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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第16話、結び目

奇跡の部屋にいた彩花はここに来る前のとある話をする。

「僕がそんな事させない、と僕が言ったら信じるかい?」質問に対し答

えを出し、その理由を問われる彩花。その理由を考えた結末は……
______________________________
「君は嘘をつく人じゃない。そう判断したから」

「……」

「君は馬鹿みたいに真面目だからね。本当に解決するかもわから
 ない、結局時間の無駄になるかもしれない私に一生懸命だからね」

「……」


心の中で六本木は呟いた


(過去に何も信じられなくなった。それは消えることはなく今も……)


「君は『信じる事ができない』」

「!」

「でも、本当は違うと思うんだ。だって今、僕の言葉を信じたよね?」

「あ……」

「仮にそんな時があったとしても、今は違う。意識してないだけで、君は
 誰かを信じられる。その条件は果てしなく狭いかもしれないけど確実に
 変わり始めているよ。その結果がここにいる意味でもあるんじゃない?」

「……」




「そうです!彩花さんはちゃんと『変わって』ます!成長は本人ほど気づ
 かないものですが、周りの人たちはきっと気づいていると思いますよ」

「君の事をよく考えている人ほどね」

「!」


『……知らないうちに、変わったなあ』


つい数日前に起きたことを思い出していると突然何かを思いついた様子で


「そうだ。丁度いいし、明日『あの時』みたいに遊びに行こうか」



次の日、学校が終わると二人は歩いていた。以前も来たことのある

場所だがそれはもう何ヶ月も前の話だ。円形テーブルの上に置かれた

アイスをスプーンですくい取り口に運ぶ。そんな中ジト目で彩花は呟く


「前もこんな事したよね……」

「良く覚えてるね」


忘れる訳がない。特にあの時の言動は忘れろという方がきっと無理だ


「君が変な事を言ってたからね」

「変な事?何か言ったっけ?」

「まあいいや」


その時、鞄の前ポケットに入っていた携帯が鳴り取り出すと、音声に耳

を傾けた。スピーカーから聞こえてきたのはおっとりとした女性の声で


「はい。どうかした?……ん?別にいいよ。うん、うん……へえ。え?
 まあ、別にいいけど。……えっ今!?あー……いや、特にそういう訳
 じゃないんだけど、それに私元都外民だしそういうの詳しくない……あ」


会話の途中、それを眺めていた六本木と彩花の目が合った。六本木の

方を向いた瞬間彩花は何かを思いついたように笑みを浮かべると



「丁度いい人がここにいる!」



六本木は何がなんだかわからないまま、やがて時間が経つと彼女は現

れた。緑の制服姿で学校帰りと思われる少女の長く白い髪が重力に従う

ようにさらりと下へ流れ、その口から出た言葉も気品を感じさせる



「用事の最中申し訳ありません」

「えっと、確か……」


六本木は以前クラスに留学しに来た人物だと思い出す


「前にうちのクラスに留学に来てた……」

「白桜律紫音と申します。実は……週末にクラスメイトの皆さんと遊園地に
 行くことになりまして。その為の洋服を新調しようと思ったのですが……」

「紫音、今まで家の人が決めてたからお店とか詳しくないんだって」


それにそれはどれも貴族にふさわしい上品なものばかり。一般に溶け込み

にくく、折角だからと今回は自分で選びたいのだという。そして現在に至り……


「私も詳しくないけどきっとこの人なら……!」

「……僕もそこまで詳しくないけど……」

「えぇっ!?この辺りは詳しいって言ってたじゃん!」

「いや、それはこの街の歴史とか有名場所とか……」


がっくりしかけた時、彼はスマートフォンを取り出しながら言った


「やっぱり、こういうのは適任者を呼ばないと」

「……?」



さらに時は経ち、指定された場所へ三人は電車を乗り継ぎ辿り着く


「まっかせて!」

(間違いなく適任者だ……)


辿り着いた場所で待っていたいたのは渋谷朱里だった。彼女は三人

の姿に気づくとスマートフォンをしまい近づいてくる。彼女も学校の帰り

のようで彩花や紫音とは違う制服姿で出迎えた


「今はこのようなものが流行りですのね」

「紫音、これはどう?」


軽く挨拶を済ませるとさっそく彼女の案内でショップ巡りが始まった。様

々な洋服を取り出しては見比べたり試着していく紫音に彩花や朱里も

紫音に合いそうな服をチョイスしていく。そんな中彩花はふと隣を見ると


「……」

「ええと、やっぱりこういう場所って居にくい……よね」

「少しね」

「駄目駄目!男の意見も大事!だから六本木さんもどんどん意見だして!」

「そんな事言われても……困ったなあ」


朱里の勢いに押され気味の六本木は意外にも思える


「男ウケを狙うならこういうのもありだし、だとしたらこれとかと合わせて」

「あ、これかわいい」

「中々迷ってしまいますね……」


やがて、紫音の手にいくつかの紙袋が握られた。やがて駅の近くに戻ってくると


「助かりましたわ」

「こんなのお安い御用だよ!」

「彩花も六本木さんもありがとうございました。お蔭で良いものが見つか
 りましたし、とても勉強になりました。想像より遥かに奥が深いのですね」

「そうだよね。紫音となるとそういうのも大切になるんだよね」

「えぇ。学園でもよく言われていましたが私にはピンと来なくて……。で
 すがそれぞれに合ったものを選ぶとなるとこうも迷うものなのですね」

「じゃあ、そろそろ私は用があるからまたね!」

「あ、うん。ばいばい」

「えぇ、本当に助かりました。ごきげんよう」

「また明日ね」


再び街の中へ向かった朱里を見送ると、三人は帰るため電車に乗って

いた。しかし、乗っている途中、駅が近づいたわけでもなく電車は次第に

速度を落とし始めた。やがて減速していくと駅もない路線の上に停止した。

三人を始め乗員たちが違和感に気づくとやがて社内アナウンスが流れる


『只今、各駅停車中の列車の遅延の関係で、電車が一時停止しております。
 お客様には大変なご迷惑をおかけしています。今しばらくお待ちください』

「あら」


紫音が言葉を発し、さらに問いかける


「どうしたのでしょう?」

「事故……とか?」


やがて数十分が経った後、電車は動き出した。その原因は後日分かる

ことになり、またしても都内に魔物が現れたのだった。魔物の出現はここ

数年で頻繁に起き、東京中、日本中に大きな影響をもたらしていた


「この国には魔王なんていないんだよ?」


教室内で彩花がぼやくと沙織は頷きながら


「そうだねえ」

「なのに化け物はいるとかどういうこと?この国にそんなファンタジック
 な言い伝えがある訳ないし、流石になんでか不思議になってくるよ」




「……まさか、知らないだけで実はあるの?」

「いやあ、どうだろ。そういう奇妙な話は大抵昔なら妖怪で片付けられる
 だろうし。そもそも妖怪すら実在してたのか今じゃ分からないけどね」


沙織は話す。以前原因の一つに挙げられていた学校にあった石は関係

なかったようで、他の都道府県では全くないわけではないが東京ほどで

はないよう。何らかの原因があると思う……と


「元々生物学者だった人が専門の研究者になったとか、外国からこうい
 う系統に詳しい人も読んで調査してるみたいだし?警察や自衛隊たちも
 魔物の対応に慣れてきたみたいだし、前よりは何とかなりそうだけどね」



奇跡の部屋では、彩花が唸り声を上げていた


「どうしたの?」

「あーもー!君のせいだよ!」

「えっ突然どうしたの?」


現在、この部屋には彩花と六本木の姿しかなく、それぞれ用事

があって留守にしているらしい。尋ねると、それは遡ること……



「お嬢様の性格からして、あまりに不思議に思いまして」


ある日、ふと発せられた啓ほ言葉。春を過ぎた辺りから外出が増え

、父から聞いていた話では考えられない為疑問に感じたのだという

その原因ほとんどは当然都市伝説、『ミラクルレター』関係である


「博様の意向もありますし、友好に口出しするつもりはありませんが…
 …。てっきり鈴木さん達とどこかへ行かれていると思えば、そこまで
 関与していないそうですね。お嬢様にそこまで友好があるとは……」

「ひどい!確かにコミュ障だけど~!」


駅での一軒以降の出来事を知らぬため、六本木とは突如仲良くなった

ように見えたそうで、そこも啓を始め沙織たちも疑問に思っていた……


「ここの事は皆知らないから、いつの間にか仲良くなってることになっ
 てるんだけど!?これ以上何か知られたら面倒くさいことになるよ!」

「あぁ。でもここに来るのは別に強制じゃないんだけどなあ」

「ぐっ」

「こうして呼び出さなくても来てくれるって事はここが気に入った
 ってことだよね?前もここの皆といると楽しいって言っていたし」

「……もおぉ~!」


やがて、ふてくされたように彩花はぶつぶつと呟き始めた


「これ以上めんどくさい展開を引き起こすわけにはいかない……!」

「?」


上手く聞き取れなかったようで、首を傾げていると再び言葉が発された


「大体、問題が解決したらここの記憶はなくなるんだし」

「……」


(そうだ。ここの記憶がなくなれば、きっとこの人と話す機会はもうないだろ
 う。自分の性格からして、あの程度の事でこの人と話すことはないだろう)



六本木もまた黙り込む。自分たちにとってそれは必然的にいつかは起き

るもの。だが彼女の口からそれを言われるとは思っていなかったのだ。

直後、扉が開く音がするとマスターが現れ、困った様子で二人に告げた


「困りました」

「どうかしたんですか?」

「実は、例の化け物がまたしても池袋に現れたらしく、皆さん動こうに
 も動けないそうです。多くの交通機関が止まっているようで……」

「えっ……?」

「都庁さんは対応に追われているそうで、きっと他の方も同じでしょう。こ
 の状態ではまともに機能しませんから、ここは安全ですししばらくここに
 いるのがいいでしょう。資格を持たぬ者はここには入り込めませんし」


だが、そう話すマスターと目が合うと何か違和感を感じた。その言動

は安全なこの場にいるように促しながら、どこかに引っかかりを感じる

言葉とは裏腹に何か別の意味を持たせているようにも聞こえた



「……」


その違和感が何かははっきりせず考える。ここはレターを受け取る者

の性格、職業など基本情報は事前にマスターから土地達へ知らされ

土地達はその情報とやって来た人との会話の中で糸口を探す。

それはつまり個人情報と言える情報を知っていることとなる


(それに、時々感じる皆に依頼人の事を託す時、まるで皆の実力を
 試しているように聞こえるのはただの思い込み?元々謎な人だけど)


マスター……それはチームとして組まれた土地達の管理者。彼は

土地ではない。だがここに関係している以上ただの人でもない


(きっとこの人はここへ来た人の悩みを知ってる。だけど皆には話さ
 ず、限られた情報だけを渡し探させている。つまり、六本木君たちは
 知らなくても……この人はもっとその人たちの事を知っている……)


(つまり、私の事も知っている可能性が高い)


その時、勢いよく扉が開くと同時に叫び声を上げ駆け込む姿が


「朱里はいるか!?」

「渋谷さん!いえ、いませんけど?」


反射的に答えると焦った様子で頭を掻くと


「今池袋が大変なことになってて、交通機関も止まってるみたい
 だから足止め食らってるんじゃないかな?動くにも動けないとか」

「っそう!だからここに逃げてると思ったんだが……」

「?」

「朱里のやつ、今日渋谷の店を回るって言ってて、学校終わったから
 行ったはず。どうやら、それが起こる前に行っちまったみたいだな」

「「えっ……」」



彩花と六本木の声が重なると渋谷はスマホを取り出し朱里の元へ

電話をかける。数コール鳴った後、微かに2人の耳にも声が聞こえた



『お兄ちゃん!池袋に化け物が!』

「今聞いた!今どこにいるんだ!?」

『池袋だよ!駅の近くの公園!皆地下に逃げてて、私も向かってる途中!』


スピーカーから離れた場にいた彩花達にもその声は聞こえ、ふと彩花は

その会話を聞いてあの日を思い出していた。それは、偶然会った六本木に

手を引かれデパートに逃げ込んだはずが、ここへ来た時の事


「……」


あの時も外は魔物の襲撃に合っていた。助けにいけたはずなのに自身

の臆病さがそれを躊躇わせた。警察の持つピストルではなく、まだこの国

には『普通』じゃない魔法や剣という存在。この国の現実には存在するは

ずもない物を扱う結果への恐怖。必ずしも善意が良い結果とは限らない


「都庁さんは東京都庁で対応を、月島さんも現地の人々の避難を誘導して
 いるそうです。新宿さんからの連絡はありませんが、同じだと思われます
 。天王洲さんからも連絡がありませんが、小学校で待機中か、家か……」

「……」



(沙織たちはそんな事気にせずに戦って来たのに、自分は……っ!)


「震災の時に備え今は都内に避難所は多く設置されていますし、大丈
 夫だとは思うのですが……警察や自衛隊も既に動いているはずです」

「……っ」


マスターが渋谷を落ち着かせようと話す中、六本木は彩花の異変に気付く

手に力が入り、強張った表情の中握り拳を握る力が強くなっている事に



(行かなきゃ、戦わなきゃ。私が、戦える私が)



脳の中で二つの想いは葛藤を繰り広げていた


(勇気を出せ!行かなきゃ……っ!)



「どの路線も駄目か……!いや、こいつで近くに出れば……」

「渋谷さん落ち着いて!今出るのは危ないよ!」

「でも……!」


両者の言葉は耳に入らず、自問自答する


(私は何の為に戦ってるの?)


力を得たから?それが使命だから?そう問いかけるとある言葉を思い

出す。この力は脅威から世界を護る為のもの。だけどもっと近くの、守り

たいもの、守るべきものすら守れないのに何故この力を持っているの?


「守る、べきもの……」

「……」


誰にも聞こえぬ声で呟く。そんな様子をマスターは見つめていた


(守りたいもの……。……変わるとか、変わらないとか、そんなこと
 よりそんな人たちが死んでしまったらこの力には何の意味もない)


錘のように動かない足。動き出せない心。そして、一歩前に出ると



「……あの。私……池袋に行きます!」

「えっ?」


そう一言告げると彩花は背を向け飛び出した。止める間もなく姿は消え



「えっ、神月さん?!」

「おい!?」


驚きの声を上げる二人に、それを見つめていたマスターは呟いた



「……決心はついたようですね」

「え?」

「彼女なら大丈夫ですよ。ですが……心配だというのなら追いかけ
 ることを私は止めません。どうするかは、貴方達の判断に任せます」


そんなマスターを見て、どこからか声が聞こえた


「ふーん」

「新宿さん!?」


振り返るとそこには壁にもたれながら腕を組む新宿の姿が。彼は

チラリとマスターの方向へ視線を向けると真面目な声で問いかけた


「マスターは何かを知っているみたいだね?」

「何かって……?」

「流石は新宿さん、鋭いですね」


六本木達が分からずにいると、新宿とマスターの間に奇妙な空気が流れた



「で、何を知っているのかな?」

「ふふ、そう知りたがらなくとも、このままいけばいずれ知ることができ
 るでしょう。彼女は今、自分自身にある決意を表明したのですから」

「決意……?」

「気になるなら、彼女の後を追うといいですよ」



==================================

次回

池袋に降り立った彩花は無事朱里の姿を見つける。しかし魔物は未だ

街をうろついており、彩花達に魔物は襲い掛かる。同じころ、ある事情で

この地にいた翔太と沙織は魔物と戦っており……


NEXT 第17話、「焔」


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