INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第8章、女王エリンシア

エリンシアから細身の剣を受け取った彩花はエリンシアと共にルキノに指導を頼む。基本的な

扱いを教わると数日後ついに王宮騎士団が動き出しフェリーレへと向かうのだった。一時城から

離れた砦に身を隠すもエリンシア達の元に入ってきたのはルキノの身の拘束だった
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「かつて私が使った剣マスターソードも選ばれた人しか使えない特別な武器だし」

「そうなのですか」



「ネフェ二ーさん?」


よくチャップさんと一緒にいたように思えるがあんまり話した記憶がない人物に話しかけるものの返事が

なく気まずい空気になる。チャップさんとはたまに故郷の話を聞いたりして彼女も同じ場出身らしいが


「ほれネフェ二―」

「だ・・だって私・・・話すの・・苦手で」

「すまんのう。言葉がなまっとるからネフェ二―はそれを気にして誰とも話さないんじゃ」

「なまり・・・?」


それはつまり方言で、彩花が昔住んでいたところにも存在していた。一つの国内でも地域によって

それぞれ方言があり色々違って面白いのである。聞いただけではわからないようなものもある


「・・・そんなの気にしなくていいと思うけど」

「わしもそういっておるんだがねぇ・・・」


確かに周りと自分だけ違うというのは嫌だろう。そんな経験彩花も一度はあった


「方言ってその人のなりとかでるし私の国にもありますよ」

「そうなのかい?」

「えぇ。私の土地は割と普通の話し方なんですけど、けど特殊な言葉遣いとかあるらしく
 て自分じゃ気づかないんですけどね。私も知るまではこれが普通だと思っていたので」


するとエリンシアの元に客が来たことを兵士が告げる。直後案内されるままやってきたのは

彩花も一度酒場で会った金髪の女性カリルさんの姿だった。当然彼女も彩花の事を知っていた


「カリル・・・?」

「カリルさん!」

「カリルと知り合いなんですか・・・?」


エリンシアが驚いたように尋ねた。あの時エリンシアはおらず想定外の事に驚いたのだろう



「前にマーシャと一緒にマカロフさんを呼びに町に行ってその時に会ったんだよ。初
 めて酒屋なんか入ったけれどやっぱりそういうとこって美人がいるんだなーって」

「冗談はよしなよ」

「冗談じゃないですよ?」


そしてカリルがここへやってきた理由はピンチを聞きつけ力になろうと戦いに来たのだという


「・・・魔道士?」

「正解」


次々と兵の人がやってきて準備完了をエリンシアに伝えた。頷くとエリンシアは号令を出すために

部屋から出て行くと彩花もまた後を追うように付いて行った。だが少し歩いたところで立ち止まった


「・・・・・?」



エリンシアは今もなお歩き続けているのだが彩花は立ち止まったまま動かなかった



『例の奥の手も・・・用意はできているな?』


何かが聞こえた気がした。だが小声で話しているからか場所が遠いのか言葉ははっきり聞こえ

ない。辺りに兵士以外の人の姿はなく気のせいかと彩花はエリンシアの後を追い駆け出した

エリンシアの元に追いつくと数秒後、一人の兵士があわてて駆け込んだ



「ほ、報告いたします!砦の裏門が開き、そこから反乱軍がなだれ込んで参りました!!」

「な・・・どういうことですか!?」


エリンシアは冷静さを失った声を発した。同時に周りにいた兵士達も驚きの声を上げる。なぜ

なら砦は籠城状態、門は全て閉じていたはずなのだ。こんなことあるはずがないと誰もが思った


「・・・それは、この者に聞くと分かると思います」


そう言ってやってきたのは少しだけ会話したことのある人物レテだった。そし下にはレテに

捕まったまま動けない状態の男が一人無言の状態でいた。エリンシアは男を見て尋ねる


「あなたは・・庭番の?」

「砦内を巡回していたらこの男がそとに向かって鳥を放ったのが見えたんです。何の
 意味があるのか聞こうと近寄ったら・・・いきなり襲いかかってきたんで捕えました」


(・・・どういうこと?)


考えた後頭の中にある単語が過った。『スパイ』


(・・・スパイ?小鳥ってまさか伝書鳩?)


これまでデインでもここクリミアでも自国では典型的な会話手段電話というものを見たことがない

彼女らはいかなるときも人力・・・伝言によって情報のやりとりをしていた。身分からして金銭的

問題ではないだろう。根本的に電話が存在していないのだろう



「き、貴様!貴様が反乱軍を手引きしたのだな!?」

「・・・あぁ、そうさ。この国の、クリミアの未来のための正しいことをやった」


抗う事もなく、エリンシアを睨んだまま男は叫んだ


「女王はデインに尻尾を振る裏切り者だ!おれはデインの奴らに家族を殺されたんだ!」

「・・・!」

「奴らと手を組むなんて、まっぴらだ!」



家族が殺された。敵とも呼べる国と仲良くしろなんて無理な話だろう。裏切られたそいつとまた仲良

くしろ、というのが無理と同じように。すると隣にいた兵士の一人が剣を構えたまま掴みかかった


「黙れ!裏切り者め!この場で処刑して・・・」

「えっちょ・・それは・・・・やめてください!」

「お待ちなさい!その1人を殺めても・・状況は変わりません。それ
 より砦に入り込んだフェリーレ公の配下たちをなんとかしなくては」



自分の声に引き続きエリンシアの声に彩花は横を向いた。エリンシアは今すべきことを一瞬の

うちに見出したのだ。これがエリンシアの判断なのだ。一部の兵士たちは顔を見合わせる


「わ、私もそう思います」

「彩花?」

「この人の処刑は後からでもできる。けど敵は待ってくれません。今は、こっちを優先するべき
 かと。それに・・・スパイがこの人一人とは限りません。今すぐ他の門も確認した方がいいかと」


エリンシアが告げると兵士の数人が駆け出していく


「私も、お手伝いします」

「オぉ、モウディは女王のタめに戦うぞ!」


レテ、モウディを始めエリンシアを指示するクリミアの人達は次々に声を上げる


「およばずながらわしもお使いください」

「・・・クリミアの未来には、エリンシア様が必要です」

「フェリーレ公なんてむさい男に故郷を支配されるなんて・・・絶対御免だわ」

「女王陛下!我々の命、陛下の御為・・・いかようにもお役立てください!」


(いかようってなんだ・・・?)


「ありがとう、みなさん。私はクリミアの女王・・・もう逃げ隠れはしません。・・・同じ国
 の民とはいえ、これ以上和を乱すというのであれば・・・・見過ごすことはできません」


そしてこの地に来て2度目となる戦う意思をエリンシアに告げる


「エリンシア、私も戦うよ」

「彩花・・・!?」


(嫌いだ嫌だってしてる場合じゃないんだ)


血を見たらその光景は忘れられない者になるだろう。一生つき纏うトラウマになるかもしれない

だろう。それでも、こうして苦しんでいるエリンシアを黙って見ているわけにはいかなかった


「殺せなくても・・・何か出来る事があるはず。対して力になれないかもしれないけど・・・」

「しかし・・・」

「外の人とか関係ないよ。この事態を知った時点で私は他人じゃないんだ。見て見ぬふ
 りなんて出来ない。エリンシアは生きるべき人・・・この先の未来に、必要な人なんだ!」


外に出るなり男の声が聞こえた。会話から聞こえる口調から上の地位の者、フェリーレ公

の可能性が高い。ルキノさんを捕まえた張本人。話し声ははっきりと自分の耳に聞こえた

距離が比較的遠いためベオクである皆の耳には届いていないかもしれないだろう



『兵を盾に砦を見捨て逃げる手もあっただろうに・・・』

「!」

『やはり、甘い。その甘さが命取りとなるのだと思い知らせてやらねばな』


(あいつ・・・・・!)


ふつふつと込み上げる怒り、許せないと強く思った。そして兵士たちの掛け声とともに戦いは始ま

る。走りだした兵士たちは配下とぶつかると幾度も金属音を響かせては戦いが繰り広げられており

比較的砦の上方にいた彩花はその様子が見えた


「・・・っ」


運がいいのか高低の関係と距離の関係で細かなところまでは見えない。が時間が過ぎるたび

に両者の兵士達が倒れては姿を消していくのだ。この地ではそれを『死』を意味している


「戦争なんて・・・」


ジョフレ達王宮騎士団は本来いるはずのフェリーレ公の元へ出ていたため今この場にはいない

クリミアの主戦力ともいえる彼らがいないこともあり総合戦力だけで言えばこちらが不利だろう


「エリンシア様ー!お待たせしました!」

「!?」


上空から誰かの声が聞こえた。聞き覚えのあるこの声はマーシャ。するとエリンシアの元に一頭

の天馬と彼女の姿が現れる。その姿を見て彩花よりも先にエリンシアは彼女の名を叫んだ


「マーシャ!」

「フェリーレからの帰路、街道は土砂によって完全に塞がれていたんです」

「それって・・・」


彩花はこの意味に気づいた。これは奴の罠なんだと。王宮騎士団が来ることを知ったフェリーレ公

はこれをチャンスと捉えあえておびきだすことによってガラ空き同然となったエリンシアを攻めに来た

のだ。そして異変に気付いた彼らが戻る帰路を封じることで時間が稼げると


「でも・・・あらかじめ旧街道のほうも視野に入れて行動してたので、無駄にした
 時間はほとんどありません。数刻後には、王宮騎士団がこの砦に到着します!」

「そうか!天馬・・・障害物は関係ないからマーシャは先に戻ってきたんだね!?」

「そう!」


エリンシアのそばに降り立つと槍を持ちマーシャは構えた


「だから、彼らが来るまで持ちこたえましょう!」

「えぇ!」


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次回

王宮騎士団が戻るまで持ちこたえようとするクリミア軍だったが兵の差によって消耗するばかり

そんな中デインでも使った女神達の力を駆使し戦力を削る。そしてついに彼らが戻ってくることを

感じとると王宮騎士団の到着により戦況は変わり始めるのだった


次回 第9章、「クリミアVS反乱軍」


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