INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第11章、解放作戦

デイン城を取り戻し就任式や祝い事で忙しくしていた。そんな中トパックを始め数人がこの地を

去ることを告げる。再び会えることを願って一同は別れを告げるのだった。そして彩花も希望を探す

ためにこの地を去ろうとしていたのだが、共に行くはずの一同に置いて行かれてしまうのだった
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ある街中に入ると、ざわざわと人が騒いでいた。田舎とは言えず人通りの多い場所だが

こっちを見ては人々がひそひそ話をしている。次第に彩花は異変に気付いた


(自分達を見て・・・?)


身なりで言えば自分は変わっておりそれでかと思うが自分達の姿を見ると街の人々は表情

を変え歪んだ顔をするのだ。珍しい物を見ているというより嫌なものを見ているように見えた

ふとある考えが浮かんだ時一瞬空気が固まったように見えた


(ここにはラグズが何人もいる。・・・・それでか?)


「・・・・・・」


汚い物でも見るかのような、そんな目。自分に向かっているように感じ気分が悪くなる

様子に気づいたラフィエルさんが尋ねると彩花の顔色は決して良いものではなかった


「私達といるおかげで貴方まで・・・」

「違うんです。皆は・・・悪くない」


長居は出来ないと街を抜けると唯一人間のトパックと彩花で必要最低限の物資を確保する


「魔道書が使えるって言ってたよな?」

「えっいいよいいよエルファイアーとエルサンダーあるし」


魔道書が使えると判明したもののほとんどが元々使えたディンの炎で魔道書を使う機会が

訪れなかったこともあり十分すぎるほどに回数は残っていた。これもまた意外な話だったのだが

魔道書にも回数が決められており残りが0になった魔道書は消えるのだという


「・・・そしてゴールド・・・」


この大陸の単価は『ゴールド』でいかにもRPGなどに出てきそうな通貨。この通貨を見る

のは初めてではないが初めて見たときから見かけるたびに違和感を覚えるのである

そして街の中でとある話を聞いたのだ。この先の砦の中でベグニオン兵が潜んでいると


「まだデイン城が落とされる前にこの町に来て数人を連れて行ったのですが・・・」


(捕虜・・・ってやつ?)



再び元の場に戻り合流すると歩き出す。すると同時に、右の耳に妙な違和感を感じた

右を見ると新しくはないものの相当大きな砦が建っていた。そしてそこから声が聞こえたのだ


(誰かの声?・・・・助けを呼んでる?)


耳を傾けると、声ははっきりと聞こえた。再び異変に気付いたラフィエルが尋ねると彩花は

トパックにあれがさっき人から聞いたベグニオン兵の潜む砦なのではないかと尋ねた


「声が聞こえたんだ。助けを呼ぶ声が」

「助け?・・・ってまさか」

「多分・・・捕まった人達・・・じゃないかな」


2人の会話に表情を強張らせると話の用途が掴めていない一同が尋ねる。街の中で聞いた

話を伝えると誰しもが砦の方を向いた。一同は耳を澄ませるが声など一向に聞こえない



「本当に聞こえたのか?何も聞こえないが・・・」

「確かに聞こえたました。男の人の助けてくれって叫び声が」


彩花の話はサザを始め彼らから聞いていた。本当だった場合助けないわけにはいかない


「よしっ助けに行くぞ!」


威勢のいいトパックの声に一同が集中するがひとつ問題がある。捕まっているのはべオク

ここにいるのはほとんどがラグズだ。下手をすれば自分達の首を締める事態になりかねない


「けど、ほっとけ無いだろ!」

「・・・数は・・・せいぜい一桁・・・か」

「?」


ぶつぶつ呟きはじめた後、彩花はとある提案をした。彩花とトパック、2人だけで向かうというのだ


「おぬしら二人で大丈夫か・・・?」

「おそらく数は一桁です。多くても10人ちょっと・・・捕まった人を助けるくらいなら可能です」

「数・・・?中にいる人数がわかるのか?」


正確な数ではないもののおおよそならわかると告げた。特にムワリムさんは心配そうに

不安を告げるが以前とは違うハッキリた口調で問題ないと告げ2人は走り出した


「どうするんだ?たった2人で」

「逆に少人数だから絶対大丈夫と言えるんだよ」

「?」


彩花は自分から離れないようにと告げる。近くにいる限りネールの力でほぼすべての攻撃は

防げるからだ。剣士ではなく魔道士であるトパックなら離れた場からでも攻撃は可能だろう



「それと・・・・・・敵だけど、なるべく倒さずに行きたい」

「え?」

「最初会ったときに言ったけど、人と戦うのはあれが初めてだったんだけど・・・っていう
 か人を助けただけだけど、やっぱり人が死ぬのは・・・・見たくないっていうか怖い・・・」


平和な場所である自国でこんな戦争なんて起きるものじゃない。処刑も人を殺したり

変なことをした犯罪者だけが受ける行為であり一般人が受けるものじゃない



「・・・・でも一人も倒さずに助けるなんて無理だぞ?」

「話だと、処刑されそうな人は一人なんだよね?」

「確か、帝国兵に逆らったからそうなったって言ってたね」


砦に近づき息を潜めると僅かな音量で声を発した


「私から離れないで、そうすれば不可能じゃない」

「・・・・・?わかった」

「行くよ」



建物の中へと突入すると男の人はすでに釣りあげられていて意識は朦朧としていた

2人が侵入したことによる騒動に次から次へと帝国兵が現れる。兵士たちは2人の姿を

確認するなり弓を構えると放った。同時に彩花はあの呪文を詠唱する



「ネール!」



飛んできた数本の矢は青い壁に弾かれ地面へと落ちる。死角からも次々と攻撃は来るのだが半

立体的円形なネールの防御壁の前では意味をなさずで攻撃を防ぐ。その結果に兵士たちは驚いた


「なにっ!?」

「・・・・・トパック、作戦通りに行くよ」

「うん」



次の瞬間、周りを囲んでいた兵士の目から二人の姿が消えた。そして捕虜の前に現れると



「な・・・・っ!?」

「トパック!」

「ファイアー!!」


縛っていた縄は炎によって燃えちぎれた。落下しかけたところを彩花は服の裾を掴み再びフロル

の風をかける。3人は空中から姿を消し地面に着地した。驚いていた帝国兵は再び向き直る


「大丈夫か!おい!」

「早く逃げよう!フロル!」


再びフロルの風をかけるとその場から姿を消し砦から離れた場に姿を現した



「・・・・・たいしたものだ」

「あの時も見ましたが、やはりすごいですね」


誰しもが驚いた。トパックによる誰ひとり命を奪っていないという話を聞きさらに驚いた


「いつも一人で使ってたのでネールの愛の有効範囲がわからないんです。2人なら大
 丈夫かなーって、だから2人で行ったほうがこの作戦は使えるなって思ったんです」



助けたいなんて正義の心が働く以前に正直に言ってしまえば恐怖が襲った

だが気づいているのに見過ごすのは後々後悔する、忘れられない気がしたのだ


(助けられて、よかった・・・)


心の中で、深く息をはいた。その日の夜、安易に街に入れる身柄ではないことから

一同は一見姿が簡単に見つからない場所、外れで一夜を明かすこととなった


(なんとか、ここまで生きていられた)


見知らぬ場所についたというだけでパニックになるには十分だった。けど災難の連続でこの地は

頭の片隅にもない『戦争』というものが起きていた。これからどうなってしまうのか、自分は生きて

帰れるのかと全てが真っ暗になった気がした。ここで死ぬのか・・・と


運がいいのか悪いのか、ミカヤ達に出会う事によって一難は免れた。そして彼女達の協力によって

今日まで生きてこられたと言っても過言ではない。もし彼女達がいなければ殺されていたかもしれない

まだ光の道筋が見えたわけじゃない。まだなにも解決していないのだ。まだ、安心はできない


(なんとしても、元の世界に戻らないと)


そう思っていると、緊迫した空気と嵐のような出来事の連続から解放されまだ日も経っていない

ため疲れは溜まっておりあっという間に彩花は眠りについた


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次回

とある盗賊との戦いでラグズであるムワリムが化身した姿を見た彩花。その後当時の記憶が

頭から離れずにいた。修正しようとしても上書きされる恐怖によそよそしくなる事に隠せないと

感じた彩花は思ったことを話すのだった。そして彼らともまた、別れの時が近づいていた・・・


次回 第一部 最終章、「分岐点」


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