INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第13章、名将の一手

提案和平はラグズの習性とプライドによって却下されるセネリオは新しい策を立てると実行の日が

決定された。そんな中姿を現した人物は自らのことを人間だと述べラグズの者たちを始めアイク達を

驚かせるのだった。作戦は実行に移され順調に進んでいるように思われたが・・・?
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(なにかが・・・なんだ・・・?一体なんだ・・・?)


作戦はセネリオから聞いていた。そしてそこまでに至る経緯も。和平協定の形を提案したものの

ラグズの習性から今戦いをやめるのは厳しいとのこと。そこでセネリオが新たな案を考えた事


(あれほどの力を持つラグズ達なら人間相手に勝つなんて簡単。心配なのはラグズ達が
 周りが見えなくなること、そしてラグズ達とも互角以上に戦ったと言っていた存在・・・・・・)


有名とされるラグズの習性、能力。人間同士の戦いでない以上相手側は対策を立てるだろう

もし、自分が相手側で敵に大勢の強力な存在ラグズがいたらどうするか。どんな方法を使うか


(獣牙族には炎、鳥翼族には風。大勢の魔道士を用意する?)


体力の差も天と地の差と言えたラグズ相手に長期戦は無謀ともいえる。だとしたら・・・


「・・・敵将」


その時、彩花の頭に何かが浮かんだ。戦闘とは、大勢の人が戦うものだが上の指示に従って

いる。指揮をとる者が止めと命ずれば戦いは終わる。また大勢の相手をするより・・・


「・・・敵将を討つ・・・?」

「どうした?」

「・・・この軍の大将って・・・誰?」


ずっと黙っていた少女が尋ねるとララベルは考えながら答えた


「んー・・・アイクさんだと思うけど・・・ラグズだけっていうのならあの2人よね?」

「最初からいたとなると・・・スクリミルさん」


いくら獅子王の血を受け継ぐものとはいえど何千、何万の兵に囲まれたらただではすまない

だろう。もし魔道士に囲まれでもしたら、そう仕向けられたら戦況は一気に最悪になる


「あの中で一番突発的で・・・挑発に乗りそうな・・・!!」


嫌な予感の正体。起きるかもしれないという予測にハッとなるとラグズの人達に向かって叫んだ


「誰か・・・空を飛べる人!」


2人が登りきった時、遠方で衝突の音が聞こえた。そこには化身したスクリミルと赤い鎧の

人物ゼルギウス将軍が相対していた。ゼルギウスの攻撃によってスクリミルは空中に浮き

吹き飛ばされた。そのまま壁となった岩にぶつかりそのまま倒れ込む


「スクリミルっ!」

「ライ!うかつに近付くな!」


近寄ろうとしたライだが踏みとどまった。ゼルギウス将軍はそんな2人の様子も気にする

ことなく崖へと歩み出るそして、剣を天へ振りかざし大声で叫ぶとガリア兵達は戦いを中断した



「聞けっ!ガリア王国の獣戦士たちよ!!」



ベグニオン兵たちも戦いを一度止めると全員が上に立っているゼルギウス将軍に集中した


「我が名はゼルギウス!ベグニオン帝国軍の将だ!」

「貴殿らの大将はたった今、我が剣に倒れた!」



剣を降ろした瞬間、ガリアの兵たちに動揺が走る。兵たちにもざわめきが巻き起こる


「獣戦士たちよ!我が軍は、これ以上の無益な戦いは望まぬ!ただちにこの場を退け!」

「なん・・・だと?」

「同じく・・・ベグニオン兵に告ぐ!退却するガリア兵に対し一切
 の手出し無用!両軍とも心せよ!決着はついたのだ!!」



「スクリミル将軍が・・・」

「ま・・・さか・・・ベオクに敗れるなど・・・」

「俺たちは、どうすれば・・・」



ガリア兵たちは口々にそんなことを口に出す。誰もが、自分の将軍であるスクリミルの敗北を

信じられなかった、認められなかった。誰も認めないだろう。するとガリア兵の数人が声を上げる


「スクリミル殿が本当にやられたというなら、おれたちが仇を討たねば!」

「人間の甘言(かんげん)に惑わされるな!戦え!獣牙の戦士たちよ!」


「やめろっ!!ここは退けっ!獣牙の兄弟たちよ!!」


今にもまた戦い始めかねない獣牙族達をライは止めに入る。峠の上から、ライは大声で叫んだ


「東の鷹王の隊と合流し、態勢を立て直すんだ!」

「・・・いい判断だ」


ゼルギウスは峠から振りかえると、金髪の1人に指示を出す



「ルベール!ここにいる者を連れ、下の兵たちをまとめさせてくれ。私は、この者達と話がある」

「しかし・・・」

「私のことならば心配しなくていい」

「・・・はっ」


ゼルギウスの指示により、さらに金髪の人物の指示によってその場にいた兵士たちは峠の下

へと降りていく。その場に1人残ったゼルギウスは、剣を鞘にしまうと2人の元へと歩み寄っていく


「どういうつもりだ?何故、ここで徹底的に潰しておかない?」

「確かに・・・元老院の公爵たちはそれを望んでいる。」



ゼルギウスはライたちの顔を見るわけでもなくさらに山頂を見ながらそう告げた



「だが、神使様のお考えは違う。神使様、それにペルシス
 公のご両名は・・・ラグズ連合との早期講和をお望みだ」

「講和・・・神使たちはラグズ側との和平を望んでいるというのか?
 話し合いに応じるつもりがあるなら・・・何故最初からそうしない」

「国の意思が必ずしも1つであると思わぬことだ」



だんだんと下からの声も聞こえなくなってきたことにアイクは気づく

おそらく、あの兵たちが帝国兵をまとめこの場から去ったのだろう


「このまま戦いを続けたところで、両軍に犠牲の山が築かれるばかり」


何が言いたいのか、アイクが尋ねると数秒後ゼルギウスは手を打たないかと持ちかけた


「ラグズ連合軍より和平協議を申し出れば・・・神使様はそれを受けると答えられる。
 そうすれば・・・これまで話し合いを突っぱねてきた元老院も逃げ口がうてなくなる」

「・・・しかし、ラグズ側が不利な状態で協議を持ちかけるのは・・・」

「ラグズ連合にとって・・・もっとも好機といえたのは、渡河が
 成功した時だ。それを逃し、更なる進撃を続けたのはそちらだ」


「・・・・・」


ライは、答えることができなかった。自分だけで判断していいのか、ガリアの戦士として

このようなことを認めてしまっていいのか。それを察したかのように再びゼルギウスは告げる


「・・・考える時間を与えよう。3日待つ、その間に和平協議を正式に申し入れてくれ」


それが出来ない場合は交渉決裂となりどちらかが降伏するまで戦いは続くだろう


「・・・そうならない事を強く願う」

「待て!まだ用は終わっちゃいな・・・」


アイクは背中を向けたゼルギウスに向かって叫ぶ


「・・・獅子王の後継者・・・急所は外したが傷は浅くはない」

「!!」

「連れ帰り、手厚く介抱すれば命を救うことは可能だろう。もっとも・・。
 立ち上がれるようになるまでかなりの時間を要するだろうが・・・・・」

「・・あんたは、わざとスクリミルを殺さなかったってことか?」



ここで止めを刺せば帝国側の勝利は絶対だっただろう。戦力、将軍の実力を考えれば

息の根を止めることなど不可能ではなかったはずだ。それなのになぜ止めなかったのか



「ガリア軍の大将を戦闘不能にした・・・それで十分な打撃になると考えた」

「だとしても・・・」

「私は、いかなる敵同士であろうと・・・命を奪わずに済む方法があれば、その道を選
 ぶ。・・・早く行け。貴殿らの背後を襲うような真似は私の名誉に誓ってさせはせん」



そう言い残すと今度こそゼルギウスはアイクとライ、倒れたままのスクリミル

に背を向け歩き出した。その様子を2人は無言のまま見ていた

「いなく・・・なった?」

「そのようだ」

「本当に?誰もいない?」



夕方を迎えだんだんと辺りがくらくなっていく中1人のフェ二キス兵の言葉に少女は疑問形で聞き

なおしたがフェニキス兵はやはり答えは同じ。現に戦いの痕と思われる場を通ったが彩花の聴覚

を持ってしても何も聞こえないのだ。彼の言う事は本当なのだろう



「・・・3日の猶予か」


ディバーンは腕を組んでいた。当然のように、スクリミルのは敗北は誰しもが衝撃を受けた



「獣牙族はどうするよ、ライ。スクリミルはあんな状態だ。ガリアの進退はお前が決めるべきだ」

「・・・すみません・・・鷹王。ガリアの士気はスクリミルに負うところが大き
 かったんです。それを失った今・・・それ以上の進軍は考えられません」

「そうか、仕方ねえな」


今回のことにはさすがに鷹王も衝撃があったらしく無理に攻めることはなかった。相手は自分と

互角に戦ったゼルギウス将軍。こんな事態はたとえ有ったとしても理解のできる出来事であった



「本当に・・・申し訳ありません・・・」

「同じラグズとはいえ今回の件はまあ・・・鳥翼が主体になった問題だ。獣牙にも因縁があるの
 は違いないが俺達鳥翼とはまったく質が違うもんだ。ここでガリアが引くのを止める気はない」

「あんたたちフェ二キスは・・・どうするつもりなんだ?戦いを続けるのか?それとも・・・」

「さてな、こっちは圧倒的に物量に劣っている。まともにやり合う気はさらさ
 らないが・・・かといって、あっさり和議が成るとはとてもじゃないが思えん」

「ラグズ連合が送った最終通告の使者を斬り殺した。だからこの戦いが始まったんだ。和
 平協議を申し込んで承諾されたとしても・・・協議の席で謀殺される可能性もある・・・・・」

「だが、俺は・・・ゼルギウス将軍は、信じるに足る男のように思う」


それは、3年前でゼルギウスのことを知っているからこそ言える言葉であり

ゼルギウスの功績を知っているからこそ言えるアイクの言葉である



「・・・だが、あいつはベオクで軍人だ。上の命令には逆らえんだろう?」


「どういう意味だ?将軍は、神使も和議を望んでいると言ってたぞ」


一方のティバーンはどこか納得いかない様子だった。アイクが尋ねると、鷹王はこう答えた



「この場合、上ってのは元老院だ。俺も、あの皇帝がまったく信用できんとまでは
 言わん。だがセリノスに対する冤罪(えんざい)を認めたのはあくまで皇帝個人で
 ベグニオン帝国としての正式な謝罪は今もってない。・・・結局はそういうことだ」


そんな中鷺の民リュシオンはあることを告げた


「・・・実は、今回の件で神使に連絡がとれないかと何度か試みたんだが・・・無駄だった。
 彼女の護衛である聖天馬騎士団さえ最近では目通りが叶わぬとタニスが漏らしていた」

「神使親衛隊副隊長の地位にあるタニス殿でも・・・ですか」



ベグニオン帝国の主(あるじ)でもある神使サナキ、そのサナキの最も近くにいるはずの

聖天馬騎士団。その副隊長である人物ですら最近は会うことができない・・・



「一体、ベグニオンでは何が起きているんだ・・・?」


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次回

異変を感じた彩花はフェニキス兵に頼み現地へと急行。だがたどり着いた時戦いは行われていな

かった。その頃セリオラ城にて小休止を取っていたアイク達は3日の猶予と今後の行動について

方針を決めていた。フェニキスは残りガリアは撤退することに決まったのだが・・・?


次回 第14章、「和平協定」


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