INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第17章、勝敗の先に

ペレアスによって告げられたラグズ連合軍討伐の加担。望んでいない戦いに疑問を抱きながらも

ミカヤはリバン河畔に来ていた。同じく疑問を抱くのはミカヤだけでないものの王の命令であるが故

王の言葉を信じ行動に移す。その頃河を渡ろうとしていたラグズは異変を感じるのだった
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それから数分後、幾度となく攻撃が繰り返される中ライはレテの元へとたどり着いた。何故退か

ないのか、血相を変えて問い詰めると歪んだ表情でレテは獣牙族達が言った言葉を伝える



「皆・・・これ以上逃走すると獣牙の誇りに傷がつく・・・だから引き返さないと」

「部下がごねても無理にでも従わせるのが上の責任で務めだろう!」

「わかっている。ここで退くのが正しい。だが、退けば仲間
 たちの中でもっと大切な物が崩れてしまう。そう判断した」


だから、ここは私に任せてくれないか?とレテはライに言った


「・・・わかった」


その頃スクリミルはかすかに聞こえながらもその場から動かなかった。正しくは動けなかった

ただ時間だけが過ぎていく。その時、人の気配を感じた。風と共に感じたベオクの匂い


「っ!?」



ここにいるべオクはデイン兵しか存在しないはず。だが、聞こえた声で敵ではないことを判断した



「やっぱりあれだけいるとちょっとやそっとじゃ渡れない・・・か」

「貴様は・・・!なぜ貴様がここにいる?」


目の前に現れたのは鳥翼族ではない。アイクでもなければ傭兵団の誰でもない。この状況を

連合軍側が知るはずもなくラグズの勘があの軍師よりも理解できぬ存在と認識した人物


「勘?・・・と風が何か言ってたから来てみたらここにきたって感じ?」

「本当にお前はベオクなのか?」

「ベオクじゃない。『人間』だよ」


その時、また別の方向から足音が聞こえた。だがこの匂いはベオクではない・・・・・・

戻ってきたライは一瞬動きを止めた。スクリミルの隣にいた存在に対して驚いたのだ


「・・・・・ライ」

「なんでここにいるんだ!?」

「風が呼んだんだと」



スクリミルが呆れたような声で言う。そして彩花もまたここに来るまでに妙な光を見ていた。ベオク

が使うたいまつの光なのだがそれがたいまつとは認識しておらず何かを燃やして発された光だった


「この音は・・・ベオク?それにここにくるまでに兵士たちを何十人も見かけたけど」

「・・・・・・デイン兵だ」

「・・・・え?」


彩花は耳を疑った。もはや懐かしくなった単語、国名。そしてデインという名前


「ど・・・どうしてデイン兵がここに?」

「分からない。が俺達に攻撃をしている」



デイン兵。最初に私が助けられた人達と出会った場所。そしてデインの兵と言う言葉に彼女達

の姿が浮かんだ。あの後国王はペレアスになりミカヤ達もまた国に仕える存在になったはずだ


(ミカヤ達がここに・・・いる?)



でもデインにいた頃ミカヤはラグズを倒したくないって言っていた。だからここにいてラグズ

に攻撃していることが信じられなかった。違うデイン兵なのか、こう思うしかなかった



「他の部隊はどうなのだ?」

「ひとまず全部隊に通達は通った。あとは・・・レテ達がどうなるかだな」

「レテ?」


またしても懐かしい名前、とはいえそこまで親密になった記憶はなく一方的に嫌われていた

かつて自分がクリミアにいたことを知っていたからかこの言葉に驚くことは無かった


「そうか、クリミアで会ったのか」

「すっごい嫌われてたけどね・・・見慣れない外部の者にベオクだったから毛嫌いされてたよ・・・」

「大丈夫だ。レテは信用できる」


大抵のラグズは認めた相手には裏切ることはしないのだと言う。それがラグズの常識なのだとか


「認めてもらうって・・・なにするの」

「そりゃあまあ・・・色々さ」


その時彩花はふと辺りを見渡した。暗くて何も見えないがかすかに聞こえるこの音


「・・・足音?」

「なんだと!?」

「・・・ベオクの匂いだ・・・・・囲まれたな」


ライの言葉の数秒後に現れたのは何人かのデイン兵が3人の周りを囲うように立っている


「・・・・・うわぁ」

「スクリミル、戦えるか?」

「戦わねばならんだろう」


スクリミルは敵と向き合う・・・が構えた瞬間スクリミルは膝をついた。傷が癒えていないのか


「違う。傷はとっくに治っているはずだ・・・」

「ぐ・・・動かん!」


おそらくこれは恐怖。また負けるのではないかという恐怖。敵兵は待ってくれるはずもなく


「弱っている今がチャンスだ!そいつの首を取れ!」



「ちょ・・・ライどうするの!?」

「スクリミルを頼む!」

「えっ!?」



そういうと化身しライは兵士と戦い始めた。いくら強い獣牙族といっても数には不利になる

ふと1人の兵士の槍がかすれた。バランスを崩すもすぐに立て直すと再び戦闘は再開される

すると、別の方向からスクリミルを狙って1人の兵士が魔道書を開いては何かを唱えていた


「ネール!」


そんな中彩花はある違和感に気づく。兵を誰ひとりとして殺していなかった。気絶させるように

攻撃するだけで大怪我や殺したりはしていない。その理由は、自分にあることに気づく


(ここに私がいなければライは何のためらいもなく戦える・・・)


嫌な予感がしてここに来たものの助けになるどころか邪魔になっては意味がない。今何をすべきか


「・・・スクリミルさん。ここから動かないでください。この中なら・・・安全ですから」

「・・・・・」


無言のまま立ち上がると慣れない手つきで腰に差さっていた鞘から剣を引き抜く。エリンシアに

貰ったものとよく似た通常の剣よりも細いように見える遠距離も可能な剣疾風の剣だった


「ライ!・・・ありがとう。ここに自分がいなかったらもっと思いっきり倒せるのにね」

「なにをいってるんだ。これはオレが勝手に決めたことだ。気にすることはないからな」

「じゃあ・・・これは私自身が決めたことだから」


少女は剣を構えるとその場から消えた。姿を現す度に兵士は倒れて行く。今まで魔法以外で戦った

のを見たことがなかったこともあり驚いた様子を浮かべる。敵の気配を感じなくなったからか化身を解き


「お前・・・」

「殺してない。剣はあくまで攻撃を受け止める為のもの。咄嗟になら魔法より速いし」

「・・・平気・・・なのか?」


幸い気配りもありこの地はあの時のように赤一面には染まっていない。が痛々しい光景に変わ

りはない。今もなお少し離れた場、遠くから誰かの叫び声が聞こえる。表情は決してよくは無い


「平気なんかじゃないよ。けど・・・ライ達が死ぬことの方が嫌だから」

「いっそ・・あの時死していれば・・・こんなことになど・・・」



ゼルギウスと言う人に負けた。初めて負けたと話に聞いただけだった。誰もが信じられない

くらい変わったというように当初の恐怖、強いと思わせるオーラ自体が消えかかっていた


「なぜ・・・・生きているのだ」

「ふざけるな!」


死んでいい。そんなはずはない。思わず叫んだ。突然の声と口調に二人はビクッと震わせた

信じられないような、驚きを隠せないまま視線を変える中思ったことをそのまま発する


「一回負けただけだろ!?」

「あ・・・彩花?」

「ふざけんなよ!たった一回負けたくらいで・・・っ・・・」



ふと我に帰ると誰に向かって言ったかに気づくがすでに遅い。今言ったことを後悔はしていない


「いいじゃない、生きているんだから。まだ・・・必要とされているのだから・・・」


「・・・だめだわ、ガリア軍は倒しても倒してもこちらに向かってくる。
 これじゃ消耗戦だわ。どちらの犠牲も大きくなりすぎる・・・・・・・」

「くそっ、隙がない・・・!どこかに一点でも穴があればそこを突破口にするのに」



両者ともこの状況はいいものとは思えなかった。お互いが倒れていく消耗戦。隙のない戦い




「敵ながら見事な用兵術だな。向こうの指揮官は相当優秀なやつらしい」

「ライ!?おまえはスクリミル将軍のそばに・・・」

「だから来たんだよ」

「・・・いるのか?」


「あぁ。自分も戦うというのを周囲の奴らでやっと抑えている。・・・急に現れたかと思えば・・・まったく」

「?」

「あ、いや、こっちの話だ」

「そうか・・・ならば、無様な戦いを見せるわけにはいかないな。もう一度兵をまとめて・・・」



『全軍、攻撃中止!ガリア軍にしばし停戦を申し込みます!話し合いに応じてください!』


どこからか聞こえた声は全体に響き渡りデイン兵の動きが止まった。ライはその場から離れ

前に進みそれと同時にミカヤも前に出る。互いの姿が見えると真っ先にライが叫びかけた



「何故、デインがオレ達を攻撃するっ!?」

「あなたが・・・ガリア軍の指揮官ですか?」

「・・・だとしたら?」


ライの前に現れたのは将とは思えない1人の少女だが、ここにいると言うことは将なのだ



「私はミカヤ・・・デイン王国軍を率いています」

「俺はライ・・・ガリア軍の副将だ。用件を聞こう」

「我が王ペレアスが、ベグニオン帝国からのラグズ連合討伐要請を受け入れました。これより後
 、我がデイン軍もベグニオンを助けて参戦します。もうあなたたちに逃げ場はないんですよ?」


言葉はきついし言い方だけを見るならば怒りが込み上げてくる。だが、ライ達にそんな余裕はなかった



「・・・だったら、目の前のあんたたちを打ち破って前に進むさ」


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次回

相対したミカヤはガリア兵達に告げるが退く様子は一切なし。一時は中断されるもこれ以上の

行動は最適ではないと判断したライ達はアイク達のいる連合軍の元に戻ることを決める。そんな

数日後、ティアマトはミストと彩花を呼び衣服を調達するためとある市場へとやってくるのだった


次回 第18章、「夢見の服」


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