INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第4章、国と王

改めてエリンシアに遭難しこの大陸に流れ着いたことを、そして帰るためにとある人を探しているこ

とを話す。王宮騎士団、共通語、未だ知り得ない言葉が多く存在することに困惑する彩花だったが

リアーネの探し人を探していたマーシャが帰ってきて報告を聞くととあることが判明するのだった
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庭を歩いていると、何か黒いなにかが動いていた。それはデインでも見たものの色が違っていた




「黒い竜・・・?」

「なんだ?」

「ふぇ!?」


気がつくと竜の後ろで人が寝ていた。片目を眼帯で隠しており見た目からも体格からも怖さは申し分

ない。下手をすれば殺されるのではないかという威圧感に半歩下がると起きあがりつつその人は


「ん?あんたは・・・例の迷い込んだという奴か」


王宮内で変に問題にならないように話されているのか、のっそりと起きあがった人物は告げた


「えっと・・その・・・・この竜すごく大きいですね」

「・・・?」

「あ・・・えっと・・・私の国にはこんな竜いないので・・・」



「エリンシア様!マーシャ、ただいま戻りました」


あの日以来リアーネと話すくらいの仲になっていた。ここでもまた外の世界の話が役に立ちリアーネに

様々な話をしたのがきっかけなのだ。彩花はマーシャと共にリアーネとニアルチさんがやってくるが


「お帰りなさい、アイク様の行方は分かりましたか?」

「いいえ、それが全然・・・すみません」


マーシャが謝るとエリンシアは残念そうな表情を見せる。それと同時にリアーネも沈んだ表情を

するのだが一人、彩花は一瞬聞こえた声に耳が反応し視線がマーシャとエリンシアに向かった


「・・・・ん?んん?」

「どうかしました?」


声に気づくとエリンシアは疑問形で尋ねた。そこに彩花はおそるおそる問いかける


「・・・・今、エリンシア様アイク様って言いました?」

「?えぇ」

「まさかリアーネが探してるのって・・・・アイク・・・?」

「え?」


3人は顔を見合わせた。そして数秒後マーシャを始め彼女達の叫び声が部屋中に響き渡った


「彩花が探している人とは・・・アイク様なのですか?」

「は、はい。多分その人が私の知っているアイクと同じ人だと・・・思って・・・」


彼ともまた過去にあった人物だと告げるとエリンシアはリアーネのためにアイクを探していた

事を告げる。そして同一人物ならば今すぐにでも協力できると言ったのだ。するとリアーネが


「おねが・・・しま、す」

「・・・え?」


かつて出会ってから古代語と呼べる言葉で話していたリアーネの口から出たのは共通語

彩花でも聞きとれる言葉だった。彩花は驚くのだが同時にエリンシアも驚いた表情をしていた



「リアーネ姫・・・!言葉が!?」

「驚かれましたかな?お嬢様はテリウス語・・・・現代語をお勉強中でござい
 ましてな、こちらでは、この爺のほかはみな古代語を話されませんので・・」


かつてかな表記だった日本に外国語である漢字が入ったように現代語というのは他国から

入った文化なのか、それとも時代の流れと共に新たにできた言葉なのか。興味深かった

あれからマーシャは部屋を出て空間にはエリンシア、リアーネ、ニアルチ、彩花がいた


「確か、彩花殿は日本語とおっしゃっていましたがそれは・・・?」

「日本っていう国で出来た言葉だから日本語なんですよ。あ、日本が私の出身国なんです」

「ニホン?・・・この爺、長い間生きてきましたが聞いたこともない国ですな・・・」


正確には解らないが日本とここは相当離れているだろう。といえ帰るために向かっていたのは

ホウエン地方、これは日本とはまた違う地名である。そこからでもかなり遠いだろう


「あ、えーと・・・昔からこの名じゃなくて国によって呼び方が違ったり何度か改名してるんですよ」

「すごいですわ、他にも何か話してくださいません?」


ここでも他国の文化には馴染みがないのか、彩花がこの国を聞いたことがないようにただ知らない

だけなのか、女王であるエリンシアですらも興味を持ち我が国日本について尋ねた。なんだか

嬉しくなり彩花は自分が知っている限りの話しをしようとするのだが


「~~~(えっと・・・)だいじょ・・・ぶ?」

「え・・・?」


隣から遠慮がちなリアーネの声が聞こえた


「エリ、シアさ・・・ま、・・・こころ・・・とっ、ても・・いたい・・・かわいそ・・・う」


ぷつり、ぷつりと途切れ途切れではあるけれどリアーネの言おうとしている言葉がなんとなく

わかった。だが言葉は分かってもなぜそんなことを言ったのか彩花にはさっぱりわからなかった


「リアーネ?」

「エリ、シア・・・さま・・・」


ふと前を見るとエリンシアの目から滴が滴り落ちた。思わぬ状況に彩花は言葉を失う


「えっ・・・え?」

「リアーネ様、まさか・・・お心を?」

「え?どういうこと?」


彩花の質問にニアルチさんが答える事はなかった。代わりに聞こえたのはエリンシアの声


「・・・どうして、こんな・・・自国の民同士で争うなんて」


今までの話とは関係のない言葉が聞こえ彩花の思考は真っ白になった。だが全てを知ってい

るかのようにリアーネはエリンシア様に近づくと優しく頭をなでる。状況が分からぬままいた



「お父様や叔父(おじ)様のようになんて・・私にはできはしないと最初から分かっているでしょうに・・・」



エリンシアの言葉の後に誰かの言葉が聞こえた。それは彩花の知る存在。今ここにはいない存在



『この世に王子がいるわけないじゃん!』


実際に会ったわけでもなく。そんな身分の人とは会うわけもなく我儘なイメージがあった

だから初めて会った時私はあの人達とは会話したくないと、関わりたくないと思っていた



「私は女王なんかなりたくなかった・・・なりたくなかったのに・・・・!」

「~~~~~~~~(泣かないで、私は、エリンシアさまのみかた)」



『・・・僕は一時王子に生まれた事を悔んだ事があってね。なんで王子になったんだ、王子になん
 てならなければこんなことにならなかったのにって変えられない運命に恨んだことがあるんだよ』



あの人も同じような事を言った。彼女の言葉が過去に聞いた言葉を思い出させたのだろう。当時は

それは経験談、過去の話だと聞き流すように聞いていた。直後の言葉で更に気分は不快になった



今、リアーネが何て言ったのかはわからない。だけど、自分は味方だと伝えたかったんだと思う

するとリアーネの透き通った歌声が室内に響く、エリンシアの心を癒すかのように・・・

数時間後、内に秘めていたものを吐き出したからか涙は収まりエリンシアは口を開いた


「・・・すみません。お見苦しいところを見せてしまいましたね」

「・・・・・・」

「リアーネ姫、ありがとうございます」


リアーネが問いかけるとエリンシアはもう大丈夫だと告げた。何があったのか知りたいけど話し

たくないことかもしれない、部外者が聞いてはいけないような事の気がして聞くに聞けなかった


(けど、この感じは・・・この人は、何かを抱えている?)


直感が、そう告げた。すると尋ねたわけでもないのに察したのかエリンシアは口を開いた


「・・・実は、私は正式に認められるはずのなかった存在なんです」

「・・・どういうこと?」

「3年前・・・まだ父が王座を務めていたのですが・・・争いにより・・・命を落としたのです」

「えっ!?」

「・・・いえ、正式に亡骸を確認してはいないのですが・・・後に亡くなったと判断されました」


そしてクリミアはデインによって攻められていた。先王アシュナードの指示で何千、何万もの

デイン軍がクリミア王国を襲撃、時期王座に当たるエリンシアは政治に関しては右も左もわか

らない状態だった。状況は思わしくなく象徴である当時姫だったエリンシアは身を隠していた


「そんな時です。アイク様に出会ったのは」


アイクに出会う事により関わることによりエリンシアは定められた運命と向き合う事を、使命に

達向かう事を決意したのだという。そしてアイクを始め数々の協力の後戦争は終わりを迎える


「アイク様は将軍の称号を返上し・・・本来の場に戻ると告げ去りました。私はクリミアを平和に
 するため、伯父さま達の築き上げたラグズの方との親交を深めるため・・・尽力したつもりです」


しかしエリンシアのやり方は従来のクリミアとは代わり温厚的だった。ベオクに嫌われたラグズとの

友好的振舞い、争いを避けるような起こさないような政治。それらは当時の、そして以前より仕えて

いた王宮の一部の者からは批判を受けていた。そしてそれは復興が進む度にエスカレートした


「私だけならまだしも・・・王宮騎士団の皆までに・・・」


再びエリンシアの声が震える。嫌味から始まりエリンシアは数々の嫌がらせを受けていたという


「私の力不足は認めます。伯父さまやお父様のような立派な政治が出来ないことも私の力不足
 です。ですが・・・ラグズとの和解の件が理解頂けないのと・・・彼らにまで及んでいたなんて」


エリンシアが望むのは平和な世界、誰しもが幸せに暮らせる世界。種族や国の違い関係なく

誰しもが笑って暮らせる世界。そのやり方に一部の貴族達が気に入らなかった


「・・・すみません。貴方にまでこんな愚痴を・・・」

「女王だろうと元は同じ人、文句を言いたくなる時もあるし泣きたくなる時もあるさ」


そして、エリンシアから聞く話の合間にも過去に聞いたあの言葉が残っていた


「ですが・・・あなたは何も悪くないのに・・・」

「むしろ・・・まったくの赤の他人だから話せたんじゃないかな」

「え?」


この人は心優しい人だと、こんな人いるのかと初めて思った。まだ出会って1カ月も経っていない

だが城の皆に対する振舞いが、庶民であり他人である私に対する親切さが全てを物語っていた


「・・・だって・・・これが城の人だったら回りに回ってその嫌がらせしてる人の耳に届いちゃうかもよ?」

「・・・・・・」

「いい噂は全然広まらないのに悪い噂ってあっという間に広がるんだよね」


今までの中でエリンシアに近い存在。見たところルキノさんとジョフレ将軍だろう

だが彼女達の姿は今ここには無い。この話を聞いたのはここにいる3人だけなのだ


「・・・・・・」


正直、思ってもみなかった。あんな穏やかな表情の裏でこんな事があったなんて。過去の話だけ

じゃない。今現在もなおエリンシアは苦しんでいるのだ。姫、王子、王・・・貴族は皆願いが叶うものだと

望んだことは全て出来ると思っていた。だが今この話を聞いて全てが打ち消された


(私に出来ることはない・・・力になれる事はない・・・)


部外者でありただの庶民。政治のことなど何も分からずどう言葉をかけたらいいのか分から

ないけど、今の話を聞いて彩花は時々頭に現れたとある人の話をするために口を開く



「・・・エリンシア」


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次回

知ることのなかった王宮の苦悩を知った彩花は迷いつつも過去に聞いた彼の話をする。そして

エリンシアにもまた該当する人物達が存在することを伝える。しばらくそっとしておくのがベスト

だと判断した彩花は次の日マーシャを始めこの王宮に仕える者達と言葉を交わすのだった


次回 第5章、「あるものないもの」


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