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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第31章、蘇る記憶

長い戦い終わりを告げアスタルテとユンヌは再びこの地にて眠りについた。勝利を収めた

ベオク、ラグズ達は勝利を声を上げ同時にユンヌの力によって石化した人達が元に戻りこ

の大陸は再び人々の声に溢れるのだった。宴会にて彩花は船が動き出すことを知り・・・
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それは宴会の途中、セネリオは偶然通りかかったアイクを呼びとめた



「アイク・・・その・・・あなたは・・・もしかして・・・」

「忘れてて、すまなかった」

「!」


セネリオは、今までに見たこともないくらい大きなリアクションをとった



「思い出した、全部。ガリアでのことを・・・おまえと出会った時のことを」

「・・・・あ・・・・・」

「あの日・・・母さんはミストを連れて買い物に出かけ、俺は・・・村をぶらぶら
 しながら森の入口のほうへ向かった。そこに黒い髪の子供が倒れていた」


「・・・・・・・・・」

「俺と同じくらいの年に見えたが・・・ひどく細くて汚れていていまにも死んでしまいそうだった。俺は
 自分の昼飯を差し出した。最初は警戒していたようだが俺の手から食べ物をひったくると夢中で
 食べていた。もう食べる物をもってなくてうちに来ればいいと誘ってみたが首を振るばかりだった」


「・・・・・」

「じゃあ明日また同じ時間にここに食べ物をもってくるからというとずいぶん時間をかけてか
 らやっと頷いた。あのとき俺は、自分が初めて人の役にたった気がして嬉しかったんだ」

「・・・僕も・・・嬉しかった飢餓が満たされた事より、自分に声をかけて助けて
 くれる人がいたことが・・・とても・・・嬉しかったんです。だから次の日も・・・
 村へ。村人たちの冷たい仕打ちにあうのは怖かったけど・・・それでも・・・」

「・・・・そうか。あそこはガリアだったからな。ベオク達はラグズとの
 揉め事を避けるために『印』のある子供に冷たかったんだな?」

「ええ・・・厄病神だと言われ石をぶつけられました。だけど、村は様変わり
 していた。そこら中に散らばる死体。村人と・・・鎧をつけた兵士たち・・・」

「・・・メダリオンの『負』の気で暴走した親父が・・・やったことだ」

「あなたがいないかと死体を1つ1つ調べてまわりました。そして・・・そこにあなたはいなかった。だ
 からきっと生きていると思い村にあるお金と食べ物を持ってベオクの国クリミアを目指したんです」

「・・セネリオ・・・」

「その道中の樹海で、幾度も獣牙族に遭遇しました。はじめは恐ろしくて震えまし
 たが、襲われた事はただの一度もありませんでした。何度目かに気づきました
 が・・・・・獣たちは、僕の何かを察知し、それで見えないように振る舞うのだと」




「見る目でわかるんです。いきなり、さも汚い物を見るような蔑んだ冷たい眼差しを向けその後何も
 見なかったかのように去る。それは・・・ある意味、襲われるよりもずっと心を冷たくする行為でした」


「自分はこの世に存在してはいけない者。ただそこにいるだけで嫌悪され
 るモノなのだと・・・。僕は・・・自分にそんな思いをさせる獣を憎みました」


「・・・・・・・・」

「クリミアについた僕は一番近い教会を訪ねました。そこでは僕の『印』が役立ち魔道
 の才がある子ということでそれなりの世話が受けられました。話し方や一般的な常識
 を学んだ僕は、クリミア国内を数年さ迷って・・・・・・やっと、あなたを見つけた」

「だが、俺は・・・」

「記憶を失くしていた。だけど・・・それでもよかった。僕はただもう一度だけあなたに会いたかった
 だけだから。ただ1人だけ・・・僕に暖かい手を差し伸べてくれた少年に会いたかっただけだから」



(・・・1人・・・だけ・・・?)



その時だった。セネリオの頭の中にある疑問符が浮かんだのは誰か、もう一人

忘れている気がした。アイクのほかに、もう一人・・・もう一人だけ・・・


「セネリオ?」

「いえ・・・もう一人・・・もう一人いたんです・・・僕に、手を差し
 伸べてくれた人が・・・だけどそれが誰か・・・思い出せない」


そう、もう一人・・・・セネリオは必死にその頭を必死に回転させるが出てきそうで出てこない



『ラグ・・・もべ・・・関・・・な・・・よ!!』


頭にうっすらと浮かんだ人は腕の中には見たこともない小さな生き物が抱えられている


「思い出せない・・・!!」

「セネリオ、少し落ち着け・・・」

「っ!!!!」


セネリオが顔を上げたのは、2人の前に彩花が現れたときだった


「どうしたの?」

「彩花か」


うっすらとシルエットと似ているが、はっきりとわかるのはその少女の名前は「彩花」ではない

もっと、自分達と同じ出身のような名前だった。だが、その子もまた、テリウスの子ではなかった

そこに、アイクを呼ぶ声が聞こえ「後は頼んだ」と言うとこの場から去って行った


「セネリオ、どうしたのさ?」

「アイクが、思い出してくれたんです」

「!もしかして、あの話?」

「はい」


その瞬間、少女は自分の事のようにぱあっと表情が明るくなりセネリオの手を握り飛び跳ねる


「ちょ・・・ちょっと・・・」

「やったー!よかったね!」


さっきアイクにした話は、以前彩花にもしたことがあった。普段ならこんな話を他人にすることは

なかったが何故か話していた。それは、彩花からも外の世界を聞いていたからなのかはわからない


「ですが・・・・もう一つ、思い出した事があるんです」

「思い出した事?」

「アイクの他にも、僕に手を差し伸べてくれた人が・・・いたことを」

「そうなんだ?」


彩花はまた興味深そうに聞いている


「その子は、テリウスの人ではなくて、偶然ガリア付近に住んでいたんです。確か・・・僕がガリア
 から出てクリミアに向かっている途中で出会った・・・だけど・・・そこからが・・・思い出せない」


すると少女は笑いながら言った


「アイクも探していたとはいえ偶然会ったんでしょ?じゃあその子もそのうち偶然会うかもね?」



その言葉に、セネリオもまた、普段見せないような少し笑った顔で答えた


「・・・そうですね」


偶然から起きた事件。「戦争」といういかにも縁のない言葉が飛び交うこの世界。人間以外の

人種がいるこの世界。こんなテリウス大陸という場所で見たものは初めての事ばかりだった

偶然が重なって出会った人たち、そんな人たちとの別れがやってきた



「じゃあ、俺たち・・・もう行くな」

「デインに戻るのか?」

「はい。みんなが待っています」



ミカヤやサザ、「暁の団」を始めとするデイン勢が大荷物を抱えアイク達の前に姿を現した



「復興作業のやり直しだ。これで最後になるといいけど」

「『なるといい』じゃない。そうするんだ。・・・おまえたちならやれる」

「・・・あぁ・・・きっと・・・」

「ありがとう・・・アイク。あなたのことを忘れないわ」


そこに、ミカヤ達が去ることを聞いた少女がやってきた



「デインに帰るんだね?」

「えぇ、彩花は?」

「エリンシアの叔父さんの知り合いが船を用意してくれるから・・・クリミアから帰るよ」

「そう。じゃあここで・・・お別れね?」

「・・・そうだね」


今までの途中のように、不安はなかった。また会える、私がデインに行くこともできる



「今度こそ、遊びに行くよ。いつになるかわかんないけど・・・きっと」

「えぇ。待ってるわ。皆で、ね?」


ミカヤの声に、デインのメンバー達は力強く頷く。その後、ミカヤは国王になり

デイン王国はミカヤの力により大きな発展を遂げていくことになる


「待って・・・・姉上っ!」



歩いていたミカヤ達の元に、1人の少女が駆け寄る



「わたしの・・・姉上なのじゃろう?」

「・・・・・・」


そこにやってきたのは、サナキだった。サナキは息を切らせながら話を続けた


「そうであれば、すべて辻褄が合うのじゃ。『解放』の呪歌のことも、女神ユンヌの声のことも・・・・」

「・・・塔の中で、たくさんの心の声に触れて分かりました。わたしは
 エルランとオルティナの末裔。先代神使ミサハは、わたしの・・・祖母」

「やはり・・・そうか」


サナキは、力をいれてミカヤに向かって叫ぶ


「姉上!ならばどうかベグニオンに留まってください」

「いいえ、それはできないわ」

「な、何故?」

「私が還るべき祖国はデイン。ベグニオンじゃない」

「じゃ、じゃが・・・」



ミカヤは、サナキに向かって微笑みながら言う



「ここには、あなたがいる。あなたはあなたの国を守って」


「・・・・もう・・・会えぬのか?」

「まさか。これからは国同士、もっと活発に交流していかないと」


『デインと・・・同盟を組んでください。対等な国として』

「わ、分かった!互いの国情が安定すればすぐにでも・・・姉上!」

「ありがとう、皇帝サナキ。・・・・・わたしの大切な妹」



「なんだあートパックも行っちゃうのかー」

「なんだあーって・・・おれたちだって、まだまだやることはあるんだぜ?戦争が終わ
 ったっていっても、まだまだ苦しんでるラグズはいるしな・・・って・・・お・・・おい?」

「って泣かないよ?そんな慌てなくても・・・」

「えっと、あっえっ!?」


言葉を止めると慌てる姿に呆れたようにためいきをつくと直後少しだけ、ふっと笑うと


「元気でね」

「・・・お、おう。・・・・なんか、やけにあっさりしてるな」

「きっとまたどこかで会うって!ムワリムさんにビーゼさんも、元気で」

「えぇ」

「・・・はい」


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次回

刻々と近づく別れの時。同時に明らかになって行くそれぞれの関係図と事実。それぞれが新

たな目標と誓いを元に故郷へと帰って行く中彩花もまたテリウス大陸から去る時がやってきた

のだった。ある予感と願いを元に少女は多くの経験をしたこの地に別れを告げようとしていた


次回 第四部 最終章、「そして伝説へ」


第四部 最終章へ

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