって制圧されていた

一同はこの地でのリーダーかと思われる数人を拘束するとあらゆることを聞き出していた



「何が目的だ?」

「・・・言ったところであんたらには理解できないだろうさ」

「『黒き炎』とは、何をしようとしている?」




強く、真の通った声でロイが尋ねると男は苦笑いしながら答えた




「頭ん中花畑なお前らに教えてやるよ。俺達は、世界を平和にしようとしているんだ」

「なん・・・だって?」

「お前らは知らないだろ?見えないところで苦しんでる人が山ほどいる事を」




自分たちもその一人だと男は告げる。それを変えるためにこの組織は存在すると




「町や城を襲っておいて何が平和だ!」

「見えることだけ見てるあんたらにはわからないだろうな。中にはあんたらがいなくなることに
 よって幸せになれるやつがいるって事を。あんたらのせいで苦しんでる奴がいるって事を」

「どういう・・・事?」

「それだけじゃない。この世界自体が俺らを、皆を苦しめている!
 だから我々が変えるのだ!誰もが幸せになれる、理想郷を!」



男は高らかに叫ぶ。同じく捕まっていた者たちもその声に続くように叫び声を上げた



「この世界は腐っている!」

「絶望に満ちている!」

「我々が作るのだ!理想の世界を!」




乾いた空気が流れ、青い空に鳥達が飛ぶ中空間中に叫び声は聞こえた






「やめて!!」




叫び声の先には倒れた少女の姿が。先程まで傷一つ、埃ひとつ付いていな

かったのに今は全身が砂によって汚れ、整っていた髪は無残にも崩れていた


「なんで・・・こんなこと・・・!」

「折角『オモチャ』を見つけたんだから、久々に遊びたくなったのよ」

「っ!」

「おもちゃ・・・?」


ぐしゃりと背中が踏まれると立ちあがろうと力を入れる少女は歯を食いしばっていた


「・・・っ・・・ペイン・・・」

「今、何か言った?」




質問に答える事はなく、3人は笑みを浮かべながら彼女をボールのように蹴り始める

鈍く質量を感じさせる音が鳴り響き、リリーナは動く事も出来ず前を見ていた。3人の

少女は黒い笑みを浮かべており思わず背筋が凍りつくような感覚に襲われる





「ロイ様、ご報告が!」

「どうした?」


一時終結し息をはいていたファイター達の元に慌ただしい声が飛びこんできた


「フェレの町に『黒き炎』が現れたとの報告が!」

「はあ!?」


言葉を聞いて真っ先にファルコンが言葉を発する。誰もが驚いたように反応すると


「ええっ!?さっき追い出したよね!?」

「それが・・・ここにいたのとは別の一員のようで・・・」

「・・・マスター曰く各地に拠点はあると言っていたな?ここもそうとう古く廃墟同然
 だったしそう重要な場ではなかったんだろう。あえて言えば夜を明かす程度の」



数はそこまで多くはなく、今のところ甚大な被害は出てないと兵士は告げる



「ですが・・・一つ気がかりな事が」

「・・・?何だ?」

「リリーナ様と彩花様が・・・町に出ていたとの報告もあり・・・」

「なっ!?」


その言葉で、再びファイター達は大声を上げる


「はああああああ!?」

「リリーナってロイの幼馴染の・・・しかも彩花と!?」

「どういうことなの!?」


次々とファイター達が問い詰めると兵士は焦ったように言葉を発した


「く・・・詳しいことは未だ分からず・・・急いでお戻りください!」

「チッ・・・悪運にもほどがあんだろ!」

「現在兵達とピーチ様達が探しておられますとのことで・・・」

「急いで戻ろう!皆、大至急出発の準備を!」


スターシップなどの乗物がない以上移動手段は自らの足のみ。その時ピットの

脳内に声が響いた。同時にファイター達の脳内にも聞き覚えのある声が響く



『ピット』

「パルテナ様!」

『皆、急いで戻ってきてくれ』

「マスター!どういうことなの!?」


走りながら叫んだロイに対してマスターハンドは少し籠った声で発した


『・・・魔道書を買いに行くとピーチ達に告げ彩花が出て行ったそうなの
 だが・・・それを見かけたリリーナがついて行くと共に行ったそうなのだ』

「魔道書を・・・?」

「えっ報告を受けて出て行ったとかじゃなくて!?」

「お、お前ら・・・走りながらよく会話できるな・・・」


一同に緊迫した空気が流れる。ファイター達の質問に対しマスターハンドはそうだと頷いた


『交戦の報告はなく巡回をしていた兵士から通達が来たのだ』

『今町は混乱状態にある。よって俺達が迎えに行く事は出来ねえ』

『ピットは飛翔の奇跡で向かいなさい。いくらかは短縮できるはずです』

「わかりました!」



威勢のいい返事が変えると突如ピットの羽が輝きだす。空中に上がったピットは

目にもとまらぬ速さで空中へと飛んでいきあっという間にその姿は見えなくなった



「ポケトレもリザードンで・・・」

「でも、混乱状態にあるのならリザードンを見たらますます混乱するんじゃ・・・」

「確かに、竜にも見えるしな」

「ああああもう!こういう時に常識の違いって困るなー!」


冷静に見えるルカリオの声と叫び散らすピカチュウの声がこだまする中願う事はただ一つ






(二人とも・・・無事でいて・・・!)





フェレ城から下町までは近く、またファイター達が向かっていた所から下町までもそこまで

の距離はない。よって時間はそこまでかからず数十分後ファイター達はある姿を見つける


「ピーチ、ゼルダ!」

「ロイ!」

「ロイ様!」


ファイター達が叫んだ先にはピーチ、ゼルダとピット、数人の兵達の姿があった


「彩花とリリーナは!?」

「まだ見つかっていないわ!」

「一体どこに・・・!?」


ただただ焦りが募っておりファイター達も不安の声を漏らすとフォックスが尋ねる


「・・・黒き炎の奴らは?」

「町中に姿を現したと報告の後郊外でも報告が・・・」

「報告です!商人が黒き炎に襲われたそうですが魔道士によって助けられたとのこと!」

「「!」」



ファイター達の脳内に何かが過る



「その魔道士って・・・まさか・・・」

「逃亡した組織員を追って町の外に出て行ったそうです!」

「・・・おそらくそうだろ」

「くっ・・・リリーナ達が行った方向へ急ごう!」


鈍い音が鳴り響き、体中に擦り傷や切り傷ができ血が滲んでいた。ただただその場は

見るに堪えない場となっており魔道書を握る力が強まったリリーナは足を進めようとする


「動くな!!」

「!!」




苦し紛れに聞こえた絞り出したような声。聞いたこともない彩花の声に思わずビクッと反応する




「その中にいれば怪我をすることはない!その中はあんぜ・・・ぐっ」

「まだそんな力があったんだ」


一蹴りが入ると少女とは言い難い鈍く短い声が発された


「なんで・・・なんで・・・」

「なんかむかついてきた。あんたなんかが、お偉い人と一緒にいるなんて」

「うぐっ」

「ねえなんで?一体どんな手を使ったらお嬢様と仲良くなんてなれるの?」

「がっ」



もはや動くことすらままならなさそうに見えるのに攻撃は止まらない。一員を倒した時の

ような余裕はどこにもなく全てがボロボロの状態だった。目を瞑るとうっすらと涙が滲む

反射的に風景を見ないようにしても聞こえるのは鈍い音とうごめくような声に再び叫んだ




「やめて!もう・・・やめて!」

「・・・随分な御身分ね?貴族様に心配されるなんて」

「許せない。あんただけ・・・幸せになるなんて。おかしい」



何度も聞こえていた叫び声は次第に遠く聞こえ距離が遠ざかって行くように聞こ

えた。離れて行くのかと思いきや自分の意識が遠くなっているのだと次第に気づく




「・・・・・・」




油断すれば意識が飛びそうだ。だけど気絶すればネールの力は保てない。そうすれば彼女

を守るものはなにもなくなり危険は彼女に向かうだろう。それだけは避けなければならない




「リリーナ・・・逃げ・・・て!」

「できない!貴方を置いて逃げるなんて・・・!」

「ネールの力はもう持たない!今のうちに・・・うぐっ」

「!」



再び痛々しい声が聞こえ目を開くと今もなお彼女は蹴られ続けている。思考が回らない

中今までの言動と今の言葉と行動にリリーナは理解できず疑問を感じざるを得なかった




(なんで・・・どうして?)




嫌われていたと思っていたのに。そこまでする理由が分からなかった




(嫌いなはずなのに・・・なんで私を助けるような事・・・自分を・・・盾にしてまで・・・)




そこでリリーナは薄々気づきはじめていた。彼女は似ていると




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次回

2人の事に気づいたファイター達は祈るような気持ちで2人が追いかけて行ったという

方向へと走りだす。一方ファイター達の祈りは叶わず絶望的状況にいたリリーナは彩花

の言葉に従うことなく留まっていた。そして彼女達の手はリリーナに迫り・・・


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