INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第25話、巻き戻しの泉

パンドーラの住処へやってきたピットは彩花の行方を捜す。が途中遭遇したパンドーラから

絶望的な言葉を聞く。パルテナから状況と神の掟について話されたファイターたちは信じられない

絶望感と自分の無力さに怒りを感じるのだった。パンドーラを退け再び捜索に当たるが・・・
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(ここは・・・?パンドーラは・・・)


『目が覚めたようじゃのう』

「・・・っこの声・・・ナチュレ・・・?」





聞こえるはずのない声が聞こえると勢いよく起きあがった。すると隣に黒い何かが見えた





『起きあがるでない。解毒剤を飲ませたとはいえ完全に毒を消し去るには後十数分は
 かかるじゃろう。いくら神の力を持つ者とはいえ所詮は生身の人間。身をわきまえよ』

「どうしてナチュ・・・って・・・っ!」




視線を動かした瞬間、一瞬見えた黒い物体の正体が目に映った。翼と呼べる形をし、かと

いって鳥では無い。じゃあ何か。翼をもつ存在は鳥のほかにもおり人はそれを天使と呼ぶ

信じられないような、どうしているのかわからないような唖然とした表情で




「ブラ・・・ック・・・ピット・・・?」

「・・・・・・」




名を呼んだにも関わらず振り向く様子もなくその人物はいた。黒い翼を持つ天使




「ブラックピット・・・!?え、どうしてこんなところに・・・」

「お前には関係ない」




ただただ、その人物がいる事が信じられなかった


「ご飯とかちゃんと食べてた!?あれから全然見ないから・・・無事かと・・・」

「なっ・・・」




その時、空から光が降ってその場から2人の姿は消えた。気がつくと見覚えのある場に立っていた




「回収完了じゃの。一時はどうなることかと思ったぞ」

「ナチュレ!」



やってきたのはこれまた人にはいけない神聖な場所、自然界の王ナチュレの祭壇だった



「えっどういうこと・・・?どうしてブラックピットが・・・」

「ブラックピットはあの後わらわ自然軍の幹部になったのじゃ」

「えっ・・・じゃあエレカは・・・」

「いるわよ?」


突如の声に驚くと扉の向こうに手を振っている電光のエレカの姿が




「利害の一致というやつじゃ、共にピットを倒すという名目で手を組んだのじゃ」

「・・・・・・」




そして今置かれている状況に、自分の記憶をたどるとたどり着くのは一つの結論


「確か・・・私はパンドーラに・・・」

「あれはやはりパンドーラの仕業じゃったか。お前さん猛毒にヤラレかけていたぞ。
 ブラピが来るのが一足遅ければ、お前さんはぽっくりいっとったかもしれんのう」

「略すな!」


ナチュレと言えば数日前ファルコン達のいたところに初期化爆弾を落とした張本人。人間と

冥府軍の争いに見かね裁きを下しあれだけで言えば悪人の分類である。だが今の言葉で




「私を助けたのか・・・?」

「・・・勘違いするでないぞ、ハデスが復活していた場合の事を考えて戦力は少しでも多くだな・・・
 お前さんとハデスとピットがそれぞれ相討ちになってくれれば本望なのじゃがと思っただけじゃ」

「・・・・・・」




動けずに何もかもが見えなくなっていく感覚の中、全てが終わる気がしていた。だからこそ

今こうして息をしている事、こうして自然界の神と会話している事が信じられなかった


「なんというマヌケな顔じゃ」

「なっ」

「ナチュレ様、面白がってるところ悪いですけど、どうやらあの泉に向かってるっぽいですよ?」

「やはりか。ブラピよ」

「だからブラピじゃないって言ってるだろ!」


ナチュレに向かって叫ぶとどこかへと駆けだしていく。そして数秒後窓から見えたのは

空を飛んでいくブラックピットの姿だった。どこかへ向かっていったのは間違いないようだが


「泉?」

「あの後、パンドーラはピットによって負傷した。で以前のように身体をもった姿に戻る気じゃ」

「??」


何の事を言っているのかさっぱりわからずただ首を傾げるしかなくそれを見たナチュレはため息をつく


「以前ピットの羽が焼け落ちた事があったじゃろう」

「あ・・・あぁ、飛翔の奇跡が5分をオーバーして・・・」




それはハデスを倒すために各地を駆け回っていた時の事、実際には当時起きた事件はそれだけ

でなく便乗するかのようにナチュレ率いる自然軍が襲って来たり混沌の使いとやらが襲ったり

したそうだ。その一部は彩花も関わっていた。その一角でピットの羽が焼け落ちてしまったのだ




「それでブラックピットがピットの翼を元に戻すために泉に・・・」

「巻き戻しの泉の説明は聞いておるな?時間を巻き戻す・・・つまり若返るということじゃ」

「それで焼け落ちる前のピットに戻したんだよね?」



パンドーラも一度目はピットによってあの住処で倒された・・・と思われた。がブラックピットが泉

に向かった際消失間際のパンドーラがあの泉に入り身体を持った状態の姿に戻って襲ってきた



「今回もピットが仕留め損ねたと聞いてもしやと思ったのだが正解じゃったな」

「ってことは・・・パンドーラはその泉に?」

「うむ。それで今ブラピを向かわせたところじゃ」




なら自分もと扉の方を振り返った時、ナチュレの声が大きくなった




「泉のある場は人間が立ち入ることのできぬ場にある。行こうとしても無駄じゃ」

「ナチュレの飛翔の奇跡でなんとかならないの?」

「・・・人間の足で行けぬだけではない。そこにある物質、空気そのものが人間にとって毒。我
 ら天に仕える者や冥府に仕えるものならまだしも、生身の人間が立ち入ったら・・・わかるな?」

「!」


当時もまた、パルテナのもとに彩花もいたのだがパルテナはブラックピットのみを向か

わせた。その時はなんの疑問にも思わなかったが説明されなぜそうしたかを理解する




「そんな・・・神に対抗できる・・・神の力を持っていても意味がないじゃないか!」

「こればっかりはどうにもならぬ。人間という存在である以上な」

「パンドーラの時だって・・・!」


力を持っていても、どうすることもできない根本的な問題とはいえ何とも言えない気分だった




「パルテナ様ぁ・・・!」

『諦めてはだめです。いないはずはないのですから・・・』




勢いのよかったピットの声は次第に弱々しくなり、パルテナもまた沈んだ表情をしていた

事態を知ってからかなりの時間が経ち、すでに命は断たれたと言っても過言ではない


「ウソでしょ・・・?」

「・・・あの彩花さんですよ?」

「ポケトレ、言いたい事は分かるがお前らは正真正銘ただの人間なんだ。どんな強い奴だって
 毒を盛られりゃ太刀打ちなんてできねえだろ。急所に攻撃が当たれば鍛えていようと即死だ」

「・・・!」

「人間なんてものは弱い生き物だからな」


あれから約一時間、探しても気配すら掴めない。パルテナもなんとかして居場所を突き止めよう

としているものの死んでいるとすれば気配すら見つける事が出来なくてもおかしくない。それが

一層絶望を生みだしていた。諦めるという言葉はなくピットは手当たり次第に捜しまわって行く


「どこにいるんですか・・・!」

『なんとも情けない声よのう。それでも男かのう?』

「!?」


ふと、脳内にパルテナとは違う声が聞こえた。その声の主をピットは知っている

すると目の前に現れたのは声の主ではなく以前戦った黄色い髪の戦士だった


「電光のエレカ!・・・どうしてここに?!」

「パンドーラは復活の街に向かったわ。仕留め損ねたようね」

「どうしてそれを!?」

『自然王の情報網を甘く見るでない。今泉へはブラピが向かっておる』




驚きを隠せないピットだったが、再びナチュレの声が聞こえた。そしてナチュレの会話はパル

テナにも聞こえている。同じ神だからかマスターハンドやクレイジーハンドにも聞こえていた




「自然王ナチュレ、初期化爆弾を落としたそうだな」

『お主らが仕事せんから代わりにわらわがやったまでじゃ』

「人間と化け物の戦いなんて数知れず、いちいち破壊神の裁きなんてやってられっかよ」

『・・・今はそのことはどうでもよい。お主らが探しておる小娘ならここにおる』




『!!』




「・・・彩花は、自然王ナチュレの元にいるそうです」

「「えっ!?」」




ナチュレの会話が聞こえないファイター達に告げると数人が同時に声を発した




「・・・ナチュレ、彩花は無事なのですか?」

『猛毒にやられて危機一髪じゃったな。後もう少しでも発見が遅れておったら手遅れだった
 じゃろう。・・・か、勘違いするでないぞ、小娘にも言ったがこれはハデスの復活を知り・・・』

「やはりハデスは復活して・・・?」

『何を言う、そこら中に冥府軍がいるではないか。これをハデス復活以外なんと説明する?』

「・・・復活が断言できるわけではありません。ひとまず・・・ナチュレ、礼を言います」

『・・・ふん、礼など言われる筋合いはないわ』


命の無事は確認されたものの毒が完全に抜けるまでにはまだ時間がかかるとのこと。そのため

しばらくは動かさぬ方がいいであろうとナチュレは告げる。このことはナチュレに任せ通信を切ると




「よかったあぁぁぁぁぁ!!」




喜びの声と共に数人が叫んでは泣いていた


「さ、さすがに今回ばかりはヒヤヒヤしたぜ」

「ピット、ひとまず戻ってきてください」


パルテナが租杖を振りかざすとファイター達の前にピットが突如現れた


「うおっ!?ピットお前いつの間にテレポートを・・・」

「違いますよ!パルテナ様の奇跡の力です!」




「・・・で、パンドーラ?とやらは泉に向かっているって言ったな。なんだ?泉って」




クレイジーハンドが尋ねるとパルテナはかつてあったことを話す。復活の街と呼ばれ時を

戻せるという未知なる力を秘めた場だけあり誰もが半信半疑で聞いていた。そしてパン

ドーラが何をしようとしているのかピットを始め数人は勘付いた


「ってまさか・・・!」

「そう、パンドーラはやられる前・・・それより全盛期だった頃に戻ろうとしているのだ」

「そんな・・・!じゃあ早く行かないと・・・」



そんなファイター達の言葉を遮ったのはパルテナだった



「泉がある場は普通の人間には行く事ができません。存在することも、宇宙のようなものです」

「あそこはこことは違う空間・・・現世とは離れた場にあるのだ」

「ってことは・・・」


一同の視線が一人の天使に向かうとパルテナは頷いた


「ピット、連戦続きではありますがパンドーラを見過ごすわけにはいきません」

「泉に向かうんですね?」

「ええ。お願いできますか?」

「了解です!」


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次回

エレカの情報によりパルテナはピットを巻き戻しの泉へと向かわせる。そこには生前の姿に

戻ったパンドーラと戦っているブラックピットの姿が。ピットは協力しパンドーラを浄化しようと試

みる。そしてピットとパルテナはブラックピットのその後・・・ハデス討伐後の行方を知るのだった


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