INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第10話、もう一人の令嬢

東京の名場に連れて行って欲しいと頼んだ彩花は沙織、啓と共に向かう途中父から

渡したい物があると同じく新宿へと呼びだされる。しかし父が連れていたダークポケ

モンが脱走したと再び連絡を受け3人は構内を駆け回り事件を収拾させるのだった
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好きな教科程時間は短く、苦手な教科ほど同じ50分だというのに時間が長いのはどうしてだろ

うか。午後の授業もやっとの思いで終わり沙織は帰り支度をすませ彩花の元へと駆けよった


「彩花、帰ろう」

「あー、悪いけど今日図書委員の当番があるんだ」

「図書当番?そういえば彩花図書委員だっけ?」


委員会を決めたのは過去の話、頭に残っていないまま尋ねると「そういうこと」と立ち上がった



「・・・実は私、図書室ちゃんと見た事ないんだよね。ついていこ」


ついて行くまま図書室に訪れると沙織の目に入ったのは何百冊もの本が本棚に入ってお

り道行く先まで広がっていた。二階まであるようでそこはまるでひとつの『図書館』のようだ

勉強する場としても最適なのか放課後だというのにちらほらと生徒たちの姿が見られた


「うわあ、すごい」

「え、この広さも東京では普通なんじゃないの?」

「そんなことないよ。これは多分この学校ならではだと思う」


当番の仕事とは本棚のチェックや貸し出しの番など様々あり本の冊数と生徒数から

見て大変そうだというのは一目瞭然。しかし想像よりも借りて行くひとは少ないようで


「ここってさ、どんな本があるの?」

「見た限りでは多種多彩だったよ。図鑑の本とかそんなの読むか?って感じの本まで」

「私、読むの嫌いじゃないけど好きでもないんだよなー・・・あ、ゲームは好きだよ」




頭の中で、現実を充実してる人は架空として自分たちとは違う造形の二次元になど興味はな

いと思っていた。それはかつて中学で周りにアニメが好きと言う人物がいなかったからである


「例えば?」

「え?」

「ジャンルとか・・・」


ここでもまた彩花の脳内では『どうせ少女漫画だろ』のような頭が働く


「・・・・・・」

「・・・・・・?」

「えーと・・・学園物・・・とか?」


沙織の口から伝えられたのはそれだけ。学園物とはいえど中にはゲームの一角に主人

公が生徒だったりするものからそれがメインだったりするものがあり一概には言えない


「へえ、私そういうのやったことないんだけど面白い?」

「面白いよ?中には彩花が好きそうな戦うのもあるしないのもあるし・・・」


ゲームとは一言で言えどそれこそ多種多様。彩花がやったことあるものなんかほんの一握り

に過ぎない。当然のことながら存在すら知らないゲームすら世の中には存在しているのだ



「・・・何か意外だな。沙織はこういうの嫌う方だと思ってたよ」

「どうして?」

「・・・いかにも現代人っぽくてさ、クラスでも誰とでも仲いいし・・・いかにもって感じの趣味で」

「・・・そうかな?」

「私、ファッションとか全然興味ないし。なんでもいいってわけじゃないし自分で選ぶけど・・・ブラン
 ド物とか一着数万円近くもする服買うくらいならゲーム買うしって・・・女子としてどうかと思うよね」


高校生の女子とあらば大半がファッション雑誌などを持ち歩き、芸能人の話で持ちきりになる

だろう。だが彩花にはそのジャンルで話せる事はない。その手にはまったく興味なかったのだ


「お金を何に使うかなんて人それぞれじゃない?別にいいと思うよ?」

「沙織はそうでも・・・世間一般はそうでもないでしょ」

「うーん・・・まあ?私はオシャレも好きだしファッション誌も見るけどゲームも好き」



次の瞬間、沙織は何かに浸るような、何かを思い出すような表情で告げた



「私だって同じ一万円でも服か限定版のゲーム買うかってなったら・・・ゲーム買うもん」

「・・・限定版?なにそれ」

「・・・・・・同じゲーム好きでも彩花はそっちのゲームはやらないんだね」

「?」


「先生の犬の話面白かったねー」

「沙織って犬飼ってる?」

「ううん、飼うと旅行とか簡単に行けなくなるから飼ってな・・・」


その時、勢いよく扉が開くと音の大きさに教室内が静まりかえった。話をしていた

彩花と沙織も思わず驚き会話が止まり視線を変えると扉の向こうに生徒が立っていた


「北条啓はどなたですの?」


金髪の美少女が発した言葉はただそれだけ。だがその名に彩花はふと反応した



「私ですが何かご用でしょうか?」


不機嫌そうな、怒ったような表情で眉をしかめている少女に対し丁寧な言葉で返す

その優雅さに一部の生徒がざわつく中美少女は動じることなく不機嫌そうに叫んだ


「貴方が北条啓?」


すると少女は何かを探すように教室内を見渡し告げる


「あなたの主はどちらに?」

「え?」


その瞬間、彩花の表情は一変した。まったく理解できない事態に耳打ちで尋ねると


「ねえ沙織、あの人誰」

「1-Eの納言さんだね」

「啓の知り合い?」


聞いたことのないだけに疑うような表情で見るが2人が並ぶとそこだけ違う空間のようだ


「Aクラスに執事である貴方がいるのなら主もここにいるのかと思ったのだけれど・・・」

「!」


少女の言葉に、ますます彩花の表情は険しい物になった。微かに額に汗が流れる



「私と勝負なさい」

「!?」


マンガに効果音がつくならばビシッと巨大な文字が入りそうな勢いで指をさすと

少女は叫ぶ。その言葉に彩花達はおろかクラス中が驚きざわつきはじめた


「ええと・・・どういうことでしょうか?」

「この学園内に令嬢がいると聞いたわ。私と同等の者など・・・認められないわ」

「はあ・・・」

「私と同位置に立ちたいのならば、この納言麗奈を認めさせなさい!」


「?あの人お嬢様なの?」

「知らないの?NAGONってあるでしょ。あの有名な」

「?」

「・・・・・・ファッション界では有名なファッションブランドだよ?そこの社長の一人娘」

「へー」

「・・・本当に興味ないんだね」



頬杖を突きながら返事を返す彩花に沙織は苦笑いするが再び少女の声に振り向いた


頬杖を突きながら返事を返す彩花に沙織は苦笑いするが再び少女の声に振り向いた


「わたくしは将来父の後を受け継ぐ者。同じ学び舎にいるなどわたくしにふさわしい者でな
 ければ認められませんわ!さあ、執事ならばお嬢様はどこにいるのか御存じではなくて?」


啓の様子を覗うが表情は見えず言うのか言わないのか、焦りが生まれていた。沈黙は数秒間

続き、少女は再び教室内を見渡した。お嬢様を見つけると言わんばかりに鋭い眼光に生徒は誰

もが困ったような表情でたじろぐ。彩花もまた見つかる事を恐れるような表情で少女と目が合った



「・・・あくまで出てこないつもりなのね・・・」

「お嬢様・・・これだけ言っても出てこないという事は他のクラスにいる可能性が高いかと
 。調べましたがわかったのは執事の存在のみ。主に至っては男か女か、この学年に
 いるかすら明らかではないのです。違う学年に執事がいるとも考えにくいですが・・・」

「・・・まあいいわ、なら主に仕える者として、貴方が勝負なさい!」

「えっ」

「Aランクともなる執事が仕えているのなら当然主も名に恥じない名家なのでしょうね?」



(ランク?)



「貴方と私の執事・・・どちらが上か勝負なさい」


それだけを言い残し、少女と執事らしき制服を着た青年はクラスから離れていった

彼女達が去った後も教室内は数秒間静かなままで、やがて沙織が口を開いた


「・・・大変なことになっちゃったねえ」

「・・・・・・」

「まあ、見て分かったと思うけどあの納言麗奈はあんな感じで女生徒からは結構避け
 られてるらしいよ?とはいえあの見てくれだから一部の男子からは・・・お察しの通り」

「あんなお嬢様っぽいお嬢様・・・初めて見た・・・」

「・・・え?」



それは感激のような目で、彩花の眼は輝いていた。学校も終わり帰り道、遅れて彩花と沙織

の元にあの人物がやってきた。身分を勘付かれない為にもこうしてずれて行動してるのである


「啓・・・あれどうすんのさ」

「私も納言家の令嬢がいる事は把握していたのですが・・・」

「拒否権はないっぽいしね」


沙織が告げると彩花はため息をつき告げる


「沙織はいいよな・・・他人事だもんな」

「あの後彼女の執事が来まして、『私が負けた場合は退学』だそうです」

「・・・は?」


立ち止まり、短く声を発するとにこやかだった沙織の表情は一変した


「・・・ええっ?そんなこと・・・」

「できるでしょうね、納言家の権力を持ってすれば」

「うわあ、お嬢様だ・・・」


呆れたような声を発し歩いているとしばらくの後声を発したのは彩花だった


「で、どうするの?」

「受けるしかないでしょう。詳しい日時はまた追って連絡すると」

「というか何で勝負すんの?テストの点数?」

「テストと言えばもうすぐ中間テストが・・・」




「・・・いえ、おそらく・・・彼女が言っているのは執事としての勝負でしょう」

「?」



考えるようにして言う啓に対し彩花と沙織はまったくもってわからなかった


「なんかよくわからんけど・・・あの時よく私の事言わなかったね?」

「私は執事です。お嬢様の望みとあらば身分を明かすような事は致しません」

「うっわーそのいかにもって感じのやつうざいなー」

「ところで北条君、納言さんが言ってたランクって何?」




「・・・執事に与えられる称号のようなものですよ」



その言葉に彩花は反応し尋ねる


「称号?」

「執事とは能力に合わせランク付けられるのです。養成教育学校に入った時点でDから始
 まり執事としての資格を得るとCに、そこからは能力によってB、A、Sと上がっていきます」

「ってことは北条君は結構上なんだ?」

「・・・とはいえ、日本にSランクの執事は3人しかおらず、Sランクとはまさに才能に選ばれた者
 のみがなれるのです。それはまさしく伝説のようなもの。一般的なランクがAが最高でしょうか」

「えっ・・・ってことは、啓ってすごい執事なの?」


見た目からしてもそうは見えない姿に尋ねると考え込むように啓は言葉を発する


「・・・そうですね。お嬢様には、執事について説明する必要がありそうです」

「というか啓、いつあの人達が見てるかわからないんだから安易にお嬢様って言うのは・・・」

「!」

「情報を集めようと思えば盗聴器を仕掛けたり見はったりくらいお嬢様なら余裕でしょ?」

「・・・そうですね。不覚でした。以後気をつけます・・・」


「まあ、今は近くに人の気配はしないし・・・大丈夫だとは思うけど」



なんにせよ、比較的なにもなかった日常に亀裂が入ったのはゆるぎない事実。勝負

当日バレるかもしれないがいかに私の存在を隠すか、今後の対策を考える必要がある


「あー・・・めんどくさい・・・」

「当日も私一人で行いますからお嬢様はお気づかいなく」

「それは・・・」


後日、神月家に集まった沙織、緋香琉、クロスは彩花と共に執事について聞くのだった


「へーっつーことは北条はエリートってやつなのか?」

「それはあくまで一般的な執事の中での話です」

「執事の時点で一般もなにもないよ」


呆れたように彩花がつっこむと苦笑いしながら啓はランクの識別について説明を始める


「もう一度、詳しく説明致しますね。執事になるためには資格が必要です」

「警察みたいな感じに?」

「えぇ。弁護士などのように国家資格として扱われ全国共通です。到底並大抵ではなれません」


つまり、執事になれる者は才能のある者ということになる。選ばれた者がなれるのだ

そして『才能』や『優等生』は彩花が嫌う言葉の一つでもあり表情は歪んだものとなる


「あーつまり君は優等生だってことだねわかったわかった」

「・・・・・・」

「・・・はあ、続けて」

「はい。そして資格を得るためには世界各地にある執事養成学校に通い試験に合格し資
 格を得る必要があります。入学も難関ですが・・・なにより資格を得るのは最難関です」


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次回

穏やかと思っていたある日1-Aに突如現れた美少女に執事である北条啓は勝負を挑

まれる。彼女は日本屈指の名家の令嬢でありそんな出来ごとに巻き込まれた彩花を

始め緋香琉達は啓より執事というものについて知られざるランクについて聞くのだった


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