INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第1話、新しい生活

出会いと別れ、あの3年間は終わり季節は春となっていた。通り過ぎていく景

色、次第にそれは高層ビルが立ち並び上から見えるのは道を行き交う人々


「・・・・・・」


目を丸くして、少女はその風景から目が離せなかった。とはいえ傍から見ればそんな

ことは感じ取れない。車内にアナウンスが流れると扉が開き、少女は電車から降りた



(ここが・・・東京)



颯爽と通り過ぎる人々に圧倒されながら階段を上ると瞬時に動きが止まる。想像

以上の案内看板の多さにどこが自分が向かうべき場なのかさっぱりわからない

動こうにも動けず傍から見ると挙動不審にも見える少女は携帯電話を取り出した



「父さんもたまに使うから・・・部屋はここでいいか?」

「いいよ」

「あぁこれ、制服とカバンと・・・学校に必要なものはそこにある」

「わかった」


一人暮らしには広すぎるが父は職業研究者であり滅多に家には帰らなかった。そ

して自分が成長したこともありさらに帰ってくる頻度はあの時より減るだろうと告げる


「何かあれば連絡してくれ。よっぽどの事がない限り繋がるはずだからな」

「はいはい」

「宿題もちゃんとするんだぞ、父さんがいないからってサボったら・・・」

「わかってるって!あぁもう、時間がないんでしょ?早く行きなよ」


父である以上心配するのも理解できるがうんざりとした様子で返事を返す


「まあ、たまには帰ってくるつもりだしここは母さんにも言ってある」


扉まで見送ると、車に乗り込み父は去って行った。再び部屋に戻ると懐から二つ

のモンスターボールを取り出し空中に投げた。カプセルが開き中から現れたのは


「フィー」

『随分と広いわね、一人暮らしには広すぎるくらいに』


ピンクのポケモンエーフィの返事に続いて緑と白の人型のポケモンサーナイトが呟いた



「前いたところも相当広かったけれど」

「ま、まああれはほとんどお父さんの作業スペースみたいなものだったし」



真新しい制服を壁にかけ目についた書類を棚に入れていくとある文字を見て眉は下がる



「あそこは結構年季が入っていたというか・・・あの古さ結構好きだったのよ」

「ふーん。ま、私はこっちのほうが好きだけどね。普通の家って感じで」



数日後、目覚まし時計の音に気づき片手で止めると空が明るくなっている事に気づ

いた。重い瞼を開けながら仕方ないと起きあがると早速あのポケモンの声が聞こえた



『彩花、起きてる?』

「起きてる起きてる」



目を開けると今までとは違う壁の色にぼーっとしながら僅かに記憶が蘇る。あぁ、引っ

越したんだっけと思いだしているとさらに扉の向こうからサーナイトの声が聞こえてきた




『着替えた?』

「まだ。今着替える」


段ボールはまだ段ボールのまま、必要最低限の物だけ外に出ていた。クローゼットにかか

っていた制服を取り出すと順番に着替えて行く。初めてとなるネクタイにキラキラしながら



「ええと・・・これで・・・いいのかな」

「フィー・・・」

「大丈夫だよ。まだ始まってもいないんだから」


心配そうに見ているエーフィに向かって頭を撫でると告げた。表情には僅かに曇りがあり

安心しきれない様子でエーフィは再び声を上げる。すると手は離れ立ち上がると口を開く





「長年待ち望んでた東京に来たんだ。落ち着いたら一緒に渋谷とかアキバとか見に行こうよ」




下に降りると父の姿があり聞くと入学式くらいはここにいるとのこと。扉に手をかけると後ろを振り返り


「・・・行ってきます」

『いってらっしゃい』

「あぁ、道中に気をつけてな」


扉を抜けると夢でない事を明らかにする緑の少ない町並みを再確認すると歩き出した



『新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。この春桜丘高校は』


校長先生があいさつをしている間、慣れない様子で話を聞いていた。そして

入学式が終わると渡された紙を見てクラス表から自分の名前を探していた



(人多すぎ・・・流石は高校・・・クラス多すぎ・・・)


「あれ・・・もしかして・・・彩花?」


自分の名が呼ばれた気がしたがこの世に彩花という名前はそう珍しくもないから他人だろ

うと視線を紙から動かすことはない。大体こんな場に知っている人物がいるはずないのだ


「彩花?」


その時、何かが肩に当たり思わず振り返った


「えっ・・・」


誰かが当たったのかと思いきや振り返った先にいたのはまったくの他人ではなかったから

だ。都会に混じっていようとも違和感を感じさせないショートとセミロングの中間と思われる

茶髪に自分と同じこの学校の制服を身につけた少女。その人物を見て思わず口が動いた


「沙織・・・?」

「あれ!?やっぱり彩花!?なんでここに・・・」


同じく新入生であろう人達が自分のクラスを探し向かう中互いに驚きの声を上げた



「えっ・・・?なんでここに・・・」

「その制服にここにいるってことは・・・彩花もここの新入生?」

「『も』・・・って・・・まさか・・・」


彼女は鈴木沙織。最初に出会った場はこの国ではなく遠く離れた戦いの地。とある機

関とともに行動していた途中で出会った魔法使いであり旅が好きと言う話も聞いていた


「そう!私もここの一年生なんだよ!」

「・・・えっ」


驚きを隠せない一方気づいたように沙織はクラス表を見始めるとさらなる言葉に驚く


「あ、やったね!同じクラスだ!」

「えっ」



言われるがまま1-Aと書かれたクラス名簿を見ると確かに自分の名前があった。そし

て数人後ろには確かに紛れもない『鈴木沙織』の名前が。廊下を歩くと扉の上を見て


(1-A・・・ここか)


教室に入ると既に何人かがおり自分の席を探す。黒板や机、イスは故郷にあった小

学校や中学校と同じで鉄と木の板でできた物が立ち並んでおりここは何ら変わりない


「こんな偶然ってあるんだね」

「っていうか沙織なんでここに、旅はどうしたのさ」

「あー・・・はは、一応年齢的には高校生だし?行くべき所は行かないといけないかなーって」


苦笑いする沙織に対し同じ質問を返されるとこの春東京に引っ越してきた事を告げた



「あれ・・・沙織は・・・もしかして東京の人なの・・・?」

「うん?そうだよ?」

「・・・うん。いかにも都会人っぽい」

「何それ?」


未だに状況に落ちつけていないがひとまず最初の難関はクリアしたようだ。知り合いがいる

ならば、しかも沙織ならばひとまずは第一関門クリアだろう。なんとかなりそうだと息を吐いた


「まあでも、この学校色んなところから人が来てるしね」

「そうなの?」

「あれ、知らないの?この学校結構色んなところから人が集まってるんだよ?中には
 海外からも人が来たり・・・後は部活動も結構活発だからその関係で来てたりね」

「へ、へえ」

「後他の学校や海外とも交流が活発だって国際的なものを目指す人が来るみたい」


特に特待生などで遠方から来た人達用に寮まであるとか。自分は父が用意した家が

あるためそんなことはなかったがあえてその方法を提示しなかったのかもしれない


「あ、先生来た。じゃあまた後で!」


扉が開くと同時に沙織は席へと戻って行く。入ってきたのは若いと思われる男性の先生だった


「皆、入学おめでとう!俺の名前は・・・後藤陽凪(ひなた)。教師としては二年目だ」


黒板に名前を書くと彩花はふと渡されたクラス表を見ていた時、別のクラスである名が

目に入った。それは女子の中でトップであり見事なまでに知っている人物と一致していた



「というわけで、まずは恒例の自己紹介から!名簿順にいくぞ!」


端に座っていた人が立ちあがると名前と出身校などを口に出す。一クラスに30人を超え

る人がいるためこのやりとりを数十回も聞かなければならないのかと思うとうんざりする


(大体、一回聞いただけで覚えられる訳ないよな)


出会いの季節、特に学校と言えばクラスが変わったり新しい学校になるたびに起きる

恒例行事。名前やら出身校、自分に関する趣味やらを説明するのだが順番にするという

ことはいずれは自分の番も来るわけで、何より彩花は自己紹介というものが嫌いだった


(何言えばいいんだ・・・出身校・・・趣味?ポケモンバトルって言えばいいのか?)



いつの間にか3人目の自己紹介が終わり、4人目が立ち上がろうとしていた


「名前は上田翔太」



(・・・!?)



4人目が立ち上がり自分の名を発する。その時発された名が無意識に耳に入った

そして下を向いていた視線は上がり自己紹介している人物を見ると思わず目を見開く


(・・・上田・・・翔太?)


説明している言葉は耳に入らず、頭の中で名前だけが回転していた。別人ではない

かと名簿を辿ると確かにその名はあった。そして再び青年を見ると姿も一致している




「中学はここじゃなく名古屋だったんですけど、この春東京に越して来ました」



(え・・・?なんで翔太までがこんなところに・・・)


再び名簿を見ても現実は変わらず名はしっかりと記されている。さらにはその上


(って上・・・伊藤青空・・・?)


未開の地と言えば第一関門として友達が作れるかどうか。まったくの知り合いがい

ない場だったため難関かと思われたが沙織によってそれは突破され安心していた


(なのに・・・)


手に力が入ると力が入り僅かに震えた。そして、頭が真っ白になっていたところ半

分を過ぎた所で我に返ると自分の番が近づいていることに気づき焦りが生まれた



(・・・最悪だ。初日にこんなのって・・・最悪だ)


それから数人が終わると聞こえたのは沙織の声


「鈴木沙織です。中学は東中学でした。趣味は旅行やショッピング・・・よろしくお願いします」


聞き慣れない敬語だが初対面の相手たちに自己紹介など最初はこんなものである。実際

自分も敬語だった。旅行と言うのは旅の事だろうが高校生の趣味が旅行とはいかがなものか



「何日かもすれば慣れてくるだろうが、みんな仲良くな!じゃあまた明日!」


入学式ということもあり終わるまでに時間はそうかからない。先生が教室から出て行

くと周りが見慣れない顔というのもあるのか教室は静まり返る中沙織がやってくる


「ねえ、彩花・・・」


沙織が何か言いかけた時、彩花の方向に誰かが近づいてくるのが見えた


「神月、なんで東京の学校に・・・」

「え?」


やってきた男子生徒が告げると沙織は思わず声を発した


「それはこっちが聞きたいんだけど?」

「あぁ、俺は野球部の推薦で来たんだ」

「・・・・・・」


彩花の名を知っているという事は知り合いなのか、気になった沙織は尋ねた


「んん?知り合い?」

「中学の同級生」


その時、沙織は今までと違う不機嫌に見える彩花の反応に気づいた


「え、えーと?」

「もう帰るよ。まだ荷物の整理も終わってな・・・」


そう言って立ち上がった瞬間、扉の方から再び自分の名を呼ぶ声が聞こえた



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次回

新しい場、新しい生活にお馴染み自己紹介の内容に悪戦苦闘する彩花だったが

沙織だけでなく、この地には想定外としか言いようのない人物の存在が待ち受け

ていた。喜びと驚きと、波乱の予感がする学校生活の始まりを知らせていた


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