INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第12話、遠き日の夢

ある日の事、教室にかけ込んできた日本屈指のファッションブランド『NAGON』の

令嬢納言麗奈。この学校にもう一人令嬢がいると知った彼女は執事である北条啓

に勝負を挑む。それをきっかけに啓は彩花達に執事について説明するのだった
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「・・・・・・」



『それ』が終わるまで時間はかからなかった。ある事が判明しても、誰もがそれを理解する

のに数秒の時間がかかった。もしくは状況としては理解しても脳がついていかない状況だ


「・・・・・・」


あまりの衝撃に声が出ない。数秒後、僅かに動いた口から沙織の声が聞こえた


「今・・・何が・・・?」

「嘘・・・」


沙織の次に聞こえたのは納言さんの声。目の前には静かに倒れた納言家の執事の姿が


「由良!?」


それは、勝負の終わりを表していた。静寂の中に信じられないような少女の声

が響く。5人が下に降りると納言さんは啓の横を通り過ぎ青年へと駆け寄った



「由良!」

「お嬢様・・・申し訳・・・ございません・・・」

「嘘・・・」


「北条!お前すごいな!」

「お褒めに預かり光栄です」


緋香琉の声に対し、息が切れた様子もなく決闘前となんら変わりない様子で答える

言葉は止まり、5人は2人の方向を向くと2人は立ちあがりこっちへとやってきた


「・・・勝負にも貴方の主は現れなかった・・・貴方・・・納言家の執事にならない?」

「え?」


その言葉に、沙織達はおろか相手の執事も驚きの表情が現れた


「調べても、貴方がどこに仕えているのかわからなかった。セキュリティが固いのか貴方
 のクラスは分かっても主の情報は分からなかったもの。待遇だって今より上乗せするわ」

「・・・ありがたきお言葉ですが、丁重にお断りさせていただきます」

「!」


その言葉に、彩花の表情は変化する。がそれはほんの僅かで誰も気づかない


「私は・・・あのお方にお仕えすると決めていますから」

「そこまで言うなんて・・・相当の方なのでしょうね」


質問に啓が答えることはない。何故ならなど、考えればすぐに分かる。自分が彼にして

きた態度を思い出せば自分の良いと思われるところなど微塵も見当たらないからだ。よって、

彼がここに留まる理由などなく彼女の元に行ったほうが本来の役目が出来るのではないか


「・・・それは・・・まだ日が浅いので・・・わかりません」

「なんですって?」

「ですが、私が仕える場は変わりません」


「今回は負けを認めるわ。でも、次は・・・」


高飛車な彼女とは間逆の、本心が見えるやわらかな表情に再び彩花は見とれていた


「次は、負けませんわよ?」


「なら、次は私が・・・全力でそこの執事と戦おうじゃないか」

「え?」


その言葉に納言さんは目を見開き驚きの声を上げると同時周りも驚いたような表情を浮かべる


「貴方は一体・・・」

「それっぽくなくて悪かったね」

「!・・・では・・・貴方が・・・」


何かを勘付いた納言さんは僅かに言葉を発する。そこに彩花は苦笑いしながら返した


「ええと・・・学校では身分?を隠したかったからあの時も行かなかったんだよ」

「・・・・・・」


苦笑いしながら言うも、数秒後は様子を窺うように納言さんの方を見ていた。なには

ともあれ一件落着、勝利した事により退学も免れ再び日常が始まろうとしていた



「うーん・・・」

「緋香琉、どうしたの?」


廊下を歩いていた時の事、ふいに唸り声を上げた緋香琉に対しクロスが尋ねた


「いや・・・上田とは小学校2年まで一緒だったわけだけどさ」

「確か・・・彩花達のクラスの?」

「そう。けどさ、まったく記憶にないんだよね」


「彩花、私購買で買ってくるから先に行ってて」

「わかった」



屋上へと向かうがそこに緋香琉もクロスの姿もなかった。弁当を下に置き柵から外

を見ると快晴な天気もあってか庭で昼食を取っている生徒の姿がちらほら見える



(外か・・・中庭も結構広かったしありかも)



その時、違和感を感じ表情はどこか不穏なものになった。嫌な予感がし一点を見つめて

いると、突如違和感ははっきりと現れ咄嗟に上空を見上げると数体の鳥が飛んでいた



「鳥・・・?」



人と同じか、それくらいの大きさの鳥に日本ではそんな鳥滅多に見ない為疑問に思う

嫌な予感は的中し鳥は自分に狙いを定めると突然急降下し鋭い爪を立てて突撃してきた




「うわっ!」



咄嗟に避けるもののバランスを崩し地面へと倒れ込んだ。間髪いれず別の鳥が襲いかかって

くるが彩花の得意でもあり戦いには欠かせない『ネール』を唱えると鳥は青い壁に遮られた



(魔物か!?)



身体を起こすと空中に飛ぶ鳥達の姿を無言で見つめていた。全身は黒いものの鴉と呼べ

るほどの大きさではなく、なによりまるで鷲や獣のような鋭い爪に無意識に息を呑んだ




(今ここには自分しかいない。戦わないと・・・)




壁を壊そうと何度も爪を突き立て突撃してくる鳥に対し魔法を唱えようとした時、風の刃の

ような何かが魔物の翼を切り裂いた。刃と言うには実体がなく、まるで風魔法のようだ



「そのまま動くなよ!」

「!?」



想像していた誰とも違う男の声に思わず振り向いた。が姿を確認する前にその人物は自分の

横を通り過ぎると両手に握っていた何かを振りかざしながら叫ぶとさっきみた刃が飛び出た



「えっ・・・!?」



三日月のような形をした刃は光を纏いながら魔物を切り裂くと魔物は消滅していく。戦え

る者と言えば神から力を受けた緋香琉とクロス。そして魔法使いである沙織のみだと思っ

ていた。けれど今目の前にいるのはその誰でもない。この学校に通う男子生徒だった



「・・・・・・」



言葉は出ず、目の前に立っていた人物を唖然とした様子で見ていた。それは・・・自分も

良く知る人物、上田翔太だった。しかし右手に握られた物を見て思わず言葉が漏れる



「剣・・・?え?なんで・・・」

「怪我はないか?」

「っ後ろ!!」


その時、背後に一体の鳥が現れ彩花は叫ぶ。刀を握った翔太は振りかえると衝撃でポ

ケットから何かが飛び出るがそれに気を留める事もなく刀を魔物に向かって振りかざした



「衝波!!」



空気さえも切り裂くような風圧に耐えるように腕を前に出すと目を開いた時魔物は消えた


「・・・これで最後っぽいな」

「・・・なんであんたが・・・そんなものを・・・何・・・それ・・・」

「あぁ、この刀か?これは・・・とある神に授けられた力だ」

「・・・はっ・・・?」


翔太は歩き出しこっちへと歩き出す。それは振りかえった際落とした何かを拾おうと

していた。ふと彩花が落ちていた物を見た時、さらなる衝動が彩花の脳を襲った



「・・・っ!?」



地面に落ちていたのは緑色や透明の石が繋げられ作られたブレスレット。それを見た瞬間

目を見開き脳内にある映像が流れた。正確には、突如脳内に過去の出来事が思い出される



「俺、旅に出られるようになったらポケモンマスター目指すんだ!」

「そうなの?」

「うん!もちろん、タツベイと一緒にな!」




高層ビルが立ち並び常に電車や車が通る場とは違う、周りが全て緑で囲まれた

地。大きな木の前で一人の少年は少女に向かって空を見上げながら夢を語った





「え?なんで・・・」






ブレスレットを拾い上げそれを見つめていた時、翔太はその声に気づいた



「なんで・・・あんたがそれを・・・」


「え?」



無意識に反応した翔太が持っていたブレスレットは太陽の光にキラキラ輝いていた



「どういうことなの・・・?」

「・・・何がだ?」



信じられないような表情でいた彩花に対し翔太は何が何だか分からない様子でいた

しかしそれは直後少女から発される言葉によって全てが明らかになろうとしていた




「エメ・・・ラルド・・・?」

「・・・!?」



突如発された言葉に反応を見せるが彩花の表情を見て、言葉にて翔太は言葉を返した



「なんで、その名を・・・」

「!」




「まさか・・・お前・・・」

「・・・・・・」

「・・・アクアマリン・・・?」


ゆっくりと立ち上がると誰も知るはずのない名を発され呆然とした様子で目を離せずに

いた。そしてこれまでの会話で全てが明らかになり、胸の前で握られていた手は震えた



「う、そ・・・・・・」



信じられない信じたくない。そう思うが今までの会話が全てを物語っていた




「嘘・・・エメラルド・・・なの?」



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次回

ひょんなことから判明したそれぞれの正体。それは信じる事の出来ない遥か昔に共

にある道を目指す事を決めた友だった。しかしそれを認められない彩花だったがそれ

には過去と現在の違いからなる理由があった。そして一方翔太もある時間が迫り・・・


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