INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第19章、自らの目で

ペレジア王国との決戦。圧倒的な兵差の中ギャンレルの元に届いたのはペレジア兵の混乱

エメリナの残した言葉により一部の兵が戦闘を放棄する様だった。その事に気づいたクロムは

考えを改めギャンレルに挑み見事勝利を果たす。血の流れる日々は終わりを告げるのだった
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「・・・あんたは・・・」

「!」


とある石碑の前、手を合わせていると隣から声が聞こえた。ハッとなり振り向くと褐色肌の

女の人、フェリア連合王国国王のフラヴィアさんだった。彩花の目の前にあるのはあの戦い

によって命を落とした人達を称えた石碑であり英字らしき文字が彫られている


「みない顔だね。イーリスの・・・?んん?」

「お邪魔してます」

「あの後聖王を助けたっていう・・・」


今回の戦いで失われた命は数知れず、戦争であるが故それは避けられない事なのだ

一方その頃、イーリスではルフレがずっと思っていた疑問をクロムに問いかけていた




「記憶喪失で倒れていた時、なぜ僕を拾ってくれたんだい?」

「なにを聞くかと思えば・・・決まっている。目の前で倒れていたからだ」




改まって尋ねたいことがあるとやってきたルフレに対し構えていた所飛んできた質問はあ

っけないもので呆れたようにクロムは答えた。そんな答えにルフレはそれだけかと尋ねる




「それだけ?」




他に理由がいるのか、問いかけるクロムに対し罠だとは思わなかったのか尋ねると当

初の事を思い出し告げた。当時一番疑っていたのは給仕のような存在フレデリクだった


「苦しむ者、困っている者がいるのに黙っておくわけにはいかないだろう」

「・・・助けてもらった事には感謝してるよ。でも、正直危うさも感じる」



本来なら数日間かかる道のりだが彩花にかかればほんの数分、数秒で移動できる。イー

リス城付近に戻ってくると歩きで中へとはいる。すると聞き覚えのある声が聞こえてきた


「君が持つその正義感がいつか君自身を陥れるんじゃないか?今後は用心をして・・・」

「そうはいかない。俺は今後も変わらない。目の前に倒れているものがいれば助ける」

「けど・・・」

「なーんかクロムってどっかの誰かみたいだね」


ふと声が聞こえると扉の隙間からここを開けていた人物が覗いている事に気づいた


「どっかの誰かって言うか・・・絵にかいたような主人公?」

「もう帰ってきたのか?」

「はっはっは、フロルの力があればちょちょいのちょいよ。でも、それなんとなくわかる」



目の前で誰かが倒れていれば助けずにはいられない。敵か味方かなんてなりふり構っていられない


「でも、ルフレの言うとおり『もしかして』の可能性は考えておくべきだよ」

「それに最近は少数で回ってるとも聞くし・・・」

「少数?出会った時みたいに?」

「俺のことを狙っている奴があたりをうろついているかもしれん。だが俺に助けを求めてい
 る連中がいるかもしれんのだ。こんな情勢の世の中だ。それを見捨てるわけにはいかん」

「他の者ではだめなのかい?」


自分で見極める必要があるとクロムは告げた。いい例が一つ、それは目の前にい

ると。クロム以外の者の判断に任せていたらルフレは今クロムの横にいただろうか


「お前だけじゃない、他の連中もだ。自分で動くことで俺は多くの危険を冒した
 かもしれん。だが、それを上回る多くのつながりや信じる心・・・『絆』を得た」


ルフレとの絆、そのほかの者との絆、村人達との絆、世の中との絆


(絆・・・ねぇ)


「それがなければ今までの勝利もなかった。『絆』が俺たちの戦いを支えて
 いるんだ。俺はそう思っている。だから今後もこのやり方を変える気はない」

「面白いねえ、いいと思うよ?知りたがりっていうのかな、自分もそうだしね」


王族であるクロムの身を心配しての言及でありどこか納得いかないようなルフレだっ

たが肯定的な言葉にふと横を向いた。するとそこには楽しそうな表情の彩花の姿が


「いやあ、特別な身分だと大変だよね。好き勝手出来ないしみんな心配性だし。自分がどん
 な存在で何かあった時どんな影響がって言われても確かめたいものは確かめたいもんね」

「彩花!?」

「その『何か』がないように護衛はいるもんじゃないかな?いやあ面白いなあクロムは」

「そ・・・そうか?」


荷物を置くために部屋に戻ろうとしていると、彩花はとある人物に遭遇する


「彩花さん!」


出会って当初から何かあるたびに転んでおり何もない場でもよく転ぶためドジっ子と認定

していたペガサス使いスミアの姿を見つけた。その手には何冊もの本が抱えられている


「スミア、こんなにたくさんの本どうしたんだい?」

「ってルフレ、クロムへの説教は終わったの」

「まぁ・・・ごきげんよう、ルフレさん。輸送隊の中から出てきたんです。私、その場に
 偶然居合わせたものですから。折角なので何冊かお借りして読んでみようと思って」


抱えられた本は落ちついた色から一目で目立ちそうな色の背表紙のものがあり


「へぇ・・・面白そうなのもたくさんあるね」

「では何冊かお読みになりますか?一人では一気に読み切れませんから・・・」


どれがいいですか?と机に本を広げるスミアに対しルフレは迷っているようだった


「じゃあこれなんかどうですか?『本当は怖い、村訪問』」

「んー・・・すまない。できれば怖くない話がいい・・・かな?」

「す、すみません!えっと・・・『昼下がりのならず者』は・・・」

「うぅーん・・・あの・・・他も全部こんな感じなのかい?」


見たところ、ルフレが読みそうな難しい本はなく童話や神話、しかもタイトルがよくわからない

ものばかりだった。どんな話しなのか想像がつかない、ルフレですらも反応に困っていた


「はい・・・すみません・・・私、本を選ぶセンスまで落ちこぼれで・・・!本当に・・・すみませ・・・」

「あぁー泣かないで!じゃ、じゃあ借りようかなこれ!すっごく面白そうだなあー」


(すっごい棒読み・・・)


明らかにわざとらしい口調であるもののスミアを見ると喜んでいる事に喜んでいるよう

だ。言われるがまま、彩花も一冊借りると約一時間後、スミアの元へとやってきた


「読み終わったよー」

「早いですね!?」

「私、本読むの好きだから。読むの早いってよく言われる」


その後も何度か繰り返しスミアの部屋と行き来していると何回目かの時ルフレがやってきた


「彩花も返しに?」

「やっぱ外国の本って読む機会ないからね!文字は日本語だからそんな感じないけど・・・」

「ちなみにスミアは何を読んだの?」

「私は・・・これです」


そういい持ち上げた本のタイトルは『聖戦の系譜』と書かれていた。まともなタイトルな

ことにルフレが告げるとどうやらこれは実際にあった戦争を元にした物語だそうな


「面白そうだね」

「ルフレさんは・・・物語がお好きなのですか?」

「うん、好きだよ」

「私もです!本を読んでいる間だけは、私、落ちこぼれの女の子じゃないんです
 。かっこいい英雄にも世界一の魔法使いにもなれる。素敵なことだと思います」


数時間後、彩花は手の空かないフレデリクに代わりバケツを両手に持って城から出ていた


(排気ガスとかがないから川の水も綺麗なのか・・・)



その内容は水を汲む事。この地に水道は通っておらずほとんどは川から汲んでいるという


「!?」


河川に出た時、誰かがいることに気づく。その人物も物音に彩花の姿に気づくのだが


「う・・・わわっごめん!」


水が自由に使えないという事はこの地では風呂もそう簡単には入る事は出来ない。この

城では人によって日にちが決められておりその日に入ると言うスタイルだった。ガイアは

ふと下にあったバケツに気がつくと何しに来たのか察しがついた


「いや・・・俺こそすまない。はぁ・・・こんな中途半端な腹筋を見せてしまうとは・・・」



ため息交じりに川から離れたガイアだったが無言でいた少女に気づくと


「こ、腰布はちゃんと巻いてたぜ!?」


ぶつぶつ呟きながら服を着ていると気になり横目で見た彩花は何かを見つけた



「その模様・・・」

「!」

「はっ・・・まさかガイアは貴族なのか!?」


クロムやリズがそうだったように印があるということは貴族なのではないかと安易な考えが浮

かんだ。盗賊だというのに貴族とはいかがなもものか。すると返ってきたのは否定の言葉だった


「違う!・・・こいつは犯罪を犯した者が押されるものだ」

「え?」

「昔、依頼でヘマしちまってな」


エメリナを救出しガイアやグレゴたちへの依頼は一区切りをついていた。グレゴはこの

地の復興も含めて再契約したのだがガイアは再契約をすることもなく未だここにいた


「できれば内緒にしといてくれ」

「あ・・・あぁ、わかった」

「恩に着るぜ。お礼に今夜の晩飯お前に全部やるから」

「いや、そんなにいらないよ。っていうか食べないのは身体によくないって言うでしょ」


食べられないことはないものの断ると考え込んだような素振りを見せると思いついたように


「あ、さては甘党か?仕方ないな・・・じゃあこの焼き菓子を・・・・・・わか
 った。こんなもんじゃダメだな。ほら、この秘蔵の砂糖菓子でどうだ?」

「っていうかいつも隠し持ってるの!?あっつい所行ったら溶けるじゃん!」


おもむろに叫ぶと叫びきったところで彩花はなぜこんなことを言い出したのか察しがついた


「何かくれなくても喋らないって!」

「・・・そうか・・・」





「ところで、報酬分の依頼はやったのになんでまだここに?」

「後片付けの人手ににクロムのやつが可能ならって言うんでこうして手伝っているわけだ」

「え、何?お金貰ったの?それともお菓子?」

「いや?報酬はまだだ。・・・だから菓子をよこせ!」


そんなにあのポロックが気に入ったのかと叫ぶと彩花は飛び退った。いざという時の為

に存在するものでありこれ以上取られるわけにはいかない。別の方法をと考えていると



「わかった!なら私がお菓子を用意する!」

「何?」

「それが報酬でいいでしょ?」

「・・・わかった。報酬に見合った菓子を頼むぜ」


「・・・ふぅ」

「なにため息ついてんだ、らしくねぇ。無口なマリアベルなんてかわいい女の子に見えちまうぜ」


大部屋にいた時、隣からため息が聞こえた事にヴェイクは信じられない様子で尋ねるが

この言葉に対し返ってきたのはまたしても意気込みの感じられないそっけない返しだった


「あぁ、ヴェイクさんですの・・・」

「いつもだったらよ・・・『口を開いたらかわいくないとでも!?』って食ってかかるじゃねえか」

「・・・・・・」

「おいおい、ほんとに元気ねぇな」


数秒後、マリアベルの口から出たのは自分に関する事だった


「・・・ヴェイクさん、わたくし・・・人を見下しているかしら?」

「はぁ?なんだいきなり?つーか今頃それに気づいたのかよ?」

「やっぱりそうだったんですのね・・・最近、自分の物の見方について色々考えてお
 りますの。わたくし、誇り高くあるということを履き違えていたんじゃないかって・・・」


「へっ。最初の時なんてすごかったぜお前。庶民なんて眼中にありませんわって感じでよ」


育ちは関係なく当時はヴェイクの頭の悪さに呆れただけだと気の抜けた声で告げる


「な、なんだとぉ?お前、人がせっかく見直したのに・・・」

「見直した?」

「自分が間違ってたって認めて変わろうとしてるじゃねえか」


簡単にできる事ではないと、偉いことだとヴェイクは告げる。だが返ってきた言葉は



「・・・ヴェイクさんに言われましても」

「おい!今、俺のこと見下したんじゃねーか!?」



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次回

リズとマリアベルに呼び出された彩花は場違いのようなお茶会に参加する。そこでマリ

アベルはリズの好みを当て自分の好みを当てるように告げる。そんなマリアベルに対し

て性格に難があることや心配事があるとソールを始めとしたイーリス一同は告げる・・・


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