INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第22話、執事としての使命

少年より試練の話を聞き契約を交わす事を決める。そんな彩花に沙織は自分も契

約を交わした一人だと話す。こうして特徴ともいえる蒼い髪から『蒼真』と名付ける

が直後判明するのは自分の魔法が使えない事。それは重大な何かを告げていた
__________________________________
「そ・・・んな・・・」



神から授かったあの力や魔法は使えない。それどころか自分の身を守るためのネール、逃

げ出すためのフロルや痛みを感じなくするペイン、見ないようにするミラージュが使えない



「・・・・・・」





そこにあったのは楽しさなんかじゃない。絶対など存在しない恐怖と、絶望感だった



「うわああああ!」

「早く逃げろ!!」



次から次へと事件は起こる。チョークとページをめくる音だけが聞こえていたはずなのに

それはある放送によって一瞬のうちに叫び声と足音で慌ただしくなっていた。そんな流れ

に逆らうように生徒達が走っていく方向とは逆方向に走っていくとある姿に立ち止まった




「本当になにかがありそうな頻度だよねえっ!」




高温の炎が魔物を貫通するとその場から魔物の姿は消える




「私たちもはやく逃げ・・・」

「で、でも途中で化け物がいたら・・・」



彩花が振り返ると教室には数人生徒が残っていた。多くの生徒達がパニックによって

指示が発令された瞬間駆け出したのに対し、比較的冷静な生徒はこの場に残っていた



「皆さん落ちついてください!警察がもうすぐ・・・」

「駄目だよ!門まで化け物がいて警察は入れそうにない!」



落ちつかせようと啓が叫ぶが教室にかけ込んできた生徒は叫び一同は反応する

沙織や翔太が飛び出していった中彩花は案の定あの理由で動けずにここにいた




(おそらく・・・敷地内には残ってる生徒もいるはず。もし見られたら・・・)




「俺達はここで殺されるのか?!」

「そんなの嫌だぞ!誰か助けてくれよ!」



生徒たちの声に焦りが募る中、行かなければと思いながらも迷いが足を止めた




(こうしている間にも・・・沙織達は戦っているのに!)




見つかる事の何がそんなに怖いのか。それはかつて普通だった何かが突然変わる

変化に対して恐れていた。同じ事が起こるとは限らないが起こらないとも限らないのだ




「・・・・・・」



迷った挙句、鞄からノートパソコンを取り出しモンスターボールを呼び出すと投げた



「デンリュウ、カポエラー、エーフィ、ここを守って」

「神月?」

「まだ、どこかに隠れてる生徒がいるかもしれない。だとしたら助けないと」



走っていたところ別の足音に気づき横を見ると箒を持った青空の姿が


「!?」

「少しくらいなら、俺だって何かできるかもしれないだろ」



そのまま走り続けると校舎と校舎を繋ぐ通路に出た時魔物は2人の前に現れる

魔物が無数の針を飛ばした瞬間彩花はネールを唱えるとそれら全ては弾き飛んだ



「ファイア!」



魔法を唱えると魔物に直撃し怯んだ瞬間を狙って剣を振りかざした。しかし別の魔物が拳

を振り下ろすと目の前にいた青空は持っていた箒を盾にするが無残にも真っ二つに折れた



「!」



人力で折るには相当の力がいりちょっとやそっとの刃物でも切る事はできないだろうと

思われる箒が小枝を折るように見事に真っ二つに折れ思わず青空は半歩後ろに下がる

再び魔物が青空に向かって攻撃しようとした瞬間、剣は弓に姿を変え魔物を射った



「今のうちに隠れ・・・」

「神月、後ろ!」

「!」



血相を変えた青空が叫び咄嗟に振り返るとさっき攻撃した魔物が次の攻撃態勢に入って

いた。弓であることから咄嗟に反撃する事ができず唐突な事にネールを唱える思考もなく




「しまっ・・・」




青空が唖然とした様子で目を見開く一方彩花は咄嗟に目を閉じた。地面にいくつもの針が

突き刺さる音がする中痛みがなく体位が変わっている違和感を感じおそるおそる目を開いた




「なっ・・・啓!?」

「ご無事ですか!?」

「!」



ふと横を見ると魔物は次なる攻撃を自分たちに向かって放つ。が啓は針を次々と避ける

とさらに現れた魔物たちの攻撃すらも見事に避けて行く。魔法ではなく身体能力を持って

一通りの攻撃を避けると地面へと彩花を下し彩花は茫然とする様子で啓を見ていた



「次が来ます!」

「!させない・・・ネール!・・・ディン!」



攻撃を防ぐネールを唱えると次に唱えたのは同じく神の力を媒体にした炎魔法。彩花を

中心に全体方面へと炎の波が押し寄せると魔物は攻撃を止め苦しそうにもがきはじめた

そして駆け出すと弓は剣に姿を変え、勢いに任せたまま剣を勢いよく振り下ろし攻撃した




「グギャアアアアア」




姿を消しては攻撃し、あっという間に魔物達はその場から姿を消した。辺りに魔物が見

当たらなくなったのを確認すると構えを解きため息をつくとその場から剣は姿を消した



「啓、どうして・・・」



啓の元へ駆け寄ると問いかける。そこに返ってきたのは



「主をお守りする事。それが私の使命でございます」

「!」

「ご無事でなによりです」



深い息を吐くとその姿を見て本心からの言葉なのだと察した。主を守るのが執事の務め

だという話は以前も聞いた。実際あの場で助けられなければ針まみれになっていただろ

う。それが役目なだけに起こる事はなく、だが彩花の中である疑問が引っ掛かっていた



「神月、大丈夫か?」

「あぁ、うん・・・。啓、その・・・怖くないの?」

「え?」

「もし当たって怪我でもしたら・・・もし死ぬかもしれないと思ったら・・・怖くないの?」



おそるおそる尋ねる質問に対し啓は予想外と言わんばかりの表情をしていた



「わ、私はネールの力でほとんどの攻撃を防げるけど・・・そういうのないんでしょ?」

「傷つくことを恐れては務まりませんよ。伊達に訓練を受けたわけではありませんし」

「訓練・・・?」



青空が呟くと遠くから叫び声が聞こえ振り向くとこっちへ走ってくる緋香琉達の姿があった



「ちょっとこれは本格的に調べたほうがいいかもしれないね」

「どうやって?」

「ひとまず・・・この学校に長く務めてる先生を中心に情報を集めてみるよ」



帰り道、あれから状況は変わり同じメンバーで帰ることはなくなっていた。沙織とは元々住

んでいる場所が違うことから、緋香琉やクロスもそれぞれの用事もあり毎日ではなくなった



「・・・・・・」



かつて同じ状況にあったようにその存在をどこか嫌煙する所があった。これといった理由は

なく、本能的にそう感じ避けていた。だから執事という役職の啓の事も認めていなかった



「危険を顧みず主を守る・・・よくやるよ」

「当然の事をしたまでですよ」

「・・・そこまで使命に全うする理由が知りたいわ。大体君くらいの優秀な人なら私じゃ
 なくとももっと・・・本当に仕えるべき人の所があるだろうに。なんで私なんかに・・・」



どこか言い方が悪かったかもしれない。けどそれはこれまで思い知らされた能力を見てで

の言葉だった。かつて与えられた神の力により本当ならば、守る必要などないのだから



「・・・そうですね。お嬢様はともかく・・・私が神月家にお仕えするにはある理由があるのです」

「ある理由?」

「えぇ。忘れる事のない・・・私の全て・・・。そうですね、この話はまたいずれ・・・」




「・・・少しくらいなら、認めてあげてもいいかな」

「え?」

「どんなに気に入らなくても助けられたのは事実だし、あの時助けられなかったらピン
 チだったし。私だって人間なんだから助かった時はお礼くらい言うよ。・・・ありがとう」



数日後、休日となり翔太は悩んだ末決めたバスケ部に入部し合同練習の為ある場に来ていた



「はあ・・・はあ・・・」



小学校や中学校とは違い、本格的になったメニューに息が上がっていた時事態は起きる



「なんだ!?」

「火事!?」

「いや・・・これは・・・」


サイレンに部員たちは扉を見て叫ぶがこの学校の部員曰くこれは魔物の出現の音だそうだ



「化け物!?この間ウチでも出たってのに・・・」

「慌てるな!各部員指示に従い避難経路に向かう!」



顧問が叫んだ直後、扉がつき破られると人の何倍もの大きさのある魔物が体育館内に現れた



「!」


しかし直後魔物の角がなんらかによって折れた。板を転がった角を見つめていたが

再び何かを感じ前を見るとそこには部員ではない生徒の姿があった。その姿を見て



「鈴木!?」

「フレイミング!」



少女が叫ぶと炎の球の周りに炎の渦が渦巻くと魔物へと向かい直撃。見た事もない攻

撃に翔太はおろか部員たちも声を発するがうめき声を上げたまま魔物は消滅していった

息を吐くと手に握られていた刀が消えると振り返り手を下した沙織に向かっていった



「ってなんでお前がここに・・・」

「あー・・・私はテニス部の友達の練習試合を見に来てただけだよ」

「そ、そうなのか」



こんな偶然もあるものかと思っていると沙織はため息をついた


「運が悪いところに出くわしちゃったねえ」

「いや、けが人が出なかっただけよかったというか」

「確かにね。あぁ、多分先輩達誤解してると思うから解いておかないとね」




「誤解?」

「・・・知らない?ここ数年こう変なのが襲ってくるから最近は外の国から戦いに長け
 た人を招き入れている所があるんだよ?例えば騎士学校とか、SP養成学校とか」

「騎士学校!?そんなものがあるのか?」

「まあね。けど・・・お察しの通りそういうのはほとんどお嬢様校に取られてるから一般校
 じゃまず来ない・・・とはいえウチも一般の中では特殊だからあり得なくはない話かも」




そういう意味では戦える事を隠す必要はないのかもと沙織は告げた


「とはいえよく知ってるな。これもここらじゃ有名なのか?」

「ううん?旅してるときその学校の生徒と遭遇したことあるからさ」

「旅?」


旅と聞き単純に思い浮かぶのは旅行だ。妙な言い回しに疑問に思った



「あぁ。私も周りに比べるとある意味変わり者なのかな?彩花達はよく私
 の事『都会人』とかいうけど私も去年まで色んな場所を旅してたからね」


そして少女はにぃっと笑うと勢いよく翔太に近づき思わず一歩退いた


「実は、君の事も前から知ってるんだよね」

「え?」

「数年前、世界中を混乱に招き入れた支配者を倒した事とか」




「えっ・・・な!?」




=====================================

次回

第三試練をクリアした彩花と蒼真だったが想定以上の難関に彩花は精神に過大なダメ

ージを受けていた。そんな様子を見た蒼真は彩花に試験をリタイアする提案をする。決

められないまま迷っていた所沙織は彩花に元気づけの為にある物を貸すことを決める



NEXT 第23話、「第四試練」


第23話へ

目次へ

スポンサーサイト
別窓 | INFINITE | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<第23話、第四試練 | INFINITE | 第21話、天に存在する者>>

この記事のコメント

∧top | under∨

コメントの投稿


管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| INFINITE |