INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第26話、生まれ変わる翼

ついに始まった最終試練、幸運な事に沙織とペアを組み圧倒的ハクの力によって順

調に勝利のコマを進めていく。後半戦勝ち進み決勝へ進むが相手はハクと同じく一度

試練を勝ちあがった天界人だった。圧倒的力に苦戦する中信じることを試みるが・・・
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「蒼真、避けて!」



咄嗟にでた言葉に反応したように蒼真は身を投げ出すとギリギリのところで攻撃を避けた

地面を抉った天界人は上半身を起こすとその場から姿を消し蒼真は左右を見渡している



「右から来る!」

「!」



ふるふると震えた拳を握る力は一層強くなり、目つきを鋭くすると顔を上げた

考えてる時間はない、状況は一瞬で変わる。なら出来ない事を考えるより





「私には・・・これくらいしか出来ないんだ」





沈んだ表情をした彩花を見て正面に向き直ると構え直った





『これがお前が将来試験を受ける際パートナーとなる人間だ』



『・・・・・・』






生まれ、人間界で言う教育のように天界と天界人についての教育を受けた後天界人

達は数年後、数十年後受ける事になるパートナーを教えられる。その誰もが初めて見

る映像は赤ん坊、まだ言葉も話せず意思疎通も出来ない状態での面識となる



「すう・・・」



初めて見た時赤ん坊はただ寝ているだけだった。天界人はパートナーの全てを知る

権利がある。よって契約を結ぶまでのパートナーの生活、歴史を見る事が出来る



「約束したの!だから・・・イーブイと一緒にジムに挑戦する!」

「そうか!決して簡単ではないが父さんは応援してるぞ!」




「見てみて!音楽の成績Aだったよ!・・・えへへ、音楽は大好きだもん!」





「・・・・・・」



『・・・・・・』




その全てを見てきた。初めて言葉を発した時も、立ち上がった時も、笑った時も、泣いた時も

だからこそ天界人は契約した時点で契約者の性格や考え方をよく知っている。ずっと見ていた

ふと振り返ると悔しそうに歯を食いしばる主の姿が。何を考えているのかはすぐに分かる




『俺の契約者は・・・』



少しずつ、誰も同じに見えた道は変わっていく。それは何かを選択するたびに変わって

ゆく。それは優劣をつけられ上と下が表れ始める。人望、成績、運、才能・・・そして未来




『同じだったはずなのに、いつか笑顔は消えた。それから契約者は笑わなくなった』




目を鋭くし顔を上げた時、蒼真を囲うように青い風が巻き起こり天界人は構えを緩めた



『・・・これは・・・』



何かを感じ取ったように構え直すと踏み込み飛び出した拳を受け止めた。勢いに地面

を伝って下がると天界人はこれまでとは違う反動に拳を受け止めた手のひらを見つめた



『行くぞ』



再び踏み込むと何度も拳を突き出し蹴りあげる。格闘技のように攻撃を相殺すると

何度も同じやりとりが行われそのひとつひとつが起きるたびに僅かな風が巻き起こる



『・・・ふっ・・・なるほど。『今更』枷を外したということか。・・・!』



横から現れた拳に直撃すると地面を転がり柱へとぶつかる。間髪いれずに追撃すると

轟音と共に全体に振動が伝わると砂煙で2人の姿は見えなくなった。彩花と相手の契

約者にも状況は分からずただただ砂煙が消える時間に、起きている状況に息をのんだ



「「!」」



飛び上がると蒼真が蹴りあげられもう一発蹴りが入ると吹き飛ぶ。が空中で勢いが止まる

と起きあがり飛ばされた方向に向かって一直線に飛んでいくと拳を突き出し突っ込んだ



『この時点でまだ枷を外していない者がいたとはな』

『枷?』



地面に倒れた状態のまま男の言葉に対し蒼真はふらふらしながら聞き返す



『初となる試験受験者・・・天界人は人間と契約を交わすことで枷が外れ本来の力を得
 る。そして契約者と絆を深めることで更なる枷が外れ・・・本来の能力が発揮される』

『・・・・・・』




砂煙が消え、2人にも状況が見えると彩花はハッとした。そして聞こえた決着の声。そ

の声に目を見開くと空中に現れた光が2人の天界人の傷を癒していき蒼真がやってくる


「勝った・・・の?」

『ああ』




「・・・や・・・った・・・やったよ蒼真っ!」

『なっ・・・おい!だから抱きつくなと・・・』

「やったよ・・・おめでとう・・・!」

「・・・・・・」



そして天から聞こえたのは最終試練の終了の号令。実感し喜びを一層感じていた



『これにて最終試練は終了する。これより合格者には使命を与える為大天使の間に来るように』

「・・・・・・」

『・・・・・・』


自分のことのように喜びを感じている少女を無表情のまま蒼真は見つめていた。そして

言葉が消えると再び自分の方へ顔が向けられるが違和感を感じた彩花から笑顔は消える



「なんか蒼真・・・そんなに嬉しそうじゃないね」

『お前はこれが何を意味しているのか分かるのか?』







『試練に合格したということは・・・
             契約が切れるということだ』







「・・・前もそう言ってたもんね。合格した場合天界人と人間の契約は切れるんだっけ」

『そうだ。そもそもパートナーに人間が選ばれたのは、天使が導く魂の対象に人間があ
 るからだ。対象となるものを知り守る事が出来なければ天使なんて務まらないからな』



その時、とある異変に2人は気づく。人間たちの体が消えていく事に

そしてそれを追っていると彩花自身の体も次第に光を放ち始めた


「これは・・・」

『・・・別れの時が来たようだな』

「ってことは・・・」

『ああ、俺は天使になり・・・お前は人間界に戻る』



さっきまであんなに賑わっていたのに、今は空間全体が静けさに満ちている



「・・・ごめんね。やっぱり・・・信じられなかったみたい。そもそも信じるってのが何なのか
 わからなくてどうすればいいのか分からなくて・・・考えれば考えるほど分からなくなって」

『・・・・・・』

「でもね、私この出来事は意味のあるものだったと思うんだ」

『何?』



「だって私、こうやって自分から誰かを信じてみようなんてしたの初めてだもん。で
 きなかったけど・・・少しだけ、ヒントを得たかもしれない。あのね、思ってたんだ」

『思ってた?』

「うん。私は人を信じられなくなったけど・・・また・・・信じれられたらなって」




その時、言葉を聞いた蒼真は想像していなかった言葉に反応を見せた



「他の人が羨ましくなるんだ。しょうもないことで笑って、楽しそうで。常に疑ってる私だって
 人間だもん。楽しい事だって望みたくなる。いつか・・・人を信じられるようになったらなって」

『・・・・・・』

「だから・・・その第一歩になった気がするんだ」



けどそれは多分無理だと自分でわかっていると苦笑いを浮かべた



「!」



その時彩花を包んでいた光は一層強くなる。今すぐにでも消え入りそうに。白く光る

自分の全身と手を見つめているとしゃがみこみ目線を合わせると小さな体を抱きしめた



「蒼真・・・好きだよ。大好き」

『!』

「ちょっと見た目に合わず無愛想だなと思ったらやんちゃで喧嘩っ早くて・・・ハラハ
 ラしたけど面白くて楽しかった。本当に短くて・・・別れるのが・・・ちょっと残念かも」





『・・・俺もお前が契約者でよかったと思っている』

「本当?」

『・・・あぁ』


光が強くなり眩い光に包まれると蒼真の前から彩花の姿は消えた。消える直前、少女の

表情を見て蒼真は目を見開く。全身が消えと同時に光も雪のようにふわりと消え去った



「・・・・・・」



気がついた時にすでに蒼真の姿はなかった。ふと辺りを見渡すと人間達が一直線

にどこかへと向かっていく。その方向を見るとそこには扉が開き光が見えていた




(怖かったけど・・・)




扉を見ると一歩、また一歩と歩み出す。やわらかな笑顔を浮かべながら少女は扉をくぐった



「沙織、コレ返すよ」

「あぁ、どうだった?」

「どうって・・・よくこんなのできるね」

「えっ」



いつもと変わらない日常。けど同じ日なんてあり得なくて、少しずつ変化している日常


「面白いとかそれ以前になんかこう・・・よくこんなの買えるなあ・・・と」

「それは褒めてるのか貶してるのかどっちなのか・・・」

「けど、話は想像以上によかったね。個人別にちゃんとストーリー立ってるし」



「誕生日おめでとう!父さんから・・・じゃじゃーん、プレゼントだ!」

「わーい!・・・わあ、コレ欲しいって言ってたビーズセット!ありがとう!」




あの時のような表情を見る事はなくなった。しかしここ数年、ある出来ごとにより鎖の錆

が剥がれ始めた気がした。だからこそ二度と笑わないなんて言いきれるものではない



「もふもふー」

「・・・彩花さん、それ楽しいですか?」

「本当にシズクの翼はもふもふしててあったかいなあ」






(そしてこれからも、何も起きないと言うことはないだろう)



『次の者、前へ』

「・・・・・・」


白い翼の人物の前に青いフードを取った少年は一歩、また一歩と歩み寄った







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次回

天界人の試練を終えた後日、彩花の元に見知らぬ人物が現れる。衝撃な言葉に

よって知らなかった事実が明かされ今ここに存在する理由が明かされるのだった

そしてその事を知った沙織と共に監視役だったハクは監視役をやめたといい・・・


NEXT 第27話、「同じ役目」


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