INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第11章、弱き者、それは

イーリス城を襲う暗殺者達を退ける事に成功するもマルスと名乗った少女はクロム達の

前から姿を消す。かつての経験と類似した話を聞いた彩花はやるせない思いの中再び

イーリス城を出るときが来る。だが道の途中とある人物が助けを求めにやってくるのだった
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「5人、5人貸してくれない?」

「えっ?」

「自分を含めて6人なら・・・よっぽどのことじゃない限り行けると思う」


彩花はクロムとルフレに戦力を2分割することを提案する。半分より多い数を

クロム達に、自分を含め6人を村人達の救出に向かわせられないかと提案した




「村人を助けたらすぐに合流する。なんなら一人で行っても構わない」

「一人で!?」




リズが驚きの声を上げる。だが最初彼女と会った時は一人で賊と戦っていたのだ




「・・・いや、5人連れて行け」


クロムの許可により救出に最適かつクロム側の戦力も十分に残るように選出すると


「なるべく早く合流するからさ。さて、ドニだっけ?アジトの場所は分かる?」

「だ・・・大体なら」

「よし。じゃあ行こうか」

「あ、あぁ!恩に着るべ!」




彩花を始め数人がクロム達と分かれるとクロム達は当初の予定通り移動を再開した。目的地まで

歩くほか手段は無く一日に移動できる範囲は限られている。すでに別れてから数日が立っていた




「疲れたよー!お兄ちゃーん!歩きっぱなしで脚が痛いよー!」

「この山を越えればもうすぐだ。ルフレも大丈夫か?」




問いかけに対しなんとかと答えると神官が落ち着かない様子で辺りを見渡していた




「神官様、どうかされましたか?」

「な、なに、追手が来ないか心配でな。落ち着かんのだ、ははは・・・」

「クロム、あの人は・・・」


初めて見る姿に尋ねると長年王女の元でイーリスの政務を助けてくれた人だと説明する



「ルフレ、どうかしたのか?」

「はっきりと言えないけど、何か様子がおかしいような・・・」



その時クロム達の前に数人の男達が現れる。姿は賊となんら変わりないが武装の

中に記された模様を見てここにいるはずのないペレジアの兵だという事に気づく



「止まれ!」

「ペレジア軍!なぜこんなところに・・・!全員、戦闘準備を!」



時刻は夜、この地域には城やそれなりの豪邸出ない限り電気などないため一般的な明かりと言えば

火によるものだった。松明が門の前で燃え盛っている中門の向こうではある会話が広げられていた


「おい、さっきの話は確かなんだろな?」

「へい。間違いなくイーリス王子とその一行でした」

「けっ!なまっちょろい王子様ごときに俺達が負けるかよ!」



一人の男が笑い声を上げていると横から女性の叫び声が聞こえた



「奪うものはもう何もないべ!みんなを帰してくだせぇ!」

「ロムゴーさん!こいつ、あのガキの母親ですぜ!」


隣にいた山族が告げると中年の容姿の女の人を見てある事を思い出す


「・・・お前、確か・・・昔ここに来たとき、俺に怪我させたあのクソ野郎の女房だな?」

「そうだべ・・・よくもうちの人を・・・!」

「ってことはあのガキは野郎の息子か。親子ともども俺に逆らいやがって」



ロムゴーは女性に向かってもし子供を捕まえたら目の前で殺すと脅した



「おい女!ガキを捕まえたらお前の目の前で殺してやる」

「そんな・・・あの子は・・・ドニだけは!」


同時刻、ドニに案内されて彩花を含め6人がやってくるとある建物の前で立ち止まった


「こ、ここが奴らのアジトだべ・・・」

「わお、意外と大きい」


砦とも呼べる建物が目の前に広がっていた。廃墟とされていたのかはわからないが

一通り見渡すと懐からあるものを取り出し数十分、画面を見ながら彩花は声を発した



「あーらら、意外と人数多いなぁ」

「それはなんですの?」




マリアベルが除くと画面には赤い点となにかの見取り図のようなものが表示されていた




「説明すると長くなるけど簡単に言えばうちの国の技術?赤い点が人、ここの見取り図だよ」

「見取り図?どこでそんなものを・・・」

「さっき変なのが飛んでったでしょ。あれには超小型カメラ・・・うーん・・・目の前を映すもの 
 がついていてそれがここに表示されてるの。多分この固まってるのが村人たちだよね?」


当然見張りも含め山族も何人かは含まれるだろう。想定外の多さに


「どうするかな・・・」

「やはり6人じゃ無理があるんじゃ・・・?」


リヒトが告げると数秒後、彩花は口を開く。そしてそれぞれに指示を出していく


「OK?・・・で、君はどうする?」

「おら・・・戦ったことなくて・・・。お、おら・・・母ちゃんを助けたい・・・でも・・・でも!」




自分はただの村人、上手くできる自信がないと迷った声で告げる




「おらがもっと強かったら・・・あんたらみたいに、強かったら・・・!」

「誰もが最初から強いわけじゃない」



ガチガチに震えるドニの横で彩花は口を開く。かつて自分は戦いに縁のない場に住んで

いた事、ドニと同じことを思った事が何度もあること。自分の無力さに腹が立った事



「自分は弱い、けど助けたい。もし戦う意思があるなら・・・」

「・・・・・・」

「事が起きてからじゃ遅いんだ。大丈夫、君を死なせたりしないよ」

「・・・わかったべ。おらはおらの、できることをするべ!」

「さて・・・皆、準備はいい?」



深夜に差しかかった頃、異変は起きる。ならず者達は遠くから悲鳴が聞こえた事に気付いた



「なんだ!?」

「奴らが来ました!」



報告に口角を上げると直後仲間の一人が蒼白の状態で叫んだ



「で・・・ですが!同時に別の場で数々の獣が襲ってきています!」

「獣・・・?半獣か?」


『ドニとカラムさんは行動開始次第村人の元へ向かって救出を。ルートはガイアの指示に従って』


「母ちゃん!」

「ドニ!?」


現れた姿に村の人々は驚いた。そして2人の周りには4足歩行の獣が取り囲むように存在していた

が村人に攻撃する素振りは見せない。驚いたならず者が襲いかかろうと斧を振りかざすと振り下ろす

前に動きが止まると鈍い音を立てて倒れた。人々が唖然とする中男には数本の矢が刺さっている



「まったく・・・貴族的じゃないな」

「ヴィオールさん!次が来るよ!」

「やれやれ」


『壁を使ってリヒトとヴィオールさんは賊の迎撃と3人の護衛を』


「・・・・・・」

「なんだぁ?イーリス王子じゃねえじゃねえか。しかも女2人とはな」

「何と野蛮な!」

「けっ!辺境の怖さを教えてやるぜ!」

「いいですわ、受けて立ちますわ!」

「・・・マリアベル、君は戦えないでしょ」


『そして私がリーダーを迎え撃つ。マリアベルは怪我人を見つけ次第治癒に』


剣が手に現れると無言のまま彩花は駆けだすと残っていた族の攻撃を受け流した。背後

から攻撃が染まるが2人の間から姿が消えると2つの武器は相打ちとなりはじけ飛んだ




「どこへ行きやがった!?」




2人が辺りを見渡した瞬間、鈍い音が背後に聞こえた。振り返ると倒れたロムゴーの姿が

このまま戦いを続けるか、優しさのかけらもない表情で問いかけると男達は去って行った




「やったべ!おらたち・・・あいつらに勝ったんだべな?」




一同が集まるとドニは振り返り母の元へと駆け寄った。彩花とマリアベルがやってくると同時に

村人を護るように囲っていた獣達が姿を消した。村人達が驚く中ドニの叫び声がこだました


「母ちゃん!」

「あぁドニ!よかった・・・本当によかった。村とこの子を救ってくれてありがとうございます」

「お礼ならイーリス王国のクロム様に言ってあげてください。今は色々ごたごたしてますけど」


ドニもまたお礼を告げると引き続いてお願いがあることを告げた


「おらも・・・クロム様達と一緒に・・・一緒に行かせて欲しいんだべ。お願いします!」

「ドニ!なにを言いだすべか!」

「おらは、もっと強くなりたい。この村をひとりで守れるくらい。今までずっと自信がなかったべ。おらに
 できることなんてなにもないって。でも、おら・・・おらに出来る事をもっと追いかけてみたいんだべ!」

「そんな・・・農作業しか知らねえあんたじゃ、こんな立派な方達のお役には・・・」

「いいんじゃないの?」


少女の声に2人は会話を止め振り向いた


「農作業してただけいいんじゃない?土を耕したりして力はありそうだし。私も家に畑は
 あるけどそんなに広くないし力がなさ過ぎてクワを使ってもすぐにバテちゃって・・・・・・」


かつての自分がそうだったように探すことで新たな発見があり新たなことを知ることが出来る


「出来る出来ないは、案外やってみないとわからないもんだよ?しようって思ったんならね」

「けど・・・足手まといになりゃしないかねえ・・・」

「最初から迷惑かけないなんて天才はそうそういませんよ。色んな経験を得て、反省し
 て人って成長するものだと私は思っています。クロムも、反対はしないと思いますよ?」


「そんな・・・ここまで言ってもらえて・・・もう、子供じゃないんだねぇ・・・」

「母ちゃん・・・」


数秒の沈黙の後、目を閉じていた女の人は目を開くと告げた


「いってらっしゃい、ドニ」

「!」

「あんたが強くなって帰ってくるの・・・お母ちゃん待ってるべ。楽しみにして、待ってるべな」

「・・・あぁ!いってくるべ、母ちゃん!」


新たにドニを加え7人になった一同はクロム達と合流するために背を向け歩きだす


「ドニ・・・無事に帰ってくるんだべよ・・・」

「絶対・・・なんて言えませんけど、死なせはしません」

「!」



ぽつりと独り言をつぶやいた彼女の元に聞こえたのはまたしても彼女にしか聞こえないで

あろう声。ハッとなり顔を上げると少女は迷いのない力強い笑顔を見せ振り返ると歩き出した



「しかしマリアベル、良く来てくれる気になったね?」

「・・・以前助けて頂いたのですから、これくらい当然ですわ」

「わお、さすが貴族様は素晴らしいね」



今回の戦いで見たのは懐かしき風景。あの時の自分と色んな意味で似ていた気がした

父だけが特殊なのだと思っていたもののドニもまた最終的には自分と同じ結果になったのだ



「それは嫌味ですの?」

「まあ半分は?けどお嬢様とはいえその感じ、なかなかに面白いし意外だとも思ったかな」

「・・・ところで、あれは・・・あの獣は何なんでしたの?」

「あれ?ほら、想定外の人数の多さだと自分達だけじゃ厳しいと思って少しでも
 戦力を減らそうとした策・・・実在するわけでもなくただの見せかけ、偽物だよ」

「偽物・・・?」



偽物と思わない賊たちはむやみに攻撃をしかけることは無いと、上手くいけば獣に備わる

鋭い牙や爪に恐怖し逃げだすのではないかと仕組んだ策。注入する魔力さえ変えれば実在

させることもできる。その場合人間に攻撃することさえ可能となるのだ




「魔法の一種でないものをあるように見せる。使い方によってはこうもできる魔法もあるんだよ」




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次回

作戦が成功する中ドニは自分も助けになりたいことを述べる。実力と経験の差かから

止めにかかる母親だったがかつて同じ体験をしたことのある彩花はある事を告げる

そして一同は先に向かっていたクロム達と合流するために先を急ぐのだった


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