INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第9章、クリミアVS反乱軍

思わぬ刺客の行動により砦の中に反乱軍が押し寄せる。王宮騎士団の不在も相まり戦況は悪く

苦戦を強いられる。そんな中一足先に障害物をもろともしないマーシャが到着する。彼らもまた

数刻後に戻ってくると告げると士気は持ち直し砦とエリンシアを守る戦いが繰り広げられるのだった
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「だから、彼らが来るまで持ちこたえましょう!」

「えぇ!」



マーシャ達がいた場からここまでどれだけの距離があるのだろうか。騎兵ばかりのため人が歩く

走るよりは比べ物にならないほどスピードは速いだろう。だがこの先に障害がないとも限らない

耳を澄ませるが多重に重なる金属音と人々の叫び声で彼ららしき音は聞こえない


「マーシャ、数刻って・・・」

「何もなければ1時間もしないうちに!」


音で判別できないのならあと自分が知ることが出来るのはたった一つ。風が吹くことを祈った

すると祈りに応えるように僅かながら風が吹いた気がした。頭の中に声が響く


「あと・・・40分」



一瞬、微かに聞こえたのは馬の足音。人よりもスピードが速くてリズムが違うからきっとそう

それは王宮騎士団のような気がしていた。あと少し、あと少しで、王宮騎士団が来る


「エルサンダー!」


彩花もまた魔道書を駆使して応戦するが数の差は圧倒的で不利な状況は変わらない


「・・・それは、エルサンダー?一体どこで・・・」

「デインで手に入れたんだけど見つからない場所に隠していたんだよ」


一望できる場所から見ても倒れて行く多くはクリミア兵、反乱軍も減っていないわけではないが

1対3のような状況の為不利な事は見ただけで分かった。この状況を打破するには一度の攻撃

で多くの敵を無力化するほかないと、それができるのは


「ディンの炎!」


炎のカーテンが広がるとクリミア兵を傷つけることなく反乱軍に襲いかかる



「それが・・・?」

「そう。ハイラルの女神から受け継がれた力、ディンの炎」


すると彩花の耳が反応し同時に風が吹く。それは彩花の脳内に、耳に確かに届いた



「・・・・音が・・・・」

「え?」

「近づいてくる!来たんだ!」



彩花の叫び声の直後砦の下から声が聞こえた。王宮騎士団団長ジョフレの声が


「エリンシア様っ!クリミア王宮騎士団っただ今、到着致しました!」

「!」

「全軍突撃!!」


争いの後、休める状況ではなかったと思われるのに王宮騎士団の勢いは衰えることなく勢いを

保ったまま砦の中へと向かっていった。そして数々の反乱軍を次々倒し道を切り開いて行く

遠くに見えた青い頭が目に入ると彩花は再びエリンシアに向かって叫ぶ


「見えた!ジョフレ将軍だ!」

「ほら、エリンシア様!あと少しです!」

「えぇ・・・・・・!」


援軍が来たことによりクリミア兵の勢いは増し突然敵が押され始めた



「くっ・・・なんだと!?」


そして、目の前にエリンシアの姿が。焦っていた表情は笑みに変わり男は口を開いた


「これは、女王。勇ましいお姿ですな。てっきり逃げ出すか命乞いでも始め
 るかと思いましたが・・・その無謀な覚悟だけは褒めて差し上げましょう」

「・・・・私はクリミアの王です。その役目から逃げはしません」

「なるほど・・・・自己犠牲ですか。ご立派なことだ」


だが次の男の一言で怒りを表していたとはいえ冷静に保っていたエリンシアの表情は一変する


「ところで女王陛下、いつもお傍におられるルキノ殿はどちらへ?」

「・・・・!ルキノは・・・ルキノは無事なのですか?答えなさい!」

「おや、顔色が変わりましたな。姉妹も同然に育った間柄・・・
 やはりご心配ですか?だから、あなたは弱いというのだ女王」

「・・・私は、あなたを許しません」



エリンシアが剣を構えると振るう。直後襲う攻撃を天馬が避けると再び接近し敵将に剣を振るった

怪我を負ったルドべックは克服を認め自ら捕虜になることを望んだのだが怯えた表情は一切ない


「武器を持たぬ者の命までは奪えまい?」

「・・・・・・・」


砦の中から外を見ると敵将、リーダーを失った反乱軍たちは一目散に様々な方向に逃げていく


「と・・・とりあえずは一段落・・・?」


安全を確認すると地面に座り込み壁にもたれかかった。兵士達に比べて大して動いてなくただ魔法

を撃っていただけだというのに身体から疲労が感じられた。身体的疲労というより精神的疲労と言う

べきか、ひとまず終わったと思った瞬間体中の力が抜ける気がしたのだ



「?」


座りこんで数分後、気持ちが落ち着くと外から騒がしい声が聞こえた。叫び声というよりは幾千

もの人の声が混じって起きている騒がしさだった。戦いが終わった後だと言うのに何かがある

のか、鉛のように重くなっていた身体を起こし立ちあがると窓から外を見た


「!!」


外の光景を見た瞬間彩花は少しだけ傾けていた身体を全て窓の方に向き身を乗り出した

疲れもなかったかのように吹き飛んだ。全ての思考が吹き飛んだ。沢山の人が何かを囲んで

いたのだがその中心に機械のような大掛かりな何かがあった。そしてそこにいたのは


「ルキノ・・・・さん?」



何かに繋がれている。よく見るとあれはロープだと判別する。ロープに首を繋がれていたのだ

手足も縛られ身動きは取れない状態、そして見たことはなくともあれが何か察しがついた


(まさか・・・処刑台!?)


「女王に告ぐ!フェリーレ公を解放せよ!さもなくばこの女を処刑する!!」

「なっ・・・!?」

「半刻待つ!それまでに公を解放しなければ・・・女を殺す!」


男は叫んでいた。この声は彩花だけでなく砦内にいた誰もが聞こえただろう。この時代に見合わ

ない状況に、彩花の知る現代ではあり得ない状況に何も考えられなかった。信じられなかった


「そんな・・・・・」


ハッとなり彩花はその場から駆け出した。エリンシアもこの言葉を聞いた可能性が高いだろう


(エリンシア・・・エリンシアは・・どこ?)


身分の高い者がいる場と言えば上、階段を上ると走った先にエリンシアの姿が見えた



「・・・・女王陛下、どうか私に反乱軍追討のご命令を」

「・・・・・・」


エリンシアの近くにいたジョフレが低い声で言う。それに応える事のないエリンシアに続けて告げた



「・・・姉の命は、すでにないものとお考えください」

「ちょっとまってよ!そんなの・・・・」

「死して祖国の礎となることこそ、本望。もし立場が逆で
 あれば、姉も同じことを陛下に申し上げたことでしょう」


居合わせた彩花は思わず叫ぶと駆け寄った。だが見向きもせずジョフレはエリンシアに告げる


「姉を思ってくださるのならば、ご決断を」

「・・・・・・」



ルキノさんが・・・・目の前で殺される?そんなの見たくない、真っ先にその思いが浮かんだ。どう

にかしたい、なんとかして助けたい。そうは思うものの方法が、確実にできる方法が見つからない


(でも・・・あの人数でどうやって・・・?)


ディンの炎は広範囲に攻撃が可能なものの武装をした兵士たちを一度に動けなくするのは不可能

だろう。せいぜい動きを封じるのみ。魔道士ならば魔道書は燃え可能だろうが鉄製の装備を持つ者は

大した効果も得られない。熱さえなければ持っていた武器を振るう事など可能なのだから


(少しでも失敗したらルキノさんは・・・!)


ここからディンを放ち縄を焼き切ったところであの場まで届くのには数秒かかる。それまで待っていてくれ

るとも気づかないとも思えない。デインの時と同様にフロルの力であの場へ行き発動することも可だが

パニックというより脳が真っ白な状況の中でその考えは浮かばなかった


「彩花」

「!」


あれこれと考えていた所にエリンシアの声が聞こえハッとなりエリンシアの方を向いた



「大丈夫ですか・・・?大丈夫なわけないですよね、目の前で・・・」

「エリンシアの方が・・・」


目の前で人が殺される感覚、これはもう感覚と言えるのかどうかわからない


「誰か」

「はっ」


エリンシアは1人の兵士を呼んだ。声に答えるようにひとりの兵士が前にでる


「彼女を、連れて遠くまで逃がしなさい」

「どっどういうこと!?」


思わぬ言葉に再び彩花の叫び声が響いた。エリンシアはかつて苦しんでいた時のように沈

んだ表情、だがあの時とは違う何か考えがある表情をしたまま叫んだ彩花に向かって告げた



「あなたには・・・見せたくないのです。どうか、生き延びてください」


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次回

ルキノを人質にフェリーレ公の解放を条件とし呑まない場合命はないと告げる反乱軍

そんな中エリンシアは兵士に彩花をこの場から遠ざけるように命を下すのだった

納得がいかない彩花は拒否するが・・・そしてエリンシアが心に決めた答えは・・・・・・


次回 第10章、「女王の答え」


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