INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第32話、デンジャラス・プリンセス

奇跡の手紙を受け取りやってきた恋する乙女。青春を謳歌する彼女の第一歩を

後押ししたのは拠点にやってきた渋谷の妹渋谷朱里。だがこの出来事をきっか

けに朱里は彩花の知られざる過去の一部を聞くのだった。そして今日もまた・・・
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『ケーキなら麻生十番にいっぱい種類あるよー。他にもお菓子屋さんとかも充実してるし』


あらゆる情報を持つ沙織に勧められやってきたのは東京内に存在する麻生十番

という土地。すっかり学校の終わりや休日の過ごし方が東京巡りになっているが


「この間のような件がありましたからね」

「いやだからさ、その喋りかた目立つからやめてくんない?」


オシャレな店がみられるこの街を歩く彩花の表情は明るいものではなかった




「はぁ・・・はぁ・・・」



別の場では、人ごみをかき分けるように一人の少女が駆け抜ける


「ご当地グルメって言うけどさ、東京とかって各地の料理が集まってるからあんま
 りそんな感じがしないよね。そういえばここ(東京)って修学旅行何処行くの?」

「唐突ですね」

「いや、名古屋にいた時は修学旅行東京だったんだけど東京にいて東京
 な訳ないしと思って。アニメでよく見るのは京都・奈良だけどそうなの?」

「そうですね・・・学校によりけりですよ。私学などだと海外に行く事もありますし
 沖縄だという学校もあります。桜丘は・・・どうでしたっけ。今度調べておきます」


いや、別にいいんだけどさと告げ数分歩いていると問題は発生した


「・・・啓?」


会話がないことに疑問を感じ振り返ると啓の姿はどこにもなく、啓もまた逆の状況

になっていた。焦りを覚えつつも周りを見渡すが彩花の姿はどこにも見当たらない


「お嬢様?お嬢様!?」


渋谷や新宿ほどとは言わないがそれでも多くの人が利用する地。小柄な姿は一

層見つけにくく見つけるのは困難だろう。電話をかけ数コール鳴っても繋がらず


「・・・・・・っ」

(はぐれたかー・・・最悪フロルの力で帰るとして)


そう考えていた時、ふとどこからか奇妙な声が聞こえた気がした。人通りの多い

場所からは外れ今歩いているのは人通りの少ない路地。だからか一瞬聞こえた

声は即座に耳に入り気のせいかと思うが今度は近くから何かが倒れた音がする


「?」


場所は変わり別の場所。ひょっとしたらここにいるのではと来たが啓の姿は見当

たらず見当違いだったかとため息をつく。ふと携帯の存在を思い出しブレザーの

ポケットに手を入れた瞬間、目の前に人ごみの中では目立つ金髪が目に入った


(あれは・・・?)


黒や茶髪が多いこの日本で外国人のように輝く黄金の髪。制服を身にまとった

少女は何かを探しているのか辺りを見渡しているが不慣れな様子が目立っている

人の姿に現れたり消えたりする姿を凝視しているとどこかで見た事ある事に気づく


(確か同じ学校の・・・名前なんだっけ・・・なんとかかんとか)


すると少女は走りだし姿はあっという間に見えなくなってしまうが後に違和感に気づいた



「はあ・・・はあ・・・!」


時々後ろを振り返りながら走るが息は切れておりいつ止まってもおかしくない。額

に汗を浮かばせとぶつかりそうになりながらも駆け抜けると目の前に人影が現れる


「っ!」


足を止め立ち止まると制服を着た姿に驚いた表情を見せた


「あ、貴方は・・・」

「何やってんのさ?こんなところで」

「・・・・・・!」


目の前の人物の質問に答える間もなく少女の後ろに黒スーツの男達が現れ


「えっ!?」


有無を言わさずに手を引くと男たちのいた方向とは逆方向に走り出した


「名前なんだっけ。こんな所でなにしてるの?」

「なっ・・・人の名前も覚えないとか無礼ですわよ!」

「人の名前を覚えるのは苦手なんだって」



しかし後ろを振り返ると物騒な顔立ちをした男達が追ってくる。状況からすればこの

少女はあの黒スーツの男たちから逃げているのだろう。前に向き直ると前方にも同

じような姿が現れ少女は足を止め方向転換し息を切らせながら再び走り出した


「あっちょっと・・・ぜえ・・・ぜえ・・・もう走れない」

「そ、そんなこと言ってる場合じゃないですわよ!逃げないと・・・」

「ぜえ・・・はあ・・・」


明らかに穏やかな状況ではないと踏んだ彩花は掴まれていた手を引き方向を変える


「これじゃ・・・こっち!」

「えっ神月さん!?」


走り続けると階段を下り駅の構内へと続く場へと出る


「ほら、これをあそこにかざして中に入って」

「えっ?」


ほぼ強引にICカードを渡すと焦った様子で言われるがまま読みこむと改札

を通る。するとさっきまで改札の反対側にいたはずの少女の姿を見つける


「なっ貴方どうやって・・・」

「いいから、こっち!」


今度は彩花が手を引き階段を降りると運がいいのか電車が止まっており駆け込んだ

続けて後を追っていた男達も乗り込むが急いで別車両に移ると扉は閉まり電車は発車

する。男たちは少女の姿を探すが人の多さにかきわけながら近づいてくる


「はあ・・・状況よくわかんないんだけど何これ」

「はあ・・・はあ・・・最悪な所で声をかけてしまいましたわね・・・」

「いや・・・わかってて話しかけたんだけどさ・・・」

「なんですって・・・?」


息を切らせながら逃げ道を探そうと辺りを見渡すと揺れた反動で少女の持っていた

鞄が落ち教科書やノートが散らばる。その中に見覚えがある物を見つけ彩花は叫んだ


「その手紙!」

「え?」

「その手紙を開けて、速く!」


後ろを振り返ると扉を開け自分たちの姿を見つけスピードを上げ近づく男たちの姿


「速くっ!」

「えっ・・・」


慌てたようにしゃがみこむと拾い上げた手紙の封を切り折りたたまれた紙を広げた


「わっ」


再び揺れ突如結構な数がいた車内は2人だけになり2人は地面へと転倒する

が膝と手をついた表紙に後ろを振り返ると黒いスーツの男たちの姿はなかった


「・・・やった・・・」


追いかけてくる様子のない事を確認すると彩花は深い息を吐いた


「これは・・・なんですの?」

「あぁそれはミラクルレターと言って」

「違いますわ。この乗り物の事です」


安心したように口を開きかけた時、遮るように返ってきた言葉に言葉は止まった


「え?」

「この細長い乗り物の事ですわ。これはなんですの?」

「え?これは・・・電車?」

「電車?これが?」


辺りを見渡している少女に対し、先程とは違う感情が現れていた


「まさか・・・電車に・・・乗った事ない!?」

「な、なんですの急に」

「いやいやいや、いくら私でも電車くらいは乗った事あるよ!?えっ遠い場所に行く
 ときとかに使うでしょ!?君の移動手段って何!?全部車とかじゃないでしょ!?」

「な、何を言ってますの・・・?」


驚いたように言う少女の答えは、飛行機や船、新幹線といったものだった


「・・・これが一般人と金持ちの違いかっ!」

「あなたも名家の令嬢でしょう!?」


勢いのある言葉に勢いよく言葉が返ってくると少女は立ちあがり再び辺りを見渡す


「それにしても、先程いた人達は一体どこへ・・・」

「はっ、そうだ・・・」


鞄から物が出た時に見えたのは紛れもない『ミラクルレター』。現実とは少し違った

時間の流れのあるあそこなら逃げ場になるのではないかと咄嗟に試したが上手く

いったようだ。少しだけ息が整いつつある体の姿勢を正すと2人は座席に座った


「えーと、色々あるんだけど・・・ところでさっきの人達は・・・」

「・・・・・・」


それから数秒、一向にあの人達が現れない事に違和感を感じると扉の向こうから人

の姿が現れ扉が開く。扉が開いた音に気づき振り返るとそこには彼らとは違う姿の


「おや、一緒にご乗車とは珍しいこともありますね」

「あ、えっと確か・・・マスターって呼ばれてた」

「えぇ。納言麗奈さん、ご乗車ありがとうございます」


頭を下げると唖然としていた納言さんは口を開けたままハッとすると睨み返した


「なっ・・・何故私の名を・・・?!まさか、貴方達も・・・」

「あちょっとまって!違う、違うから!!」


疑っている姿に違う事を告げると彩花の表情を見て警戒しながらも構えを解く


「えーと・・・マスターさん?他の皆は・・・」

「ええ。実は皆さん遅れて来るそうで・・・新宿さんはサボリですが」

「サボリ?・・・はは」


苦笑いを止めると納言さんの持っている手紙を見る。この手紙は解決したい悩みを持

つ、現在進行形で困っている人にランダムに届く。そしてこの状況と照らし合わせると


「で、納言さん。困っている事って・・・あの黒い人達の事?」

「なっ・・・何の話ですの。貴方ごときに話すことでは・・・」



あの時同様高飛車な言葉が襲うが言葉を止めると俯き何かを決意したように告げた



「・・・ええ。あの男たちに・・・追われてますの」

「追われてる?そもそもあの人達はなに?」

「ふっ・・・案の定私を誘拐して身代金でも要求しようとしているのでしょう」


お金持ちやらお嬢様なら安易に想像できる展開に


「あぁ・・・」

「まったく、身の程知らずにも程がありますわ。凡人が高貴なるわたくしに触れようなど」

「で?逃げてたとしてあの執事はどこにいったのさ。あれ、いたよね?」

「あぁ・・・由良と共にいた途中であの方達が現れて・・・私は逃がされたのですが」


街を歩いていた2人の元に黒いスーツの男達が現れ執事が食い止めている間に

納言麗奈は逃げたがあそこに現れた以上に人数は多く見つかってしまった納言麗

奈は彩花と遭遇するまで出歩いたことのないこの街を逃げ回っていたのだと言う



「まあ、ここにいれば安全なんじゃない?だよね?」

「ええ」


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次回

奇跡の場へと逃げ込んだ彩花と麗奈だったが彼らがいない今麗奈の悩みは彩

花に委ねられる。目的を達成するために追手の中これまで培った能力と知恵を

駆使して神月彩花は一時的に納言麗奈のボディーガードになるのだった・・・!?


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