INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第15話、使命

長年待ち望んでいた幼馴染との再会、それは互いに衝撃をもたらす再会となり更なる亀

裂が2人に襲いかかる。そして一同は翔太の持っていた刀はそれぞれ彩花、緋香琉、クロ

スと同じ全空間の神エリアから与えられたものだと知る。そしてまたしても魔物は現れ・・・
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「いきなり飛び出すとか馬鹿か!あんな爪に当たったら大怪我どころじゃないぞ!?」

「はあ!?私が負けるとでも思ってるの!?あんたこそ馬鹿じゃないの!?」


互いに睨みあうと手から刃物の姿は消え彩花は叫んだ


「あんな魔物今まで何回だって戦ったことあるしあんたと違って慣れてるんだか
 ら!私は戦うのが使命であってあんたに助けられる義理はないし必要もない!」

「そう言う問題じゃないだろ!」

「なんであんたがエリアから力を与えられたか知んないけど邪魔しないでよ!」

「何だよ使命って!」





「この世界を危機から守るために私は力を与えられた。だからこれは・・・私の使命なんだ!」

「!」

「君達とは違って私は無くすものなんてないんだから」

「・・・もし死んだら・・・どうするんだよ」



叫んでいた力はなくなりトーンが下がると彩花も反応を見せるが、数秒後聞こえたのは



「・・・はあ?あんた何言ってんの?私が死んで・・・悲しむ人がいると思う?」

「!」

「むしろ喜ぶんじゃないの?」




トゲのような言葉に全身の力が強くなるも何も言い返せず、ただ握っていた手が震えていた




「私なんか死んだって誰も悲しまないんだから別に問題ないでしょ」

「っそれは・・・」

「大体、そもそも私の事覚えてる人なんていな・・・」

「使命ってなんだよ!」

「っ!?」


言葉を遮られかき消されるほどの叫び声に彩花の言葉は途中で止まった



「今まで散々苦しんできたのに・・・まだ苦しむ必要があるのかよ・・・!」

「!」

「今更遅すぎるのはわかってんだ!けどせめて・・・せめてこれからだけでも普通に
 なってもいいんじゃねえか・・・?あの時だけじゃなく今も戦ったり苦しむ必要は・・・」

「・・・っ・・・そう言えば・・・許すとでも思ったの・・・?」


顔をあげ再び向きあう形になると彩花は目を合わせぬまま告げた



「そうやって、人間は嘘をつく」

「!」

「そんな言葉、信じられると思う?あんただけじゃない。私は二度と、人間なんて信用しない」




「あんたらは平和に楽しく生きてればいいと思うよ勝手にどうぞ」

「く・・・」

「人を馬鹿にして、嘲笑って、笑いながら生きてればいいんじゃないかな」

「待っ・・・」



近づこうとするが全てを見下すような、自分を蔑むような目と表情に気づくと動きは止まった



「あんたが代わりに戦う?本当、そういうのウザいんだけど。超ウザい。やっと見つけ
 た生きる意味まで奪うつもりなの?そこまで私が苦しんでる姿を見るのが楽しい?」

「なっ・・・違う!」

「何が違うのさ」

「俺は・・・これ以上・・・傷つく必要はないって・・・」


言葉は次第に弱くなり、語尾は消えかけていた。自分を見る表情が、全てを疑うような

表情が、そうさせてしまった自分に対し、そうなってしまった彩花に対し苦しくなった



「・・・・・・」




何も言い返せなくなり沈黙が流れると、ため息をついた彩花の言葉に顔を上げた



「大体君は友達とかいるんだし死んだら悲しむ人がいるでしょ」

「それは・・・」

「悲しむ人がいるのにわざわざ戦う必要はないと思うけど?・・・何?あぁそう、わかった」



ポケットから電話を取り出し、誰かと会話すると携帯電話は降ろされた





私が翔太が戦える事を知る前から、あの場に来た時から翔太は私が戦える事を知っていた

そして話を聞く限り、実習生としてやってきた時点で翔太はすでに戦う力を持っていたのだ



「正義のヒーローとか・・・そんなかっこいいものじゃない。これは・・・罪滅ぼしだ」

「・・・・・・」

「けど、もしも・・・もしも、やり直せるのなら・・・・・・」



人生は良くも悪くも一度きり、過ぎた時間は巻き戻らなければ取り戻す事も出来ない

その時、限りある時間をどう使うかはその人の選択によって変えられるし決められる


「俺は・・・・・・」

「あーもう・・・はぁ・・・」



呆れたようなため息に顔が上がる事はない。啓が2人の姿を見つけ近づく中



「小学校の時は名前で呼んでたのに、やっぱり君も名字で呼ぶんだね」

「なっ・・・?」

「ほんと意味わかんない」




質問に対し、答えることはない。また何かを感じた啓は進む事なく止まっていた


「だって・・・俺は嫌われてるんだろ?」

「こっちは名前で呼んでるでしょうが。初対面の人じゃあるまいし」

「・・・・・・」

「自分のことはどうでもいい。どうせやるんなら・・・この世界でも助けなよ」


それ以上翔太は何も言わないまま、彩花も何も言わぬまま振り返ると歩き出した



「お嬢様、あれは・・・」

「翔太・・・上田翔太は私の幼馴染・・・だったみたいだね」

「だったみたい・・・とは?」

「ついこの間判明したんだ。私の名はアクアマリン、あいつはエメラルド・・・日本に来る際私
 は彩花、あいつはあの名前になった。ずっと一緒にいたのに気づかなかったみたいだね」



小学校、中学校、そして高校。ずっと一緒にいたのに互いの事に気づかなかった



「こんなのってありかよ・・・」

「・・・・・・」


あの時、見えていたものに裏切られ全てが敵になったあの日から、望む事はやめた。嫌な事

が起きても怒りは起きず、これも自分の運命だと、自分が受けるべき罰だと飲み込んでいた



(一度も勝てなかったのにリーグに挑んだのだって・・・約束があったから・・・)



こうして家に戻ると啓は夕食の支度を始め、性別関係なしに慣れている様子を見ていた


「本当に何でも出来るんだね」

「ええ。お望みとあれば何でもお作り致しますよ?」

「・・・言っとくけど、まだ君の事も認めたわけじゃないからね?仕方なくこうしてるけど」


そっけなく返すものの、帰り道一向にさっきのことについて尋ねない事に違和感を感じていた



「さっき、何があったか気にならないの?」

「ええ。お嬢様から話を聞いた時分かりましたから」

「・・・それってなんか、私の事知ってるみたいな言い方だね」

「ええ」



数秒も経たず即答された言葉にピクリと彩花は反応した




「・・・存じております。お嬢様の・・・過去についても」

「!」

「ここへ来る前・・・貴方の父から聞かされました。そのおかげで・・・人一倍疑い深い事も」


「あいつを許したのも、どうでもよくなったからかもね」

「え?」





「結局皆、辿りつく場は同じ。だから・・・あの事も・・・どうでもよくなったのかもね」



「ゴールデンウィークだーーー!」

「GW明けるとすぐテストだからねー」

「そう!だからいっぱい遊ばねばならんのだ!」



特別な日が重なるこの時期、連続で休みになるこの期間を一般的にゴールデンウィークと

いう。多くの人が休みになることから、テーマパークや観光地などは人で溢れる時期となる


「皆はなにか予定ある?」

「実は・・・GWに兄ちゃんが遊びに来るんだ!」

「兄ちゃん・・・って緋香琉の?」


緋香琉の故郷は大阪、一つ上だという兄がわざわざ大阪から様子を見に来るのだと言う

こうして日本はGWという長いようで短い長期休暇に入った。特に誰かが来る予定もなければ

どこかへ行く予定もない。青春を謳歌する高校生としてどうなのかというスケジュールだが


「お嬢様、明後日ある場に行きますので準備をよろしくお願いします」

「明後日?どこに行くのさ」

「神月家です」


神月家、ここは学校生活の為に住んでいるようなもので本来は別の場に家がある。ホウ

エン地方にある場が一番実家と呼ぶにふさわしいがもう一つ、この地に家があったのだ

住んでいた期間は長いとは言え幼いころの話で、思い出と言う思い出もない場だ



「家ってどこの?」

「・・・名古屋の方のです」


なんとも学校生活にも慣れ始めたこともあり遠い場所の為この機会に行っておきたいとのこと


「是非とも、元気なお姿をおじい様に見せてあげてください」

「って・・・ここからかなり遠いじゃん」

「泊まりになると思いますので、宿題などお持ちください。あぁ、タオル類や寝具などは
 向こうで用意されてると思いますが・・・なければ困るというものがありましたらそれも」


こうして時は経ち、2人は人が多く行き交う駅にいた


「人多すぎ・・・皆一体どこへいくのさ」

「この時期、私たちのように実家へ帰省する方も多いのではないでしょうか」


その通りのようで、自分たちと同じくキャリーケースを持った人達が数多くいた。長い間、さ

れど数時間、電車に揺られいくつかの駅を通り過ぎるとる途中で彩花はある事に気づいた



「んん?啓、家はこっちじゃ」

「いえ、こちらで合ってます」


何年も前の話であり記憶は曖昧である物の家からそう遠くなかった場にあった記憶は

あるため家の方向を見るが現在乗っている電車は家からかなり方角が違っていた


「??」


しかし万能さはすでに思い知らされている啓の事。間違いはないだろうと何も言わぬまま


「さて・・・駅までは迎えが来ているはずです」



迎えの車に乗るまで、なんの違和感もなかったが車に乗った途端、違和感は生まれ実現した



「・・・・・・」



都会の中にはいる名古屋とはいえど全てがそんなわけはなく、場所によってはビル

など立ち並ばないのどかな場も存在する。実家がそうだった記憶と重なり今走って

いる場もどちらかと言うと緑が多い場なのだが、記憶の片隅にもない場を通っていた


「!?」


一本道に入り、ふと横にあった何かを通り過ぎた時彩花は勢いよく後ろを振り返った。そこ

には以前東京で見たことあるような、どこかのお屋敷に立っていそうな門があったからだ



「えっ啓、これって・・・?おじいちゃん家に向かってるんだよね?」

「ええ」

「・・・あんな門、あったっけ・・・」


門が遠くになって横に向き直ると、綺麗に植えられた木と色とりどりの花が咲く庭



「本当に、おじいちゃんの家?」

「あぁ、そういえば言い忘れていました。おじい様の家とは言えど・・・本家ですよ」



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次回

春が過ぎゴールデンウィークに入った彩花は啓より祖父の家に行く事を告げられる

しかしそこはかつて幼少の頃過ごした事のある場とはかけ離れた本家と呼ばれる

場だった。縁のない屋敷の前にやってきた彩花だったが・・・そこに現れたのは・・・


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