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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第15話、その心が知りたくて

アクアの襲撃を止める為アクアの攻撃を受け止める彩花に驚く二人。そこ

には本人であれと僅かに食い違う真実があった。それは幼き日と過去と、

現在への変化の表れ。それを感じた翔太は言葉に言い表せない感情を抱

く。見えない場で変化したきっかけは、翔太にはわからぬものだった……
___________________________________
「しかし、生徒会にまで入るとは思わなかった」

「そんなの私だって合わなさ過ぎるよ。まあすることがすることだし?
 会長に誘われちゃあねえ。ま、折角だし悪い気はしなかったけどさ」



すると彩花を呼ぶ叫び声が聞こえて来た


「神月ちゃーん、調子はどうー?」


声がした方を振り返ると顔を覗かせ、中に入る城島夏目の姿が見えた


「おやおや?」

「あ……」


翔太の姿を見つけるとすぐさま彼女はにこやかになり


「ありゃりゃ?なんで君がここに?」

「あぁ、暇してそうだったんで手伝わせてました。というより……」


疑問を感じた彩花が視線を動かすと


「まあ、色々あってな。ほら、魔物が来た時とか戦ってるから覚えられたと
 いうか。一応生徒会として目をつけられたというか……まあそんな感じだ」

「まあ一応生徒だし?保護者かんとの問題上安全性とかは把握しとかなきゃい
 けないしね?……あぁそっか。確か二人は幼馴染だったんだっけ?納得納得」




「……っ!?」


その頃、とある一軒家。周りは似たような住宅に囲まれ、下宿所も多くある

中ひと際こじんまりとした一軒家があった。その中で突如乾いた音が鳴り響いた



「びっくりしたあ。何々、何の音?」


突然の音に驚いた様子で漫画を読んでいた緋香琉が顔を覗かせるとシンク

の前で割れた食器が落ちており、同じく驚いた様子のクロスがいるのだった


「あーあ」

「手が滑ってつい……」


破片が飛び散るのを見ていると、ふとクロスは呟いた


「……」

「なんだ?皿が割れるくらい毎日とは言わなくても割とあるだろ?」

「何もなければいいんだけど」

「……?」


食器を見つめながら呟くクロスに「?」を浮かべていると


「こういう事が起きると不吉な予兆かなって思うのよね」

「それは教会にいた人的に?」

「……災厄を見極める際、そういう教えもあるわ。大体ただの思い過ごし
 なんだけど、昔から言い伝えられたひとつだからつい身構えちゃって」

「まあ、言わんとすることはわかるぞ?」





光は次第に薄れ、目を開けると見慣れた風景が見えた。子洒落たインテリ

アに主張の激しすぎない落ち着いた壁紙。来客用のソファーにこの部屋に

いる人たちの姿。彼女らは開いた扉から現れた姿に気づき声をかけた


「こんばんは」

「こんばんは、彩花さん!」




「この間、運動会をしたんですよ」

「運動会?」


ゆかりが出迎え、ソファに座ると彼女は楽し気に語り出した


「東京中の土地達が集まって、毎年この時期に運動会をするのが恒例
 行事なんですよ。毎年のごとく今年も盛り上がって楽しかったですよ!」

「へぇ、そんなのがあるんだ。確かうちも結構近くだったような……」

「私はほとんど応援する側なのですが、六本木さんが凄いんですよ!六
 本木さん、競争得意なんですけどリレーで一位を取って大活躍でした」

「いや、毎年だけど流石って感じだよね」

「意外だね」


思わずそう言うと遠くから声が聞こえた


「よく意外って言われるけど体力には自信があるんだよね」

「という事は、体育祭も期待できたり?」


近くにあるであろう体育祭の話は生徒会内でもすでに出ていた。競技は

他校や一般的なものと大して変わらないそうだが、生徒の総数から多くの

人が応援にくるようだ。競技は変わり映えしないものの、運動部を中心に

熱が入っているらしく毎年盛り上がりを見せるのだとか



「はー、あっついしめんどくさいし個人的には体育祭なんていらないけどね」

「あはは、私も運動は苦手なのでその気持ちよくわかります」

「うちクラス多いから4つのチームに分かれるみたいなんだけどさ」

「リレーとか走るものならいい線行くんじゃないかな?ただ陸上部や
 運動部にどれだけ渡り合えるかっていうのは未知数なんだけどね」

「わー!私達総出で応援に行きます!」


なんの違和感もなく馴染んでしまっているこの空間。まるでこの人たちが

『人』ではない事を忘れてしまいそうだ。相変わらず進展はないものの



「新宿め……今日までにプランを出しておけと言っておいたのに。渋
 谷、新宿がどこへ行ったのか知らないか?何か話を聞いたりは……」

「残念ながら知らないなあ。また街中とか?」

「はぁ……」



都庁がため息をつき目頭を押さえる姿を見るのももう何度目だろうか


「プランって?」

「あぁ、ここ近年外国人の旅行客が劇的に増えているでしょう?」


月島さんが告げるには、そんな外国人に向けた旅行プランをここのチー

ムを始め観光地として有名な土地達が計画を練っている途中らしい


「化け物といい、問題は山積みだというのに」

(化け物……)


彩花も何度か遭遇したことがあるが、なぜ現れたのか、どうやって

表れたのかなど、分からないことが多すぎる。ファンタジーのように

元々存在していたわけでもなく、その解明と防衛に警察を始めとし

て多くの者がその原因を追究しているようだ


「最近はテレビでも研究者とかが原因を探ってるって偶に見ますし」

「専門家なんて呼ぶ人も出て来たみたいだね」

「やんなっちゃうよな。この間池袋でも出たっていうし、このままじゃ安心
 して暮らせないよな。最近は妙な噂も色々聞くし、物騒になったもんだよ」



「『ロマンスクローバー』人気ですよねえ」

「あぁ、人気だねえ」


時が経つとゆかりはある本を握りしめながら呟いていた


「はー、私もこんな恋をしてみたいですー」

「お前には早いだろ」

「なっ、別にいいじゃないですかっ!」


そんなやりとりを見ていた一同だったが、ふと都庁は同じく今のやり

とりを見ていた彩花の表情が僅かに曇っていたことに気づいた


「どうかしましたか?」

「え?あ、いえ。少し……昔の事を思い出して」

「昔?」



「ここ(東京)に来る前、この国とは離れた所にいたんです。そこも色んな
 個性の人がいて、毎日こうやって騒がしかったなぁ……って少し思って」

「……」


やがて六本木はふいに入った言葉に耳を傾けていた


「皆を見ていると、よくあの場所を思い出します。ここみたいにいつも
 騒がしくて、賑やかで。いつでも足音や話し声が絶えなかったりして」

「ここより?ここは相当騒がしいと思うけど……」

「ええと、人数が多かったっていうのもありますけど、そうですね」

「ここより騒がしいってすごい近所迷惑になりそう」

「それは大丈夫ですよ。森の中に一軒だけ経っていた建物なので。食べ物
 の取り合いから大会に向けての訓練とか、中には買い物好きやゲーム好
 きな人もいて、その勝敗であれこれ言ってたり燃え上がる人もいて……」

「そこが懐かしくなった?」

「え?」

「なんだか楽しそうに話すから」


ふと近づいて来た六本木の言葉に彩花は呆気に取られる


「そうかな……」

「そこがどれだけ思い出深い場所なのかがよく伝わって来るよ」


そんな六本木に対し、彩花はここも楽しい場だと告げた。いつ来ても賑

やかな室内。時に不真面目に、お客さんが来たときは時に真面目に

、難題な時も多いけど皆と来た人と一緒に答えを見つけるのは楽しいと


「月島さんの作るもんじゃとか、朱里ちゃんの話とか」

「それは光栄ですね」

「ここも賑やかで楽しいですよ!」


そんな中、それを聞いていた六本木は心の中で呟いた



(けど、それはきっと過去の思い出の場所と重ねて得た共感)



思い出に懐かしさを感じ、共通する部分に共感しているだけ

本当の意味でこの場を信頼し、自分たちに委ねている訳じゃない


「それは、少し悔しいなあ」

「え?」


ふと思ったことが口に出ると彩花を始め数人は聞き返した


「六本木?」

「え?あ、僕つい口に。……ただ、それは過去の人たちと僕らを重ねて
 るように聞こえたんだ。僕たち自身を見て欲しいな……って思うんだ」

「……なんか……」


次の瞬間、彩花は若干呆れたような表情で告げた


「よくもまあそんな事が躊躇いなしに言えるなあ」

「え?……思ったことをいっただけだよ?」

「それにこういうのも悪いけど、君を見てるとどこかの誰かを思い出すよ」

「?」

「無駄に王子スマイルまき散らしていつも笑ってる人達がいたんだよ」



その時、都庁と月島を呼ぶマスターの姿が。呼ばれた二人が部屋の

奥へと去っていくとタイミングを見計らったように六本木が口を開いた


「僕達はこれまで多くの人を見てきて、見送った。晴れやかな表情にな
 ってここを去っていく姿を見送る時が一番嬉しくて、寂しくもあるんだ」

「私達が悩みを解決した時、それはお客さんとの別れの時ですからね」


ゆかりちゃんに続き新宿さんが続いて言う


「でも、それが俺達の使命だからね。その為に俺達は存在してる訳だし。
 とはいえ、向こうの人は俺達の事を忘れてしまうから同意はするけどね」

「……」


実際、本来ここに呼ばれた原因を解決した後、彩花はここの事を忘れた。

ただのクラスメイトに戻り、あれはほんの短い出来事だったと言えるだろう


「……なんだか、ごめんなさい」

「えっ?どうして彩花さんが謝るんですか?」

「自分でもどうしたらいいのかよく分からなくて。その……」


彩花は内に秘めていたことを伝えた


「確かに解決したいことはあるけど、解決するべきじゃない気もして」

「……」

「折角守り続けて来たものを今更なかった事にして、そのお陰で強くい
 られたのに、何にも動じなくなったのに『また』弱くなってしまう気がして」

「彩花さん、それは……」

「変わりたいんだ。だけど、変わりたいのに……」


言葉を呑み込み、考えた末、鈴のような優しい言葉が聞こえた


「一人で抱える事は、とても辛いことです」

「……」

「大小の差はあれど、多くの人の内に秘めたままの悩みがあります」


だけどそれはとても辛いことだと話した。抱え込んで、他の人は傷つ

かないかもしれないけれど、自分は辛いままだからと。でも、と続け


「でも、そのほとんどは周りの人も辛いんです。喧嘩した相手でも、
 関係ない人でも、なにかしらの接触がある以上勘のいい人は気
 づきます。でも、その人が何で苦しんでいるのか分からないから」

「……」

「打ち明けるのはとても怖いことです。でも、もし話したら、離さ
 なかった時起きてしまう可能性を回避できるかもしれません」


その人がヒントをくれるかもしれない。もしくは助けてくれるかもしれな

い。話さなければ、互いが分からぬまま溝は深くなり互いが分からない

事に、分かってくれないことに悲しくて、怒れて……。いずれ取り返しの

つかないことになってしまうかもしれない


「それは……」

「ですが返って悪化することもあります。これは時と場合によるので
 正確に『これが正しい』とは誰にも言えません。もちろん、私達にも」




「でも私、彩花さんの事を知ることが出来て嬉しかったです」

「え……?」

「いつもあまり自分の事を話しませんから。それに、そういう積み重ねが
 あらゆる問題の糸口になることもあります。少しずつでいいんです。
 『変わりたい』……。そう教えてくれた一歩が何よりも重要なんですから」


少女は笑みを浮かべてそう言った


「皆、話せと言われてもすぐに言えるものではありません。私達が寄り
 添い、気持ちの整理がついて、初めて成立するものなのです。それは
 彩花さんも同じです。少しずつでも、私はいつでも力になりたいんです」

「……」


そんな中、ずっと沈黙を守っていた人物は問いかけた


「神月さん」

「え、な、なに?」

「今までの話を聞いて一つ、浮かんだんだ」

「え?」

「人ってね、意外と目を見るとその人が何を考えているか、大体の事
 がわかるんだよ。だから……今僕が何を考えているか当ててみて」

「えっ!?」


突然言い渡されたことに困惑しているもゆかりちゃんはにこやかなままで

いる。まるで六本木君が何を思いついたのかを知っているのか、知らず

とも意味があると信じているのか。助け船が出ることもなく視線は彷徨った


「え、えー……」

「僕の目を見て」

「っ……!」


口調や表情はいつもの通り穏やかなものだが、そこにはいつもと違う雰囲

気を瞬間的に感じた。強制力のある、まるで別人が発した言葉のようだった


「……あー……」


どう足掻いても逃れられないと覚悟を決めると言われた通りにした


「……」


目を見ても他人の考える事がわかるわけがない。そう思っていると


「一つ質問をしようか。君が想像する事態が、同じ事が起きるかもしれ
 ない。だけど、僕がそんな事させない、と僕が言ったら信じるかい?」

「え、そんなのわかるわけな……」

「考えて答を出して」

「くっ」


今の状況で質問に対し考える余裕などない。だが一向に離れる事

を許さなかった。どうにもならない状況で目を見つめているとだんだん

やけくそになり、過去にしていたように人の本心を見抜こうとした



(こうなったら心を読んでやる……)


ある条件なしに彩花も心を読むことはできない。だがその人が嘘かどう

かくらいは言動や行動で考えたことは何度もある。そして数秒が経つと


「……」

「……」

「……思……わ、ない」



やがて顔を話すと彼は再度問いかけた


「どうしてそう思ったの?」

「え……。だって……」


(あれ、どうして?)


途中まで言いかけた言葉は止まり。ふと疑問に思った。質問された

から答えただけで。だけどそこに不思議と言わされたという感覚はない

何故かと繰り返し疑問に思っていると無意識に疑問は口に出される


「なんで……だろう」

「答えを出すまでに何を考えた?何を思った?」

「え?」


目を見た時、そこに答えが書いてあったわけでもなく茶色の瞳はただ

揺れていた。瞬間的には浮かばずとも、それらしき答えを探して再度

思考を巡らせた。その答えが出るまでに行きつく理由があるはずだから



「何って……。よくわかんないけど、嘘はついてないだろうな……と」

「どうして?」

「なんでって言われても分かんないけど……」



ただ、この言葉に続く言葉を必死に探し、思ったことを話していく


「まず、六本木君という人物を思い返した。誰にでも親切で、たまに
 落ち込んでるけど、ここでの会話で人柄はそこそこわかるし……」

「……」

「それに、以前言ったよね。私の悩みを解決したいって。それが使命
 とか、そういうのは関係なしにそういう人なんだろうなって思ったよ」
 

困っている人は放っておけなくて、その時に応じて常に真剣なのだと



(そこに、浮かんだ私の答えはひとつ……)


===============================

次回

翌日、ひょんな思い付きから街中を歩いていた彩花と六本木。そんな中

紫音から電話がかかってくるのだった。クラスメイトと遊園地にいく為の

服を買いたいという頼みに、六本木は適任者に心当たりがあるらしく……


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