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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第13話、知りたい真意

文化祭の計画が立て始められ、沙織がコスプレショップを知っていたり

翔太と青空は街中でメイド喫茶に向かおうとする北条啓に遭遇したり

する中アクアが現れる。だが魔物も姿を現し、通行人に襲い掛かる……
_________________________________

「間に合わない……っ!」


思ったことが口にでるとそれは無意識で、ただ魔物を倒す為に走る。

後数メートルという所で、怯えた表情をしている彼女達と魔物の間に

影が割り込んだ。そこに現れた姿をみて誰もが驚くが、何も告げず、

ただ無表情で彼女は剣で魔物を切り裂いた


「グ、ガア、ア……」


濁ったうめき声を上げて数歩下がると魔物は消滅していく。翔太が辿り

着く頃には、剣を下ろしきり消えた魔物の方を向く彼女の姿が映り込む



「お前……」


話しかけようとした途端、それは遮られた


「な、なに、今の……?」

「きもっ!」


恐怖から解放されたものの、いまだ名残を残し呟く彼女達。やがて

アクアの姿を見ると彼女たちの表情は変わっていき、言葉が発される


「なにこの人、変な恰好してるし、コスプレ?」

「……」

「こんな公衆の面前でコスプレとかマジきもいんだけど!」

「なっ……」


東京を始め出没している魔物だが、その多くは国民たちには知られて

いない。謎が多く、多くの人にとってそれはおとぎ話そのものだった


「そういえば、最近化け物を倒そうとする人達がいるって」

「はあ?なにそれ?」

「なんかアニメ?とかの影響で自分たちも同じことが出来るー……とか
 思ってるみたいな?モデルガンとか持ち出して徘徊してるんだって」

「うっわ、何それ」


女子高生達が口々に告げるが、アクアの表情は微動だにせずその

奥に留めた表情は読み取れない。だが話を聞いて黙っていられず


「ちょ、助けてもらってそれはないだろ!」

「……」


振り向く少女達に向かって説得するように言葉を続ける


「助けて貰ったのは事実だろ?」

「意味わかんないんだけど!、どこからどう見ても不審者でしょ」

「それは……」

「ねぇ、もういこ。この人たちヤバいよ」

「超迷惑なんだけど、あんたたちみたいなオタクのせいで先生達が
 巡回するようになるし、親はうるさいしで。これだからオタクは……」


そういい捨てると女子高生達は去っていく。やがて声が聞こえないであろう

距離まで遠ざかっていくと翔太は剣を持ったまま立っている少女に近づいた


「……なあ」

「チッ」


話しかけた瞬間、彼女は舌打ちし呟いた


「わざわざ助けてやったのに、そのまま見殺しにしてやればよかったか」

「……」

「これだからこの国の人間は。やはりこの国にはクズしかいないな」


彼女の怒りが籠った声に何も言えなくなるが、考えながら


「ま、まあ今のは明らかにあいつらが悪いけどよ、実際そういう話は
 俺も先生から聞いてるし、あいつらが勘違いしても仕方ない気もする」

「……」

「俺達はこの力を持って慣れたが、元々は俺達にとってもこういうのは
 『あり得ない』話だっただろ。この世界にとって、俺達は異様な存在で」

「ふん」


その時、魔物がいなくなった事により青空が駆け寄ってきた


「二人とも大丈夫か?」

「あ、あぁ」

「……」


心配の声に翔太は答えるが、アクアは何も言わなかった。素顔を隠し

たアクアに対し、青空は不思議に思いながらも彼女の全身を見ていた


「この国の人間どもなど全て同じだ。いざ我が身が危険となれば自分の
 都合のいいようにすり替える。強者や都合の悪い相手にならなおさらな」

「!」

「この国で異端の存在と渡り合う存在はごく僅か。存在が一般に知られ
 れば考えが改められるなど思うな。それこそ、ほんの一握りの者だけだ」


その言葉に、翔太は反応せざるを得なかった


「あのまま魔物に殺されれば良かったな」

「……」

「ええと、君は……?」

「貴様に答える必要はない」


青空の問いを跳ね返すと彼女の手から剣が消滅した。その剣は魔物を

切り伏せた様子から分かるようにレプリカではなく本物の剣だ。名を告げ

ることもなく、正体を明かすこともなく少女は背を向け歩き出した


「あ、おい」

「……」

「おい、待てよ!」


背を向けたまま遠ざかっていく彼女を呼び止めるも動きは止まらない


「待てって!」

「……」

「待て、……アクア、待てよ!」


咄嗟に彼女が以前告げた名を発すると遠ざかっていた足は止まった


「気安く呼ぶな。反吐が出る」

「お前、なんであいつらを助けた?」

「……」


質問に対しアクアは沈黙を貫くが、問いかけた時、彼女の表情は僅かに

動く。数秒後、翔太は思い当たる理由と疑問を背を向けた彼女に突きつけた


「お前には誰かを恨む存在。でも、ならなんであいつらを助けた?お前が人
 を恨むだけの存在なら、危険な状態の誰かを助ける理由はないはずだ」

「……」

「あの人達が襲われた時、お前よりも先に俺が走り出した。間に合おうと
 間に合わなかろうとあの場には俺が向かっていたはずなんだ。だがお
 前は、俺が間に合わないと気づいた。だからあんな事をしたんだろ?」

「……」

「そのまま放置しておけば魔物と俺が相打ちする可能性もあった
 はず。俺が嫌いだというなら、あんなことをした理由がわからない」

「黙れ」


切り捨てるように告げるアクアに対し、言葉が止まることはなかった


「あいつはお前は他人に対する優しさや善意はない、誰かを恨むだ
 けの存在だと言ってたが、俺にはそうは思えない。お前にだって……」

「知ったような口を聞くな。俺は奴の絶望や憎しみから生まれた。だから貴
 様らがどうなろうと、この世界の人間共がどうなろうと知ったことじゃない」



やがてギラリと獣のような目が向けられ



「もう一度言う。二度とあいつには近づくな」

「……!それだって、それを決めるのはあいつだろ?」

「俺はあいつの一部、俺の意思はあいつの意思に等しい」


今すぐにでも刃を向けられそうな表情に体が固まったような感覚だった。

だが不思議と脳だけは動いており、間髪入れず反論を力の限り述べた


「いいや、例えお前があいつの一部でも、俺はあいつ『自身』から近づ
 くなと言われない限り信じない。一応、和解したと俺は思ってるから」

「……馬鹿の一つ覚えとはこの事だな。その身勝手な解釈と都合のいい
 思い込みは人間特有のご都合的考えだ。永遠に『過去』は消えはしない」

「なっ……」

「貴様らがいとも容易く『過去』として忘れる中、俺達にとってそれは深
 い傷として永遠に残る。……貴様には分からんだろうな、この感情は」

「……っ」


そう告げ彼女は背を向けた。何か、何かを言おうとするも何を言ったら

いいのか言葉が出ない。そして彼女から感じ取れた怒りは本物だ。だが

あの時の後悔とやっと繋いだ糸をこのまま途切らせるわけにはいかない

霧の中、雲を掴むように彷徨わせてやっと、やっと掴んだものなのだから



また別の場所。彩花は木の枝の上に立つ存在に対し睨んでいた。相変わ

らず偶然か、計算か絶妙なバランスの光源による影で表情や顔は見えない


「貴方に次なる試練が待ってる」

「試練……?」

「そう。貴方にとって重要な試練が。もし、乗り越えられなければ……」



そう言いかけるも、最後までそれは伝えられることなく姿は消えていた



「……」

「ねぇ、なんだか上田君、ずっと考え込んでるけど」


翌日、教室内で沙織は不思議そうに彩花に言った


「もしかして、また彩花が何か言ったの?」

「いや、別に何も言ってないし。ていうか最近は話したりもしてないし、勝手
 に人のせいにしないでよね。どーせ小テストの点数が悪かったとかでしょ」

「そう?」


そんなことを言っていると翔太の周りにクラスメイト達が集まっていく。当然

ながら彩花や沙織たちは常にともにいる訳ではなく、沙織は顔も広い為他

の生徒と共に過ごすことも多い。それは翔太も例外ではなく翔太には翔太

の友達がいる。それはクラスメイトだったり、部活の知り合いだったり


「どうしたの?元気ないけど」

「……別に、なんでもねえよ」

「本当に?」


彩花や沙織も彼ら、彼女らが翔太と共にいる姿は時折見かけ、どういう

共通点かきっかけか多くは知らないがクラスメイトの中でも特に仲がいい

ようだ。そんな様子を見せると視線を元に戻し彩花は告げる


「……まあ、私達が気にすることでもないでしょ」

「んーまあ?大小問わなければ悩みのひとつやふたつ位、誰にもあるよね」

「そうそう」

「けど、なんだか珍しいなって思って」


校舎の見えるビルの屋上で、教室を眺めてはロール巻きの髪を風に

なびかせ、少女は数人に囲まれた翔太や沙織と話す少女を見て呟いた



「貴方達は、越えられるかしら」





「……よく分からないけど、あんまり思い詰めない方がいいと思う」

「分かってる」


時は経ち、教室内で翔太は心配している青空に向かって呟いた


「……気になるよな。あの人がなんなのか」

「でも、言えない事なんだろ?」

「言えないというか……なんというか……」



その時、ある声が耳に入って来た。それは教室内で様々な話題を咲か

せるどんな声よりも飛びぬけて聞こえ、無意識に意識はそちらへ向かう


「あー、懐かしー。皆元気かな?」

「さあねえ」

「今は解散してるって事はあそこに行っても誰もいないのかな?冬休
 み辺りに皆で突撃ー!とかやったら面白そうだと思ったのに、残念」

「やだよ。それ絶対あの人も来るって言うでしょ?めんどいじゃん」

「確かに。そっか、あの人達も知らないんだよね」



視線の先では彩花と沙織が会話をしていた。様々な声の中会話の

全ては聞き取れないが、断片的に聞こえる声から大体の予想はつく



「……」



放課後、帰ろうとしていた途中彩花が体育館に入っていく姿を見かけた



(ん?今日は点検とかで部活が休みになったが……何の用だ?)



忘れ物か?と思うが今日は体育はなかったはず。体育館に入った理由

が気になり近づいていくと数か所ある扉の一つに手をかける。おそるおそ

る開けると広い空間は静けさにいつもより広く感じるが、照明がついている


「……」


更に中に体をのめりこませ完全に体育館内に入ると、姿は見当たらない

探し回りやがてボールや備品が収容されている倉庫へ近づくと探していた

姿が見えた。気配に気づいた彩花が振り返り翔太の姿を見るなり


「んん?今日は備品の点検があるから体育館を使う部は休みのはずだよ?」

「それは知ってる。たまたま入っていくのが見えたから」


バインダーとペンを持ち、辺りには備品が並べられている


「あぁ、点検ってお前がやるのか」

「生徒会全員でねー。私は第一体育館担当なの」


そういい作業に戻る彩花を見つめていると、脳にアクアの言葉が甦る

考えこむ間に彩花は備品の数を数えやすいように一部の備品を倉庫の

外へ並べている。やがて体育館でボールの数を数え始め、その様子に


「……」

「?」


やがて、意を決した翔太は問いかけた


「なあ、聞きたいことがあるんだけど」

「何?」

「……俺は……っ!?」


だが、言葉は鋭利なる刃に妨げられた。反射的に仰け反り避けると振り

向いた先には紺色の衣服に見を包み、剣を構えるあの姿が目に入る。

彩花も突然の事に驚きながらその姿を捉えると驚いたように声を発した


「ア、アクア?」

「やはり言葉では理解出来んようだな」

「っ!俺はただお前が言った事を確かめようと……!」

「この屑が」


一刀両断。これ以上話させまいとアクアは強く睨む。見えない刃で突か

れたのように衝動が全身を巡り恐怖すらも感じた間隔に一歩引き下がる

。それだけアクアという存在が大きなものかを感じた瞬間でもある


「……」

「君達一体何の話をしてるの……?」

「……お前には関係ないことだ。いや、それを知る必要はない」

「俺達は、一応和解した。……と俺は思ってる。けど、俺が『ここにいる』事
 自体がお前を傷つけているのなら、もし、アクアの言う通りそうなら……」




「二度と近づかない。話しかけもしない!」


何も言わないわけにはいかない。少しでも何か伝わらないかと意思を叫ぶ

も、アクアの表情は微動だにせず翔太のすべてを拒絶していた。いつ剣を

振りかざして向かってきてもおかしくない。一時も気が抜けない状況だった


「貴様は何もわかっていない……!」

「なっ……?」

「『それ』を思い出させる要素がある時点で、傷つけていると気づかないのか」

「!」



心を抉られたような衝撃に言葉を失う。それがアクアの心境の全てであり

、言われてみればそれは紛れもない正論だからだ。これまで幾度となく忠

告した彼女に対しきっと違う、それはアクアの思い込みだと思い込んでいた。

だが今の言葉でそんな自分を正当化していたことに気づかされる


「貴様らのようなぬるま湯に浸かっていた奴らには理解しがたいだろうな」

「それは……」



完全に打つ手がなくなった。これ以上彼女に反論はできないと感じた時


「っていうかなんでアクアと翔太が?どういう事……?」

「知る必要はない。今必要なのは、目の前からこいつを消すことだけだ」



彩花の言葉を切り捨てると刃を翔太に向けた。彩花が持つあの剣と形状

は違えどあの戦いからあれはれっきとした剣だろう。向けられた刃を見る

と翔太は覚悟を決め刃と、アクアに向かって表情を引き締めた


「二度と近づけないようにしてやる」


一言だけ発すると彼女は駆け出し剣を振るった。間一髪避けるも反動で

鞄は地に落ち物音を立てた。そのことを気にする間もなく翔太の視線は

次の行動に移ったアクアにしか向いていなかった。再び距離を詰めては

剣を振り下ろし、翔太は手に現した刀で刃を受け止めた


「く……」


鍔迫り合いに押されまいと押し返すがどちらも引く様子はない。過去の

記憶からは想像もできないほどの力に冷や汗は流れ、苦の表情が表れた

ここで自分が負ければ、間違いなくアクアは次の攻撃をするだろう



「アクア!急に何してるの!?」

「二度とこいつが近づけないようにするだけだ」

「はあ!?どういうこと!?」


状況の説明を求める叫び声が聞こえるが、返された言葉に再び叫ぶ

次の瞬間、互角だった剣に更なる力が込められ、押し返されかける


「こいつを、俺達と同じ目に合わせてやる。二度と、希望など持てぬように
 、あの時の俺らのように、二度と光のない絶望を味合わせてやる……っ!」

「っ!」


(アクアの、表情が……)


同じ人物として、幾度となく言葉を交わした内なる者として、アクアの事

を知っている彩花だったが、そんな彩花もアクアからは殺意しか感じら

れなかった。目に見えぬ狂気が恐怖さえも植え付けるような憎しみの感情



「……」



前面に押し出されたアクアの怒りは、彩花ですら驚き言葉を失った



=================================

次回

殺意をむき出し襲い掛かるアクア。特徴の一部を突出させた能力に

対抗するもののそこには大きな差があった。憎しみの感情を露わに

するアクアと、それを客観的に聞かされた彩花は……


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