INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第11章、優しすぎる世界

アムリタから聞かされたデイン王との関係、クリミアが攻め込まれた理由はわからずじまいのまま

次の日もエリンシアは夕食時に現れないことに探していた。そしてペレアスの質問に対し彩花から

想像もしない答えが返ってくるのだった。そこから少女の口から発される言葉に違和感を感じ・・・
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「彩花・・・・?」

「・・・わかんない」

「わからない、とは?」


エリンシアとライが不思議そうな顔をしている


「生まれてからほんの数回しか会った事なくて、しかも凄い小さい時だからどんな人かも
 覚えてないんだ。世界を飛び回る仕事だってお父さんから聞いた事はあるんだけど・・・」

「ご、ごめん!」

「まあ。お母様は、どのようなお仕事を?」

「わかんない。お父さんから人を助ける仕事だって聞いただけで詳しい事は聞いてないんだ」



それがどんな仕事なのかは、聞いたことがない。今まで、気にもしなかった


「お母様と会いたいとは・・・思わないんですか?」

「覚えてないからあんまり思わないかな。だけど、どんな人なのかはちょっと気になる」

「・・・・・・」

「とはいってもお父さんも研究者だからね、長い間家を空けることもあったしほとんど一人で
 いることが多かったかな。・・・いや、人じゃないけどポケモンって言う生物がいた・・・かな」

「そう・・・なのですか?初めて聞きました・・・」


意外そうに、反面申し訳なさそうにエリンシアは告げる。最初に尋ねたペレアスもまた同じだった


「・・・なんでそんな暗い顔をしてるのさ」

「だって・・・そんなの知らなかったから・・・なんか・・・本当にごめん」

「もう、みんな、優しすぎるよ、この世界には似合わないくらいに」


そうでしょうかと尋ねるエリンシアに対し今まで何度か告げたように状況に見合わず他の国

大陸の者である自分を助けたこと、気にかけていた事を告げる。それがずっと不思議だった


「私は貴族じゃなければ国に仕える将軍でもない。死んだ所で影響はないのにさ」

「そ、そんなことは・・・!」

「国が滅ぶことがなければ全てが終わるわけじゃない・・・誰かが悲しむわけでもない」


3人は想像していなかった言葉にただただ茫然としていた。少女の言葉は冗談を言っている

ようにも安易な気持ちで言っているようにも思えず言葉の一つ一つに重みが感じられた


「私なんかよりも、助けてあげるべき人は沢山いるはず。私なんか・・・いなくたって・・・」

「そんなこと・・・ありません!」

「!」


エリンシアの言葉にハッとなると我に返ったかのように自分の発した言葉に気がついた

誰よりも、命を重く感じ大切にしているであろう人物にあんな発言をしていいはずがない

気をつけていたはずなのに、状況に、雰囲気に流されて口走ってしまっていた


「あっ・・・ごめん。命を重く考えている人に・・・そんなこと言っちゃいけないよね」

「・・・・・・」

「なんでもないよ。うん、大丈夫。私は一人でも大丈夫だから。自分の身を守って」


(私は・・・誰にも頼らないって・・・あの時決めたから。頼っちゃいけない、自分でなんとかしないと)


ただの人である自分と国の王の命、どちらが重要で重みのあるものかは考えるまでもない


「こんなところで何してんだ?」


その時、違う場所から声が聞こえた。声の主は宙に浮いてエリンシア達の元へとやってくる


「鷹王!」

「あんたら揃っていなくなっちまったからなにかあったのかと思ったぜ」

「す、すみません」


会話はティバーンがやってくることによって中断され、元の場に戻る流れになっていった


「俺たちはお前のことを嫌いだとはこれっぽっちも思っていない。この気持ち
 に変わりはないし偽りもない。だけど・・・・・お前は、おれたちが嫌いか?」

「!」


意表を突かれたかのように反応を見せると返答が返ってくるまで数秒間かかった。数秒後


「・・・嫌いじゃ・・・ない」

「・・・そうか」

「ここでなら、誰かの為に戦ってる、世界を救うために戦ってるって思うと、生きてる
 意味を感じられる。死ぬのは怖いけど、ここでなら死んでもいいと思ってるんだ」

「・・・・・・・・・・」

「実際に戦争してる人たちは、望んでしてるわけじゃないのにね、怒れる話でしょう?」

「彩花」


エリンシアは、震える声で私の名を呼んだ。きっと怒ってるんだろう


「もう・・・戻りましょう?明日も・・・早いですし」

「・・・・・・・・・」

「そして謝ります。ごめんなさい」

「・・・・え?」

「私はずっと、平和で幸せな日々を過ごしていたのだと羨ましく思っていました。クリミアにいた
 時も、自分の国のことを色々と話してくれてとても楽しそうな所だと思っていました。けれど・・・」

「エリンシアが謝ることじゃないよ」


「そういうことか。だから、連合軍にいた時あの参謀殿と自分は似ているって言ったのか」

「ライ様?」

「前にそう言っていたらしいな。あの軍師殿も、なんだかんだ俺たちを信用はして
 ないとは思っているし。今でもラグズ嫌いなところがちょいちょい見られるしな」


以前ティアマトさんに話したように数多くいる中で真っ先に目に入ったのはセネリオだった。誰もが

友好的の中一人だけ違ったからかもしれない。誰に対しても壁を張っているような感じがしていた


「・・・完全に同じとは言い切れない。けど似た何かを感じた。多分・・・セネリオは私と同じで・・・」


私は、さっきからほとんど話してないペレアスさんに視線を向けた


「ペレアスさんのことも好きだよ。私、王様って威張ってて国民のこととか、兵のこと何も考
 えてなくて、道具みたいにしか思ってないって思ってた。だけど、ペレアスさんは違った」

「僕は、王になるべきじゃなかったんだ。誰ひとり守れなくて・・・
 僕の不注意で、国を滅亡に巻き込んで・・・・僕なんか・・・・・」

「私は、そんなところが好きなんだよ。ペレアスさんの、そうやって自分のしてしまったことをちゃ
 んと悔んでる所が・・・まだ、滅亡したわけじゃない。いまから、呪いを解くため戦えばいいんだ」


私もあの国が大好きだから、ミカヤ達が大好きだから。あの国が、消えて欲しくないって思う


「あんたにも色々あったことは理解した。だがな・・・一つ言わせてもらう」


そこに、ティバーンが割り込んできた相変わらずの宙に浮いた状態で腕を組んでいる


「あんたは死なせねぇ。何があってもな」

「!」

「女王が悲しむとか、そんなちっぽけな理由だけじゃねえ。あんたが死んだら悲しむ奴がい
 ないだと?それこそ嘘だ。今まであんたと会ってきた奴がどう思うかは知らんが、少なくと
 もこの大陸であんたと仲良くなった連中は悲しむと思うぜ?巫女とかアイクとか軍師とかな」


そして、エリンシアが言う


「どこの国でも、どの種族でも変わりません。誰かが命を落とすのは悲しいことです」

「・・・・・・・・・」


グラーヌ砂漠へと入ったミカヤ達は、砂漠の中を歩いていた。これまでにも何回か

『正の使徒』と戦いを行いまた遭遇する可能性も考え警戒しつつ進んでいた


「サナキ様」

「そ、そなたは・・・デインの巫女」


暑さと動きにくさで体力も奪われサナキは休憩の際に岩かげにいたのだが、そこにミカヤが現れた


「・・・・・・」

「・・・・・・」



2人の間に、沈黙が流れる。互いに何を言えばいいのか分からない状況の中ミカヤが告げた


「・・・・すみません。サナキ様がわたしを嫌っていると分かっ
 てるんですけど・・・どうしても、お話がしてみたくて・・・」

「嫌ってなどおらぬ。・・・・苦手なだけじゃ」

「わたしが・・・『解放』の呪歌を謡えたり、ユンヌの声を聞くことができるからですね?」

「な、何故それを・・・」

「わたし・・・相手の思いを感じ取ることができるんです。心の動き
 によって何を考えているのかがだいたいわかってしまいます・・・」

「そなたは心が読めるのか!?」


サナキは呟いた。女神は何故、その力をわたしではなくミカヤに授けられたのか・・・と


『ミカヤの力は生来のものよ。別に私たちが与えたりしたんじゃないわ』


その時、ミカヤとは口調の違う喋り方が飛び出た

一瞬でそれがユンヌのものだとサナキは気づいた


「負の女神ユンヌ・・・そなたに聞きたいことがある。『解放』
 の呪歌は、どうしてわたしではなくミカヤに謡えたのじゃ?」

「わからない。ミカヤ自身も知らないの。私はミカヤが『謡える』とわかったから近くにいただけ」


彼女は本当に女神なのか。神はこの世にわからぬことはない。完全な存在であるはずだと

サナキは告げる。そこにユンヌは会ったこともないのになぜそう思うのか、と尋ね返した


「神が完全?どうしてそう思うの?あなたは私達に会ったことがなかったのに」

「か、神は何もない世界に我らを創り出したのじゃぞ?人には
 出来ぬ様々な奇跡を起こされるのじゃぞ?完全ではないか!」

「・・・確かに命は創り出したわ。世界に起きる災厄を事前に察知する力も持っている。あ
 なたが言うように、私たちは人にはできないことがたくさん出来る。だけど、完全なんか
 じゃないわ。それは人たちが自分の都合のいいように仕立てあげた神と言う名の虚像よ」


「私たちはそんなものじゃない。人に近いもっと不完全なもの。だから・・・過ちも犯す
 。感情が抑えられなくて、世界を水に沈めてしまうことだって起こしてしまうのよ!」

「!?」

「私たちが完全なら、世界はこんなことになっていない!
 戦いなんてこの世からとっくに無くなっているはずよ!」

「わ・・・わかった!わかったから落ち着くのじゃ!」

「・・・・・・・・」


再び数秒間無言の状態が続くと様子を窺うようにサナキはおそるおそるユンヌの名を呼んだ


「め・・・女神ユンヌ・・・?」

「・・・・行ってしまいました」

「そうか・・・・ミカヤ。わたしは・・・神使と呼ばれながら、女神ユンヌの御
 声を聞いたことが一度もないのじゃ・・・どのようなお方なのじゃろうな?」


遥か昔、テリウス以外の大陸を沈めた大洪水、あれはユンヌが起こしたものだったのだろうか

数時間後、ネサラが飛んでくると敵が現れた事を告げた。同時にミカヤが気づかなかった事に


「めずらしいな、デインの巫女。あんたが気づかないとは」

「・・・危険を察知するほうは、ユンヌが知らせてくれるだけなんです」


その時だった、サナキの前に魔法陣が現れある人物が現れる


「おや、これは・・・我が国の神使様に随分とよく似た子供だ。もっとも、偽の神使に・・・だがな」

「ガドゥス公ルカン。我が片腕たるセフェランを虚偽により投獄し・・・このわたしを
 大神殿マナイルの奥深くに幽閉し、国を元老院の意のままに操ろうと画策した
 そなたの罪は・・・・・どのように乞うたとしても許しが与えられぬものと思え!」

「くくっ。あなたの許しなど1ゴールドの価値もない。私は女神
 のしもべ。女神の審判によって、生きる価値を認められたのだ」


今の間まで、『正の使徒』は動く様子はなくルカンの話は続く


「そもそも・・・帝国に君臨すべき神使はベグニオン帝国初代女王たるオルティナの家系にあらわ
 れる能力者。女神の天啓を受け、災いを予言としてもたらし、幾度も国を救われたし御方のこと」

「だが、サナキ様・・・あなたは一度でも、女神の御声を聞かれたことがありましたかな?」



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次回

サナキに告げられた衝撃の事実、真か否かは定かではない中ルカンの姿は消える。時間は

戻りミカヤの身体から戻ったユンヌは彼女の元へと向かっていた。しかし本人は直後サナキ

に呼ばれる。彼女もまたこの地ではないものの神と呼べる存在を連れているのだった


次回 第12章、「完全な存在」


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