INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第31話、Sweet Step

言われるがまま仲間入りしてしまった彩花はある日連れられるままあの場へと

やってくる。そこで最初の悩み人は大企業に勤める働く女性。一見完璧で悩みなど

感じさせない様子だったが見事見抜いた一同は彼女の悩みを解決するのだった
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「お・に・い・ちゃ・ん!」



扉が開くと、明るい声に一同は振りかえった。少女は勢いよく走り抜けると飛び付いた



「うわっ朱里!?」

「・・・?」


ハートマークすら見えそうな光景に疑問を感じていると少女は自分の姿に気づいた


「あ、もしかして今お仕事ちゅー?」

「ちげえよ。そいつがこの間話した・・・」

「えー!?」




どこかの学校の制服と思われる衣服を着た少女は大きなリアクションで叫んだ


「この人は・・・」

「ああ、この人は渋谷君の妹の朱里ちゃんだよ」

「妹?」


現代風、流行りにいち早く敏感そうな身なりの少女は髪も渋谷のイメージに合っている


「ああ・・・」

「ああ・・・って何納得してんだよ」

「あ、いえ・・・渋谷って・・・そんな感じがするなあ・・・って」

「どういうこと!?」


抱きついていた少女が離れると彩花に向かって問い詰める


「あーいや・・・その染めましたみたいな金髪とか・・・でも肌は黒くない・・・?」

「渋谷の人全員がそんなわけないでしょ!へえ、君が・・・ふーん?」



物珍しそうに下から上まで見られると何かを感じ何かと少し表情は険しくなる



「・・・なんか・・・想像と違うって言うか・・・思ったより普通だね?」

「なっ」

「前代未聞の人だからもっと色々とすごいのかと思った」



太陽とも呼べる笑顔を浮かべると少女は離れ兄である渋谷さんの元へと戻っていく



「つーかお前の日は今日じゃないだろ」

「例の人を見に来たんだよ」

「どういうこと・・・?」



ここで説明してくれるのはもはやこの件に関して色々を教わったゆかりちゃんである


「あのね、土地の中でもね、一人じゃ見切れないほどの人が集まる場所とか広い場所
 とかは何人かで見てるんだよ。その人達は兄妹って形だったりする事が多いんだよ」

「??渋谷さんの妹は・・・人の悩みを解決したりしないの?」

「するよ!渋谷は主に若い人中心に沢山集まるからね!」




「本当は2人は交代制なんだけど・・・渋谷さんはなんでかいつもいるんだよね」

「いやーいざ今日は出番じゃないと言われても気になるっつーか放っておけねえっつーか」

「真面目だねえ。俺なら女性の時だけ行くけどね。男は知らん」




そんな時隣から朱里ちゃんのため息が聞こえた



「相っ変わらずなんだね新宿さんは。ちゃんと来たお客さんの相手してよ」

「おっと説教を受けてしまった」



あれから数日、ここへ来ると色んなお客さんが悩みをもって訪れる。それを彼女ら彼らは

最後にはしっかりと解決し再びお客さんを送り出すのだ。そしてどんな時もここに来れば

この場は賑やかで、彼らも本来は土地であるという事実すら忘れそうなくらいに自然だった



「皆さん、もんじゃでもいかがでしょうか」

「はあ・・・月島さん、勝手に鉄板置かないでくださいよ」

「はっはっは」


あの時、一番最初に声を変えられたあかりちゃんは天真爛漫、この中でも一番に背が低く

特に新宿さんや渋谷さんから子供扱いされることもしばしば、その度に彼女は頬をふくらま

せては反抗している。この中では、話しやすさも相まってか一番打ち解けている人物だろう



都庁さんはメガネとスーツが似合うザ・キャリアウーマン。というのも彼女自身東京都庁に

出入りし東京全体をまとめているのだとか。ここでも彼女がリーダーと呼べる存在で問題人

な新宿さんを一喝したりと一番真面目で結構な苦労人。よくため息をついている姿を見る



この中で一番の問題人と誰もが口をそろえて言う新宿さんは新宿と言う賑やかさも相まって

か人当たりはいい。だがそれは女性限定のようでお客さんが男性の時はよくサボるのだとか

その他にも遅刻常習犯だったり時間にルーズだったりと都庁さんのため息の元凶である



渋谷さんは街自体は新宿さんと似た性質なもののそこに男女の差はない。困った人は

放っておけないタイプのようで仲間からも頼られるお兄ちゃんタイプ。しかし渋谷特有の

くだけた服装をしているためよくお客さんからは新宿さんと同じと思われる苦労人らしい



渋谷さんの妹朱里ちゃんはいかにも渋谷、とわかるくらいに現代風の身なりをした少女

制服なのは渋谷にある高校に通っているらしい。ちなみに自分と同じく1年生。使命柄

慣れているからかもしれないがクラスメイトや学校中から相談に乗る事が多いのだとか



月島さんは穏やかな性格で一見は常識人に見えるが喫茶店のようなこの場にもんじゃ

を焼くための鉄板を持ちだしたりするある意味では問題人且不思議人。土地となんら

関係はないのに割と色んな事が出来てしまうらしく仲間からもよく不思議がられている



(そして・・・)




未だにどうすればいいのかわからない。その人物を見るとふと目が合い目を逸らした



「新宿さんにも兄弟はいるけど違うチームなんだよね」

「なんたって俺の所は広いからなー」



そして今日も、悩みを持った人がやってくる。一通の手紙を持って



「じ、実は・・・好きな人がいるんですけど、告白する勇気が出なくて・・・」

「青春!いいねえ」

「今回の担当は・・・」

「はいはーい!私やるー!」



勢いよく手を上げると名乗り出たのは朱里ちゃんだった



「妙にやる気だな」

「恋する乙女は素晴らしい!ここは同じ女として協力しないわけにはいかないっしょ?ね!」

「えっ」



肩を組まれると反射的に声が出た。そんなことにお構いなしに



「いいんですか・・・?」

「もち!私たちはそれが使命だからね!」

「・・・・・・」





「・・・こういうのは、行動したもん勝ちじゃん?」

「お前に任せると考えなしに行きそうで危なっかしーからな」

「ひどい!私だって立派な土地だよ!」

「すごい違和感が・・・」


こういうのは本人が動かなければ結果は出ないと月島さんが言い即座に朱里ちゃん

が友達に訊いてもらうもらう事を提案する。がそれはそれで怖いと踏ん切りがつかない



「そ・・・それはそれで・・・怖い・・・かも」

「うーん・・・」




「彩花、何かいい案ないかな?」

「えっ?」



共に一部始終を見ていた少女に尋ねると突然の声に驚いた声を発した


「え、あー・・・いやー・・・」

「・・・私たちに出来るのは、背中を押す事だけなんだよ」

「で、でも・・・もしだめだったら・・・」




この質問に、答える事はできない。答えを知るのは怖い。知ると言う事は、何よりも怖いのだ



「・・・言わなきゃよかったって、後悔するかもしれない」

「!・・・はい」

「ええっ!?でも言わなきゃ何も変わらないよ?」



立ち上がると朱里ちゃんは言う



「確かに、答えを聞くのは怖いし結果的にショックを受けるかもしれないけど。でも、言わ
 ないと気持ちは伝わらないんだよ!ちょっとの勇気で、それは叶うかもしれないんだよ!」

「!」

「そうやって悩んでる間に、他の子が告白しちゃうかも!それでもいいの!?」



彼女の言葉はまっすぐで、彼女が抱える悩みに真っ正面から向き合っている



「それはやってみないとわからないんだから、今悩んでても何も変わらないよ!」


(好きな人・・・自分は・・・)


数秒後の後、高垣さんは静かに頷いた。そして座席にあった鞄を持つと告げる


「・・・そうですね。私・・・言ってみます」

「本当?」

「はい。貴方の言うとおり・・・結果が分かる前に諦めても諦めきれませんから」


扉に向かうと一同がエールの言葉を送る。そんな彼女らに振り返ると高垣さんは

お礼を告げ一礼すると扉を開け、雲が少しかかった青空の中人ごみに紛れていった

その後、無事悩みを解決した祝いとして朱里ちゃんとコンビニのアイスを食べていた


「・・・少し、羨ましかった」

「え?」


近づけた口を話すときょとんとした様子で朱里は彩花の方を見る。表面が溶け出し

たアイスは一口も手をつけられていないまま、その声は車の音の中でも聞こえた


「・・・私、二度と誰も好きにならないって誓ったから」

「えっ・・・どうして?」


予想もしていなかった言葉に目をぱちくりと開けると苦笑いしながら告げた


「まあ・・・昔ちょっとあってね」

「・・・」

「まあ、ほとんどの人が結構あると思うんだけど色々な事と重なって・・・小学校
 の時なんだけどめっちゃ辛かった。だからその時・・・心の底からそう誓ったんだ」


溶けかけたアイスを口に入れると再び口は開いた


「まあそれからずっと誰かを好きになる事はなかったんだけど、こうやって恋してる人見る
 とちょっと羨ましいなって思ったりね。だからって、今したいかって言うとしたくないけどね」

「まあ・・・そう簡単に叶うものじゃないしね」

「今思うと可笑しいくらいだけどほら、所詮は小学校じゃない?だけど今思い返すと思
 うんだ、本当に好きだったんだなって。だから忘れるのにもすごく時間がかかったし」


彩花が話している間まだ会って間もないというのに朱里は神妙な表情をしそれだけ

親身に聞いていているのだろう。そして彩花は気づかないが角にもう一人話を聞いて

いた。カップの中のアイスがなくなった時、でもとこれまでと違った声色に顔を上げる


「席替えで近くになったとか大したことない事で一喜一憂して時間があっという
 間に過ぎて、特別仲良かったわけじゃないけど毎日が楽しかった。でも・・・」

「?」




「でも、最近は別の楽しさがあったかな。最近は・・・めんどくさい事になりそうだけど」




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次回

都市伝説『奇跡の手紙』に関する考えが少しだけ変わったある日、沙織の勧めで

彩花と啓は麻生十番にやってくる。しかし途中ではぐれてしまった彩花は思わぬ

状況の中想定外の人物と遭遇する。それが今回の手紙の受取人だと知らずに・・・



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