INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第21章、お菓子と身だしなみ

リズとマリアベルによりティータイムに招待された彩花だったが思いもよらぬ冗談に思

わぬマリアベルの一面を見る。更に後に訊かされたのはマリアベルの将来の夢。そ

して兵士たちの訓練を見るのだがそこで彩花はフレデリク達より戦法を学ぶのだった
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「彩花ー何してるのー?」

「リズ」


台所と呼ばれる厨房にやってきたリズは台座の上に並べられた材料を見て尋ねた


「今からお菓子を作るのだ」

「お菓子!?」


何を作るのか、質問に対しても返ってきた返答に口元が上がる


「私の分もある?」

「いくつか作るつもりだしあるんじゃないかな」

「わーい!」


普段リズもよくお菓子を作るそうで得意なのは焼き菓子だとか。名前としては上がら

ないものの焼き菓子と言われるくらいだからクッキーやケーキなどそのあたりだろう

手際よく材料が合わさって行く姿にリズも興味津々で眺めていた



「なんだ?」


こうして呼び出すと本人は「?」を浮かべたまま立っていた。リズは経緯を聞いていたのだが


「この間私の作った焼き菓子も食べてたんだよ!」

「本当にお菓子が好きなんだな・・・」

「で?なんだ用って」


この間話した件について用意できたと話すと横に置いてあった物を前に出した


「これが・・・菓子?」

「そう」

「すっごくおいしかったよ!」


茶色い側面の中に白い何かが入っており見る限り液体ではないものの固まっても

いない。なんだこれと得体の知れない物体を見るかのようにガイアは顔を上げる


「・・・これ、食えるのか?」

「タルトっていう食べ物らしいよ!」

「簡易タルトもどき。プロじゃないから見た目とか多少の事は・・・ね」


「・・・!」


次の瞬間、口の中に入れたガイアの表情が変わった


「なんだこれ・・・冷たいぞ!?」

「冷やしてあるんだから当然だよ。この地じゃ見ないと思ったんだけど・・・報酬として合格?」

「あぁ・・・こんなのは初めてだ。すごいなお前」


報酬として合格だと告げると少女は安心したような息を吐くと喜びの表情を浮かべた


「ねえねえ、他にも知ってるんでしょ?」

「え?この大陸に何があって何がないのか知らないけど・・・多分?」

「また今度作ってよ!あ、私も一緒に作る!」



ごく稀に賊が現れただの暴動が起きたなどという話は聞くが戦いは圧倒的に減って

いた。平和な日常を送っていたとも言えたが、今日もまた城内で何かが起きていた


「ガイアさん。その服、昨日も着ていませんでしたか?」


突如現れた人物に突然の言葉、一度は驚くも


「ま、これは俺のお気に入りだからな。・・・ずいぶんよく見てるな」

「すぐ着替えてきてください。しわだらけになってるし蜂蜜こぼした後も目立ってますよ?」

「そうかな?」


その時、ガイアの後ろの方である人物が通りかかった事にティアモは気づく


「彩花!」

「うげっ」


その姿を見た瞬間少女は表情を変えその場から去ろうとする


「待ちなさい!」


が瞬時に動いたティアモによって襟を掴まれ身動きが取れない状態になっていた


「またそんな姿で!きちんと髪を整えなさいって言ってるじゃない!」

「離せええええ!」


じたばたと動くが手が離れる様子はない。するとティアモは襟を掴んだままガイアに向き直り


「髪もぼさぼさだし、いっつも砂糖菓子をくわえたまま
 だし・・・もう少し身だしなみに気を使ってください」

「この程度、大した事ないだろう。最低限の衛生面には気を使って・・・」

「そんなことは当たり前のことです!」



「・・・ちっ、わかったよ。着替えてくればいいんだな」

「髪も整えてきて下さいね。そうそう、脱いだ服はきちんと洗濯しなくちゃ駄目ですよ?」

「え?洗濯してないの?さすがにそれはどうかと思うよ。私だって服くらいは・・・」

「・・・・・・」

「洗濯したあとはきちんと服のしわを・・・」


その時、ガイアは目をつむりながらあれこれいっているティアモから離れていった


「あ、ちょっと!逃げないでくださーい!」

「ガイアずるい!私も・・・」

「逃がさないわよ!ほら、こっち来なさい!直してあげるから!」


こうして引っ張られるまま連れて行かれると強制的に髪を直される

とはいえこの国・・・この大陸では大抵の事が手作業。炎もコンロなんてものがなければ

洗濯も昔話に聞くような川で行う。現代人である彩花からすると重労働にも感じられた



「くっそう・・・旅に出て自由の身になれたと思ったのに・・・ここにもめんどくさいのが・・・」

「言われるのが嫌だったら自分でちゃんとやりなさいよ」

「むぅ・・・」


数日後、今日もまたティアモの叫び声は聞こえた。部屋にかけ込むと眠っている姿が


「お き な さ い!」


揺らす事数秒と数回、やっとの思いで目を覚ますと今にも寝そうな表情で起きあがる


「あ、ガイアー」

「!」


呼びとめられた先には引きずられるように寝かけている人物


「・・・起きてるか?」

「あー起きてる起きてるー・・・・・・」

「ガイアさん!その服!昨日から着替えていませんね?」


やはりかという感じにティアモが指摘すると



「・・・水浴びはちゃんとしてるぞ。服や髪はそんなに問題じゃないだろう・・・」

「ねえティアモ、この近くに温泉とかないの?それか源泉とか・・・」

「ないわ」


冷蔵庫もなければ洗濯機もなく、コンロもなければ風呂は滅多に入れない


「・・・うう・・・ゲームとかこういうのに関しては日本最強だ・・・」


「あぁ、今日は逃げられませんよ?ペガサスを待機させ
 てますから。どこに隠れても絶対に見つけますからね」

「・・・手回しのいいお嬢さんだな」

「散髪用具も用意してますよ。あたしが髪を整えてあげます」


(これはチャンス!)


「それはそれは・・・そこまでされちゃ仕方ないな。だが、どうして俺にそこまで世話を焼く?」

「ぐえっ」

「ガイアさんもクロム様の立派なお仲間のひとりですから」

「仲間・・・か。悪くない響きだな」

「・・・逃げようと思っても逃げられないわよ?ガイアさんの後にやるから」


掴まれ逃げるに逃げられない状態になっていた彩花はため息をついた


「わかったよ。俺の服装でクロムの評判を落としちゃ悪いからな」




「うーん・・・幽霊?いや、まさかな・・・」

「・・・どうしたの?」


兵士の訓練の様子を見ていた後、戻ってくると悩みの声を発しているルフレを見つけた

その近くにはカラムさんの姿もありルフレに声をかけると驚いたように反応していた


「うわっ!・・・なーんだ、カラムか。びっくりしたぞ」

「ごめん。なんだか難しい感じで悩んでるみたいだったから・・・心配で」

「?」

「あ、彩花。実は・・・最近みんなから奇妙なことが起きてるって相談されてるん
 だ。考えれば考えるほど謎めいていて、なにが起きているのかわからない・・・」


軍師でありあらゆる戦いの知識を持つルフレが悩む姿など珍しいと2人は思う


「ふぅん・・・どんなことが起きてるの・・・?」

「なんでも・・・みんなで雑談していると、いつの間にか飲み物が置かれてい
 て。しかも、杯がその場にいる人数よりひとつ多く置かれているんだそうだ」


誰も用意した覚えがないようで幽霊の仕業とも噂も立っているそうだ


「・・・それ・・・僕だな・・・うん」


自分が皆に飲み物を配っていたと言うと一つ杯が多いのは誰も気づかなかっただけでカ

ラム自身のものだろう。影が薄いのもここまで来るとちょっとした怪談だとルフレが呟くと


「でも・・・彩花はいつも気づくよね・・・」

「え?」


振り返ると誰もが驚いたり気づかない中少女だけはいつも存在に気づくのだと言う


「ふっふっふ、私隠れるのも見つけるのも得意だからね」

「・・・すごいな・・・」

「むしろなんで皆が気づかないのかが不思議でしょうがないよ」


カラムの影の薄さは誰もが知っており彼が話しかけるたびに驚いている姿は何度か見

ていた。彩花が気づくのは元々気配などに敏感な事からなのだが、そこで彩花は告げる


「影が薄い人は私の知り合いにもいるしね。その人はそれを武器にしてたよ」

「武器に?」

「ほら、影が薄いって事は見つかりにくいってことでしょ?それを武器にすればいいんだよ」

「・・・そ・・・そうか・・・」



ここでの時間は、どこにでも時計があるわけではないからか故郷にいるときよりも

流れ方が違う気がした。空が赤く染まり出すと夜が訪れようとしている。逆もあり



「・・・?」



木陰の中歩いていると何かの音が聞こえ気になるとゆっくりと近づいた。すると子供達に

囲まれて一人の女性が踊っている。音楽は流れていないのにまるで流れているかのよ

うに優雅で、そこだけ時間の流れが違うようで立ち止まると舞から目を離せずにいた



「ふう・・・ってあっ」



ふと目が合うと踊り子のオリヴィエは驚いたように声を発した



「み、見てらしたんですか!は、恥ずかしい・・・!」

「あー・・・偶然通りかかっただけで・・・」



軍の中でも彼女と会話をしたことはほどんとなく、沈黙が数秒間流れると



「さっきの踊り・・・すごかった」

「そ、そうですか?」

「うん。だって私あんな綺麗に踊れないもん。私の中じゃダンスって音があってこそのもの
 だと思ってるんだけど・・・オリヴィエさんの踊りは音がないのについ目が離せなくって」

「そ、そんなに褒められると・・・は、恥ずかしいですー!」


顔を真っ赤にすると振り向くがその瞬間、子供達が更なる踊りが見たいと声を発した

しかしずっと踊っていたからか、オリヴィエさんからは息が上がっており彼女は戸惑う



「あ、あの、ええと・・・」



なんとか傷つけぬように断ろうとしているものの困ったようにしていると一人の女の子が


「あ、おねーちゃんこの間の!」

「え?」

「おねーちゃん、また歌って!」



驚いたように横を向くと苦笑いをしながら少女は答えた


「あー・・・私、歌うのが好きなんだよね。それで前ここで歌ったんだけど・・・」

「そ、そうなんですか?」

「あのね、おねーちゃんの歌すごく上手なんだよ!」

「・・・私も聞いてみたいです・・・」

「えっ」



わらわらと人が集まると逃げ出せる状況ではない。ため息をつきながらも嬉しそうに



「じゃあ・・・」



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次回

ある日の事彩花はフレデリクより指南を受けているルフレを見つける。彩花はルフレ

より戦術書の本を借りて勉強しようとするのだがと思わぬ内容の難しさに絶句する。ル

フレに解説してもらうことに、そしてルフレも彩花より戦術を教わろうとするのだが・・・


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