INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第29章、死の運命

連戦続きにより疲労していた彩花は動きが鈍くなり苦戦を感じていた。戦いの後助

け出された巫女は彩花の記憶に残っているとある人物と似ていた。3つのうち一番

成功の可能性があるシュヴァイン要塞に攻め入るも予期せぬ事態が起きるのだった
____________________________________


その時、死角から気配を感じ振り返った。振り向いた途端ヴァルム兵が潜んでいた

『勇者』と呼ばれる職種の剣使いは武装が厚い。武装だけでなく本人も数多くの経

験を積んできた者、当然技術は高く実力で勝るのには難易である


「っ!」


気がついた時には、鋭い刃が通り過ぎ剣を握っていた右手に視線が映る

そこに見えたのは自分の腕、布が破け赤く染まっていた。咄嗟に腕を抑えるが



(・・・痛みはない。まだ・・・)



その瞬間、次なる攻撃が襲ってきた。よそ見から反応が遅れた時轟音と共に何

かが勢いよくヴァルム兵を吹き飛ばす。そして間髪いれずに鋭い爪が壁を壊した


「竜・・・!?」

『大丈夫!?』

「竜・・・もしかして・・・ノノ!?」


その時、壁の向こうから歓声が上がった。それはクロム達の勝利を意味していた



「シュヴァイン要塞は落とした。しかし、要塞周辺では敵軍が包囲しつつある」

「敵か・・・あれも、元解放軍のようだな」

「面目次第もない。背を押してくれるはずの友軍に囲まれるとは・・・」



その時、クロム達の元に一人の兵士が駆けこんできた



「ほ、報告致します!・・・ヴァルハルトとレンハのけん制に向かった解
 放軍は壊滅!残った兵達はヴァルム帝国側に寝返ったそうです!」


その言葉に、一同は驚かざるを得なく、意識が朦朧としていた彩花ですら反応した


「何だと!?数十万の兵が集まっているのだぞ!」

「脅しに屈しちまったってところか」


(え・・・そんな・・・だってあそこには・・・)



「まぁこういう戦局じゃよくあることさね」

「くっ・・・それで、ヴァルハルトとレンハの動向は?」

「両軍ともにここ、シュヴァイン要塞に向けて進軍中とのことであります」

「絶体絶命ってやつか・・・完全に負け・・・だな、今回の戦いは」

「痛み分けにすらならない、か」



今置かされた状況に、誰もが苦痛の表情を浮かべていた。そんな中クロムは気づく



「・・・・・・」

「ルフレ?」

「・・・ここを出よう」


ルフレの言葉に、一同は表情を一変させる



「正気かい?周りは敵だらけなんだよ」

「ヴァルハルトたちの軍が着けば逃げる事すらできなくなります。ですが、今なら・・・」

「要塞を囲んでいる敵は元解放軍・・・命が惜しくて帝国側についた者たちだ。
 であれば、私たちが囲みを破るのを命がけで阻止はしまい・・・ということか」




「問題は抜け出したあとだ。逃げるつもりはないんだろう?」

「レンハとヴァルハルト・・・個別に叩ける機会は今しかない」

「では、どちらかを集中して攻めるか?」

「残念だが間に合わぬ。一方と戦う最中にもう一方に背後をつかれることになろう」





「・・・二手に分かれようと思う」

「! ただでさえ少ない軍を分けるってのかい?」

「そうです。主力はレンハの軍に。そして少数の兵はヴァルハルトに向かいます」


(え?それって・・・)


無意識にルフレを見た。これまでそんな作戦をしたことがなかったから。けれど

今の言葉でもはや無知ではない彩花の脳内にある言葉が浮かんだ。それは捨て

兵ではないのかと。少数の兵でヴァルハルトに勝てるとは思わない。がルフレの

意図は勝つ事には無かった



「負けながら時間を稼ぐ・・・か」

「完全に負けることなく逃げ帰る・・・極めて難しい指揮になるな」



即座に賛成できず、誰もが口を籠らせているとバジーリオさんの叫び声が響いた


「・・・・・・よっしゃ、わかった!じゃあそいつは俺に譲れ
 や。そんなおいしい戦場は若造にはもったいねぇだろ」

「おいしいって・・・一番危険な戦場になるんですよ!?」

「だから、だよ」

「ルフレ、行かせてやんな。馬鹿は馬鹿なりに内心、あんたに感心してん
 のさ。この状況でも全く諦めず、わずかでも勝ちの目を見出すあんたにね」

「とにかくそっちには俺が行く。お前はクロムをしっかり支えてやんな!」

「バジーリオ様・・・」


笑みを浮かべながら告げるバジーリオはクロム達から背を向け歩き出そうとした

その時バジーリオさんの前にある姿が現れると行かせまいと手を広げ立ち塞がった



「だめです!」

「ルキナ・・・?」

「行ってはだめです。あなたは未来で・・・ヴァルハルトと戦って死んだんです!」

「!?」

「何!?」




即座にクロムが反応する。バジーリオさんに向くとため息をつきながら




「そいつは参ったな。ルキナ、俺を討ち取ったのは誰だ?ヴァルハルト本人か?」

「はい。そう聞いています。今、あなたがヴァルハルトのもとへ行けば同じ事
 が起きます。それをわかっていて・・・みすみす死なせることはできません」




ルキナの目は鋭く、絶対にと言う言葉が聞こえそうなほどに強いものだった

それだけで嘘ではなく。本当に未来で起きた事なのだと胸に突き刺さった



「ありがとうよ、ルキナちゃん。せいぜい気をつけて行ってくるとするぜ」

「ま、待ってください!私の話を・・・」

「今、誰かがヴァルハルトを止めなきゃ、俺たちに勝ち目はねえんだよ。安心しな
 。お前の言葉は無駄にはしねえ。奴と戦えば俺は死ぬ。なら、戦わなきゃ良い」

「でも・・・!それで運命が変わらなかったら・・・!」



止めないと。そう思い言葉を発しようとした時、フラヴィアさんの声が響いた



「ルキナ、そんなに心配するなって・・・絶対に大丈夫・・・そう大丈夫さ!」

「・・・・・・」

「だってこの私も行くからね!」

「えっ・・・!?」



恐怖の様子はなく、笑みを浮かべながら告げるフラヴィアさんだったが


「バカ言ってんじゃねえ!!お前が死んだらフェリアはどうなるんだよ!?」

「バカ言ってるのはどっちさっ!フェリアはこれから二
 人で・・・二人で守って行くに決まってんだろうがっ!」


一気にエスカレートした2人の声が響くと、数秒間の沈黙の後バジーリオさんは


「・・・ふはははっ!あはははははははっ!」



空間中に、バジーリオさんの声が響く


「クロム、ルフレ、すまねえ。やっぱ、こいつも連れてくわ!」

「ああ。フラヴィア、バジーリオは任せたぞ」

「ああ。必ず連れて帰ってくるよ!首輪付けてでもね!」

「そんじゃ、ま!行ってくらあ」

「バジーリオさん・・・・・・!」

「大丈夫だ。俺は必ず生きて戻る」

「・・・っ・・・」

「覚えときな、運命なんざ死人の言い訳だ。俺たちを決めるのは運命じゃね
 え。俺たち自身の、あがきだ。『生きる』ってのはそういうことなんだぜ」

「!」





そう告げると、ルキナの横を通り過ぎバジーリオとフラヴィアは去って行った





「・・・・・・」





二人が出て言った後もルキナは顔を上げることなく。彩花は追いかけるべきか、そう

迷っていた時脳内にある声が響いた。豪雨が降り、雷が鳴り響く中バジーリオは叫ぶ


「小さくまとまれ!乱れずに退くんだっ!」

「と、とは言ってもね!この騎兵隊の突撃、正直堪えるなんてもんじゃないよ!」

「堪えるしかねえんだよ!だから俺はお前をここには連れてきたくなかったんだ」

「ふん!バジーリオ様とは思えない、いじらしいセリフじゃないかい!」

「う、うるせえ!だが、このままじゃ終われねえ。フェリアが元
 蛮族の国だってこと・・・帝国の堅物どもに教えてやるぜ!」

「はははっ。いいねえ!同感だよ!・・・!?あれは・・・」



二人が雨風に耐えながら見る先には次々とフェリア兵を難なく倒していく騎兵の姿


「な、なんだありゃ・・・!?兵が次々となぎ倒されていっている!?」

「少数精鋭の騎兵隊・・・・・・?い、いや違うっ!!あれは・・・たった一騎!」

「うぬが、将か?」


赤い鎧に身をまとった人物は声を発する。それに対し


「出やがったな・・・!」


駆け出すと斧を振りかざすが攻撃は避けられ、バジーリオに攻撃が当たる


「な、なんだこりゃ・・・・・・!本当に圧倒的じゃねえか・・・・・・
 !?・・・・・・これが、ヴァルハルト!帝国の・・・覇王か!!」

「ほう・・・我が一撃を受けられる者がレンハ以外にもおったとは」

「やべえな・・・・・・!こりゃ、本気で敵わねえわ」





 「フラヴィアっ!!お前らっ
       !!全力で逃げろ!!」




「あ、あんたを置いて行けるわけないだろ!!」

「食い止めるだけで、俺は精一杯なんだからよ!こいつは本物の化け物だ!
 ちっ!結局・・・・・・ルキナの言ってた未来通りになっちまうのかよ?」

「そうは・・・させないよ!何のために私がいるのさ!」


フラヴィアの攻撃も避けられ、苦の表情を浮かべるが力を入れ直したバジーリオは

再び斧を握り駆け出すと懐に飛び込むように振り下ろした。勢いよく攻撃は当たる

ものの反射的に再びバジーリオは攻撃を受けて吹き飛ぶと地面へと倒れ込んだ


「バ・・・バジーリオ!!」

「・・・・・・フラヴィア。クロムに、こいつを渡しといてくれ・・・」




懐に手をつっこむと、手に握られていたものは雨の中姿を表した



「こ、これは・・・・・・!?」

「あぁ・・・宝玉だ。いいか、お前は生きてそれをクロムに渡すんだ・・・!」

「嫌だねっ!そんなものは自分で渡しな!!私はあんたと共にいる!!」

「馬鹿野郎!!俺が、最後に残せるもんを・・・無駄にするんじゃね
 え・・・!俺がこいつを食い止める!お前はクロムのもとへ走れ!」




「前フェリア王の最後の命令
   だ!!行けーーーーーっ!!」






「バジーリオーーーーーッ!」



「・・・・・・」



どの大陸でも帝国軍とは脅威と呼べる存在なのか。あの時もそうだった。抜け出

すことに成功したもののどこか心は晴れない。理由は考えるまでもなくわかってい

たが一つや二つなどではなく、あらゆる要素が今の自分の状況を作り出していた



(あの時は・・・ほぼ何もしてなかったからだ)



あの時は、皆は戦えない事も戦いを知らない事も知っていた。戦わなくていいよう

に傷つかないように気遣ってくれていた。私は完全に守られるだけの存在だった



けれど今回は、私は戦えるしある程度の知識もある。本来の事情を知らない為気遣い

なんてあってないようなもの。ただでさえ戦力不足で一人一人の力が重宝される事態



(思えば、ほぼ全ての戦いに参加してるんだ)



あの時と同じ帝国軍相手でも、こんなに違うのかと思い知らされ、状況も理解した


「・・・彩花さん!?それは・・・」

「え?」


ふと名を呼ばれ振り向くと勢いよく腕を掴まれ表情を変えた


「怪我してるじゃありませんか!」

「あ、これは・・・」

「待っていてください!今杖使いを呼んで来ますから!」

「えっあ、スミア、私は大丈・・・」


引きとめる前にスミアはどこかへと駆け出して行ってしまった。そんな姿を見て



(・・・私・・・実は足手まといなんじゃ・・・)


進んではいるも、今の状況は良くない方向に向いていた。これまで失われた

兵の命の数。そしてなによりも解放軍の可能性に気付けなかった自分の愚かさ



「・・・・・・っ」



あの時は、解放軍が寝返ることなく、だから微塵も可能性が考えられなかった。そ

して連戦続きのこの苦しさ。あの時も苦しかったがこれが本来の、皆が受けた苦しさ




(指揮も統率も・・・全部クロムに任せていた。私にだって出来る事があったはずなのに・・・)



もし自分が何かしていれば、解放軍が誘いに乗る事もなかったかもしれない。元々

表立って指揮を執るなんて事は出来ず、自分自身が現在の戦いについていけてない



「・・・こんなの初めてだよ」

「え?」


杖を持ってやってきたリズは彩花の呟きに気づき反応を示した


「今まで戦場で怪我・・・したことなかったんだ」

「ええっそうなの!?」

「そりゃ転んで怪我したり・・・何かで指を切ったりってのはあるけど・・・」


受けた傷は紙や料理中の包丁で切ったなんてもののレベルではなく、今もなお血が

滲んでいた。自分の腕にそんな事が起きるなんて、一瞬見るがすぐに視線を逸らす


「いつも・・・ネールの力で防げたから」


=====================================

次回


脱出に成功したクロム一同。そんな中スミアは怪我をしていた事を黙っていた

彩花を見つける。一方彩花は過去以上に厳しい状況にあれから追いかけていた

存在を思い出す。そしてサイリはついに兄となるレンハとの対決になるのだが・・・


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