INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第34話、十人十色な夏休み

ミラクルレターを受け取ったのは彩花と同じ学校に通う納言麗奈。スーツの男に

追いかけられていた途中執事由良と別れてしまうが彩花の提案により無事目

的の場に到着する。後日季節は完全に夏となり今日も猛暑が続くのだった・・・
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「おーい沙織ー!」




新宿駅、衣替えし半袖の姿が多く見られる中名を呼ばれ顔を上げると緋香琉

とクロスの姿を見つける。動きやすそうなスポーティーな緋香琉に対しクロスは

高貴な人が着ていそうな真っ白なワンピースを身に着けて手を振っていた


「もしかして待った?」

「ううん、ついさっき来たところ」

「じゃあ行こっか」




電車に乗り移動を開始すると真っ先に口を開いたのは緋香琉だった




「あーあ、折角皆で海に行けると思ったのになー」

「まあ、お父さんの手伝いじゃ仕方ないんじゃないの」


そう、宿題大会をしていた時の事、沙織の一言で一同は海に行く予定を立てていた

しかし予定日の3日前、突如彩花に予定が入り彩花だけが不参加となったのだ


「すごいよね、博士の手伝いなんて」

「頭悪いのに何が出来るんだ?」

「いやいや、彩花ポケモン『だけ』はすごいんでしょ?」


青い空は相変わらずすがすがしいが夏の醍醐味ともいえる白く高い雲によって

鮮やかな夏空が広がっていた。遊びに出かけるには絶好の海日和である


「そうだ沙織、クロスは海にいくの初めてなんだって」

「へぇ、そうなんだ?」


そして揺られ揺られ辿りついたのは都会から離れたものの賑やかさが目立つ場所

見渡す限りの人だが家族連れの姿も多く見られさすがは夏休みなだけの事はある



「よーっし泳ぐぞー!」


3人も水着に着替えると砂浜の中海に向かって駆け出した



「後7周!」


場所は打って変わり山の中。人の多い場所とは違い聞こえてくるのは鳥の鳴き声や

自然の音。そんな中数人、数十人の地面を蹴る音が鳴り響き実際誰かが走っていた


「はあ・・・はあ・・・」


誰もの息が上がっており既に十数周目。その中に翔太の姿もありバスケットボール

部はこの夏休みの一部を利用して東京から離れた場で強化合宿をしているのだった


「?」


ふとガサリと木々が揺れる音がして振り向くが動物のような姿は見当たらない。ここ

は場所が場所なだけに街では滅多に、そうそう見る事のない熊が生息しているとい

う。だが熊程の図体に気づかないわけはなく、軽々と木々を飛び移れるわけがない


木を揺らす音は飛び移り、数本の樹木から発されるがいずれも姿は確認されない

フィールドワークを終え休憩に入っている時、近くの木が揺れると何かの影が見えた


「げっ」

「!?」


今度こそ見えた影だったが木の上に降り立ったかと思えばそれは人の姿をしてい

た。そこにいたのは彩花。思わず何をしているのか、何故ここにいるのか尋ねると



「こんな所でなにやってんだよ」

「えー・・・修行?訓練?」


木から飛び降りると続けて彩花の隣に飛び降りたのはかつてのバトルでは見た事

のないポケモンゴルダックの姿が。彩花曰くかつて旅の中でポケモンの力を借り事件

を解決する存在を知った。ポケモンの力を救助などに役立てないかと考えていたという


「例えばこの時期だとプールとか海だとか、人の救助隊員でもいいけどポケモンの方が色
 々得意でしょ?けどまあ元は野生だったからこうやって人に慣れさせる訓練してるわけ」

「そんなことしてるのか」

「で、そっちは?見た感じ部活っぽいけど」

「あぁ、合宿で・・・」


先輩らしき人達に誤解されかけながらも幼馴染だと説明する所に違和感を感じる


「もうすぐ大会だしな。よければ君も応援に来てくれ」

「あぁ・・・というか予選は見てましたし」

「なっ・・・来てたのか?!」


驚く様子で叫ぶ翔太だったがそもそも彩花は特別バスケに興味があるわけじゃない


「日時を教えたわけでもないのに・・・」

「私じゃない。お父さんがスポーツ観戦大好きで無理やり連れてかれたの。プロの洗練さ
 れた試合よりもちょっとめちゃくちゃな事もある高校生の大会の方が面白いんだってよ」

「そ、そうなのか」

「野球にバレー、ラグビーにアメフトにバスケにテニス、今までの夏休みは幻想だったようだ」

「そんなに!?」


今度は同級生らしき姿が驚きの声を上げると直後彩花は深いため息をはいた


「しかもバスケはあれらしいじゃん?今年は特にすごいのがいっぱいだって」

「あ、あぁ・・・」

「中学の大会で優勝した中でも天才的能力の人達が高校生になったとかで試合を
 直に見たいから代わりにビデオを撮ってくれとかっていうかあれ本当に高校生?」


そもそも文化部だった自分に運動部の大会は縁もゆかりもない


「ゴリラみたいなのはいるし超身長高いのいるし」


それから数日後、緋香琉とクロスはある場へと来ていた。コンサートでも行えそうな

広さと次々と入口に入って行く人々の数。そんな数も全国大会となれば納得いく


「兄ちゃんスタメンだって言ってたから最初から見れると思う」

「緋香琉のお兄さんってなんでも出来てすごいのね」

「ちょっと、バスケは私だって得意だぞ?」


緋香琉とクロスは緋香琉の兄である光輝が出るという全国バスケットボール大会にやってき

たのだ。幼き頃より兄のバスケを見てきた緋香琉にとってこれほどの晴れ舞台はないという


「ここに来る前はしょっしゅう兄ちゃんと1on1してたしな」

「それにしてもすごい人ね」

「まー全国大会だし各地から人が集まるんでしょ。テレビ放映もされるらしいし折
 角なら優勝して欲しいけどなー。まあ、そんな簡単にいくもんでもないだろうけど」


あっという間に座席が観客で埋まる中、別の座席にも見慣れた姿があった


「あの人、シュート全然外れないね」

「そりゃ当然だろう。ここへ勝ちあがった誰もが相当の努力をしてきたんだ」


パソコンの画面には拡大した試合の様子が映し出されている


「っていうかバスケッてボールをゴールに入れるくらいしか知らないんだけど」

「どのスポーツもだが深いぞ~。戦略一つで試合の流れが大きく変わるんだからな」

「あ、そう・・・」


それぞれがそれぞれの夏休みを過ごし、あっという間に8月に入り猛暑が続く

夏と言えばと言われれば思い浮かぶものはいくつもあるだろう。そんな中でも

一大イベントとも呼べる『夏祭り』の時期がやってくる。ポスターを見つめると


「流石は東京、祭りも毎週と言ってもいいほどにあるのか」

「規模は様々ですがね。ところで赤井さん達とはいかないのですか?」

「まあ、海はあっちを優先しちゃったしねえ。一応今週ある花火大会に行
 くとかって言う話は出てるけど規模も結構大きいらしいし?啓も行く?」

「私は・・・」




「・・・いえ、お嬢様方でお楽しみください」

「おや珍しい。イメージ的にはこういった祭りの方が危険があるイメージがあるけど?」

「彼女達と共になら問題はないでしょう。ですが何かあればすぐにご連絡ください」



こう言ったのが運のツキだったのか、当日になると用意されたものに彩花は愕然とした



「あれ、北条は来なかったのか?」

「折角だから君達と楽しんで来い、自分は留守番してるってさ」

「ふーん。ふと思ったんだけどさ、執事とかってあんまり遊べるイメージないよね」



集合場所にて沙織はもちろんの事緋香琉やクロスも用意したのか浴衣を着ていた

本来は着るつもりなかったのだがいつの間にか啓が用意しておりこの仕打ちである



「そう。あいつ絶対楽しい事したことないだろとか思って言ったんだけどねえ」

「まあ、水を差すのは悪いと思ったんじゃないかしら」

「ウチらは全然構わんのやけどなぁー」

「まあ、お面やらおみやげでも買ってこうかなとは思ってるけどね」


狭い通路にずらりと並ぶ屋台はまさしく祭りと呼ぶにふさわしい風景で家族連れから

カップルまで全国から人が集まっているかのような人数で見える視界は限られていた


「うっひゃーすごい人」

「毎年こんなものだよ」

「そうか、沙織は初めてじゃないのか」


定番のたこ焼き、唐揚げ、わたあめ、リンゴ飴など次々屋台を回ると緋香琉は銃を構えた


「うわー・・・自分射的好きじゃないんだよね」

「どうして?」

「やったことはないんだけどさ、あれ討つ時パンって鳴るじゃん。あの音が苦手というか」

「少し分かる。突然鳴るとびっくりするわね」



金魚すくい、お面屋、ヨーヨー釣りなど4人の手には祭りの痕跡が蓄積される。人は減

るどころか増えるばかりで、歩くのも簡単ではないがそれはあの時間が迫っているから

だ。すると沙織に連れて行かれるままやってきたのはスタッフの拠点らしきテントの中


「元気にやってるかーい」

「鈴木さん!?」


テントをくぐるといたのはTシャツというシンプルな服装をしている少女の姿が

彼女は彩花と沙織と同じクラスで確か学級院長を務めていた霧島亜理沙である


「霧島さん、こんなところで何を・・・それはスタッフTシャツ?」

「そうよ。うちの放送部は毎年この花火大会のアナウンスや運営を手伝ってるのよ」


忙しそうにしている霧島さんと別れようとした時、誰かが慌てた様子で耳打ちした


「なんですって!?こんなときにトラブル!?」

「どうかした?」

「出演者が渋滞に捕まって遅れるらしくて・・・もうすぐ出番なのに」


不安を隠せぬままライブは始まるがアーティストがやってくる気配は微塵もない。別の

スタッフが連絡を取り続けるがあれからあまり進んでいないようで焦りは大きくなる


「まずいぞ。このままじゃ間に合わない・・・!」

「とりあえず何かで時間を稼がないと・・・」


スタッフ達の焦る声が聞こえるとそんな会話を聞いた霧島さんの表情も険しかった


「彩花、あの時みたいに歌う事はできないのか?」

「・・・え?」



唐突に発せられた声に彩花につられ一同が疑問に思うように緋香琉を見る




「緋香琉、どういうこと?」

「かなり昔の話なんだけど彩花は歌がプロ顔負けくらいに上手くてテレビに出た事
 もあるくらいなんだが・・・彩花なら怪しまれることなく時間を稼げるんじゃないか?」


切羽つまった様子で言うがそれは過去の話。そして緋香琉は知らないがあの事件が起

きた事によりあの日のような輝きはない。よってあの時のような歌を歌えるとは思えない


「そんなずっと前の話・・・あれからどれだけ経ったと思ってんの」

「そこをなんとか!」

「大体私は歌手でもなければアイドルとかでもないんだよ。そんなのプロの人達に比べ
 たら大した事ないんじゃない?あの時だってあの年でって意味で珍しかっただけで」



自体は一刻を争う事態、なにもしないでいるよりはいいと緋香琉は言う



「・・・もうずっと前の話だよ?それに今の私は・・・」

「大勢の人が来てる中これだけ有名な花火大会、トラブルはかなりヤバイんじゃ?」

「・・・神月さん、私からもお願いできないかしら」

「なっ・・・霧島さん!?」




「さっきまで一般人の芸能大会もやってたし・・・エンディングって言う形で出来ないかしら?」

「・・・っ」


歌えないんじゃない、歌うのが怖いのだ。人が怖くなったあの日から人前に出る事は

ほぼなくなった。けれどポケモンとの旅の途中、似たような事態に対応した時もあった



「お願い・・・!」

「・・・あぁもう、わかったよ!下手だって文句言われても知らないからね!?」



それから間もなく設営されたステージに立つと音楽が流れ始めた。最初人々は唖然と

した様子でいたものの次第に会場は熱を増し亜理沙を始め沙織達も会場を見ていた

歌手が到着し入れ替わるまで場は何とか持ち不自然なくステージは終わりを迎えた



「すごい・・・緋香琉の言うとおり本物の歌手みたい・・・」

「別に・・・ただ歌いたい曲歌ってただけだし」

「大盛り上がりだったし霧島さんも驚いたようにお礼言っていたじゃない」




「あ、花火始まった!」




夜空に打ち上げられた花火を見て誰もが指を指し、4人も空を見上げた



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次回

夏休みも終わり学校が始まる。再び学校生活が始まろうとしていたのだが今期

からいくつかの学校から留学生がやってくる話を聞く。彩花のクラスにも一人の

少女と青年がやってくるのだが彼女らは芸能事務所直属の学校の生徒だった


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