INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第3章、女王の覚悟

無事スクリミル達の祖国ガリア王国に帰還した一同、彩花はかつてデインで出逢った人物

二ケ、ラフィエルと再会する。そんな中、時間は刻々と迫りついに夜明けの時がやってきた

連合軍と帝国軍が衝突しようとしたその時、二軍の前に現れたのは・・・
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「左に・・・誰かいる」

「左の丘に、ベオクの軍勢が・・・」


彩花の声に近くにいたガリア兵は左の丘を見て状況を説明する。どうやら、1人ではなく数人がいるようだ


「あの旗印は・・・クリミア軍だ!」

「クリミア!?」

「や、やはりクリミアは・・・帝国側につくつもりなのか!?」


その姿に連合軍の人たちはうろたえ始めたスクリミルが一喝を入れるも兵たちの不安は消えない

その時だった。丘の上から、一体の天馬が降りてきたのだ。誰かを確認する前にアイクはその名を呼ぶ


「エリンシア?何をするつもりだ・・・」



エリンシアは降下し、連合軍と帝国軍の間で止まり天馬から降りると帝国側に向かって一礼する


「くすくすくす、ようやく心を入れ替え、帝国のために戦う気になった・・・と」


「まったく、遅すぎるのですよ。最初からおとなしく従っておけばよいものを・・・
 半獣どもの討伐が終わったら、クリミアにも罰を科さなければなりませんね。
 賠償金か、それとも領土か・・・いっそあの生意気な女王を引きずり下ろすのも・・」


エリンシアは何も言わず、今度は連合軍側に振り返る


「む・・・いったい何のつもりだ・・・?」



連合軍側にも状況が理解できない中、エリンシアは口を開いた


「私は、クリミア女王エリンシア。ベグニオン帝国軍、ラグズ連合、両司令官に申し上げます」



「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


連合軍と帝国軍、お互いがエリンシアの言葉を静かに聞いていた

これが、ただの空気にはだれしもが思えないだろう


「私はクリミアの意思を示すためにこの場に参りました。クリミアは、先王ラモンの時代より
 種族の隔てのない友好と平和を国の方針として掲げております。そのため、このたびのベ
 グニオン帝国とラグズ連合の戦いにおいては、中立不可侵の立場を貫いてまいりました」

「それにも関わらず、刻下、両国が戦おうとされているこの場所は、我がクリミア
 の領土です。この国の大地を血に染めるような戦いを見過ごすことはできません。」

「ですから、ラグズ連合・・・」



「帝国軍の両陣営に・・・この国より立ち去ることを希望いたします」




「・・・・兵を退けですって!?」


まず最初に反応したのは帝国軍側のパルテロメだった


「ふん、馬鹿げたことを!とんだ茶番ですよ、クリミア女王。種族の隔てのない世界などと・・・
 そんな幻想を追っているからデインに侵略され、我が国に泣きつくような羽目に陥るのです」


それは違う。確かに今まで私が見てきた国の中で種族が隔てなく仲良く暮らしてた世界は少ない

いつもどこかでは種族が争ってた所もある。それでも、それを願うのは、幻想じゃないと思う



「もうよろしい!戦う気がない臆病者は、城の奥に引っ込んでいなさい」


パルテロメは、あざ笑うかのように言う


「半獣どもを始末し終えたら、その足で王都メリオルへ攻めあがり、クリミアも滅ぼしてあげましょう!」
 

そんなパルテロメとは対照的にエリンシアは揺らぐことなく落ち着いた状態で告げる


「・・・それでは、ベグニオン軍は兵を退く気はないと?」

「当たり前です!小娘の戯言に付き合うのはもうたくさんです」

「・・・・ラグズ連合軍はいかがですか?」


エリンシアは振り返って言う


私も、できれば戦いはしたくない。エリンシアの意見には賛成したい。とはいえ相手が

引かずにこっちが背中を向けたら斬られに行くようなものだ。


(ティバーンさんは、どう答える?)


「・・・単騎で、この殺気立った戦場の真っ只中に飛び込んできた意気は買おう。だがな、その理想論に
 付き合って一方的に国に攻め込まれるんじゃあ割に合わん悪いが、ここに踏みとどまらせてもらうぜ」



「・・・それが、両司令官の回答なのですね。ならば・・・・」


エリンシアはそのまま腰をおろし、地面に何かを置いた

近くにいたヤナフさんの言葉であれが剣だと言うことに気づく


「これが、我がクリミアの回答です。私たちの決意は変わりません」


そして、エリンシアは続けていう

「我がクリミアはベグニオン軍、ラグズ連合軍、どちらとも戦いません。
 ですから、武力ではなく、生身の手を持って両軍の戦いを止めましょう」


「な、な、な・・・・」


そんなエリンシアの元に、ティバーンはものすごい速さで近づいた


「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


ティバーンがエリンシアの瞳を凝視する中、エリンシアもまた

揺らぎない信念を伝えるかのようにその瞳を見つめた


「・・・・ふ・・・ははははははははっ!」


突然、ティバーンは大声をあげて笑いだした

「!?」

「アイクよ、予測のつかん行動はおまえ個人の特性かと思ってたがそうでもないみた
 いだな?いい度胸してるじゃないか、クリミアの女王もよぉ。面白ぇ。気に入ったぜ」


さらにティバーンは大声を張り上げる


「スクリミル!この場は女王の顔を立てて退くとするか?」

「当然だ。無抵抗のものを手にかけては、ガリアの名が地に落ちる」



「全軍、森へ帰るぞ!」


そう告げると、兵たちは背中を向け歩き出した

その姿が見えなくなると、エリンシアはティバーンにお礼を告げた


「あくまでも一時的なもんだ。ラグズ連合とベグニオンの戦いが収まったわけじゃねぇ」

「はい、分かっています。それでも・・・クリミアの意思を知っていただきたかったのです」

「・・・あんたとは、一度ゆっくり話してみてえもんだ。またの機会を楽しみにしてるぜ」


「ゼ、ゼルギウス将軍、我々はいかがいたしましょうか」


帝国軍はいまだ動かずに、ルベールはゼルギウスに尋ねる


「いや、我々も引く」

「よろしいのですか?」

「君は、このように武装した兵が居並ぶ中で、武器を手放すことができるか?」

「わかりま・・・いえ、おそらくできません」

「私たちですら難しいことをやってみせたのだ。自国の兵に割って入らぬよう従わせるのは・・・並大
 抵のことではない。それほどの信頼がクリミアの主従にはあるのだ。ここは、彼らに敬意を表そう」

「はっ!」


ルベールは振り替えると、兵に向かって叫ぶ


「総員!退却開始っ!」


ルベールの声に兵士たちは後ろに振り向き駆け足で去っていく


「な、何を勝手に・・・!クリミア女王などは無視すればよいのです。ラグズ軍を攻撃しなさいっ!」

「・・・借越ながら、この場は撤退を申します。戦には呼吸というものがあります。流れに逆らって無
 理に攻め立てれば、圧倒的に有利な状況でも負けることもあり得るのです。どうかご理解のほどを」

「ぐ・・・・」


歯ぎしりするパルテロメの横を、ゼルギウスは通り過ぎて行った

一部の帝国兵を残したパルテロメは、しばらくその場を動かないでいた


「おにいちゃん、戻らないの?」

「あぁ」

「久しぶりだものね。エリンシア女王にご挨拶して帰りたいわ」


「ま、オレも挨拶ぐらいはな。互いの立場があるだろうから長話はできないだろうけど・・・・」


「彩花も、あれ以来エリンシア女王には会っていないでしょう?」

「そうだな、せめて無事だけでも伝えてやったらどうだ?・・・・・?」


ふと言葉を止めたところで、ライは不思議なことに気がついた

兵は去ったと言うのに、血は流れなかったというのに、少女の表情は硬いままだ


「・・・・・・・・」

「どうした?」



問いかけに、少女の返答はない


「・・・・・・・・・」

「?」

「どうした・・・?」


再度ライが話しかけたところで、少女は静かに告げる。震えた声で


「まだ・・・兵が残ってる」

「え?」

「さっき、叫んでた人と、数人の兵士が・・・・」



さっきから吹いていた風、それは、嫌な空気しか流れていなかった。その時


「・・・おまえたち!クリミア女王を襲いなさい!我が帝国に兵伏しない反逆者!相手
 は丸腰です!自分がどれほどおろかな真似をしているか思い知らせておやりなさい!」


パルテロメの言葉にその周りにいた数人の兵士達が動き始めた


「・・・おい、やばいぞ!帝国軍の一部隊が怪しい動きを・・・狙いはエリンシア女王だ!」

「させるか・・・!エリンシアを守るぞ、急げ!」


アイク達は一斉にエリンシアの方向へ走りだす。それと同時刻崖の上にいた

王宮騎士団たちもその動きに気づいた


「くっ、やはり帝国軍にものの道理は通じないようね・・・ジョフレ!」

「女王陛下をお守りするぞ!クリミア王宮騎士団!続けっ!!」



2人の言葉に王宮騎士団もまた、崖を下り始めた

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次回

エリンシアを攻撃し始めた帝国兵。傭兵団と王宮騎士団はエリンシアを守るために戦場へと

飛び出していき彩花もまた過去の恩を返すため、エリンシアを助けるために戦場へと飛び込む

そしてついに、エリンシアと衝撃な状況だったルキノと彩花は再開を果たすのだった


次回 第4章、「死守」


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