INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第二部、最終章、見て、感じて

デイン王国に流れ着いた彩花はミカヤ達と共にデイン城を取り戻す。サザより聞いたアイクの行方を

捜すためクリミア王国にやってくると心優しき女王エリンシアと出会うが温厚の裏には数々の苦しみ

を背負った姿。ルキノの命と引き換えにエリンシアは自らの使命を果たすことを決意、一方命により強制

的に逃がされた彩花は一夜を明かし空に飛ぶこの地に生息するはずのないポケモンがいるのだった
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「なんで・・・こんなところにポケモンが?」


どうしてそれがポケモンだと分かったか。それは見えた姿が彩花の持つポケモンの一体

にいたからだ。主力として活躍し特に海の上、長距離を移動する時などに重宝する存在


「なんでフライゴンがここに・・・」


緑色の竜・・・の形をしたポケモンフライゴンが自分の上でくるくる回っていた。ただ飛んでいたの

かと思いきや自分にめがけて急降下してきた。だが速度は次第に遅くなり自分の前に降り立つ



「彩花・・・!??なんでこんなところにいるんだ!?」


誰かの声が聞こえた。だがフライゴンが話す訳もなく人の声のように聞こえた。そして一瞬耳を

疑うが聞こえた声はどこかで聞いたことがあった。一度や二度ではなくかなりの頻度で。すると

フライゴンの上に誰かが乗っていたようで乗っていた人物の姿を見て彩花は驚く


「お・・・お父さん?」

「やっぱり彩花だったか!どこを旅してるかと思えば・・・」


カミヅキは研究者でもあり博士でもある。だけどこんな場所にポケモンは存在しない

だから尚更この場に父がいる事を想定していなかった。ここにいる理由が見当たらない


「どうしてここに?」

「ちょっと私用でな・・・彩花の方こそなぜこんな所に?今は外からの船は出回ってないはずだが」


これまでこの土地の人々に話したように同じ事を話す。すると父は



「ここで戦争が始まろうと・・・いや、もう始まっている。世界大戦になる可能性もある」

「せ・・・世界大戦!?」


この地で起きている事は知っているらしく故郷では馴染みのない単語を迷いもなく出した。この

言葉なら日本人であれば誰もが知っているだろう。世界各国が世界中で戦争をする「世界大戦」


「デイン王国、クリミア王国、ガリア王国、ベグニオン帝国・・・最悪の場合フェ二キス王国と
 かゴルドア王国も参戦しないとは限らない。しかしとんでもないのに・・・巻き込まれたな」


以前もこの地に来た事があるのか、単に知識として知っているにしてはこの大陸全ての国名を

上げたことに驚く。そして聞き覚えの無い国名もあったが話から察するにこの大陸内の国だろう



「今じゃ港では船も出ていない。だがもう大丈夫だ!」

「!」


父は笑顔で告げた。その瞬間当初の目的が達成されたのだと。元の世界に戻る事

これで解放される。もう完全に関係なくなるのだと思うと安心した表情と喜びが現れる


「帰るぞ」


少し前に出たところで足が止まった。本当に帰ってしまって良いのだろうかと心の中が

問いかける。未だルキノさんの無事は分からずこの地が戦場ならアイクも無事とは限ら

ない。もし戦死してしまったとしたら二度と会う事は叶わないのだ。私も、ファイター達も



(まさか次に会ったときにアイクは戦死した、なんて知ったらマルス達は・・・)



「・・・・・・・・・・」

「どうした?」


自分に大した力は無ければ知識もない。足手まといになるだけだろう。だが暁の団は小さな力で

も自らの力で国の為に必死に戦っていた。とはいえ真の終わりは大陸が平和になることだろう


(せめて、ルキノさんとアイクの確認だけは・・・)


その時、遠くから悲鳴が聞こえた。振り向くと崖の下に旅商人らしき集団が男達に襲われて

いた。この地ではそれを賊とよび案の定商人達から金目の物を奪おうという魂胆だろう


「あれは・・・!」

「盗賊集団か!?」

「フライゴン!」


咄嗟にフライゴンに乗りこむと翼をはためかせ飛び立つと崖下に急降下する


「なんだあ・・・竜騎士か!?」

「ベグニオンの!?いや・・・違う!なんだお前は!」


賊の数は五人、一人でも十分に倒せるだろう、なぜなら空中にいるのだから。一人が手斧を投

げると彩花はりゅうのいぶきを指示する。口から吐かれたブレスで手斧は跡形もなく消え去った


「なっこの竜・・・何か吐いたぞ!?」

「竜ってこんなこともできるのか・・・!?」

「フライゴン!吹き飛ばして!」


翼をはためかせると風圧によって耐えきれなくなった賊たちが吹き飛ばされていく。そんな

様子を一部始終見ていたカミヅキは唖然とした様子で崖の上で見ていた。商人達にお礼を

言われ立ち去ると再びフライゴンに乗り崖の上父の元へと戻った


「・・・よくあの中で動けたな」

「ただ指示を出してただけだよ。それに・・・もう何度目かである程度は慣れたしね」

「そうか・・・」


驚いた様子で呟くカミヅキに向かって彩花は考えをまとめおそるおそる口に出した


「・・・・お父さん、やっぱり残るよ」


「な・・・・?何を言ってるんだ?」

「ここがどれだけ危険かっていうのも分かってる、べオクとラグズの関係も」

「ラグズ・・・ラグズの事も知っているのか」

「うん。そしてここでは私がいかに無力かも思い知らされた。でも、ここで沢山の人に助
 けられたんだ。なのに・・・私だけ安全な所に逃げて悠々と生きるなんて出来ないよ・・・」


数秒、次の言葉をまとめると彩花は再び口を開く


「許せないんだ・・・。必死に生きようとしている人が・・・生きるべき人がこんな苦しい生活
 をしなきゃいけないのかって。幸せになるべき人が・・・不幸になってしまうのかって・・・っ」

「・・・・・・・・・・・」


目の前にいるのはカミヅキにとってたった一人の大切な娘。危険な場と分かっているのなら

何を言おうと連れ帰るのが親としての役目であり当然のことだろう。だが娘の意思もまた伝

わるもの。カミヅキの脳内に浮かんだのは一人の女性の姿


「・・・・っふ、やはり、母さん似だな」

「お母・・・さん?」



今まで会ったことは数回しかなく幼いときに数日だけ。それからは何年も会っておらずどんな顔かも

覚えてないしどんな人なのかも知らない。当然声も聞いたことはあるかもしれないが覚えていない



「困ってる人を見つけると助けたくなる。それが、どんなに危険なことでもな」

「・・・・・・!」

「私としては反対するのが親なんだろうが・・・」


ため息をつき、直後威厳に満ちた表情で叫んだ


「分かった。ただし、絶対に無事戻ってこい!」


彩花は理解できなかった。絶対に無理だと思っていた。それでも、彩花は貫き通すつもりだった

カミヅキが再びフライゴンに乗るとフライゴンも話を理解しているのか悲しい表情を見せた


「さっきから気になっていたのだがその剣は?」

「あぁ・・・これ?ある人にもらったんだ。これなら力ない私でも持てるからって」

「使えるのか?」

「あぁ・・・剣士の人にほんの基本だけ教えてもらったんだ。形は全然だと思うけど・・・」


フライゴンに乗った状態で父は再確認と言う名の最終確認をする



「本当に、いいんだな?」

「・・・・うん・・・」


頷くと父はフライゴンに指示を出し飛び立っていった。羽ばたきの名残か風が吹き抜ける


(もう・・・完全に戻れない)


もう、完全に戻れない。たった一回しかないかもしれないチャンスの糸を切った。命を落とす確率

が高いこの地に残ることを決めた。こうなってはこれから起きることは自己責任ともいえるだろう


(けど、ルキノさんの無事を知りたい)


「・・・・・母さん・・・か」


空中を飛びながら、カミヅキは呟いた。そしてまた誰もいない空中の中で独り言をつぶやく


「ここへ来た理由も剣と言うところも・・・誰かにそっくりだな」



(なんとしても、アイクに会わないと。そしてこのことを伝えないと)


今頼れるのはアイクしかいないだろう。デインは復興に忙しいだろうしなによりかつて敵対していた

クリミアを助けるなど気分の良いものではないだろう。今出来るのはそれしか思いつかなかった



「大丈夫。ネールの力があれば・・・」


真の目的が決まり彩花は情報を集めるために町を目指した。数日後、立ち寄った町でとある話を聞く

クリミア女王のいた砦は無事収まったと。だが彩花が真に知りたかったルキノの情報は得られず


「じゃあ・・・ルキノさんの無事は・・・」

「俺達が聞いた話は無事終わったって話だけだ。そのなんとかって人が無事かどうかは知らない」

「そう・・・ですか」


もう一つ、アイクの事を知らないかと尋ねるとさすがはクリミアを救った英雄、誰もが口を揃えて

反応した。そして同じくさっきの話、砦の危機を救ったのはアイクの属する団体だという


「アイクが・・・クリミアに?」

「最近話聞かなかったのにいきなり現れたんだってよ」



(ってことは・・・クリミア城の近くに?)



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次回

歩いていた彩花は賊かと思わしき人物達に捕まり牢屋に入っていた。始めてみる牢屋に

テンションが上がるも直後自分の置かれた状況にため息をつく。抜けだすこともできずに

気力が衰えて行くのを感じていると外が騒がしくなるのだった・・・


次回 第三部、序章、「命」


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