INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第11話、家名を懸けて

彩花の大食い判明に沙織の情報収集能力。それぞれ驚きが起きた授業後図書委員の

仕事をするべく図書室に向かう。暇だからとついてきた沙織だったがそこで互いにある事

を知るのだった。穏やかな学園生活だったが・・・それはある人物によって一変する・・・
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「そんな最難関を突破しちゃうなんて北条君はすごいのね」




「試験場は日本にはなく、私はイギリスの養成学校に通い資格を得て日本に来たのです」

「ということは・・・」

「はい。ある意味ではお嬢様が初めてお仕えする人物ということになりますね」



緋香琉とクロスが興味津々に聞く中彩花の不機嫌度は上がり続ける一方だ


「入学した時点で執事訓練生としてランクDの証明書が与えられます。そして執事に必要な
 知識を学んだ後、年に1度ある試験を受け合格した者が正式な執事として認められます」





「そして正式に認められた時点でランクはCになります。これが執事としての最低ランクとなります」

「うっへえ・・・資格得るだけで難しいのにそれでもCなのかー?」

「なら、そこからAになるには・・・」


クロスの質問にティーカップが置かれた音がすると啓は再び話し始める


「Cというのは、あくまで資格を得たのみ。ここでいう資格条件とは本当に最低限
 ・・・言葉遣いや家事全般、一般でも常識なマナーなど本当に一般的なものです」

「ということは、それ以上の能力が必要だと?」

「えぇ。Bランクは家事・・・料理や食材などについてさらに深い知識と主や当主のご親族
 などの身を守る為の防衛能力が必要となります。ここでは身体能力が必要となります」


金持ちとなれば身代金などを狙ってあらゆる危険が迫るだろう。そうでなくとも何が

起こるかわからない。どんな状況であれ主を守る能力が必要となると啓は話した


「Bランクはちょっとした専門知識を得た者。相手が生身であったり刃物を所持している程度の
 者に対応できる者ならばなれます。資格を得たほとんどの執事はBランクである事が多いです」


Bランクならば、日本のような平和と言われる国なら十分に通用するだろう。ここで彩花が口を開く


「じゃあ・・・Aは?」

「Aランクは銃や兵器など日本では見ない物を所持している者に対応できる能力が必要に
 なります。そしてさらなる幅広い知識が必要となりBランク以上に才能が必要となります」


Bランクまでは努力すれば得られる程度のもの。しかしAランクはまさしく才能が必要だと言う


「SP・・・ガードマンと同等の能力と言っても過言ではありませんね。実際執事であり
 ながら執事としての仕事はやらず護衛として責務を果たすものもいるとよく聞きます」

「待ってよ。Bの時点ですごいのにAってとんでもないじゃん」


執事と言えば紅茶を出したり主を起こしたり。そんな光景しか目には入らない。実際は

どうなのかとか考えた事もなくなるには想像を遥かに超えた能力と知識が必要なのだ


「Sなんてそれ以上に何が必要だっていうのさ」

「そうですね。Aは才能を必要とはしますが・・・Sはもはや人ではないようなものです」

「・・・なにそれ?」

「超能力者や魔道の才があったりと・・・一般人にはなることのできない、努力でどうにかなるレベル
 のものではないのです。それこそ本当に・・・神から選ばれた才能者しかなれないと聞いています」


その言葉に、思わず開きかけた口が止まった。最後の時、啓は今まで見たこと無い表情

で話したからだ。それは苦しみのような、自分には届かないと思い込んでいる表情だ


「私はAランクではありますが・・・Sランクは到底無理なのです」

「・・・・・・」

「執事とはどんな主に仕えるかわかりません。どんな主につこうとも全うできるよう
 に幅広い知識が必要なのです。知識は・・・努力によって得る事はできますが・・・」

「確かに、魔法なんて才能がないと出来ないかもね」


魔力を持たぬ者がどうあがこうとも魔法を使う事はできない。努力すればなれるなんて話

ではなく、選ばれた者しかなれぬ手の届かない領域。その言葉に少しだけ表情が歪む


「私はどれも無理だな」

「私も魔法は使えるけれど・・・そんなに色んな知識はないし無理かな」

「知識は次から次へとあり尽きる事は消してありません。執事にとって諦める事など
 あってはならないのですが・・・こればかりは、どうにもならず・・・申し訳ありません」


上級の主・・・上の位の者に仕えるほど高ランクが条件となる。いわばランクとはブラン

ドのようなものであり主の顔を表す目印でもある。それだけランクには価値があるのだ


「・・・・・・」


今まで見た事のないような沈んだ表情。給仕をする以上にこやかでありさわやかであるのは

基本中の基本なのだろう。主の命に従い行動する。当然の事でありながらも違和感がある


「・・・別にいいんじゃないの」

「・・・・・・お嬢様?」

「どうせうちですることなんて料理洗濯掃除くらいだし別にCランクでも構わないけどね」



彩花の言葉に顔を上げると目線は合うことなく少女は告げる


「これだから貴族は嫌いなんだよ。いくら自由に仕える執事だとしても人間であること
 に変わりはない。高級肉みたいにランク付けてさ、安くても美味しい肉はあるっての」

「例え・・・」

「色々やってくれる以上、下手でもなんでもありがたいと思うけどね?」


トゲのような言葉で言い捨てると伏せ目がちに少女は不機嫌でいた。表情は穏や

かではないものの、啓は何かを感じたかのように目を見開くと僅かに笑い告げた



「・・・もったいなきお言葉、ありがとうございます」


3人が帰った後、再び彩花は告げた



「なんなら、その貴族相手にしてるような言葉遣いもやめていいんだよ?」

「いえ、それはできません。これはお嬢様に仕える者として・・・」

「あー・・・もういいや。で、勝負って一体?」



啓の言葉からして勝負とは何かを分かっているようだった。質問に対し彼は答える



「私と納言家の執事との勝負です」


「執事・・・ってあの後ろにいた?」

「えぇ」

「え?啓が戦うの?というか戦えるの?」

「・・・お嬢様、さっき皆様の前でした話覚えてますか」



これまでが皆武器と呼べるものを持っていたせいか、今見る限り啓はなにも持っていない

魔法を使う才能もないと自ら明かしていた。よって戦う方法が思いつかず思わず尋ねたのだ



「ええと・・・Aランクってことは一応戦えるのか・・・?」

「お嬢様の顔に泥を塗らぬよう決して負けはしません」

「って負けたら確か退学だよね!?」

「今のところお嬢様の素性は明らかになっていないので上手く行けば私だけで済むかと」

「いや、そういう問題じゃないよね!?」






「・・・とはいえ、負ける気はないですが」



まっすぐで、迷いのない目と口調に思わず唖然とする。動揺している様子がまったくなかっ

たからだ。こうして数日後、決闘当日はやってくるのだが5人でいた時彼女達は現れる


「貴方達は・・・Aクラスにいた」

「見送りくらいいいでしょ?」


沙織が告げると少女は何かを思いついたようにある提案をする


「そうだ。貴方達も見物にいらしては?」

「え?」

「ギャラリーは多いほうが盛り上がると思いません?」


自分一人だけでいけば身分が知られると迷っていた。が願ってもない提案に4人もいれば

だれが主かなど、そもそも主かすらもわからないだろうと目の前にやってきた車を見ると


「長っ」

「これ・・・金持ちが乗るリムジンって奴か!?」

「うふふ、初めてご覧になるのかしら?」

「まさかこれ納言さんの・・・?」


テレビで一度は見るかもしれない高級車、黒く長い車リムジンではあるものの

外国人でありテレビもないかと思われるクロスは目を丸くして納言さんに尋ねた



「えぇ。さあ、乗って」



5人は乗り込むものの緊張した様子で一言も発さずまま、数十分である場についた


「ここは・・・」

「納言家の屋敷のようですね」

「えっこれ全部家ぇ!?」


そこは何百人と住めそうな横に長い建物。まさしく屋敷と呼べ緋香琉が叫ぶのも頷けた

さらに案内されるまま歩くと広大な庭に4人は辺りを見渡しながら本拠から少し離れた

場にある小柄な建物に案内される。両開きの扉をくぐり歩くとそこは大きな広場があった


「決闘はここで行うわ。・・・よく逃げなかったわね?」

「御冗談を」

「・・・あくまで家名を背負う者という自覚はあるようね。ルールを説明するわ。どちらか
 が負けを認めるか倒れた時点で勝負は終了。小道具であれば・・・使って構わないわ」

「わかりました」

「ここは危険だから、貴方達は私と共に上に行きましょう」


笑顔で告げるとさわやかで、太陽の光すらも感じさせる眩しさに思わず唖然とする

出会い頭はあんなものであっても彼女は美少女と呼ぶにふさわしく容姿端麗、お嬢

様と呼ばれてもなんの違和感も持たない。それだけ他とは違うオーラを放っていた


「ギャラリーもひっろいなー」

「ここは普段はパーティ会場として使われているの」


緋香琉の言葉に対し説明するように少女は告げる。下で2人は相対するように向きあい



「Aランクの実力、見せて頂きましょうか!」


そう叫ぶと、真っ先に動いたのは相手側の執事。軽やかと言える身のこなしで懐から

何かを取り出すと啓に向かって何かを投げた。啓もまた見切っているように避けるが


「・・・ナイフ!?」


壁に突き刺さった物を見て緋香琉がぎょっとした声で叫ぶ。つられるように4人も振り向く

と確かに2本の短剣が壁に突き刺さっていた。玩具などではなく、正真正銘の刃物だ


「ちょ・・・あれ・・・あんなのに当たったら怪我するよ!?」

「主の身を守る使命を持つ者の戦いはこんなものよ。まだ甘いけれど」


沙織の叫び声に対し動揺する様子もなくさも当たり前かのように納言さんは言う





「催し物なら・・・この程度では済まなくてよ?」





次々と投げられるナイフ、しかし啓は全てを見切っているように次々と避けて行く


「まさか、あいつも何か持ってんのか!?」

「身を護るって・・・銃とか?」

「はあ!?」

「ええっそんなもの持ってるとかみたことな・・・い」


衝撃の言葉に声はかすれ戦いの様子に視線は戻る。この空気が、これまでの経験が

告げていた。これは単なる試合ではなく、互いのプライドをかけた、まるで命を懸けたか

のような戦い。言うなれば、納言家と神月家の家名を懸けた戦い


「北条のやつ、大丈夫なのか!?」


緋香琉の叫び声に、納言は無言のまま緋香琉の方を見た


「・・・・・・」


あまりの気迫に声は出ず、こんなことになるなど・・・日本でこんなことが起きると想像もできなかった


(こんな場面なら何度か見たことあるけど・・・まさかこんな所で起きるなんて)



互いが互角に見え、どっちも傷ついてはいない。がそれは時間の経過と共に変わるだ

ろう。戦うといえば自分の役目であり、これまでも使命としてあらゆる存在と戦ってきた



(これだって、本当は私が戦うべきなんじゃ・・・)



あのナイフに当たったら怪我は免れないだろうという思いとそんな考えが浮かんでは回る


「・・・ところで、貴方のランクを聞いていないのですが」

「生憎ですが、Bですよ」

「・・・的確なナイフ裁き・・・とてもそうとは思えませんね」



啓の表情は余裕そのもので、この決闘を苦としていないように見え表情はきつくなる。話

には聞いていても相手が使う物になんの恐怖もなく次々と避けて行く。俊敏に、華麗に


「・・・・・・」


納言の執事は腰に手を懸け苦の表情を浮かべた。残されたナイフは残り3本

そんなことに気づかない彩花達は壁や地面に突き刺さった無数のナイフを見て


「・・・あの人一体どこにそんなナイフを隠し持ってるんだろう」

「・・・・・・」


緋香琉は反応がありそうな人物から反応がないことに気づき少女の方を向いた


「!」


その時、今まで避ける一方だった啓が動き出す。唐突な動きに驚いた相手の執事は一秒も

満たない速さでナイフを投げるが宙高くに飛びあがり回避するとスコンと突き刺さる音が響く


「あ・・・ぶなっ!」

「安心なさい。ここには特殊防弾ガラスが張り巡らされてるから私たちに危険はないわ」

「え?あ・・・・本当だ」


クロスが手を伸ばすと透明な目の前に感触が伝わる


「つーかあいつらブレザーでよくあんなに動けるな!?」

「ブレザーって動きにくいよねえ。特に腕とか・・・女子と男子で違うのかな」

「おっと、北条が反撃に出たぞ!」


実況するかのように勢いよく叫んだ緋香琉の声につられ一同は向きなおる


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次回

昼、購買にて昼食を買う沙織と別れ彩花は先に屋上へと向かっていた。その時例によって

魔物が襲いかかるがその時魔物を倒したのはとある男子生徒。その姿に唖然とする中

更なる事態が彩花に襲いかかる。それは長年謎とされていたとある事が解明され・・・


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