INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第8章、作り物の静寂

アイク達と別れたのち歩いていた先で突如現れた正の使徒に襲われた所思いもよらぬティバーン

達に助けられる。最悪の事態にパニックになるまま彩花はエリンシア、そして状況を見てから

真相が分からなかったペレアスと再会を果たす。そしてあの映像の後起きた事を知るのだった
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「そうか・・・あれを見ていたんだね・・・」

「あれは・・・本当なんですよね?」

「あぁ。本当だ」

「あの時・・・ペレアスさんが殺せないミカヤに変わってタウロニオさんに頼んで・・・
 タウロニオさんが剣を振りかざした瞬間、私はその映像を見ることが出来なくなった」


あの後この件について続きを見る事はなく、両軍から離脱したため状況を知ることも

できずにいた。だからこそ、今ここにペレアスさんがいることが嬉しく、信じられなかった


「あの後、どうなったんです?」


タウロニオさんは確かに王の命令に従おうと振り下ろしたが、それをミカヤが止めたという


「だから、僕は戦うことにしたんだ」

「そう・・・ですか」

「あの後、君の消息が分からなかったから心配していたよ・・・
 とはいってもあの後色々あってそれどころではなかったけれど」

「いえ・・・ペレアスさんも事情があったんです。だから・・・どうしたらいいのかわ
 からなくて。私も、ペレアスさんの呪いが解く方法を見つけるの・・・協力します」

「彩花・・・ありがとう」


そして、歩いていくこと数時間、隊の前方でライはある状況に気づくと前方に向かって叫んだ



「鷹王!エリンシア女王!ちょっと止まってもらっていいですか?」

「どうした?」

「後方に遅れが出ています」

「いつ襲撃を受けるか分からないような状態です。全員が揃うまでここでお待ちしましょう」


ティバーンは少し空に浮き後方の様子を見る


「遅れてるのは・・・デイン王とその母親だな。山越えの時みたいに誰かに担がせるか?」


ライは提案をしてみたそうなのだが、母親アムリタの方が頑固でなかなかうまくいかないそうだ



「こいつだけはこうやって連れてきたんですけど・・・・」

「ぜえ・・・ぜえ・・・ちょっと・・・!こいつ・・・って何・・・!?」


そうやってライの後ろからひょっこりと顔を出したのは死にかけた顔をした彩花だった


「彩花!?大丈夫ですか!?」

「大丈夫じゃないよ!!」


そう叫んではまた息切れをする


「君たちはほんっとうに化け物だね!なんでこんだけ歩いて疲れないのさ!訳わかんないよ!」


ライから降りると言葉は続いた


「君たちラグズとかとは違って私は体力ないんだよ!多少は旅で歩き慣れてるとはいえ
 こんな長時間歩くとかあり得ない!塔につく前に殺す気ですか!?そうなのかっ!?」

「こいつはまあおれの言葉をすんなり聞いたんですが・・・あの人はどうも・・・」

「すんなりって私がお人よしみたいじゃないか!」

「まあまあ彩花」


エリンシアは苦笑いしながら彩花を宥めていた


「むう・・・・まだ歩くの?」

「当然だ。一刻でも早く行かなきゃなんねぇのはお前だって知ってるだろ?」

「そうだけど・・・本当に・・・死んじゃうよ・・・」


「お待たせしました。偵察完了です!」


そこに、空中からヤナフさんがやってきた


ティバーンは様子を尋ねるが正の使徒は全く見当たらず何も聞こえないことを伝える



「気にくわねえな。俺たちの隊だけ見逃すつもりか?」

「まあまあ鷹王。素通りさせてくれるんならそれでいいじゃないですか」

「ライ様の言うとおりです。世界は今、とても穏やかで・・・こんなにも輝
 いています。無理に戦って、負の気を撒き散らす必要はありませんわ」


あれから、動き出しては休憩、動いては休憩を繰り返す中ティバーンは告げる



「・・・いや、俺は是が非でも戦いが起きて欲しいぜ?それも今すぐにな」

「ティバーン・・・?」

「どうしたんですか、鷹王?」

「自ら戦いを望まれるなんて・・・なぜ、そんな・・・」


ティバーンを除いた3人がティバーンの言葉に疑問を抱く。確かに、戦いは起きないほうがいい


「おまえたちの言うとおり、確かに今は静かだ。薄気味悪いぐらいにな」


空気は澄んでいるし、居心地もいい。このまま何も忘れられれば楽になれるんじゃないかと考えるほど



「だが、これは・・・あくまでも作り物の静寂だってことを見失うな。女神が、
 俺たちの仲間を石に変え、そうして作り出した世界だってことを片時も忘れ
 るんじゃねえ。でないと、『正』の気にのみ込まれて思考を持ってかれるぞ」

「・・・はい・・・」

「す、すいません・・・」

「女神の望む世界ってのに、俺たちが不要なもんだとしても・・・俺はおとなしく取
 り除かれてやる気はない。創造主だからって、他の命を好き勝手させてたまるか」


それは今までの自分と同じ状況なのかもしれない。過ちによって起こされる事を忘れてしまえば

またいつか同じことを繰り返してしまう。全てを望むのは間違っているが全く望まないのもそれは

人とは言えない。思考を持たないただの生きている生物になってしまう



「ほんとだよ、あんなのとそう何回も戦いたくないよ」

「いや・・・あれはあんたがわるいんじゃ」



(創造主・・・・)




「そうそう!なんたっておれたち、こうして生きてるんですし」

「・・・・石になった者の命・・・決して失うことはできません・・・」

「・・・・そうですね」


ヤナフとウルキの言葉にエリンシアも納得する


「どんなに理想的な世界であろうと、大勢の犠牲を強いて作り
 出されるのであれば・・・それは許されることではありません」

「仲間を救うって気持ちを薄れさせたつもりはなかったんですけど・・・
 意識しないうちに、自分たちが間違ってるって気になってましたね」

「私もだ・・・なぜだろう・・・」


『正』の気が強い人ほどこの世界に取り込まれやすいそうで自分にその気がなくてもいつの間にか

順応してしまっている。だからこそ一度戦い『負』を入れたいが肝心の敵が来ないとティバーンは呟く



「おれたち、もう一回偵察してきますよ。行こうぜ、ウルキ!」

「・・・・あぁ・・・・」


そんな中、ティバーンは笑って言った


「よーく偵察しろよ、またこいつみたいなのが見つかるかもしんねえからな」

「了解です!」

「・・・・・・」


ティバーンの言葉に2人は再び空中へと飛んで行った。そんな中反応がない事にライは気づいた


(いつもなら、「こいつみたいってなに!?」とかいいそうなもんだが・・・)



「彩花!」

「えっ・・・・あ・・・・え?」


突然名を呼ばれたことに気づき驚いた表情でいた


「どうしたのですか?先程からなにも話していませんが・・・」

「まさかまたへばったとかいわねぇだろうな?さっき休んだばっかだろうが」

「あ・・・いや、そういうわけじゃないんだけど・・・考え事を。さっきの言葉・・・正論だなって」

「ったく気に食わねえな。こいつのところには来て俺達のところにこねえなんてよ」


そこでエリンシアとライは「?」を浮かべた。当時の事を知っているのは3人だけであり説明すると



「ということは正の使徒に襲われていた所を偵察中のあの二人に見つかり助けられたってことか?」

「そうなるね」

「そうなるね・・・ってなんでそんな緊迫感ないんだよ。危なかったんだろ?」

「いやだって・・・1人でも倒せたし・・・」


「まだ言うか。俺たちからすればピンチっぽかったけどな」

「そ、そんなことはない・・・よ?」


明後日の方向を見ては小声で言っている辺り説得性は皆無。するとティバーンは告げた


「ならば、もう助けなくていいな」

「えっ」

「あれがピンチじゃねえってんならもう助けなくていいだろ?」

「・・・・それは・・・・」


あり得ないんだ。それこそ気に食わない。私が、私が・・・他の誰かに助けられるなんて


「・・・とはいっても、あんたが死んだら悲しむ奴がいるんでね」


といってティバーンは横目でエリンシアを見た


「私だけではありません。アイク様も・・・あの巫女様も・・・みんな・・・悲しみます・・・」

「そんなこと・・・ないよ」

「あります!ライ様もそう思いますよね?」

「え?あぁ・・・はい。まあ」


「なんでそんな曖昧なのさ」

「なんでって・・・いきなり振られたら困るだろ返答に」


ライは、ふぅ、と一息ついて告げた


「彩花が死んだら、悲しむ奴は大勢いると思うぜ?・・・俺も含めて。スクリミルもなんだかんだ
 ・・・お前のこと認めていたみたいだしな。鷹王ともこんなんだし・・・やっぱ不思議だな、お前は」

「そんなことないと思うけど・・・」

「それは私も思いますわ。彩花からは不思議な何かを感じます」

「エリンシアまで・・・・」


その時、遠くからあの二人が飛んでくるのが見えた。地上に降り立つ直前ヤナフさんが叫んだ


「て、敵発見!」

「でかした!どっちの方角だ?」

「西南です・・・」


その声に、エリンシア達も血相を変える。ティバーンは翼を羽ばたかせると高く宙に浮いた


「あれか。あんな近くに来るまで気づかんとは・・・らしくない失態じゃねえか?」

「そういえば私も・・・あの時もギリギリに迫られるまで気づかなかった」


それなりの聴覚を持っているはずなのに


「違いますって! 何もないところにいきなり湧いたんですよ!あの一団が、ぽわんとね」

「湧いた・・・?突然?」

「間違いありません。何の気配もない場所に・・・突如、軍勢が出現しました」


エリンシアは難しく考えている彩花の方を向いた


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次回

正の使徒が現れ交戦に入る中待っていた彩花たちだったが突如ペレアスは立ちあがり

戦う事を決意する。止めにかかるアムリタを退け戦場へと飛び出したペレアスを追いかける

ように彩花も駆け出す。そしてフロルよりこの場にいる意思を持つ人物の名を知るのだった
 

次回 第9章、「正しき神」


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