INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第20章、お嬢様

ペレジアに勝利し平和な日々を取り戻しつつあったイーリスではクロムを始め一同が戦争と

は関係のない話が飛び交っていた。それは趣味の話だったり過去の話だったりクロムの行

動に心配するルフレだったがクロムは自分の目で見極める事に意味があると言うのだった
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昼さがり、彩花はリズに呼ばれるがままイーリス城の中庭に着ていた。喫茶店の一角のような

テーブルとイスがある中その一つに座っていたのは見た目も口調もお嬢様なマリアベルだった


「マリアベル、この紅茶美味しいね!」

「そうですわね。リズの好きな柑橘系の香りを茶葉に移してありますから」

「え、これちゃんとした茶葉から・・・くっ、流石はお嬢様」

「きっと気に入って頂けると思っていましたわ」


すっかりリズと仲良くなった彩花だったがマリアベルは壁はある程度取り払われたとはいえど

未だに薄い壁を感じていた。よって必要時以外に話す事はそうそうなく今もリズに呼ばれたから

来ただけなのだ。縁のない人からすると貴族が飲むような高級の紅茶はどこか落ち着かない


「へ・・・?わたし、柑橘系の香りが好きなの?」

「自分で気づいていなかったんですの!?もう何度もお茶をご一緒していますけどリズが
 美味しいというのはいつも柑橘系の香りのするお茶でしたからわたくしはてっきり・・・・・・」

「へぇ、そうだったんだ。わたし、こういう香りが好きだったんだね」





そこでマリアベルは初の参加となる彩花にも感想を問いかけると彩花は美味しいと答える





「美味しい・・・けど・・・」

「なんですの?」

「・・・庶民がこんな高級そうな紅茶を飲んでいいものか・・・」

「そんな事を気にしていますの?もしかして、初めてお飲みに?」

「いや、初ではないんだけどなんというか・・・ねえ・・・」


買った時からティーバックに入っておりお湯を注ぐだけでできるものとは違いマリアベルが用意

したのはお茶もどうぜんの茶葉から蒸らしたり時間をおいて作られた手間のかかった紅茶


(これを普段から飲んでるってお嬢様はやっぱすごいわ)


「すごいね、マリアベルは。わたしよりわたしのことをよく知ってるみたい!」

「そりゃそうですわ。だってわたくしは、リズの親友なんですもの」


胸を張って告げるマリアベルに対してリズもそうだと笑っていた。そこで彩花はある疑問が浮かんだ



「マリアベルはどんな紅茶が好きなの?」

「そういえばわたしマリアベルの好きなお茶がどんなのか知らないや」

「あら、残念ですわね。では当ててみてくださいまし」


なぞなぞ形式で言われたリズはバラの入ったお茶、ミルクの入った紅茶など次々と答えを出

すがどれも外れ。リズ自体お茶の事にはあまり詳しくないようで選択肢は途切れたようだ


「えー・・・わたし、あんまりお茶のこと詳しくないから他に何があるのかわかんないよー」

「ふふ、仕方ないですわね。それでは正解を教えて差し上げますわ」


ふと彩花は横で何かが動いた事につられ横を向いた。小鳥が飛んでいったのだがいくら小さな

国とはいえどその中心、城である事は紛れもない事実で美しいと呼べる庭に見とれていた


「わたくしが好きなお茶は・・・」

「好きなお茶は?」

「熊野生き血が入ったお茶ですわ」




「ぶーーーーっ!!げほっげほっげほっ!」

「うぇっ!?」


風景に合わさって日差しによる温かにほんわかした気分になっていたところ隣からとんでもない

言葉が聞こえた気がした。想像を超える言葉に吹きだしたリズに続き彩花も思わず振り返る


「ってリズ大丈夫!?」

「リズ!お茶を吹き出すなんてはしたないですわよ!?」

「だ、だって、そんなお茶があるなんて知らなかったから・・・!!」

「今のはただの冗談ですわよ!ほら、早く口の周りを拭いて下さいまし!」

「えぇー!?冗談だったの!?わたし、うっかり信じちゃったよ・・・!」


そんなお茶あるはずがないと思いつつお茶に詳しいマリアベルの事だ。もしかして本当に存在

しているかもと彩花も一瞬思った。世の中には珍味と呼ばれる想像できないような食べ物もある


「じゃ、じゃあマリアベルの好きなお茶ってほんとは何なの・・・?」

「わたくしの好きなお茶は、リズが好きなお茶と一緒ですわよ。わたくし、リズが喜んでくれる
 のが何よりうれしいんですの。好みの茶葉がありましたら、わたくしに何でも言って下さいな」

「う、うん・・・ありがとう・・・」


うまくごまかされたような気がするとリズは心の中で思いつつお礼を述べた


「うーん・・・」

「どうしたのさ?」


一日の中で城の中では色んな人に出会う。その一人ソールはどこか考え込んだような顔をしていた


「マリアベルがね・・・」

「マリアベル?」


ついさっきまで共にいた人物の名が出た事に驚くがそこから聞かされたのは意外な話だった

最近のマリアベルは睡眠不足のようでその理由は様々な書物を徹夜して読んでいることから

らしい。その事に気づいたソールはマリアベルに胃薬を渡したのだという


「え?あの人そんなに勉強家なの」

「将来法務官になるのが夢で多少の無理は覚悟の上だって言ってね・・・」

「ほ・・・法務官!?」


国に大きく関わる役職だけあってなるのは相当難しいだろう。それを聞いた彩花は徹夜をし勉強

するのも頷ける。それほどの努力がなければなることも出来ない役職だということは想像がつく


「手伝うって言ったらお礼に僕の夢を見つける事を手伝うって言われてさ」

「夢?」

「僕・・・これといった夢がないんだよね」



ソールの実家は薬屋でソール自身薬を作るのは得意だとルフレから聞いた事がある。それ

を継げばいいのではないかと尋ねるがそれとは別にこれといってしたいことが見つからない

と言った夢が見つからないのもまた一つの悩みであるとはよく聞くが経験がないことから



「夢・・・ねえ」



嵐のような戦いが終わり、修復作業を手伝っていたのだがここにきて気づいた。かつて城

の中に滞在した事は何度かあったがこうも長期間留まるのは初めてのような気がしていた


「・・・・・・」


街を歩けば賑やかに世間話をしたり買い物している人の姿が。そして城では従来の日常

なのか訓練に励む兵士たちの姿が見られた。そして訓練するのは兵士だけではなく・・・




「とぉりゃあああああっ!!」




兵士達が訓練用の槍を持ったまま駆け出すもその人物は難なく攻撃を弾き返した



「くっ・・・ま、参りました・・・」

「まだまだ力の使い方がなっていません。より一層、鍛錬に励んで下さいね」

「はっ!ありがとうございました!」




(あれは・・・フレデリクさん?)



人が入れ換わりやりとりは続けられるもその度に部屋中に響く怒涛の声



(うわあ・・・)



国に仕える機関として当然と言えば当然なのだが、そうでもなければ勤まらないだろう

が体育会系ともいえる返事と威勢に思わず顔が引きつる。こういう空気は苦手なのだ


「・・・・・・」


ふと、後ろに気配を感じると室内だというのに魔法使いのような帽子を被った女性がいた

魔法使いのようではなく彼女は正真正銘の魔道士でありメガネからか知的な印象を受ける


「ふぅ・・・」

「・・・・・・」

「ミリエルさんそれに彩花さんも。どうしたのですか、そんなところで」



違和感を感じざるを得ない遠い距離から覗いていたから不思議に思ったのだろう。する

と動じることなくミリエルさんは中へと入って行くと一呼吸置いたフレデリクさんに向かって



「今・・・兵士の斬撃がフレデリクさんに触れると見えた瞬間・・・逆に・・・兵士の身
 体が吹き飛びました。フレデリクさんは軽く右腕を払っただけに見えましたが・・・」

(え?)

「あれは・・・なんだったのでしょう?私には物理法則を無視した動きに見えたのですが・・・」

「ミリエルさん、あの動きが見えたのですか?いい目をしていらっしゃいますね。私
 が最初にあの動きを見た時は、腕が動いたことにすら気づかなかったものですよ」




観察眼だけは自身があると言い張るミリエルさんに対しさっきあったことを

思い返すが苦手とする空気に気を取られていて細かな所まで思い出せない




「目がいいというのはそれだけで立派な武器になります」




自分も観察眼にはそれなりの自身があった故にもう一度見てみたいと思った



「どうでしょう、ミリエルさん。私と手合わせする気はありませんか?」

「先ほどの技の正体も教えていただけるのでしょうか?」


それ相応の技術を必要とし身につけるのは大変だと言うと構わないと返す。こう

して2人の手合わせが始まると今度こそと一瞬一瞬を見逃さぬよう凝視していた




「む?あれは・・・」



ふとクロムが通りかかりそこにいたのはフレデリクとミリエル、それを瞬きせず見ている少

女の姿だった。話しかけようと中に入り近づいた時、普段とは違う雰囲気に言葉が止まった


「・・・・・・」

「・・・・・・」


自分が来た事に気づいていないのか、それほどまでに2人の戦いに見入っているのか

目は鋭く、クロムの方になど見向きもしなかった。そして戦いが行われる中それを見ては




「・・・そういうことか」




見た事もない鋭い目と真剣な表情に声をかけるにかけられずにいると



「おわっクロム!」

「随分と見入っていたな」



突然の姿に近づいていた事に気づかなかった事に驚きながらそっぽを向くも数秒後、

苦笑いしながら今まで見た事ない動きだったからつい見入っていたと彩花は告げた



「相手の動きを見極める事こそ攻略の鍵だからね、いつどんな敵と戦う事になっても
 困らないように色んな戦いを知る必要がある。ここの人達を見てると勉強になるよ」


「・・・・・・」




場所は変わり準備を終えた彩花は外へ出ようと扉を抜けた。そして向かったのは市場




「うーん・・・」





至る所に並べられた物を見ては唸り声を上げている



(やっぱり驚かすにはここじゃ食べられないもの・・・)



事の発端はガイアとの会話。元々この軍の者ではなかったがある事をきっかけに協力し

ていたのだ。そして復興作業に関わる報酬として、お菓子を渡す事を決めたのだが・・・



(ここになさそうなもの・・・アイス?饅頭?ケーキ?)



この地になさそうなものならいくらでも思い浮かぶがそこから作れそうなものとなると

一気に選択肢が消滅していく。アイスを作るにも肝心の機械がここにあるはずはなく

全て手作業となるとどうやって作るのか作りかたを知らないのだ




(いやしかし・・・クッキーなんてありそうなものじゃ報酬として成り立たない)




どうせ渡すなら申し分ないと言わせるような、驚かせるようなものにしたいと思っていた




(ティラミス・・・作りかた知らない。インターネット繋がらないから調べる事も出来ないし・・・)




自分が作り方を知っているもので驚きそうなものはなにか、材料を見ては悩んでいた。小

麦粉や砂糖など代表的なものはあるのだがパイ生地や粉砂糖など少し特殊なものはない



(和菓子・・・とも思ったけど餡子ってどうやって作るの)




その時、ある物が入った瞬間頭の中にあるものが浮かんだ



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次回

以前ガイアにある約束をした彩花は約束を果たすために市場に来ていた。そしてか

つて食べた事のなさそうなものを考えた結果あるものを作る。そんな二人だったが共

通の強敵とも呼べる人物がこの城にはいて・・・それは真面目さ故に起きる事だった


NEXT 第21章、「お菓子と身だしなみ」


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