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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第15章、野営地

賊に捕まってしまった彩花、ギンだったが脱出を試みる。無駄と告げたのはラグズにも関わらず

ベオクの賊に加担していた少女シズク。逃げだせた者がいないと脅しを受ける中2人は実行に

移す。違和感を感じていた彩花はシズクの本心を聞き出すと共に逃げる事に成功するのだった
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「珍しいですね」

「んー・・・確かに」

「こんなにラグズが受け入れられた村は初めてですよ」



日も暮れはじめ歩いていた先に通りかかった村にて宿を探そうとしたのだが入ってから気付いた

のは「ラグズがいる」ということ。つい忘れがちなのだがラグズはあまりいい目で見られなかった


「はっはっは、この村はどっちかっていうとよその国からやってきた人が多いからね」


そんなことを宿の人が笑いながら言う。やはり木製の現代風ではない造りなもののこれは

これでいかにも他国、外の世界に来ているようで面白い。そんな時彩花はふと疑問が浮かんだ



「ところでシズク、ふと気になったんだけど・・・あの時自分の事を『半獣』って言ったよね」

「?えぇ」

「なぜ自分の事を半獣と?」


彩花に続いて同じことを思っていたのかギンが尋ねた。自ら差別用語で名乗った事に驚いた



「あぁ、言っていませんでした。・・・私、この国のラグズではないんです」

「えっ?」


拍子抜けした声と共に2人はシズクの方に向き直った。驚いた表情をする2人に対し変わらぬ口調で


「私の所は半獣族と呼ばれていたので」

「だから半獣と・・・?」


見た目はこの地に生息する種族ラグズとまったく同じ。だがシズクはこことは違う大陸にいた

種族、元々の名が半獣族なのだという。その説明に2人は納得がいくものの意外さを感じていた



「そういやギン、前にイズカが言ってた特別な実験って・・・」

「特別な実験ってなんです?」


シズクが状況が理解できないように尋ねるとギンに会うまで現在のことを伝えた


「あ・・・いや、話したくないんならいいんだよ?」

「いえ・・・別に話しても構いません。・・・シズクも、これから一緒に戦う仲間ですし」

「仲間・・・・」


隣で聞こえるか聞こえないかくらいの言葉でシズクが呟くと数秒後ギンは口を開いた


「俺、元々はベオクだったんです」

「「えっ!?」」


口を開いてからの一言目、ほんの数秒で今度は彩花とシズクが声を上げた



「ラグズの力は強大で戦いには大いに役に立つ。そこでベオクにもラグズのような力
 が使えないかとベオクにラグズの細胞を組み込ませるという実験が行われたんです」

「・・・その実験の対象になったのがギン?」

「はい。多くの人が連れて来られ実験は行われたようですが、ほとんどが途中段
 階で命を落としてしまい俺が初めて遺伝子組み換えに成功した事例なんです」


確かムワリムさんの時は、常に化身した状態でいられるような実験。そして今回は、ベオクにも

ラグズのような力が引き出せるようにするための実験。だがそこで彩花はあの時のことを思い出す


「失敗・・・というのは?確か、あの時イズカさんは・・・」

「確かに、俺はラグズのように化身できるし強大な力を手に入れまし
 た。けれど、やはりベオクの弱さでもある情が消せなかったんです」


実験段階であるが故に化身時間も一般的なラグズより遥かに短く、力も遺伝子の一部だけを

受け継いだだけにラグズには到底及ばない。その後も別の個体で実験は進められより良い個体

が出来ていくうちにギンは古来のもの、いわゆる中古品となって処分されかけていたのだ


「その呪いみたいなのは解けないの・・・?」

「わかりません。完全に我を失った「なりそこない」達は救いようがありません」


たとえ方法があったとしても知るはずもなく。この先イズカに会った時、なりそこないと戦う

ことは避けられないだろう。そしてこんなことが起きていると知った今止めなければと思った

これ以上、犠牲者を出さないためにも、ギンの呪いを解く方法を聞きださなきゃいけない



「これからどうします?」

「そういえば、戦争を止めると言う話は聞いていましたが詳しいことは聞いてません」

「・・・そうだね。もう戦い方がなんとかってやってる時間はないし今こうしている間もアイク
 達とミカヤ達は戦っているかもしれない・・・・仲間のだれかが、死んでるかもしれない」


戦えば誰かが傷つくのは当たり前。どちらかの大将が負けを認めなければ、死ななければ

戦いは終わらない。それぞれ互いに強い意志を持っている者同士、ちょっとやそっとでは考えを

変えないことは共に過ごした彩花自身が気づいていた


「ひとまずは大きな街に行って今2軍がどのあたりにいるのか、どこで戦いが行われたか
 くらいなら情報があるかもしれないからそれを集めよう。・・・まずは・・・それくらいしか」

「そうですね」



まだ、どうしたらいいのかわからない。2人に再び会った時、どうやって止めたらいいのだろう

そんなことを考え夜が明けその場から離れ地図を見ながら有名な城下町を目指すこととなった


「・・・・分かれ道だ」

「ちょっと待ってください」


ギンが近づくと近くに立てかけられていた看板を見る。その看板には左右に別の名前の町と

思われる名前が書かれていた。どうやら目的の場所とは違うようだがふとギンが顔を歪め呟いた


「・・・・これは」

「どうした?」

「右の町はですね、どこかで聞いたことあるなとは思ったんですけど・・・ラグズの町なんです」


それはつまり人間・・・ラグズが入るのは好ましくないということ。シズクが左を尋ねると



「左は・・・逆ですね。ラグズはおそらくは入れないかと・・・・」


しばらくの沈黙の後、1つの結論が出た彩花は告げる


「一旦、別れるしかない・・・・か」

「両方の町を抜けると着くのは目的地である城下町です。そこで再び合流というのは」


シズクの提案にそうするしかないと頷くとギンがある疑問を問いかける。それは別々の道

を通り目的地である城下町についたとして広い城下町の中で合流できるのか


「それなら問題ない。こっちが2人を探すよ」

「どうやって?」

「フロルの風・・・を教えてくれた人物フロルの影響で風の声を聞くことが出来るんだ」

「風の・・・?」



不思議そうにしていた2人だが今までの出来事から何かを察すると了解を告げた

それぞれ2つの道を歩き出した3人だったが片方の道を歩いていた彩花は町にたどり着き

夜を明かした後再び歩き出す。身体能力的に向こうのほうが先にたどり着くだろう


「・・・ん?」


草木があまり生えていない渓谷のような場所に出るといくつかのテントが立っているのが見えた



(こんなところに・・・集落かなにか?)


そう思い少し近づいたところで体が反応し動きを止め振り返った。何も見えないものの足音が

近づいてきているのが聞こえ表情は険しくなる。警戒した数秒後岩の陰から、誰かが出てきた


「!!」


現れたのは大人と呼べる年齢に見える男の人だった。少し黒くかかった赤い鎧を着て腰には剣が

刺さっておりただの村人ではないことは一目瞭然。武器を持っているという事は戦えるのだろう


「・・・・・・・」

「なぜ子供がこんなところに・・・」


男の人は私を見ると驚いた口調で言うけれど、表情はあまり驚いたようには見えない


「君は・・・・なぜここに?」

「この先の、城下町に行こうと・・・してたんですけど・・・」


「ふむ・・・そうか、たしか・・・」


何かを思い出したように納得していたその時、別の方向から沢山の足音が聞こえた


「まずい!」

「?」

「・・・・・こっちに来るんだ!」


今度ははっきりわかる変化を見せ焦った様子で呟き良くない状況になりつつあることを察すると言

われるがまま小走りで後をついていく。いくつかの天幕を越えた先にひとまわり大きな天幕に入ると




「私が戻ってくるまで、ここにいてくれ」

「え?あ・・・はい」


それだけ言い残すと、その人はテントから出ていった。緊迫し落ち着かない中数秒後


「・・・・・・ここは一体・・・?」


なにかわからず辺りを見渡していると、ある紋章が目に入った。どこかで見たことあるような

気がしたものの思いだせそうで思いだせない。紋章を見ていると瞬時彩花の表情は一変する


「!!」


(思いだした!これ・・・ベグニオン帝国の!ということは・・・・ここベグニオン軍の拠点!?)


ベグニオン軍はアイク達が戦っていた敵の軍隊の名前。今は関係ないとはいえ敵拠点に来てしまっ

たことに焦るが、今出ていったところでうまく逃げだせるとは思えない。あのベグニオン軍なのだから



(あの人は、気付いているのかな、私が、敵だったということを)



それから数十分後、その人は戻ってきた



「あの・・・・・」

「いきなり申し訳ない。今ここらはベグニオン兵がいてな。見つかると少々やっかいだ」

「・・・・・ここ・・・ベグニオン軍の拠点ですよね・・・」

「・・・知っていたのか」


ため息をつき少女の表情を確認すると数秒後男は口を開く


「君は、何者だ?」

「・・・・・・・・」

「誤解しないでほしい。君の正体を知ったところで上に引き渡そうとは思わない」

「私は・・・・・・・」


殺されそうになったりしたら全力で逃げるしかない。生き残れる保証がないにしても


「外の大陸を旅してたんですけど・・・嵐で船が大破して・・・この大陸に流れ着いたんです。帰りたく
 ても船は出てなくて・・・けど今は、今起きているラグズ連合軍とデイン国との戦争を止めようと・・・」

「君のような少女が・・・・そんなことをしようとしているのか」

「・・・・私は、ベグニオンの敵です。捕まえようとしないんですか?」

「さっきも言った通り、君の正体を知ったところでどうこうしようとは思わない」



『私も、こんな戦いは望んでいない』


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次回

とある人物に連れられることにより一難をやり過ごしていた彩花だったが元敵の陣地の

中警戒と緊張は解けない。そして自分を助けた人物の名を知った時、さらなる驚きが襲う

しかしその人物は想像とは違った温厚な思考の持ち主だった


次回、第16章、「総大将ゼルギウス」


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