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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第17話、焔

問いかけられた理由を考える後、彩花はある思考にたどり着く。そして

本人は気づかず、数年前に比べ激的な変化をし始めていた。ある日

池袋に魔物が現れ、朱里がいると聞いた彩花は喫茶店を後にする……
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上空。ポケモンに乗っていた彩花はノートパソコンの画面に映った地図

で現在地を確認していた。やがて目的地周辺に来ると地上に降りボール

に戻した。信号だけが動く中道路には車が置き捨てられ立ち並んでいた


(皆は地下に避難してるはず)


視界に映った魔物を倒しながら、駅周辺にある中で一番大きな地下へ

の入口を探す。そして人気のない歩道を走り回っていると声が聞こえた



「神月ちゃん!?」

「朱里ちゃん!!」


姿を見つけ駆け寄ると彼女は驚いた様子で彩花を見つめていた


「大丈夫?」

「う、うん。だけど、どうしてここに……」


そう問いかけた直後、別の場所から更なる声が聞こえた


「神月さん、渋谷さん!」

「六本木さん!?」


再び朱里が驚きの声を上げると同時に蠢く声が聞こえ魔物が現れる。

その姿に朱里と六本木が立ち止まっていると彩花は朱里の手を引く



「こっち!」



手を引きながら駆け出すと朱里もつられて走り出す。それに続いて

六本木も駆け出すと後を追った。土地勘に疎い為、ひたすら魔物が

おらず目に入った方向へと走っていく。やがて足を止めると



「はぁ、はぁ……」

「はぁ……逃げ切った……?」


息を切らせながら朱里は腕を握っていた彩花に問いかけた



「よく動けたね。私、動けなかったのに」

「はぁ、はぁ……」


道路に止まっていたトラックの陰に隠れるように身を潜め



「はっ、はぁ……。それは……」



その直後、どこからか音が聞こえた。一瞬魔物かと思うが場所を探す

為に耳を澄ませると音のする方へ向く。ここからでは何も見えず姿を

確認できないが、それは継続的に物音が聞こえて来た


「少しここにいて」

「え……」


彩花は立ち上がりトラックから離れていくと、やがて建物がずれ

視界が変わっていく。そして数メートル歩くとその正体が見えた


「……!」


立ち止まり一点を見る姿に、六本木も隣に並ぶと呟いた



「あれは……上田君に、鈴木さん……?」


二人の視線の先には刀を持って魔物と攻防戦を繰り広げる翔太と

魔法を唱えて応戦するl沙織の姿があった。彩花達と同じく制服姿

であの横顔は見間違えるはずがない。唖然とする二人に対し


「知り合い……なの?」

「あぁ、うん。僕たちのクラスメイトなんだけど……」


力なく答えた六本木に続き朱里は彼らと同じ方を再び向く。ドラマの

ような、フィクションのような光景に言葉は出ず、それを眺めていた



「……」

「どうかした?」


一方、魔物を相手にしていた沙織はふいに翔太がどこかに視線を向け

ている事に気づく。目の前に魔物はまあいるというのに疑問を感じ、その

理由はすぐに分かることになる。彼が向いている方を見ると崩れた瓦礫

の隙間から自分たちの姿を見ている三人の姿があった


「人……?」

「彩花に、六本木?」

「え……。あ、本当だ、彩花に……」



「彼女たちもここに来てたんだね」

「運がいいのか悪いのか。まあ、不幸中の幸いってやつ?」

「え?あの人達、なんであんなものを持って……?」


混乱した朱里の声に六本木も自分自身を落ち着かせるように


「学校でも度々魔物が現れて、彼らにそういう力を持っていること
 は知っていたけれど……。彼らが足止めしてるうちに避難しよう」

「え?でも……」

「大丈夫、二人はとても強いから。今のうちに地下に」

「う、うん……!」

「……っ!?」


そう二人が話していた瞬間、周辺に再び魔物が現れると三人に気づく


「いつの間に……?!」

「避難通路への入口は……ダメ。道を化け物が塞いでる!」

「そんな……」

「……」


やがて、魔物の視線から二人を隠すように手を広げると


「下手に動かない方がいい」

「え……」

「来る……っ!」


目を光らせ、数体の魔物が向かってくると朱里は目を閉じた。だが

目を閉じた瞬間近くから意味の分からない言語を叫ぶ声が聞こえた



「ネール!」



六本木も引き裂かれる覚悟を決めた時、突撃して来た魔物は突如自分

たちの周りを囲む青い壁によって弾かれた。突然の事に目を見開き


「……!?」

「……っ」


不思議な現象に驚くが、目の前にいる彩花の叫び声が聞こえ、それ

は現れた。よってそれは彼女が発動したものだと推測される。再び魔

物は数体の群れを成して壁を破壊しようと突進するが微動だにしない


(もし変わったとしても、その時はその時だよね)


心の中でそう呟くと、彩花は目の前に蔓延る魔物を見上げた


「……」

「えっ、なに、今の……?」

「二人とも、この場から動かないで」

「え……」


そう告げた直後、二人が唖然とする前で手を開き前に突き出すと目を

閉じた。原理も真理もない光は手のひらの上に集まり、意思と共鳴して

魔を断つ刃は形を成す。やがて形が露わになった剣を彩花は握る



「……!」


沙織と翔太もまた、彩花の取った行動に驚いていた


「あいつ……」

「彩花、あの力を……」

「……行くよっ!」



端的に叫ぶと彩花は魔物に向かって駆け出した。青い膜から身体が

外に飛び出し、中にいた六本木と朱里はそれを眺めていることしかで

きない。徐々に魔物と彩花の距離が近づいていく、そして……あと数歩

まで距離を詰めた時、彩花は剣を構え魔物へと振り切った


「……」

「……よそ見してる暇は、ないみたいだよ?」


そう告げた沙織に習い辺りを見渡すと、今だ自分たちを囲む影


「さっさと倒して合流しようか」

「そうだな。こんなところで、負けていられないからな……っ!」



やがて、刀がその場から消えていくと翔太は呟いた


「終わった……っぽいな」

「うん……」


辺りを見渡しながら呟くと、二人は彩花のいる方向を向いた



「あれだけ、他の人に力を晒すのを嫌っていたのに……」

「なんであいつがここにいるのかは謎だが、そうせざるを得ない状
 況だった。もっと、俺が俊敏に動けていればこんなことには……」

「……気持ちは分かるけど、不可能なことを言っても仕方ないと思うけ
 ど?けど、彩花が六本木君といるのは不思議だね、学校外まで……。
 それに、あの子は誰だろう?見たところ桜丘の制服じゃないけど……」


やがて、沙織は


「……。わざわざ戦わなくても、やりようはあったんじゃない?」

「へ……?」

「彩花には自慢のポケモンがいるはずだよ?」

「そう言えば……」

「流石に彩花ともあれば、そんな事考える余裕くらいあるあろうし」






「……」


轟々とした声は消え、掻き消えた黒い影に彩花は剣を振り下ろした



「神月さん、それは……」


六本木は外に出てそれに続き朱里も青い壁から出ると壁は消えていっ

た。それに振り返るが、視線を戻すと彼女の元へ近づく。その間には

包丁や時代劇で見る刀のように光が反射し輝く刃


「……」


その声は驚きと、動揺を含んでいた。それに対し彩花は振り返る


「……」

「……まさか、神月さんも、彼らと同じ……?」

「私は……。少し違うけど、似たようなものかな」

「……」

「ごめんね。私、普通の人じゃないんだ」



駆け出そうとした翔太は途中まで近づき、その足を止めた


(どう思っただろうか)


怖いって思ったのかな。何もおかしなことじゃない。それが普通


「……そうだったんだ」

「やっぱり、私には関わらない方がいいと思う。きっとろくな事が起
 こらないよ。……まあ、もうこんな人とは関わりたくないだろうけど」

「……そんな事ないよ」



その声に、彩花は顔を上げた


「驚いたけど……。助けてくれて、ありがとう」

「……!」

「あ、ありがとう!私もビックリしちゃったけど、凄くかっこよかった!」



二人の言葉、それは想定外なもので彩花は目を丸くした


「……」

「……え、何?僕、何かおかしなことを言ったかな?」

「だ、だって……」

「ね、私の言った通りでしょ?」


その時、声が聞こえると沙織が近くにまで来ていた。そこには翔太の

姿もあり、どこか落ち着かぬ様子な一方沙織は得意げにしていた


「沙織……」

「そこまで気にする必要はないって。現に私達がこうして魔物を倒したからこ
 れだけの被害で済んだんだし。もし私達がいなければもっと大変なことに
 なってたかもよ?そこに誰かにどうこう言われる筋合いはないと思わない?」

「それは……」


ふふん、と鼻を鳴らし


「例え周りが信じられなくても、その目に映ってる以上それが真実でしょ?」

「……まあ、中には非常識な奴らもいるが、少なくとも……」

「……」

「そこにいる六本木はそういう奴じゃないだろ?」


沙織に続きそういい翔太は六本木の方を向く、視線が合うと


「……三人のお蔭で、僕たちも無事だったしね」

「……」


だが、二人の声を聴いてもなお彩花は呆然としていた


「……」

「……間抜け面」

「っ!?はぁ!?誰が間抜け面だって!?」


ふと翔太は動かぬ彩花の顔を覗き込み、反動で彼女は叫んだ



「……ええと、かなり驚いたけど……」



彩花が睨む一方そっぽを向いて口笛を吹いている様子に、六本木

は口を開き、やがてその声に二人は六本木の方向へと向き直った


「鈴木さんの言う通り、これが現実だし……?」

「人生なんて驚きあってこそ!ま、今までの常識からすると、度の
 行き過ぎたものだけどね。けど私達はれっきとした人間なんだよ?」

「わ、わかってるよ」

「でも、何年も前から外国じゃ魔法なんて当たり前の所もあるし、魔物
 が住み着いているのが当たり前の国もある。、ま、それを納得しろと
 は言わないけど。この国に『異変』が起きてるのは間違いないしね?」


数秒後、沙織は思い出したように告げる


「あ、霧島さんたちを迎えに行かないと」

「達?」

「あぁ、俺達文化祭に必要な物を買う為にここに来てて、伊藤と
 霧島は地下に逃げ込んでるんだ。お前たちこそなんでここに?」

「そうそう、珍しい組み合わせだよね」

「!」

「仲がいいのは知ってたけど、まさか学校外でも仲いいなんてね?」


ニヤリと笑った沙織の言葉を遮るように


「違うっ!私は朱里ちゃんがここにいるって聞いて助けに来ただけだし!」

「朱里ちゃんってそっちの?」

「そう!」

「へえ、お前に鈴木達以外の友達がいたとはな」

「喧嘩売ってんのか!?」

「ちょ、ちょっと……」


朱里がわたわたすると翔太は笑みを浮かべながら告げた


「冗談だって。そういうわけで俺達はあいつらを迎えにいかないとな」

「そだね。そのうち電車も動き出すだろうし……?」


翔太と沙織が去っていき、三人は秘密のカードを使って喫茶店へと

戻って来た。姿を見て朱里の元へ駆け寄る渋谷兄。やがて交通機関

も回復し出し、各場所の警戒が解かれて通常へと戻っていった


「結構緊迫したサイレンや誘導してたから大事かと思ったけど、魔物に
 壊されたのは渋谷の建物のごく一部。一時はどうなることかと思った
 けど、怪我人はそこそこいたらしいけど、死亡者はいないんだって?」

「報告ではそう聞いている。魔物が現れたのも渋谷内の限られた箇所。
 身動きの取れなかった警察や自衛隊が到着したときには魔物は何
 者かによって倒されたという。目撃者はなく、その詳細は不明らしい」

「それは……」


ふと六本木が呟くも、その声はか細くかき消された


「不明?監視カメラとかは?まさか全滅したの?」

「……」

「映っていたとしても、上の人間で留めておく事案、ということでしょうか」

「それか、単純に映らなかったか……」


次々と意見が飛び交う中、都庁は腕を組むと告げた


「というより、特定するだけ無駄ともとれる」

「どういうことですか?」

「ここ数年、東京を中心に日本でも魔法学校が出来たのは知っているだ
 ろう?おまけに多くの企業や学校は海外から戦いの術を持つ者が多く契
 約を交わして留まっている。その誰かがやった、と考えるのが一般的だ」

「なるほど。確かに、それをいちいち特定する必要はないよね」

「現に同じように不明の多い報告は何度か耳に入っている」


その時、話し合っている傍ら彩花はマスターに問いかけた


「マスター、私を試しましたね?」

「試した?何の話でしょうか」


次の瞬間、彩花は睨むと低い声で告げた


「私にそんな嘘は通じませんよ」

「……」


すぐに表情を戻すと、カップを置き紅茶を注いでいく


「大体想像はつきますが」

「おや、是非お聞きしたいものですね」

「不本意ですが、ここに来て私の心境は変化しているらしいです。
 私自身以前と考え方が変わったと思うことも多々ありますが……」







「『変わった』と自覚させる為にあんな試すような言葉を……」







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次回

彩花が魔物と戦ったことをしる土地達。しかしそれはマスターの元には

届いていない情報だった。一件も落ち着き、ゆかりは一同に彩花をある

場に連れていくことを提案する。彼らに連れられ訪れた場所は……


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