INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第31章、悠久の思い

ルフレの策とバジーリオたちの力によって脱出する事に成功したクロム達。しかし状況

は良くならず更なる刺客が迫りくる。そんな中クロムと彩花の進言により戦場を火山の

中と決定しレンハを倒すことに成功するのだが、それは思わぬ衝撃をもたらすのだった
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頭にある言葉が浮かんだとき、それは左右に会った点と点が繋がれるようにはまった


「ファイアーエムブレム・・・!・・・そうか!え、でも・・・」

「?」

「もしかしたら・・・私、あの話知ってるかもしれない」

「え?」


その日の夜、夜を明かすために一同はここで寝泊まりすることとなる


「チキさん、ご機嫌いかがですか?」

「あら、ルキナ。特に問題はないけれど・・・どうしたの?」



その時、扉が開くとルキナはその人物を見て声を発した


「あなたは・・・」

「彩花さん!」


扉の前にたった少女はルキナを見て、チキの方へと向き直ると近づいた


「今、忙しかったかな」

「今、チキさんから英雄王マルスの話を伺おうとしていた所なんです」

「マルスの?」

「そういえば、彩花さんの知るマルスもかつて竜を倒した存在だと・・・」

「その事で、確かめたい事があるんだ」


一歩、また一歩近づくとチキの前へとやってくる


「私、貴方のこと知ってるかもしれないんだ」

「私を・・・?」

「私の知る貴方は、今の貴方よりもずっと幼く、無邪気な存在だった。・・・手を握ってください」



神妙な、真剣な表情で告げる彩花を見ると何も言わないままチキは出された手を握った


「・・・・・・」

「・・・・・・」


数秒間沈黙の間が流れルキナが静かに見守っていると突如彩花は目を開いた


「・・・・・・」

「・・・これで・・・いいのかしら?」

「・・・はい。やっぱり君は・・・『あの』チキなんだね」



手を離し数歩下がるとチキは不思議さを感じるように首を傾げた



「繋がったよ。炎の紋章・・・ファイアーエムブレム。そして神竜ナーガ・・・」

「どういうこと?」

「ルキナ」

「は、はい?」

「私の知るマルスとチキやルキナの言う英雄王マルス・・・それは同一人物なんだ」

「え?」


チキの手を握って数秒、頭の中に浮かんだのは自分も良く知るあのマルスだった。け

れど分からない。彼女は数千年も眠り目覚めたばかり、人間の寿命はそんなに長くなく

しかしマルスは現にこの世界に存在している。同一人物だけどどこか食い違いがある



「どうしてなのかはわからないけど・・・これも、まだ私たちの知らない何かがあるのかも」

「・・・あなた、マルスの事を知ってるの?」

「はい」




「マルス・・・英雄王はどんな人だったんですか?マルスの名を名乗った理由として英雄
 王マルスを目標にしているのは事実です。お話を聞かせて頂けたら嬉しいのですが・・・」

「ルキナは勉強熱心ね」

「いえ、そんな・・・前も申し上げましたように私も一度はマルスの名を名乗った身、
 真のマルスとはどのような人物だったのかその真実を知りたいと思っただけです」





「そうね・・・彼は誰よりも仲間のことを第一に考える人だったわ・・・」

「・・・・・・」

「誰に対してもとても優しくて・・・穏やかで、そして笑顔が素敵で・・・」



チキの話は自分が知るマルスと完全に一致していた。なにせ同じ人物について言っているのだから


「えっ・・・!?」

「あら、なにか気になった?」

「は、はい、英雄王マルスというにはその人格が意外だったというか・・・」

「ルキナはどんな人柄だと思ったの?」

「はい・・・伝説のマルス王は解放軍を率いて邪悪な竜を滅ぼし世界に平和を取り戻したと言
 われています。まさに武人と言う感じでその・・・すごく厳しい人なのではと考えていました」


それはおそらく、『暗黒龍と光の剣』の話をしているのだろう


「自分に厳しいという意味では当たっているわ。・・・常に誰も犠牲にならな
 い平和への糸口を探し、邁進(まいしん)し続ける・・・そんな努力家だった」

「・・・・・・」

「彼の足跡を探れば、私たちの現状にも何かヒントがつかめるのでしょうか・・・?」

「そうね。彼は常に悩み続けていた。分かり合えない人達、大事な人と
 の別れ、そして友に裏切られたこと・・・悩み、もがき、苦しんでいたわ」

「!」


当時の事を思い出すように、懐かしむように話すチキの言葉にちくりと何かが反応した


「だからこそ、英雄としての器を持つ事ができたのかもしれない」

「マルス王は到底、私などが至れないような道を歩み戦い続けていたのですね・・・」

「でも・・・だからと言って、今の時点であなたが諦めることはないわ。彼自身も自分が完璧
 だとは考えていなかった・・・だからこそ仲間を大切に思い、皆と協力しながら戦っていたの」



「仲間と協力・・・?英雄王マルスが?」

「そう、それが彼を英雄王へと至らしめた最も大きな要因でもあるわね」



仲間を信じ、そして仲間に信じられて戦ったこと。言葉ひとつひとつに重みを感じた。ルキナ

に尋ねられるがチキと言っていた人物と同じだと告げるとルキナはお礼を言い出ていった



「流石『マルスのお兄ちゃん』と慕っていただけのことはありますね」

「ど・・・どうしてその事を・・・?本当に知っているのね」

「はい。私の国の技術に・・・過去の人の記録・・・のようなものがあるんです」



初めてではない言葉だけど、初めて聞いたときとは感じ方が違う



「・・・どうして信じる事が出来るんだろう」

「え?」

「私は・・・一度裏切られてから・・・二度と人を信用できなくなった。けどマルスは・・・チ
 キが言うように国を追われてから・・・仲間を見つけながら信じ、戦い、国を取り戻した」



どうしてもそれが私にはできなかった



「・・・そう考えると、やっぱりマルスもすごいな。どんなに辛い過去があっても・・・あ
 あやって絵にかいたような王子スマイル飛ばすんだから。ある意味すごいことだよ」

「貴方は一体・・・」

「私はこの世界・・・この時代の人間です。けど・・・マルスの・・・知り合いです。・・・多分」



部屋を後にしルキナに会うとルキナは目をキラキラ輝かせ身を乗り出すように問いかけた


「彩花さん!他にも・・・英雄王マルスに関する話とかないですか?」

「・・・本当に、誰とでも仲良くなれて、あんな事があったなんて嘘みたい
 に王子スマイル巻き散らしてたよ。自分の事よりも人の事を気にしてさ」

「やはり、世界中で知られているんですね」

「・・・それは少し違うかな。私の国自体に伝えられているんじゃなくてそういうのが好きな人
 が知っていったって言うか・・・私の国の技術にそういう過去の話を記したものがあるんだよ」



私の国にとってそれは架空のもので、本来はあり得ないことで


「そうなんですか・・・あの、また聞かせてもらえますか?」

「とはいえ、私はそこまで好きじゃないしチキほど詳しくないけど・・・それでもいいのなら」



一同はヴァルム城の前にやってくると上を見上げながらクロムの問いかけを聞いていた


「ヴァルム帝国軍は?」

「まだ出てきていないようです」

「・・・まずいね、このままだと圧倒的に不利になっちまう」



このままここに留まっていては様子を伺っている有力者たちがやってくるだろう

そうなれば帝国軍と戦う前に有力者たちとの戦いになりこちらは消耗戦となる



「セルバンテス、我は神を超えていく者。人の世の王となるが我が覇道」

「そのとおりでございます!」

「ゆえに、神如きと同等の軍略など我は必要としておらぬ。エクセライ、その策は不要」

「ヴァ、ヴァルハルト陛下!?何を血迷った事を!?」



「勝利とは!後に言い訳さえ許さず完膚なきまでに叩きつぶすことを言う!圧倒的な
 力を見せつけよ!勝てる道などないことを教えよ!それ以外を我は勝利と認めぬ!」

「な、なななななな・・・!?」



そう言い残すと背を向けヴァルハルトは去っていく


「軍師殿、貴公の頭の中ではさぞ多くのものが見えているのであろ
 うな。・・・だが、陛下にお仕えするには貴公はちと頭が良すぎるな」

「な、なんですってぇ・・・!?何を古風・・・というか時代遅れな!?」

「人として、男として、魂で向きあわねばあのお方にはついて行けぬのよ!」



そしてセルバンテスも去りその場にはエクセライ一人だけとなる中力みながら呟いた


「む~むむむ~!・・・バカな奴ら。頭まで筋肉で出来てるのね。とは言え全ては筋書き
 通りに進んでいるわね・・・どちらにせよ、予定通りのものが全てアタシの手元に揃う」



『そのときこそ・・・くけけけっけっ!』



その時目の前に現れたのは幾銭もの兵の数が。そしてその先に見えるのは



「あれが皇帝ヴァルハルト・・・自ら打って出てくるとはな」

「あの男がゆく覇道、絶対的な武力による制圧・・・それを考えれば当然、か」


「・・・聖王を継ぐ者か。よい気を放つではないか。だが!人の王はただひとり!その証明こそ
 が我が覇道!戦士たちよ!ヴァルムの誇りを胸に抱き、阻む者すべてを刺し貫く槍となれ!」

「おおおおおおおっ!」


ヴァルハルトが何かを叫ぶとクロム達・・・自分たちの射るところまで兵の雄叫びが聞こえた



「全軍、進めえいっ!」



「・・・さて、始めようか、ディン!」



兵士達が一斉に動き出すと彩花は遠く離れた場から魔法を唱えた。それは今までとまったく

違う全方位へと向かう炎の波。炎が向かうと兵士達の動きは怯み驚きの声が飛び交った



「!」


こちらの兵士達及びクロム達には伝えていたためパニックになることはない。が敵兵

は何が起きたのか状況が理解できないように足を止めると熱さに混乱に陥っていた




「彩花、その魔法は・・・」

「言ったよね?どんな力を使ってでも勝ってみせるって」




「増援部隊に出撃を命じよ!刃の雨降るが如き・・・その恐ろしさをとくと味わうがいい!」

「竜騎士が来る、弓兵部隊準備を!」



彩花が叫ぶとクロムの指示により弓兵達が前に出ると近づいてきた竜騎士を倒していく

クロム達は前進すると行く手を塞ぐ兵士たちをなぎ倒し次々進むと中盤辺りに来た頃



「何故抗う、英雄を継ぐ者よ」

「お前を止める為だ。お前の覇道は血が流れすぎる」

「世に血の流れぬ革命などあるまい。ましてや、我は神の世を終わら
 せる者。我が覇道は血と共にある。人の血によってのみ築かれる道よ」

「馬鹿な!そんな勝手が許されるものか!!」

「誰の許しを得る必要がある?神か?法か?王か?」

「それは・・・!」

「答えられまい!当然だ!答えなどありはしないのだからな!」



遠くからクロムとヴァルハルトの叫び声が聞こえる中一同は兵士達と戦闘を繰り返す



「人は神という毒に冒されて思考する力を失ったのだ!」

「・・・・・・」



そんな叫び声が耳に入った瞬間、無表情に近かった表情はさらに強張った

そして辺りに兵が消えた所で上げていた剣を下すと前方を見つめ歩き出した


「彩花?」

「ルフレ、指示は徹底してるよね?」

「え?」

「これから何があっても心配する必要はない。・・・私は勝つ」



以前の言葉を思い出すとこれまで見た事のない雰囲気の中彩花は歩き出した



「なぜ悪いのか!神がそう決めたから!なぜ善いのか!神がそう説いたから!笑止!人
 に代弁される程度の神の言葉も、神の意志を借りねば言えぬ人の言葉も我には不要!」



鞭を打つと馬は駆け出し剣を振り下ろすとただの剣とは思えない狂気が全体を覆った



「!?」


圧倒的力に全体がその身を持って実力を痛感しているとクロムは攻撃を受け止めた

クロム自身ヴァルハルトの力を思い知らされるように全身に伝わった痺れるような感覚



「クロム!?」

「ぐわっ」



さらに一振りが直撃すると弾かれるようにクロムが吹き飛ぶと声が上がる



「我は我の言葉で語る!我は我の力で導く!これからの世に神はいらぬのだ!」

「神の是非をここで語るつもりはない。だが・・・!そのために人の命を奪う
 ことをお前が躊躇わないというのなら俺は俺の正義でそれを止める!!」

「そうだ、英雄を継ぐ者よ!人は己の言葉で、力で、正義で他者と争えばいいのだ!」



「神はいらない・・・か」



起きあがったクロムに再び剣を振りかざそうとした時、横から何かが飛んできた気配を

感じヴァルハルトは方向を変え剣を振るうとそれを弾き返した。地面に落ちたのは矢



「なっ・・・」



緑の風と共に目の前に現れた姿を見てクロムは目を見開く一方ヴァルハルトは表情を変えず




「その程度の力で我を倒せると思ったか、むんっ!」




再び剣を振り下ろした瞬間彩花は防御壁ネールを唱えると蒼い壁に剣は遮られた



「む」

「神がどんな存在か、会った事もないのによく言えるな?」


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次回


ヴァルム城前まできたクロム達だが一向に出てくる気配のない状況に焦りを感じ

ていた。しかしついにヴァルハルトが現れイーリス及びサイリと帝国軍たちの戦いが

始まった。ヴァルハルトの前にやってきたクロムだったが、そこで思わぬ展開が・・・


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