INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第24話、恐怖との選択

第三試練を突破するも過大な精神疲労が襲う中蒼真は『リタイア』という選択肢を

提案する。第四試練と第五試練は他の受験天空人との合同参加になることから

厳しさを増すと告げる。こうして受けた第五試練だが、彩花にある恐怖が襲う・・・
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「うおおおおおっ!」


掛け声とともに向かってくる蒼真だったが無表情のまま振り返った天界人は葉をいくつも

集め巨大な刃を作る。そしてそれを蒼真に向けると直撃し蒼真はその場に倒れ込んだ




『驚くほどに弱い。これはお前が弱いのか、うまく契約できていないのか・・・』

「え・・・?」




『・・・まあいい』




蒼真たちの方を向いたまま手を後ろに伸ばすと巨大な葉の刃は彩花の方へと向かい四方

へ飛ぶと行き場を塞ぐように彩花を囲み壁へと突き刺さると葉から無数の刃が飛び出す



「っ!」

『もう逃げ場はない。さあ、印を渡すのだ』

「こ・・・」





断る。そう言いたいのに言葉が止まった。そして再び向けられる鋭い目に全身が怯んだ




「・・・・・・っ・・・」




怖い。ただそんな感情に身も心も動けなくなっていた。それ以外なにも考えられなくなっ

ていた。この印を離せば命は助かる、そうわかっているのに何故かそれが出来なかった




「あ・・・っ!」




うまく言葉が出ず呼吸すら浅くなっていた。さらに手が向けられると全身が反応する



『・・・・・・』

「!」

『なら、仕方あるまい』





手が向けられたままその時、天界人は蒼真の攻撃により吹っ飛んだ




『なっ・・・!』

「蒼真!?」

『散々馬鹿にしやがって・・・』




再び殴ると天界人はさらに遠く吹き飛び契約者が叫び声を上げると駆け寄った。その時




『このままいくぞ!』

「えっ・・・っ!?」



現実ならばあり得ないが天界人ならありなのか。小学生ほどの体には到底ないと思わ

れる力で彩花を持ち上げるとそのまま空中を飛びぬけ出した。あらゆる景色が過ぎ去り


『あそこだ、印を!』

「えっあ・・・」




言われるがまま慌てて石を渡すと蒼真は飛んだまま壁へと近づきくぼみに石をはめ込んだ





「これで・・・」

『第四試練、合格だ』



声が聞こえた気がして、気がつくと屋上に戻っていた。これまでと比にならない疲労

に動けぬままフロルの力で瞬間的に部屋に戻ると第三試練のように身を放り投げた



「・・・・・・っ!?」


あの時のように涙を浮かべ生きている事に全身の力が抜けているとふと頭に何かを感じた



「蒼真・・・!?」

『・・・・・・』



何も告げぬまま、驚きながら起きあがるも頭を撫でる手は止まることなく



「ど、どうしたのさ急に」

『・・・悪い。こんな事に巻き込んで・・・』



かつて聞いたことのない沈んだ声に反射的に焦ったように尋ねる


「えっそ、蒼真は悪くないよ!だってこれ試験だし!避けられない事だし!」

『いや、俺がもっと強ければ・・・』




『これまで他の天界人とやりあった事はないんだ。そこに存在し、やるべきことを告
 げられてから特になにも感じなかった。それが使命であり誰もが通る道だからな』

「・・・・・・」

『だが、あの戦いではっきり感じた。あいつは強かった、俺は・・・敵わなかった』



手が止まり、ゆっくりと降ろされると顔を下げる



『・・・!?』



そんな様子を見て今度は彩花が蒼真に手を伸ばす。そして頭を撫でていると蒼真は呟いた



『・・・俺たち天界人の強さは・・・個々の能力も関係しているが・・・ほとんどは契
 約者による増強される力によって勝敗が決まると言っても過言ではないんだ』

「増強?」

『天界人と人間の契約は、ただ試練を受けるための契約じゃない。契約する事によって
 人間の力で契約した天界人の力は何倍にも増強されるんだ。・・・信じる事によって』

「!」




その時、彩花の手は止まる。それは・・・なによりもできないことだったからだ




『人間と天界人・・・互いの絆が強ければ強いほど力は何倍にも増強される』

「それは・・・それって・・・敗因は・・・私にもあるって事だよね」

『責めるつもりはない。なにより・・・それが出来ない理由を知っているからな』




手が離れ降ろされると沈黙の時間が流れる


「そうなら・・・そう言ってくれれば・・・ある程度は出来たのに」

『正直、そんなのなくてもクリアできると思ってたんだ』

「・・・・・・」


ふと、顔を上げると蒼真は何かを感じているように目を閉じ開くと告げた



『・・・次の・・・最期の試練は明後日行われるそうだ』

「!」

『リタイアする場合は・・・開始するまでに伝えなければならない』



残された二つの道。危険はこれまでの、なによりもさっきの戦いで思い知らされた

正直言えばもう二度とあんな怖い思いはしたくない。あんな戦いに参加したくない

だが罪悪感なのか何なのか。心の中の何かがその選択を選ぶ事を躊躇わせた


「・・・・・・」

『・・・・・・』



それ以上言葉を交わすことなく蒼真は姿を消した。時間は刻々と前日にまで迫っていた

それまでの時間は、同じ時間のはずなのにたったひとつの選択で速く過ぎた気がした

日が沈み始め空は夕陽によってオレンジ色に染まっている中部屋で彩花は名を呼んだ



「蒼真」

『・・・・・・』



当日まで用はない。何かを察した蒼真は青白い光と共に目の前に現れる



「・・・・・・」

「・・・・・・」


場所は変わり階段を下りた先、リビングで啓は唖然とした様子で彩花を見ていた



「だからもしかしたら死ぬかもしれない」

「それは・・・」


作業を止め呟いた啓に対し彩花が名を呼ぶと現れた姿に啓は驚いた


「・・・これが天界人・・・蒼真」

「・・・・・・」

「本当は啓には見えないんだけど、可能性がある限り話さない訳にはいかないと思って」

『・・・・・・』




2人の視線が合うとさらに彩花は言葉を続けた



「そこじゃ私の魔法はなにも使えない。だから・・・死ぬかもしれないんだ」

「そんな場所に行かせるわけには・・・」

「・・・これは一つの試練だよ。私にとっても・・・」

『何?』



ふと声を発した蒼真は彩花の方を向く。その表情に今までとは違う何かを感じた



「世界を守れる力があっても、こんな弱さじゃ駄目だって知ってるんだ。誰よりも私は弱
 いから・・・少しでも強くならなきゃいけない。恐怖に・・・勝つ強さを、だから受けるよ」

『!』

「・・・わかりました」



静かに呟くと言葉に驚くように彩花は表情を変える。そして部屋に戻ると彩花は口を開いた


「それに・・・もう一つ、私にとって課題をクリアするために必要なことだと思う」

『何?』

「・・・信じる事によって強くなるんだよね?変な話この試練が終わったら蒼真とはお別
 れなんだ。裏切りもなにもないんだからその間くらいはできるんじゃないかって・・・」

『・・・・・・』



勇気の守護者。それは天界にて聞かされた契約者の人格



「蒼真が嫌だっていうんならやめても構わない。けど私なんかでいいのなら・・・」

『俺は構わん。元より契約を切る気など微塵もないからな』

「え?」





『何故なら・・・俺は信じているからだ』





最終試練は明日の放課後、私は決めた。今もなお不安はあるもののこれでいいと思って

いた。あれから、あの日から何も信じなくなった今でも信じる事は出来るのか試したくなった

のかもしれない。あれから笑う事を忘れた自分は、再び喜びを感じる事が出来るのかと



「あーそうか、沙織も受けるのか」

「元気ないみたいだけど、大丈夫?」



階段をのぼりながら沙織が尋ねると苦笑いしながら彩花は答えた



「ま・・・まあ・・・」

『最終試練はこれまでの試練を乗り越えた者全員が参加します』

「・・・君は・・・」


階段を登り切り扉を開けると太陽光の眩しさに街全体が見える場所、屋上へ辿り着いた

それから数分後、光に包まれるように2人の視界が眩むと見慣れない場所へとやってきた



『これより、最終試練を行う』

「「・・・・・・」」


そこにいるわけでもないのに2人は上を見上げると声は淡々とルールを告げる



『最終試練は前半、後半と分かれており最期まで勝ち残った者が勝利となる
 。前半はそれぞれペアを組みトーナメント形式で相手となるペアとの対戦だ』

「ペア・・・?」

『ペアは誰と組んでもいい。ただし天界人と契約者は変えられないものとする』




「・・・これは運がいいかもね」

「え?」

「彩花、私とペアを組まない?互いに知ってるし色々とやりやすいでしょ?」



横を見ると笑みを浮かべながら沙織が告げ尋ねるとハクは問題ないと答える。そして数分後






『全員のペアが決まったようだな。ではこれから前半戦を開始する』





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次回

ついに始まった最終試練。沙織とハクとペアを組んだ彩花と蒼真だったが初戦から2人

はハクの圧倒的な力を目の当たりにする事になる。圧勝ともいえる速度で勝ち進んで

いき後半戦へ、ペアは解除され単体によるトーナメントとなるが運は突如傾き始め・・・


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