FC2ブログ

INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第20章、ベグニオン第37代皇帝

塔付近までやってきた一同は最後の夜を過ごしていた中ミスとティアマトトは彩花の姿が見当

たらないことに気づく。アイクと共に最後にいたとされるティバーンのもとに尋ねると隊を去った

事を知るのだった。明朝一同を襲う正の使徒にアイクは部隊を2つにわけ塔の中に入るのだった
_______________________________________

「・・・・・?・・・・・」



その時、ユンヌの頭の中に、何かが響いた


『・・・では、あなたが初代女王オルティナと結ばれたお方・・・よくぞ打ち明けてくださいました』

『初対面の・・・私の言葉を信じるのですか?』




『はい。私にはわかります。あなたは嘘をついていないと・・・』

『!・・ま・・・さか・・・私の力を・・・?』

『わたしだけではなく、代々の神使はみな女神の御声を授かることができ
 ます。間近に迫った天災や、豊作物の出来など・・・さまざまな事柄を』

『あぁ・・・女神よ!』

『私とオルティナの子は・・・祝福されない存在だとばかり・・・』

『・・・これをご覧ください』


そう言うと、頭の中に流れている人物は、手を差し出した

そこには、手の甲になにやら紋章が描かれている


『そう。神使はすべて『印付き』・・・・元老院によって隠されてきた最大の秘密・・・それゆえわたし
 は・・・幼い頃より常に・・・自分が罪深い者として生まれてきたのだと、どこかで恥じていました』

『・・・なんということだ・・・』

『ですが・・・あなたにお会いして理解しました。この血は恥ずべきものではありません』

『その証に、わたしは自分が『印付き』であることを公にしようと思います。』

『!』



いけない。そんなことをすれば、貴女の身に危険が・・・


『とうぜん、元老院はあらゆる手段を用いて妨害しようとするでしょうね・・・ラグズ奴隷
 解放令を発した時のように・・・。だけど、わたしは屈しません。人の上に立つ者として
 の使命を果たします。女神の手によって造りだされし命に優劣など存在しませんもの』

『・・・なんと強い意志なのだろう。それは・・オルティナによく似ている』



わたしは誇りを持って民の前に立ち、真実を語りましょう

そしてこの国を・・・正しく導くとお約束します


『・・・ありがとう・・・貴女の存在が・・・私に再び光を与えてくれ
 ました。私は・・・ゴルドアに戻り、友にこのことを伝えます。ラグズ
 とべオクは・・・また共存できるかもしれないと。希望が、あるのだと』

『ありがとう、わたしのご先祖さま、この生をくださったこと・・・心より感謝いたします』


「今のは・・・・?」


ユンヌは今流れた映像について考えるが、再びアイクに話しかけられることにより我に返る


(今は、アスタルテを止めることを考えないと)



ユンヌの指示どおり扉を開け、進んでいくと、さっきとはちがう広い場所で、目の前には

『正の使徒』が待ち構えていた。そして、その中心には、『正の使徒』ではない人物がいた


「ほう、きたのか神使・・・・いや、サナキよ。おまえごと
 きがこの神聖なる『導きの塔』に足を踏み入れようとはな」

「・・・・・・」

「くく、我らが神使様、ご機嫌はいかがですかな?せっかくここまで
 足をお運びいただいのだ。少し・・・昔話でもお聞かせしよう・・・」


時はベグニオン歴640年。帝国にはすでに15年もの間神使不在の状態が続いていた

象徴なき元老院に、民衆は不平ばかりを申し立て、国はかつてないほどに荒れていた

幼きサナキ様を、早く皇帝の座へという声は日増しに大きくなり・・・

我ら元老院は、5歳になられたばかりのあなたを神使とし皇帝位に迎えた


「ところがあなたは大変難しい子供で・・・母君と離されたことに泣き叫ばれた。ご公務の場でも
 一時とて泣きやむことはなく、皆が途方にくれました。そこに現れたのが、最年少の議員ペル
 シス公セフェランであった。あの者が抱き上げた途端、あなたは泣きやみ笑顔までみせた」


これを利用せぬ手はあるまいと我ら元老院はペルシス公をあなたのそば近くに仕えさせた

これは我らの思惑通り・・・いや、それ以上の効果があった



愚かな民どもは、見た目の華やかさに心を奪われるあまり新しい神使が、女神の天啓を得られ

ぬことなど誰ひとりとして深く追求しなかった。あからさまに理不尽と分かる新法公布を行っても

2人がバルコニーから顔を覗かせ、笑顔で手を振れば国民どもは喜んでそれに従ったのだ


「・・・・・・・・・」


しかし・・・それが仇となった。ラグズ奴隷の件、クリミア出兵の件色々くだらぬことを細かに

口出しし始めた。そなたたちの存在は次第に邪魔なものになっていった。・・・そこにラグズ

連合との戦だ。我らの罪を暴き、半獣どもに膝をつかせようとまでした。これはもう、許すまじきこと


「我らはおまえたちを見限ることとした。セフェランは地位を剥奪し牢獄へ。神使は突然
 発症した不治の病のため、ご公務の席に出られない。そういう筋書きであったのだが
 ・・・どこでどう狂ったのやら・・・おまえが、いまこうして私の目の前に立っているなどと」

「・・・わたしがマナイルを。セフェランが牢を脱出しなければ・・・折
 を見て殺害するつもりであったのだな?祖母や・・・・姉のように」

「死にゆく者への手向けとして、正直にお答えしよう。『無論、その通りだとも』神使ミサハを暗殺し
 たのも、その罪をセリノスの鷺どもに擦り付けたのも、全て元老院だ!私の差し金だったのだ!」



その言葉に、驚く様子もなく、無表情のままサナキは言う


「・・・そうか。よく、わかった」

「!・・・どうした?何故、絶望して泣き喚かない!?そんな態度では私が楽しめぬではないか」


一呼吸おいて、サナキは叫ぶ



『ガドゥス公ルカン!我が帝国に数多なる害を成したそなたこそが国の逆臣
 なのじゃ!ベグニオン第37代皇帝の名において・・・貴様をここで裁く!』

「これは笑わせおるわ。おまえごときに何ができる!私は全知全能なる女神アスタルテのしも
 べ。女神に選ばれし者なのだ!貴様らごときが何人でかかってこようが、女神の加護を受け
 た私に指一本触れられぬ!貴様らは石にすらなれぬ!ここで血と肉の塊になって散るのだ!」



ルカンの声と共に、『正の使徒』たちは全員に向かって襲いかかりそれぞれが『正の使徒』と対峙

する。そしてまた、建物の外でも『正の使徒』は消えることなく増え続け終わらぬ戦いが続いていた


「貴様、デインの巫女・・・そなたはデインの将でもあったな。くっ
 く・・・血の誓約のこと、そなたもペレアスから聞いておろうな?」

「ガドゥス公ルカン・・・あなたがデインの皆を苦しめ、無益な戦争に引きずり込んだ」

「黙るがよい、そして聞け。血の誓約がある以上、そなたは私に従
 う他ない。私に逆らえば、全てのデインの民は死ぬことになる!」

「いいえ、あなたは嘘をついている」

「な・・・何ぃ・・・?」

「理由はわからないけど、でもわたしにはわかる。あなたもわかっているはず。世界が変わっ
 てしまってから誓約の証は薄れ始めている・・・・・。今のあなたにわたしたちを縛る力はない」


『どうやら、ユンヌ達は塔の中へ入ったみたいね』

「え!?」


歩いていた途中、突然の声に歩いていた足が止まり頭上をみてその言葉の発した人物達を見る


『聞こえない?』

「・・・・・・何も聞こえないよ」

『そう・・・』

『もしかしたら、私達にしか聞こえないのかも・・・?』


「・・・・ペレアス様、これを」


ルカンと戦っている最中、ミカヤは懐から落としたなにかを見つける。それは

『誓約書』だった。戦いをアイクとサナキに任せミカヤはペレアスに渡しに行く


「『血の誓約書』だね?」

「ルカンが大事に持っていた。2枚あるけど・・・どっちがデインのだ?」

「・・・こっちのようだ。もう一枚は・・・」


ペレアスはもう一枚の誓約書を見る、とその瞬間


「おっと、そいつは俺のもんだ」

「鴉王」

「では、キルヴァスも・・・」


ペレアスは、おそるおそる尋ねる


「まぁ、そういうことだ。これでやっと・・・自由になれる。おまえたちも、よかったな」


そう言い残すとネサラは背を向けた


「あの・・・!この誓約書は、どうすればいいんですか?」

「破るなり、燃やすなり・・・好きにすればいい。ルカンの一度目の死によってあんたの誓
 約の『証』は薄れてるだろ?誓約書自体が無くなれば、同時に跡形もなく消えるはずだ」

「あ・・・ありがとうございます」


だがその時、ミカヤはあることに気づいた


「・・・あなたはどうなんですか?」

「ん?」

「今の口ぶりだと、あなたの証は・・・・」

「あぁ、俺のは別口なんでね。ルカンの死は関係ない。だが、この誓約書さえ戻れば・・・
 ・・・いずれ救われることになっている。どちらにせよ、ここで生き永らえれば・・・の話だ」


「・・・・・人は不思議。女神に選ばれるのは、人にとってそんなに嬉しい
 こと?人は誰かから選んでもらえないと、満ち足りることが出来ないの?」


この者は、自分を選んでもらうために他人を陥れることしかできなかった。それで心が満た

されたらよかったのだろうけど・・・この者の心は最期の瞬間ですら、疑心と不満でいっぱい


「・・・くだらぬ男じゃ。この者の野心が、我が国の進むべき道
 を捻じ曲げたのだと思うと・・・わたしは悔しくてならぬ・・・」

「神使。俺は思うんだが・・・こいつがどんな事を企もうと1人では何も出来なかったんじゃないか?」

「・・・そうじゃな」


数多の行動が寄り集まって・・・いまの事態を招いた。それを忘れてはならん


「そういえば・・・そなたまだ、わたしを神使と呼んでおるな。それはもうやめるのじゃ」

「じゃあ、なんて呼べばいい?サナキ様か?」

「無礼者め。そなたごときが軽々しくわたしの名を口にするでない」


皇帝と呼ぶがいいぞ、とサナキは上から目線でいうのに対しアイクは「分かったよ皇帝」と言った

サナキは、「苦しゅうないぞ。楽にせよ」と笑った。そんな様子を見ていたユンヌが、再び口を開く


「人はたくましいわね。あの子はもう、神の言葉を必要としていない。私の言葉も・・・。人はみ
 んな、自分1人の足で立っている。正しくても、間違っていても、生きていく為に歩き続ける」

「・・・あんたは不思議な奴だな。人が神を必要としなくなるのを喜んでいるように見える」

「変わりゆくのは誰にも止められない。気の遠くなるような昔、私たちの生み出した生命が
 ・・・次第にし『マンナズ』となった。人は時に私たちでさえ思いつかないようなことをする」


私はそれがとても悲しい。私はそれがとても嬉しい。だから、私は人が大好き


「神にすら止められない変化、か・・・」


あの時もそうだった。世界が、世界中が亜空に飲みこまれた時、あれも神には止められなかった



「女神アスタルテは、それが許せなかったんだろうか」

「・・・わからない。でも、アスタルテも人が好きだった。その気持ちを思い出せればきっと・・・」

「そうであってくれるといいんだがな。・・・とにかく、先を急ごう」


歩き出したアイク達は、ひたすらに階段を上り続ける。まっすぐではなく幾度となく曲がっていた




======================================

次回

ユンヌは告げる。この先にいるのはアイクと深い縁で結ばれた者がいると。それが誰か察した

アイクは一同に向かって進む事を告げる。一方ティバーン隊から抜けていた彩花もまたハイラル

の女神たちから所々の状況を聞くのだった。そして彩花もまた導きの塔へと向かっていた


次回 第21章、「運命の戦い」 


第21章へ

目次へ

スポンサーサイト



別窓 | 暁の女神 | コメント:0 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<第21章、運命の戦い | INFINITE | 第19章、導きの塔へ>>

この記事のコメント

∧top | under∨

コメントの投稿


管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| INFINITE |