INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第11章、渡河作戦

アイク達の元へやって来たフェ二キスの兵達だったがアイク達は同じく連合軍だったはずの

キルヴァスが姿を消した事を知り驚く。同時刻ティアマトの前で彩花が倒れる。新たに鷹王

ティバーンを始めフェニキスの兵を加え作戦を立てると実行に移すのだった
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「・・・よくかわした。だが、もう限界だろう」



ゼルギウスの声にライは化身を解いた。本当のことを言うならば「解いた」のではなく「解けた」のだ

移動しながら戦っていたライとゼルギウスはいつの間にか岩に囲まれた場所へと移動していた

ゼルギウスとライはじりじりと間合いを取っている



「・・・・・・・・・」


ただ無言で、だがダメージが大きかったのかその場によろめく



「女神に祈るがいい。次の一撃を貴様は避けることができん」

「・・・祈りはいい。それより、聞きたいことが・・・ある」


ライの言葉によって剣の動きが止まった


「なんだ?」

「・・・あの港町でやりあった時よりオレも少しは強くなったか?」

「・・・・・既に意識が混濁(こんだく)しているようだな。これ以上、長引かせはせん」

「あぁ、ここまでだ・・・」



ゼルギウスが再び剣を振りかざしたその時ライは叫んだ



「鷹王!」



その叫びによりゼルギウスは一瞬動きを止める。すると遠方から何かが迫ってくる気配を

感じた。ものすごいスピードで迫ってきた瞬間ゼルギウスはその攻撃を剣で受け止めた



「よぉ、あの時以来だな」

「フェ二キス王・・・何故、化身を解く?私と戦うため姿を現したのではないのか?」



一打撃を与えるとそのままライの横へと飛び化身を解いた。剣を降ろすと2人を見る



「そうしたいのは山々だが・・・生憎(あいにく)と時間切れのようだ」

「・・・・なんのことだ?」


ゼルギウスが呟いた瞬間どこからかゼルギウスを呼ぶ声が聞こえた。遠方から兵士が叫ぶ



「ゼルギウス総司令!総司令っ!どうかお戻りを!!物資が燃えております!このままで
 は公爵方の天幕に燃え移るやもしれません!混乱を静めるためどうかお戻りください!」

「・・・・なるほど、そういうことか」

「この間は国の危機を知らせてもらったからな。それの礼だと思ってくれ」

「・・・ふっ。ならば、お言葉に甘えよう」


ゼルギウスは兵士の言葉によって剣を収めると歩き出した。追撃することもなく鷹王は見送っていた



「・・・っ」

「おい、大丈夫か?」

「・・・すみ・・ません。予定通り・・・いかなくって」


ライはよろめきながらも辛うじて立っている。しかし、今にも倒れそうなほど怪我は大きくフラフラだ


「その辺の言い訳は後で聞いてやる。とにかスクリミルたちと合流しねえとな」



ティバーンはライを背中に乗せると、再び空に飛び上がった


「帰って来たわ。彩花の様子は?」


尋ねるとララベルは晴れない表情で告げる。表情からしてあまり良くないと察するが


「それが・・・治まったと思えば苦しそうにしての繰り返しで・・・」

「彼女・・・なにか持病でも?」


だがこれまでそんな素振りは無く突発的に起きたとも言えた。デイン時共に行動して

いたララベルもそんな様子は一度も見なかったという。そんな話を聞いたこともない


「今は?」

「そこの天幕にいるはずよ」



帰ってきたメンバーと入ってもその中の数人は河の向こうで新たな天幕を張っていた

そして、一度に全員が移動するには目立ち過ぎる為何度かに分けて移動をする


「・・・ティアマトさん」

「具合は?」


光が差し込むと現れた人物の名を呼ぶ。だがそんな少女の顔色は良くなっていなかった


「一体どうしたの?何か病気でも・・・」

「・・・違うんです。私が・・・」


何かを言いかけたところで言葉は止まる。数秒間言葉が発される事は無く違和感を感じた


「私が・・・っ」

「落ちついて。・・・なにか言えない事でも?」


さらに数秒後、ぽつりぽつりと言葉は発される。その言葉を聞いてティアマトは目を

見開いた。数分にわたり話は続き次第に彼女自身に起きている違和感に気づく


「まさか・・・ずっと寝ていないの?」

「・・・寝ようとすると・・・あの風景が夢に出てきてしまって・・・怖くて。寝たらあの夢
 を見るって思うと寝ようにも寝られなくて。寝る事自体が・・・怖くて。・・・すみません」


いい終わると、数秒とわかったわという言葉を残し天幕から出て行った。伝えに行ったのか






(こんなはずじゃ・・・なかったのに)





覚悟していた。忘れられないものになるだろうと、自分を苦しめるものになるだろうと。だがそれ

を覚悟した上で、それを承知したうえで助けたいと思ったのだ。力になりたいと思ったのだ


(これじゃ・・・本当に足手まといじゃないか・・・!)



この大陸に来て何日経ったか。長い間いたような気がするが短い気もした。人との出逢いも突然

訪れては別れも突然訪れた。最初の町での恐怖は忘れられないが、国を取り戻すために一歩・・・

また一歩進む度に見られた彼女達の笑顔を見ると悪くないと思う時もあった



(あと何日経てば、この世界は平和になるのだろう)


「今、総攻撃をかけるのは得策ではないと思います」


今後に対する軍議が行われいつものメンバーに鷹王が加わり軍議は一層緊張感溢れていた


「一度、和平交渉を持ちかけてはいかがでしょうか」

「犠牲は最初から覚悟の上!我らは犠牲を恐れて攻撃をためらうような真似はせんぞ!」

「・・・ライ、お前も同じ考えか?」


アイクは下を向きかけていたライに振る


「・・・ん?・・・あれ・・・?どうしたんだ、みんなこっちを見て・・・」

「貴様、軍議中に居眠りでもしていたのか!?緊張感のない奴め」

「・・・お前にだけは言われたくないって」


身体が辛いのならはっきり言うべきだとティアマトが告げるがライはそれを否定した


「だったら何を考え込んでいたんだ?」


ティアマトさんの次にアイクが問いかける


「え?!・・・その・・・あ、いてててて・・・やっぱちょっとあれだ。体がおかしいみたいだな、うん」


まるで自分に言い聞かせているかのように、納得するかのように自分で言っておき

ながら自分で頷いている。そして、ライは姿勢を正すと元の話へと戻った


「獣牙族の考え方についてだったな?それなら、スクリミルの言うとおりだ」


「これはもう、種族差としか説明のしようがないんだが・・・オレたちラグズは戦闘能
 力について進化してきた種だからな。一度戦いだしたらおいそれとは収まらない」


「目の前の敵を倒すこと以外何も考えられなくなる」


さらにライは付け足した。こういう戦い続きだと気分の高揚を静めることは難しい。ティバーン

も同じ意見だそうだ。獣牙族ほどではないが鳥翼族は今回の裏切りの件もあり相当きている



「そういうことなんだ。せっかく、オレたちのために提案してくれたのに悪いな」

「いえ・・・」

「とは言いつつも、このまま特攻をかけて全滅するのは流石にごめんだ」



セネリオは怒る様子もなくこうなるであろうと知っていたかのように

至って冷静に視線を再び地図に落とした。そして数十秒後・・・・





「・・・まとまりました。みなさん、地図に注目してください」






天幕の中。何も変わっていない単色の布ですら赤く染まって見える。視界を遮るように目を閉じた






(考えちゃだめだ。思い出しちゃだめだ・・・!)





考えたくないというほど考えてしまい思いだしてしまう。それが人の心理というものだった

最初から予想していた通り頭から離れる事のない、一生つき纏うと思われる記憶になっていた




(このまま・・・誰かが死んだなんて報告を聞くしかできないの・・・?)




恐怖と同時に浮かんだのは怒りだった。この地の人ならば普通に出来る事が出来ず知って

いる事を知らず、平気にならなければならないはずなのにできない自分への怒りだった


「くそ・・・っ!」


膝の上にあった握り拳の力が強くなる。未だ変わらない自分の弱さに腹が立っていた。次から

次へと状況が変わっていく。たった一つの戦い、たった少しの出来事で戦況は大きく変わっていく




(ずっと、戦う力があればって思ってた。なのに・・・!)




その時、ふぅっと身体中の力が抜けた気がした。そしてある事が頭に浮かぶと気づいた




「・・・・あぁ・・・そっか」



今日初めて外に出るとガリア兵に加え数日前にやってきたと聞いていた鳥の人の姿が見えた

兵と呼ばれているからか比率は全員が男性と呼べた。するとどこからか声が聞こえた


「お前・・・!」

「・・・・ん?あんた・・・・見ない顔だな」


振り向くとアイクとライと隣には見覚えのない人がいた。翼があるところを見ると鳥の人だろう


「平気なのか?」

「あ・・・まあ。この人は・・・」

「あぁ、こいつはティバーン。フェ二キス国の王だ」



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次回

ラグズの特性から戦いを退く事は難しくセネリオは新たな策を見出す。戦争での風景が頭から

離れられない彩花はあることを思い出し落ち着かせる。天幕の外に出ると見覚えのない人物が

アイク達と共にいるのだった。彼こそが鳥翼族・・・フェニキスの王だと聞かされるのだった


次回 第12章、「呼称」


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