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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログ

第5章、あるものないもの

エリンシアの言葉によって彩花とリアーネの探していた人物が同じだと発覚するもその人物の行方は

掴めず。ニアルチの問いかけにより彩花は自国の話をしているとリアーネの言葉によりエリンシアは内

に秘めたものが剥がれ落ちていく。そして彩花は知ることのなかった過去の話、今の話を知るのだった
__________________________________________

「・・・エリンシア」

「・・・はい」


いつもより低いトーンで名を呼ぶとエリンシアもまた力なき声で返事を返す


「私には、政治のことなんて何も分からない。どうすればいいのか、どれが正解なのか分からない」

「・・・・・・」

「けど、エリンシアのしてる事は正しいと思う」


平和を望む、誰とでも笑いあえる世界。これを望むのにどこに間違いがあるだろうか



「ジョフレ将軍にも言われたけれど、私は外の人間。誰とも繋がってないからこそエリ
 ンシア、私なら話せるかもしれない。変な心配する必要もなく、何も遠慮することなく」

「で、ですが・・・」

「話を聞くことしかできないんだ。話すだけでも楽になるって・・・よく聞くからと思ったんだけど・・・」

「ありがとうございます・・・」


そしてもう一つ、たった今思い立った。エリンシアさえ許可するのなら


「外の人間だから、エリンシアに『様』をつけるのはおかしいと思うんだ。変に皆と同じ言
 葉を使うと・・・気を使っちゃうかもしれないから。だから、もうエリンシアに様はつけない」

「・・・・・・」


何よりも、こんないい人が苦しむのが許せなかった。この人は幸せであるべきだと


「私の・・・知り合いに王子がいるんです」

「・・・そうなのですか?」

「とはいえ、私の国ではなく・・・かつて世界中から色んな人が集まる機関の中・・・その一人にいた
 んです。その人は自分と会う前に戦争で・・・自国が同盟国に裏切られ襲われた・・・と聞きました」


言葉を発するまでもなく、静かな空間の中エリンシアは彩花の言葉を聞いていた。正式に結んだ

はずの同盟国からの裏切り、父親の死、姉もまた人質として捕らわれた。そして当時まだ未熟だった

自分の無力さに絶望し、行く先の争いでは数多くの仲間である兵士たちが命を落とす場を見ていた


「その人は王子に生まれなければよかった・・・と言っていました。王子になんてなりたくなかったと」

「私と・・・同じですね」

「だけど、仲間がいたから乗り越えられたと、今まで生きてこられたと言っていました。だから・・・」



私が見た限り、エリンシアは一人じゃない


「エリンシアにも仲間が沢山いるじゃないか。ジョフレ将軍にルキノさん、それに・・・アイクも」

「・・・そうですね」


彩花の言葉を頭の中で繰り返すとエリンシアの中に数々の仲間の姿が浮かんでいく

3年前も、右も左もわからない自分に付いてきてくれた彼らがいた、彼女達がいた


「そうですね、ありがとうございます」


それ以降、そっとしておいた方がいいと判断した彩花達はその場から離れる。それから数時間は

エリンシアに近づくことはなく落ち着くまでそうしていようと判断したのだ。日付が変わった次の日


「あ」

「彩花!どうしたのこんなところで」


歩いていた先に何度も見覚えのあるピンクのショートヘアの少女を見つけた。女の子というには

か弱いイメージはなく鎧に似たような胸当てを始め戦えそうな武装をしていた


「えっと・・・散歩?」

「あんまり出歩かないほうがいいわよ?」

「あー分かってる、なんかお偉い様達がなんとかって話してたもんね」


ラグズですらあの仕打ち、得体の知れぬ外国者など一層雰囲気が悪くなるだろう。つくづく国家とは

思いの外複雑なものだと、難しいものだと考えさせられていた。気さくな性格からか話しかけにくる

事がよくありこの地では彼女やルキノさんから国の事を教えられていた


「そういえばペガサスって存在するんだね」

「天馬の事?確か彩花の国にはいないっていってたわよね?」

「いないっていうか架空の生物・・・人が想像で作った生物って言われてるんだよ」


この地でまさかペガサスを見る事になるとは思わなかった。竜といいペガサスと言いこの地は

すごいものがありすぎる。デインでの経験をムチにし変に騒ぐ事は控えていたがテンションが

上がらないはずがない。ないとされていたものが存在していたのだが


「これ日本で知ったらテレビ局とか学者とかすごいだろうなー」

「テレ・・・ビ局?なにそれ?」

「あっこっちの話。多分・・・説明すると長くなるから」


もう一度見たいと頼むと案内されて歩くこと数分待っていてと言われ待っているとマーシャは

天馬に乗って彩花の目の前にやってきた。本当に翼が生えているのだ。そして生きているのだ


「おぉー・・・」

「そんなに珍しい?」

「めずらしいよ!だっていないとされてた生物がいたんだよ?」

「・・・私はよく見てたからあんまり珍しいって感じないなぁ」


ひょっとしたら他にも存在しないと思い込んでいたものがいるのではないかと心の内が燃え

あがる。あまりに楽しそうにしていた彩花の様子を見ると思いついたようにマーシャが口を開く


「・・・よかったら・・・乗る?」

「え?いいの?」


言葉に甘え慣れない手つきで天馬に乗る。翼さえなければただの馬も同然なので馬に乗った

のと同じ感覚だ。走ったりしたことはないものの乗るだけなら過去に馬に乗った事があった


「じゃあ、いくよ?」

「わっ」


手綱を握ると相図と共に天馬は浮上する。そしてマーシャの指示通りに空を飛んでいた


「どう?」

「なんだか・・・飛行ポケモンに乗ってるみたいだね」

「なにそれ?」

「私の国・・・日本じゃなくてもう一つの地域ホウエンって言う場所に生息する生き物」


あれから錘が外れたかのようにいつも通りの表情に戻っていたエリンシアの頼みで

彩花は自国を始めこの大陸外の話をしていた。そんな中彩花はふと思ったことを尋ねた


「この大陸の戦い方で例えるなら自分って何向きだと思います・・・?」

「何が向いているか・・・ですか?」

「デインで魔道書が使える事は分かったんですけど・・・他にもあるんじゃないかと思って」


戦闘法は多いに越したことはない。彩花は以前剣、弓、魔法を扱ったことがある事を話した


「まぁ・・・またなぜ?」

「これもまた色々不幸が重なってね・・・とはいえ前の2つは扱えると言っていいのか・・・」

「・・・魔道書が扱えるのなら・・・杖とかどうでしょう?」


杖、デインではローラが使っていた物だ。傷をいやす回復系を主にその他にも数々の効果を持つ

杖がこの地には存在することを聞いたことがある。エリンシア曰く魔道が使える=杖が扱えるわけ

ではないものの扱える者は一定数いるとのこと。試してみる価値はあると告げた


「それだったら是非このライブの杖を使ってみてください」

「これって振るだけ?」

「えぇ」

「へぇ・・・・・でもけが人とかって早々いませんよねー」


ここは戦場じゃない。いざ試そうとしてもけが人なんているわけない


「訓練している兵士たちがいるかも知れませんからそちらにいってはどうでしょうか?」

「訓練・・・って・・・まさか本物の剣とかでやってるんですか?」

「えぇ、とはいえ実践で使うものよりは安全な訓練用の武器です」


かつて機関にいた人達も本物の剣で訓練していたなと苦笑いを浮かべた


「どうしました?」

「いや・・怪我をしていないと意味ないんですけど・・・私・・・そういうの苦手なんですよね」


戦い自体好きではないがその原因の一つに痛いのが嫌いな事、そして多量の血を見るのが苦手

なのである。運よくかつて事故などに遭遇したことはないため実物を見たことはなかった。けれど

フィクションとして放送されるテレビ、そしてここへ来てからの戦いで苦手意識は強調された


「ほんの切り傷とかならまだ大丈夫なんだけど・・・これも平和な国故のなんとやらだね」

「・・・争いを望まないというのは良い事です」


エリンシアはその場にいたジョフレに共についていくように告げると移動を始めた。歩いている途中

気になったのは見るたびに身に着けている鎧。まるでそれが普段着かのように毎回見ていた



「しょーぐん、それ・・・重くないんですか・・・?」

「これか?さあ・・・普段からつけているからな」


案の定これが普通のようで、そんな普通理解できないと思うと


「ここの人たちって怖いね」

「何か言ったか?」

「いいえ、なにも」

「・・・というよりなぜ将軍をつける。エリンシア様は名で呼ぶことに決めたのだろう?」


身の内を晒すという事は同位置、同関係かそれより下の視点に並ぶ必要がある。それを告げると


「将軍と聞くと戦国時代とか思い出して・・・こんな機会ないから呼ぶの楽しいなって」

「戦国時代?」

「あ・・・あぁ、私の国にも昔は争いがあったんですけど・・・多くの戦いが続いた時期の事を指すんです」


歩いていると前方に何かが見えた、というのも人の姿なのだがその姿を見て少女は叫んだ


「あれー?あそこにいる赤い人って・・・・うわああぁぁぁぁ!?」


前方に見えたのはただの人。だが一部がおかしい事に気づくと叫びざるを得なかった。異変

にはジョフレ将軍も気づいたようで驚いた様子で駆け出すと赤い髪の人物に向かって叫んだ


「ケビン!?それは一体どうしたんだ!?」

「あ、ジョフレ将軍!どうされました?」

「どうしたじゃないだろう!その手はなんだ!」


斧を握っていた手が赤い液体に染まっていた。この世界にペンキなどがあるのかは知ら

ないが国に仕える者がそんなことするとも思えず率直に血だと判断出来たのだ


「手?あーすっかり忘れてました」


将軍に言われ我に返ると杖をかざすが反応は無し。光ることもなければ傷が治ることもなかった


「治らない・・・!」

「これくらい大丈夫ですよ!」


ハハハと笑い飛ばすと赤い人物は告げる。が2人の表情にケビンはギョッとした


「大丈夫じゃないですよ!戦う人が戦いじゃないところで怪我してどうするんですか!」

「手当するから来い!」

「え?そんな心配するほどでも・・・えっ!?」


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次回

マーシャが城から出るところを目撃した彩花は行き先を尋ねると兄を呼びに行くのだという

城から少し離れた町のとある場にいるそうなのだが・・・?そして彩花はこの地に来て初めて

見た猫、虎のラグズと言葉を交わす。だが一人は彩花の事を快く思っていないようで・・・?


次回 第6章、「素朴な疑問」


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