INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第9章、デイン復活

微かに金属音が聞こえた先でベグニオン兵と戦っているミカヤの姿を見つける。その後ミカヤと共に

戦っていた人物はサザによって『漆黒の騎士』という3年前アイクに倒されたはずの存在だと告げる

彩花は魔法が使えたことから魔道書が使えるのではないかと試すと扱える事が判明するのだった

その後、ミカヤはこの国の象徴デイン城を取り戻すために攻め入ることを決めるのだった
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今、一同はデイン城前にいた。とはいえ遠くから見える程度であり真正面に立つわけにはいかない

誰しもがついにここまで来たと喜びの声を上げた。ここまで来るのにどれだけの月日がかかったのか


「ミカヤ・・・・ねぇ」

「なに?」

「あの後、ちょっと試したんだけど、この大陸の魔道書がつかえるみたい」


そして、今までの礼も兼ねて自分も戦うと申し出た。案の定ミカヤは断るのだが



「敵は今まで以上に沢山いる。あの時助けてくれた・・・・お礼もしたいし」

「お礼とか・・・・・」

「ううん、違う。お礼っていうか・・・私も・・・みんなの国を取り戻したいって思うから」



かといってこれはゲームではない。リセットは効かない、人は死んだら生き返らない。全てが取り返し

のつかなかくなることに対するプレッシャーは半端ない。一同が城内に移動すると上の方から聞き覚え

のある声が聞こえてきた。自分達がいる場より上層から聞こえ自分以外には聞こえていないようだ


(相手も、後が無いってことか・・・)


屋外と違い屋内での戦いは良くも悪くも障害物がある。遠距離からの攻撃矢、魔法などある程度なら

柱や壁に隠れる事によって防げる。ここでも自分の知るような火薬を使った兵器は見られない


「かなり長引きそうね・・・・・・・・」


隣でミカヤが呟く。デイン国内でのベグニオン兵の拠点とも呼べるのだから今までより桁違い

の兵士が待ち構えているのは想像がついた。けどこっちの兵数は増えたとはいえ知れている


「みんな、ちょっと離れて」

「?」

「ディンの炎!」


彩花の周りから炎の波が現れ広範囲に広がっていく。津波のように段差関係なしに上の階へと

炎は広がる。そして兵士たちは熱さに耐えかねてそれぞれ武器を落とす。魔道書のように紙で

出来たものは燃えあがりほぼ丸腰状態となる。見たこともない魔法に誰しもが驚いた


「なんだ・・・・・!?」

「今のは?」

「フロルの風、ネールの愛はもう知ってるよね?これはもう一種類の魔法『ディンの炎』」



これもまた通常では使える事のない特殊な魔法。魔道書から発動される魔法との決定的な違い

それは範囲と効果。波のように広がった炎は彩花を中心に円となり四方八方に広がる。そして人を

燃やすことなく彩花が対象にしたものだけ燃やすのだ。つまり味方に被害はないし敵も武器は燃え

あがるが敵兵は熱いと感じるだけ、燃えあがることはない


「敵将は上にいる。以前、ミカヤと漆黒の騎士が戦った男の人が」

「・・・どうしてわかるの?」

「ここへ入ってからすぐ、声が聞こえた。相手も連続の失敗で後がないみたいだよ」


剣士、重兵を前衛に戦いは繰り広げられる。どのタイミングでどこから攻撃が襲ってくるかわか

らない。一秒たりとも気は抜けなかった。ただ今は、この戦いに勝利することだけを考えていた




「や・・・・・・った」


敵将を倒し数秒後、事態を知った一同に笑みが現れた。次第に軍全体に伝わると互いに

喜び声を上げた。涙を流す人もおり、ついにデイン城を取り戻したのだと誰しもが実感した


(勝った・・・?)





敵のいなくなったデイン城を見回してみるといかにもと言える広さであるものの戦いの痕ともいえる

地面が抉れていたり傷がついていた。廃墟と間違えそうなくらいに、これは今日のたった一回の戦い

でこうなったのだ。喜びの半分、変わり果てた建物に彩花は神妙な顔をしていた



「・・・・・・・・」

「どうしたんですか?」

「え・・・っと・・・・・・・」


ローラに尋ねられ返答に困るもこの世界は、分からないことが多すぎる。ミカヤに呼ばれついて

いくとこれまでデインの復活を望んだ者、そのためにこれまで戦ってきた人たちが集まっていた



「ありがとう、ここまでこれたのも、みんなのおかげよ」

「これからは、デインの復興を頑張らないとな」


すると、ペレアス王がミカヤをなんとかかんとかに任命したいと告げる。迷っていたミカヤだが

サザの言葉によってデイン王国軍の総大将に任命された。今回の成功の要はミカヤであり

ミカヤなしでこの戦いは成り立たなかっただろう。誰もがこの判断に賛成していた


「なんじ、ミカヤーーーーデイン王の名におき魔道将としての地位と爵位を与えるものとする」


言葉の後、ミカヤの周りが輝き出すとミカヤの姿が変わっていた。何が起きたのか分からない

まま見ているとミカヤは不思議な感じがしていると発した。その後走り去ったサザを見ていると



「サザって意外と子供っぽいんですよ」

「いいな」


近くにいたペレアスが呟いた。ミカヤが聞き返すと喜びとは逆の表情をし告げる


「僕には兄弟がいないから・・・しっかり者のお姉さんのいるサザがうらやましい」

「私も、姉とか弟とかいないから、なんかそういうのっていいな」


「・・・・・・・・・」



すっかり平和を取り戻したデインは人々の笑顔であふれていた。そして、デイン城では全員が

並びペレアス王を迎えようとしていた。これまで彼らを支えた者やミカヤ達、デイン解放軍の

面々が並ぶのだがその中に彩花もおり神聖な空気に疑問に思っていた


「・・・自分もここにいていいのかな」


私はデイン人ではない。そもそもこの大陸の人ではなくデインを解放するために大した戦績も上げて

いない。近く似た人達に尋ねると誰しもが良いのではないかと答えた。ペレアス王が入ると緊張した

空気が流れる。歩いて行ったペレアス王は、ミカヤとサザを通り過ぎて行った後振り返った


「・・・・・・」


兵士たちの歓声と共に誰しもが笑みを浮かべた。初めてともいえる経験に彩花は戸惑っていた

式が終わった後、ほとんどの者が初めてだったようで緊張したなど感想を言っていた


「まさかこんなことになるとは思わんかったんよ」


途中で出会った少女メグがしみじみと言う。とある許嫁を探して旅に出ていたというが珍しく

というか許嫁というと貴族や金持ちになじみ深そうだが彼女は田舎の村に住んでいるという


「ずーっと父ちゃんの畑仕事手伝とったもんな」

「畑かぁ・・・もはやなつかしいよ」


自分のところにも畑があるのかと尋ねられる。イメージしているような広大な畑ではないがきのみ

や野菜を育てておりある程度農作業には慣れている。彼女同様彩花も田舎育ちなのだから


「ララベルさん!」


その後、彩花は彼女の姿を探した。そして見つけると駆け寄って行く


「ついに取り戻せたのね。・・・ミカヤ達から聞いたわ、大活躍したそうじゃない」

「そんな・・・結局・・・誰ひとり倒せませんでしたし」


この世界について、この土地について、この大陸の戦いについて教えてくれた彼女には

感謝してもしきれない部分がある。だからこそ、彩花はララベルを始め彼らにお礼を告げた


「本当に・・・ありがとうございます」

「気にするな」


そんな様子を、傍らから翼の生えた少女は見ていた。そこにハタリの女王ニケを始め数人が集まった


「なんだ?ビーゼ、あいつが気になるのか?」

「・・・彼女、なんだか不思議な感じがするんです」

「不思議な感じ?」


トパック、ムワリムが顔を合わせていると横からニケが告げる


「確かに、他の大陸から来たと言っていたな。それが皆を惹き付けるのかもしれん」

「そういや俺達この大陸から出たことないんだよなー」

「・・・私と話した時はべオクと同じ反応を見せていましたけど。どこか不自然と言うか」


ムワリムに対しビーゼは何度か彼女と話したがべオクのような反応はなかったという



「・・・なるほど」

「戦いに不慣れな一般民なら無知識でしょう。外の世界から来た貴方なら尚更・・・」

「そうですね、まったく知りません」


そしてもう一人、武器や魔法の種類とは別に彩花はマラドの騎士フリーダから指南を受け

ていた。武器屋や道具屋だけでは知り得ない武器の有効範囲、戦闘能力などだ


「化身したラグズにかかれば剣だろうと斧だろうとへし折られてしまうでしょう」

「聞けば聞くほど恐ろしいな・・・ラグズって」


砂漠の中の遺跡でミカヤ達はラグズと戦ったそうなのだが彩花が向かった時にすでに姿は

なく実際にラグズがどんなものかは見たことがない。いや、一度だけあった。陣営の中で


「・・・私も、少し誤解していた部分があったような気もします」

「動物なのに意思疎通が出来る・・・人の言葉が話せる・・・これほど凄いことがあるだろうか」

「え?」

「あぁ・・・私の国にも動物はいるんですけど・・・言葉が話せないんですよね」

「この国にもいますよ。鳥、魚など・・・これらは言葉が話せません」


ふとフリーダがそこまでラグズの差別に興味があるのかと尋ねる。すると返ってきたのは

過去に彼女が体験した出来事と重なる部分があったからだという



「それとこれは根本的な部分が違うんですけど・・・やっぱりなんか違うような気がして」


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次回

ミカヤとサザにトパックは別れを告げるためにあいさつに来る。そこで知ったのはミカヤが気づか

なかったとある事実。続けてニケを始めとした3人もこの地を離れると知り悲しみが込み上げる

だがその中の一人、ラフィエルはミカヤに対しとある言葉を伝えるのだった


次回 第10章 「別れ」


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