INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第13話、途切れた糸

学園内に在籍する有名ブランドメーカーの令嬢納言麗奈に勝負を挑まれた彩花及び

北条啓だったが圧倒的な実力の元勝利を収める。一見落着したかと思われたのも

つかの間、ある魔物による出来ごとにより彩花と翔太はある事実を知るのだった・・・
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「そんなの嘘だ・・・!あんたが・・・あんたが・・・」

「おい?」

「あんたが・・・エメラルドなんて・・・嘘だっ!」



屋上一杯に彩花の声が響いた。その声に翔太は言葉を返せぬまま



「嘘だよ!私の知るエメラルドは・・・あんたみたいな奴じゃない!」

「っ!」

「そんなの・・・嘘だよ!」

「あっおい!?」



振り返ると、彩花は勢いよく駆け出すと扉をくぐり飛び出していった。そこに残った青年は




「まさか・・・こんなところで再会するなんて・・・」




それからというものの、ただでさえ無表情に近かった彩花の表情は常に険しいものになって

いた。授業が終わってからも一言も言葉を発さない彩花に対し沙織は違和感を感じていた

部屋に戻ってきた彩花は机へと向かうと引き出しを開ける。そこには水色のブレスレットが




「よう」

「おう」



カバンを置くと席につく中ここでもまた一人の青年は違和感に気づいた


「そういやもうすぐ仮入部期間始まるよな。上田はどこに入るか決めたのか?」

「それは・・・」

「中学の時は・・・何部だったっけ?・・・どうかしたのか?」


曖昧な答えに違和感を覚えると尋ねた。その質問に対しカバンを横にかけると答えた




「あぁ。思いもよらない事が起きてな」

「思いもよらない事?」

「・・・これは、想定外というか・・・とんでもないことになっちまったな」




すっかり馴染んだようで教室では生徒達がそれぞれの話をして賑わっていた。そん

な中前後の席に座っていた2人のうち翔太が振り返ると言いにくそうに口を開いた


「さっきの続きなんだが・・・」

「あぁ。確か・・・トレーナーになる前に幼馴染がいたって話だったな」

「あぁ。俺が偶然遊びに行った先で会ったんだが・・・今となってはなんでか知らない
 があっという間に仲良くなってな、来る日も来る日も会っては一緒に遊んでたんだ」


木に登ったり、地面に絵を描いたり、ある時はポケモンの話をしたり


「もう何年も前・・・幼稚園くらいの時だ。一緒にいるのが当たり前かのように遊んでた
 。だが・・・ある日俺は日本に引っ越すことになってな、何か残せないかと思い・・・」


ポケットに手を入れるとそこから取り出されたのはあのブレスレットだった


「ブレスレット?」

「俺はこの緑の、そいつ・・・アクアマリンには水色のブレスレットを渡したんだ」

「互いを忘れないようにか?」

「あぁ。親友の・・・友情の証としてな」


「・・・あぁ、続きは昼休みにでも話そう」



場所を移動し人が滅多に来ない校舎裏へとやってくると腰を降ろし翔太は口を開いた


「別れる前、俺とアクアマリンは互いにポケモンマスターになる約束をして・・・俺は
 引っ越した。それ以来そいつに会う事もなく俺は日本の学校に行ってたんだが・・・」

「ほう」

「トレーナーになって旅をしている間も、故郷とは違う場所を選んだからかアクアマリン
 に会う事はなかった。そもそもあいつがトレーナーになったかどうかすらわからないが」




「この間再会したんだ」

「!」


その言葉に、青空は反応を見せる。が翔太はなぜか嬉しそうではない



「ずっと・・・行方もわからなかったのに・・・ついに見つけたんだ」


「まあ確かに、私はそういう情報網は広いけどさ?何が知りたいのかな?」



翔太と青空が訪れたのは一人の少女・・・クラスでも顔が広くあらゆる情報通だという

ことで有名な沙織の元だった。鈴木沙織と言えばよくあの人物と共にいるのを見かける



「あいつの事はどれだけ知ってる?」

「・・・それが・・・私結構情報網広いから色んな手を使って情報を集めるのは得意なんだけ
 ど・・・彩花だけはどうやっても集まらないんだよねえ・・・自己紹介で言ってた事くらい?」


にわかに信じがたいがあの時確かに彩花はエメラルドと名を発した。入学当時

から見る限りクラス内、それ以外でも一番仲がいいのは沙織だろう。会話もまま

ならない状態ではどうする事も出来ないと判断した翔太はあの時の事を話した



「・・・それはすごい展開だね。実は昔仲良かった幼馴染なんて・・・」

「知っての通り俺は彩花から嫌われてる。だがそれをなんとかしたいんだ」



考えるも策は見つからない。そもそもなぜ仲が悪いのかすら沙織は知らないのだ


「なあ・・・」

「・・・認めないから」


そして次の日、移動教室の際翔太は話しかけようと彩花に近づくものの懸けた声に振り返

った表情はあの時のように睨まれていた。それは拒否を意味していることはすぐに分かった




「あんたがあのエメラルドなんて・・・認めないから」



何かを言いかけた時、唇をかみしめるように俯いた彩花は振り返り歩いて行ってしまった



「あれ相当嫌われてるよね。一体何があったの?」

「それは・・・」


その時、音が鳴ると構内に向かって放送が掛かった。内容はもはや何度か聞いた

魔物の出現。放送を聞きハッとすると沙織は駆け出すと同じように翔太も駆け出した



「上田君!?」

「なっ・・・」

「え?もしかして・・・」



走った先には猛獣のような魔物が木をなぎ倒しては暴れていた。その時2人は気配に気づき


「伊藤!?お前なんでここに・・・」

「そりゃ・・・気にもなるよ」

「危ないぞ!?」


その時、魔物に向かって上空から雷のようなものが落ちた。直撃すると魔物は悲鳴を上げて

よろめいた姿に3人は思わず向き直る。そして沙織の言葉に咄嗟に翔太は反応を示した


「この魔法・・・」

「魔法?あっおい鈴木!?」


走り出した沙織に続き駆け出すと魔物の近くにある姿がある事に気づいた


「あれ・・・神月!?」




青空が叫び立ち止まるとそこにはなにも持たずにいた彩花の姿があった。しかし突如手

に剣が現れると周りにいた魔物たちを次々と倒していく姿に思わず二人からは声が出る



「なっ・・・剣!?」

「神月・・・なのか?」


初めてとは思えない動きで動き回る姿に叫ばずにはいられなかった。目を離さずに見ていた

といえどそれが終わるまでに数十分もかからず、翔太達が手を貸すまでもなく魔物は消えた

彩花が沙織の存在に気づいた時、茂みから顔を出したのは二足歩行の黄色い生物だった


「あんなにバレるの嫌ってたのにあんな目立つ雷魔法・・・」

「え?あれはデンリュウの『かみなり』だよ?」



それから何かが進展するわけでもなく、状況は変わらぬまま日にちだけが過ぎていた


「うああ・・・どうしたものか」

「何がだ?」


頭を抱え唸る翔太に対し覗きこむと机の上には筆記用具と一枚の紙が白紙のままあった


「仮入部希望の用紙一応明日までだろ。どうしようかと迷っててな・・・」

「いくつか候補はあるのか?」

「あぁ・・・」

「仮入部なんだし途中で変えられるだろ、とりあえず一番やりたいの選んだらいいんじゃないか?」

「・・・・・・」



部活動が始まれば一層時間はとれなくなる。この件についても残された時間は限られていた

既に生徒の数は減り次々と鞄を持った生徒が教室から出て行く中ずっと紙とにらみ合っていた


沙織はそう緋香琉達に告げると彩花の手を引っ張り屋上へとやってきた



「どうして上田君と仲悪いの?というか彩花が一方的に嫌ってるみたいなんだけど?」

「・・・別に大したことじゃないよ」



その時、屋上の扉が開き振り返るとカバンを持ったままの翔太の姿が。近づいてくる

代わりに沙織は全てを知っていたように屋上の出口へと向かうと扉の向こうに消えた



「えっ沙織?これはどういう・・・」

「こんなところで再会できるなんて思ってなかった。これを知ってると言う事は」



そう言ってポケットから取り出されたのはあのブレスレットだった。睨むような目で見る

も凝視するように一点を見つめていた後、腕にはめていたある物を腕から外した。それ

は翔太が持っているものと同じ形同じ並び、しかし石の色は緑ではなく水色だった


「・・・やっぱり、アクアマリンなのか」

「やっぱただの偶然ってわけじゃなさそうだね。それに私の本名を知ってるなんて」

「・・・・・・」


互いが気づいていた。ポケモンの生息する地方に住む者は日本に移住する際その地に

合わせたもう一つの名を名乗る事が許可されている。そこで・・・それぞれの名が変わった

事に。自分がそうだったように、相手もまた同じ状況に置かれていたのだと言う事に



「お父さん今日帰ってくるの遅いけど暗くなる前には家の中に入るんだよ」

「はーい」



いつものように、お父さんは仕事の為鞄を持ったまま家から出ていった。これが普通であ

るが近くに家などなく、森の中にぽつりと立っているため誰かと遊ぶことすら容易ではない



「あーあ、イーブイ何しようか」



ある日はお絵かき、ある日はパズル、ある日は絵本を読んだり、それも何日も続くと飽きる

もので時折外に出てはイーブイと家付近に生息する野生のポケモン達と遊ぶ事があった



「♪」



歌う事が大好きで、歌うと時々野生のポケモンがやってくる事がある。時には少女の周り

にポケモンで埋め尽くされるほどでもある。ある日もまた外に出ては木の上で歌っていた


「っ!?」


その時、物音がし少女は歌を止めた。風が吹き、そこに現れたのはポケモンではなく・・・



「こんなところで何してるんだ?」


周りには森や湖以外なにもない。こんなところ住んでいる自分達以外人が来る理由はないのだ



「えっと・・・なんでここに?」

「ちょーっとこいつと探検してたら歌が聞こえてきてさ。な、タツベイ」





(だって・・・私の知るエメラルドは・・・)



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次回

沙織の策によって話す機会が出来た翔太はこれまでの事から気になった事を尋ねた

衝撃と感動ともいえる再会だったが、それを隔てる理由が2人にはあった。それは自分

達以外だれも知らない過去の話。忘れる事の出来ない消える事のない遠い日の記憶



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