INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第9章、状況の一変

アイクと再会し数日、様々な作戦を決行する後かつてデインで会ったララベル、ムストンを始め

クリミアで出会ったチャップ、ネフェニーなど懐かしい面々と再会する。そんな中想定外の軍師とし

ての才能と魔法使いとしての才能を知ったセネリオは彩花のことを見直した事を告げたのだった
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芝生というには狭く沼というほど地面が崩れているわけでもない。所々に深い草が生い茂って

いる中ガリア連合軍はいた。するとアイクの名を呼ぶ声の後にライが駆け寄ってきた


「アイク!」

「そっちの準備はどうだ?」


ライの問いかけにアイクはいつでも出られると答えた。左翼の軍はアイク達傭兵団に任され

ておりガリア軍は別の動きをするために行動は共にしない。アイクに背を向けると一言


「じゃあ、後は頼む!」



ライが見えなくなったのを確認するとそれぞれ武器を構える。彩花も後方ではあるが待機して

いた。言葉を発するでもなく。落ち着いているような落ち着いていないような複雑な気分だった



『敵は小勢だ!他の者に手柄を立てるな!』


敵将らしきし人が遠くで叫んでいるのが聞こえ前方には十数人の兵士が見える。幾度にも重なる

掛け声とともに数分後、静かだった辺りには金属音が鳴り響いた。叫ぶ声に、人々が倒れる風景に

目を逸らした。決して戦うのが嫌いなわけじゃない。人と戦うのが嫌なのだ


(敵味方問わず、誰かが死ぬところなんて見たくない)


気分の悪さで視界が揺らぎながらも必死に立っているとアイクの叫び声が聞こえた


「敵将は討ち取った!逃げる兵はそのまま見逃してやれ!」


敵兵が武器を捨ててどんどんと四方八方に逃げていく。グレイル傭兵団は引き上げるとライのいる

所へと向かっていった。ここは戦場。休む間などなくて当たり前、気分が悪いまま移動を強いられた


(戦いだけが辛いと思っていたけど・・・移動にも体力とか使うんだな)


当時の人達が、どんな思いで戦っていたのかは分からない。祖国を守りたい気持ち半分命令に

従うほかなく動いていたのも少なからずあるだろう。決して楽なものでないと身に思い知らされた


「ライ!様子は?」

「なんだ、そっちはもう終わったのか?」

「あぁ、なんというか・・・敵に手ごたえがなくてな、意外なほどあっさり撤退して行った」


かなり混乱していた様子だったとティアマトが告げるとライの方も同じことを感じていたようで戦法に

まとまりがなく結束力も薄く感じられたそうでどうも帝国軍を相手にしている感覚がないようだ


「装備、兵力、兵の練度、それなりに揃っていましたが・・・やはり
 指揮がお粗末すぎます。どこも優秀な将軍が不在ということですか」


その時、後ろでなんとなく話を聞いていた彩花の耳がなにかを捕えた


「相手が白旗を上げるのは時間の問題・・・・」

「アイク、ライ」

「どうした?」

「・・・足音が聞こえる。それも沢山」


彩花の振り向いた視線の先はここから南の方角。とはいっても誰にも足音なんて聞こえていない


「足音?」


アイク達も南の方角を向いた瞬間、1人のガリア兵がやってきた


「南に敵影!帝国軍の大部隊です!」

「なにっ!」

「まさか、中央軍か・・・!?」

「わからない。けど翼の音と・・・ものすごい数の鎧の音が聞こえる。おそらく重装兵・・・」


アイクを始め誰もが顔を歪めた。唯一確かなのはこれで事態が悪化したということだ


「信じられん。あの鷹王たちが・・・敗れたのか?」



北方領土はまだ戦力を残している。このままでは二面戦争になりかねない。ここは一度

退き体勢を立て直すべきだと、あの数にぶつかったところで勝てはしないとアイクは告げた

ライも賛成しスクリミルに事を伝える・・・がやはり簡単には受け入れられない



「頼む!俺の判断に従ってくれ!」


説得するがやっと待ち望んでいた中央軍と戦えることに背を見せる事を今まで以上に嫌う


「逃げたい奴は逃げろ!俺は奴らと戦う!」

「なら・・・・」

「えっ!?」


ライはスクリミルに向き合うと猫に化身した。アイクを始め誰もが驚きの表情を見せたいきなり

化身した姿になり彩花も思わず声をだす。だがただ一人、スクリミルだけは表情を変えぬまま


「・・・正気か?お前では俺を倒すことは出来ん」

「お前と兵たちをみすみす死なせない・・・それが俺の役目なんでな」


答えるようにスクリミルも獅子に化身すると互いに一打撃与える。がやはり実力に差がある

のかスクリミルの攻撃がライに命中するとこの場に響くような音を立てライはその場に倒れた


「ライ!」

「・・・心配いらん。骨の2、3本は折れただろうが大した怪我じゃない」


駆けよるアイク達にむかって一言告げた。そして至る所にいるガリア兵全体に聞こえるよう叫んだ


「全軍退け!本陣まで撤退するぞ!」

「スクリミル将軍・・・」

「腹が立つが・・・ここは退く。くそっ・・・俺も足にきてやがる・・・」


陣に戻ったらライに回復の杖を使うようにスクリミルは告げる。頷くとスクリミルにもと言うが


「俺はいい」


そう告げるとライをおぶったままスクリミルは少し足を引きずりながらその場に背を向け歩き出した

それに続いてガリア兵たちも歩くアイク達もそれぞれ武器をしまうと本陣に向かって撤退し始めた


「大丈夫か?」

「なんとかな・・・いてて」


本陣まで戻ってきたアイク達は早速ラグズ達の治療に当たっていた。スクリミルを止めようとして

負傷したライも寝た状態で治療を受けていた。治療の杖は大抵の傷を治す。だが骨折などの内部

の傷は治せない。つまり骨折などは本人の治癒能力に頼るしかない


「まあ、二日も寝てたら治ると思うけどな」

「そんなにすぐ治るの?」


治療に当たっているキルロイが尋ねるとラグズは丈夫な上自己治癒能力が高い。ベオクに

とって重症である骨折もラグズにとってはよくあることらしい。ライの質問に対しアイクは答えた


「まあな、それよりスクリミルは・・・」

「杖を好かんそうだ」

「まったく・・・いてて」


「本当にいいの?」

「構わん。こんなものは一日で治る!」


腕を組み椅子に座っているスクリミルに対し彩花は赤く腫れた足を見てはため息をついた


「ほんと似すぎ。半獣なんて言ってないからね。半妖だからね」

「その説明さっきも聞いたぞ。要するにお前は以前俺たちによく似た
 種族に遭遇したのだろう?そいつらと共通点があるとか言っていた」


どうあがいてもミストの杖による治癒は受けてくれそうにない。2人して困った様子でいると

彩花はあることを思いついた。これもまた生物の思考を読みと同じように特別な能力


(・・・あれ?ラグズであるリアーネにあれが出来たってことは・・・)


昼を超した頃、アイクはライと共に負傷したはずのスクリミルを見た


「スクリミル将軍、あんた傷はどうしたんだ?」

「あの小娘が意味のわからん事をして治しやがった」


回復のできる女性などアイク達の軍にはミスト以外存在しない。アイクはそうかと思ったが


「彩花という奴だ」

「あぁ、あいつか。あいつが何をしたんだ?」


手をかざした瞬間。傷が治ったことをスクリミルは話す。驚きながらも表情には現れず部屋から

出ると天幕の横に本人の姿とセネリオの姿があった。セネリオが誰かと一緒にいることなど

滅多にない。というより今まで見たことがない。あったとしてもそれはアイクが命令した時だけだ


「私の使える魔法で言うとファイアーとかサンダーとか魔道書と同じ名のもの。あとはウィン
 ディっていう風魔法かな。私は使えないけど回復・・・治癒魔法も世界には存在していてね」

「そんなに種類があるのですか」

「そりゃあもう。まだまだ知らない魔法もあると思うんだよね」


帝国皇帝である神使サナキは当初平和的な解決を模索していた。しかし、帝国元老院議員の

多くはこの戦争を利権拡大とラグズ撲滅に利用できると言い、平和的解決への賛同者は少なく

結果、中央軍の出動が可決された。総司令官ゼルギウス率いる帝国中央軍はその足止めと

なるはずのフェ二キス、キルヴァスの鳥翼軍の攻撃をかいくぐりセルトゥース平野に姿を現す

両者はいったん下がり両軍は河を挟んで睨みあう形となり眼着状態が続いていた


「ここまで・・・かもな」



さらに3日後、ライは完全復活しており天幕の前にて今後のことを話している途中だった


「北方軍を撃破できないまま中央軍が到着してしまった。南の鳥翼軍
 からは何の連絡もない。一度、ガリアへ退くのが賢明かもしれん。」

「・・・本気か?」

「ベグニオンを話し合いの場につかせられないまま退却するのは本意じゃない」
 でもな、勝ち目のない戦をやらせて兵を失うよりははるかにましだと思うんだ」


これはラグズの戦いでありアイク達はそれに加勢しているだけのこと。自分たちはラグズの

指示に従うと告げた。とはいえ戻るにしても厳しく困難なことになるだろうとアイクは付け加えた


その時、ライは本能的に何かを感じ取り一歩下がった


「っ!?」

「?」


アイクはライの驚いた方向を見ると何かが飛んでくるのが見えた


「よぉ、相変わらずつるんでんだな、お前たちは」


大きく翼を羽ばたかせながら徐々に地面に近付き着地すると翼をたたみ1人の男が2人に近付く


「鷹王っ!?あんた、一体今までどこに・・・」

「鷹王っ!よくぞご無事で!!」



今まで音信不通だった鳥翼族のリーダーであり王である鷹王ティバーンの

登場によりアイクとライは目を大きく見開く。喜びを隠せない2人だが


「・・・いきなり現れて、こんなこたぁ頼めた義理じゃねえんだが・・・・」

「どうしました?」

「なんか食わせてくれんか?」

「は・・・はい」


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次回

予期せぬ中央軍の登場に撤退を強いられたラグズ連合軍のもとに鳥翼族が現れる。しかし

異変を感じるととある人物達から衝撃の結果を聞く。絶命とも思われた中鷹王と呼ばれる

人物が再び姿を表し今後共に戦う事を宣言するのだった


次回 第10章、「予想外の連続」


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