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INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

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第12話、蒼い影と潜むもの

連休を利用し、屋敷を見て回ろうと計画する彩花。屋敷にやって来て、見

て回っていた彩花が出会ったのはこの屋敷のメイド、宮野凛だった。今屋

敷が騒々しい事情を聞きながら、時は経ち日は傾いていくのだった
___________________________________


それから祖父が不在なこともあり、あの時のようなお茶漬け……ではなく

テーブルには色とりどりのサラダから色鮮やかな料理が並べられそれは

まるでコース料理のようだった。見るからに豪華な料理に目が点になったり


「お嬢様、お風呂へご案内しますよ」

「あ、ありがとう」


案内についていき歩いている途中、凛はこんなことを言い出す


「お嬢様、よければ私がお背中を流しましょうか?」

「えっあ、いや、大丈夫」


その話が出た瞬間、よくある数人が偉い人の髪とか洗ってる姿が想

像できてしまった。当然、全力で否定すると彼女はきょとんとしながら


「そうですか?一人の方がお好きですか?」

「う、ううん、それは……」

「あ、ここです!今日はお疲れでしょうし、ゆっくりしてくださいね。お召し
 物は美玲が持ってきます。私は外で待機していますので何かあれば
 遠慮せずお申し付けくださいね。今日はローズの入浴剤だそうですよ」

「う、うん」


そう離れていないように見えるが、畏まった話し方にこちらも緊張してし

まう。そして一般家庭ではない広さの湯船に驚きながら日は落ちていった



「お嬢様、ハーブティーをお持ち致しました」

「!」


数時間後、ノックが聞こえ扉を開くと凛……ではなく美玲の姿があった

トレーの上にカップと葉が入った紅茶が乗っており、それらを置きながら


「リラックス効果があるんですよ」

「あ、ありがとうございます……」

「もっと気楽にしてくださいませ」

「え、あ、その……」


彼女らはこれが基本作法なのだから、それを変えろというのは酷だろう。

そんなことを思いながら言い出せず、きっとこの話し方はしばらく慣れない

のだろうと彩花は思うのだった。これが、二度目の屋敷での出来事だった



休日は終わり、教室……1-Aでは亜理紗が誰かと会話していた


「安価で揃えたいよね。流石に同じものを数揃えるのは厳しいから、柄
 はバラバラにするしかないかな。数着は演劇部から借りるとして……」

「まずはそもそもあるのか、何着あるのかを確認しないとね」


クラス委員長である亜理紗だったが、彼女が話している相手は性格が真

反対の沙織だった。疑問に思う彩花だが、その謎はすぐに明らかになる


「何故沙織が話し合いに……」

「んー?私が真面目な話をしてるのは珍しい?」

「まあ」


すると霧島亜理紗が


「喫茶店となるとかなりの備品が必要になるから、低予算内で
 済ませる当てがあると鈴木さんが言うから、助言を貰ってるの」

「当て?」

「そ。特にメイド服みたいなやつはねー。買おうと思うと高いし、作るにも
 時間がかかるし。かといってエプロンとかじゃ雰囲気ないじゃない?」


楽しそうなのが伝わってくるが、現にこの提案を推したのも彼女だ


「小物やテーブルクロスなんかはそこらのショッピングモールでもいいし?
 そういうのは女子が得意っしょ。衣装は多分全員分は用意出来ないだ
 ろうから希望を取ってキッチンと接客で完全に分ける形になるかなー」

「まあ、用意出来た数以上に衣装を着たいって人がいたら交代制になる
 かしら。接客とかの練習時間も考えると、今のうちから始めないと……」


かという委員長も乗り気で、完成度を高める気満々のようだ


「んで、安い値段のコスプレショップがあるから、最悪そこで数着は足す
 形になるかな。一応その当てを当たるけど、どうなるかわかんないし」

「コスプレショップ?」

「……沙織、まさかコスプレする趣味が……?」

「違う違う!中学の友達がコスプレ好きで、よく一緒に行ったの。友達も
 一着くらいは持ってるかも……?多分、何かのアニメのになるだろうけど」


さらっととんでもないことを言った気がする


「だから燕尾服とメイド服は当てに頼んで、駄目だったら数着は演劇部
 からあったら借りて、最悪足りない分は予算で買う形になるかな?」

「さっきから気になっていたけど当てって?」

「ん?納言さんに頼む」

「えっ」


さらりと答えた沙織に対し、二人は驚きの声を上げた


「一応そういうのをするって話はしてあるんだー」


(私に頼まなかったのはバレる可能性があるから……?何気に空
 気読むの上手いんだよなあ……。いつもは散々自由人なくせに)


「男女予備も合わせて7~8着あれば足りるんじゃないかな。他はキッチン
 や受付に回る感じで、二時間くらいを区切りに9人くらいで組んで……」

「教室の広さから置けるテーブルの配置からして、接客が4人で足りる
 計算だけど……。メニューも火を通さない簡単なものだし、回るでしょう」

「んまあ、あくまでメイド&執事風喫茶だしね。常にお客さんについてるわ
 けじゃなければ本物の喫茶店みたいなサービスがあるわけじゃないし?」


(ん?本物の……?)


やけに詳しい口調にまさかと思う。霧島さんも同じことを思ったようで


「随分詳しいわね」

「前に行ったことあるからねー」

「「……」」

「あ、これもその友達と面白半分で行っただけだよ?今がどんな感じか
 は知らないけど、まあなんどかなるでしょ。所詮文化祭の出し物だし?」

「……受付は制服ね」

「それとサービス的なものはないよ的なのを事前に受付で説明した方
 がいいかも。その都度を生徒会に出す計画書にも書いた方がいいし」

「分かったわ」




雑踏の中、人の流れと同じように翔太と青空は歩いていた。会話の

途中、青空は遠方に見覚えのある姿を見つけると言葉を止めた


「ん?」

「どうかしたか?」

「いや、あれ……北条じゃないかなって」


青空が指を指した先には制服ではなく、私服姿の人の姿を見つけた。

明るすぎない茶髪は彼の髪の色そのものだが、近づいていくとそれは

紛れもないクラスメイトの北条啓であると確信する


「北条?」

「……!おや、こんな所でお会いするとは奇遇ですね。お二人は
 何か用があってこちらに?学校からかなり離れた場ですが……」

「あぁ、偶然部活の休みが被ったからゲーセンに行こうって話になって」


すらすらと目的を話す翔太だったが、正直この人物をこの場で見たこと

に驚いた。彩花の姿はなく、青空も同じことを思ったようで意外そうに


「北条こそ珍しいな。北条はこういう所には来そうもないから驚いたよ」

「まさか、ゲーセンに遊びに……なわけないよなぁ」


そうだ。ここは学校から何駅も離れた場で、徒歩で通学していることは

知っている為この付近に住んでいる訳でもない。ここ『池袋』にあるものと

言えば、数々のゲームセンターやショップ、または……


(まさか、な。この北条に限ってそんなことある訳がないな)


「実は、ある場に用がありまして」


(身内であることをクラスの連中に知られないよう時々バラバラに行動
 しているようだが、今日もその日なのか?しかしこんな所の用って一体)


そう思いながら差し出したチラシを覗き込む


「なんだ……?……ぶっ!?」


髪に書かれたほんの数文字を呼んだ途端、翔太は思わず吹き出した。

同じく持っていた髪を理解した青空は真っ白なな表情で固まっている


「え、あの、これ」

「この近くにあるとは思うのですが、やはりこの地は多くの店や建物が立ち
 並んでいますね。人通りも多く、複雑で似たような店もいくつかありますし」


紙を見つめながら困ったように呟いているが、翔太の心境はそれどころでは

ない。衝撃と戸惑いと、まさかの展開にかなり混乱していた。そして考えた末


「ほ、北条」

「はい?」

「いや、はい?じゃなくて……」


なぜここに?と思いながらひょっとして、と脳内に唱える


(だが他人の趣味にあれこれ口出しするのはどうかとも思うが)


「な、なんか意外だな」

「お嬢様や鈴木さん曰く私と娯楽の『それ』は違うもののようで、教える立
 場になりますから『その』雰囲気やら見合った作法を掴んでおこうと思い
 まして……。その話をしたら鈴木さんからこのチラシを頂いたのですよ」

「……ん?」

「やはり教える以上、違うものを教える訳にはいかない思い、『実物を見た方が
 きっと分かる』と。お二人が申すものですから、こうして娯楽としてのメイドを見
 に来たのです。真の本場は別の場のようですが、ここが値段が良心的と聞き」

「あ、あぁ……そういうことか」


その言葉を聞き、そこへ行こうとしていた理由が分かり深い息を吐いた


「はあぁ……」

「?」

「いや、そうならそうと早く言ってくれよ。一瞬頭が真っ白になっただろ」

「?なんだかよく分かりませんが、それは申し訳ございませんでした」

「ようするに、北条は文化祭の喫茶店であれこれを教えることになって
 、本物はメイドとこういうのは違うから、雰囲気や空気を掴むために
 本物の『メイド喫茶』に行こうとしてたんだな?それなら色々納得した」

「お、驚いたぜ……。真面目というか、確かに違うんだろうけどさ」


彩花(お嬢様)は学校での用事(生徒会の仕事)がある為こうして

一人で来ているそうだ。メイド喫茶の後は近場にある執事喫茶にも

行く予定のようで、やがて目的の場所を見つけ建物の中へ消えていく

啓の姿を見送ると二人は複雑な心境を互いに呟いていた


「……文化祭の出し物の勉強の為に、学校内で『王子様』と言われる程
 のイケメンな男で、本物の執事が、一人でメイド喫茶に入るのか……」

「なかなかすごい絵面だな」

「しかもその後は執事喫茶にも行くんだろ……?シュール過ぎるだろ……」



時間が過ぎ、場所は変わりゲームセンターで取った景品を持ったまま

二人は近くにあった公園に来ていた。ブランコや鉄棒など、ごくごく普通

の遊具がある中ブランコに座ると数秒後、口を開いた


「公園なんて何年ぶりかな」

「確かに、懐かしい感じがする。小学校以来かな」

「俺は記憶にあるのは……いつだ?……あぁ、中学の頃かな。みんなで
 集まってゲームで通信対戦とかしたりして、家で何時間もやってると親が
 うるさいからって公園で集まってたんだよな。今はそんなこともないが」

「へぇ。俺は、中学はほとんどが部活と勉強だったなぁ」


青空がそう告げると翔太はいう。伊藤は中学の頃から成績がいいことで

そこそこ有名で、定期テストでも上位に入るほどだ。おまけに野球は幼い

頃からやっていたようで、三年時は選手として選ばれていたほどだ


「やっぱ勉強とかしてたのか」

「ゲームも偶にやるくらいだしね。うちは親がそういうのに厳しかったし、
 あんまりやらないんだよね。だから流行りとかあんま詳しくないんだ」



当時、互いに違うクラスでそう接点は無かったものの、全クラス数も少ない狭い

世界なら名前くらいは聞いたことがあるものだ。そして今年、県外にも関わら

ず同じ学校へ進学していたことを知り、打ち解けるのに時間はかからなかった

そして何より、彼らは一時期同じ場へ研修に出たことがある経歴もある


「俺もやるのは割と偏ってるしな」


そういいゲームセンターの戦利品である、あるキャラクターのフィギュアを

取り出すと全体を眺めていた。それを横目で見ていたが、やがて彼は告げる


「これの元のゲーム、すげえ面白いんだ。そこそこ有名なシリーズで、
 まあ、よくあるRPGなんだけど、結構何作も遊ぶくらいには好きなんだ」

「へえ。他にも何人かいたけど、その人が好きなのか?」


前髪の端がくるりと丸まっており、特徴的な女性のフィギュアだが


「あぁ!こいつはキャラが面白くて、戦闘がそこそこ手数も威力もあっ
 て使いやすいんだ。見た目に合わず、すっげえカッコいいキャラでさ」


ゲームの話に花を咲かせている中、そんな二人の前方、公園の入り口

付近に影が迫る。そしてそれは彼らの元へ一歩、また一歩と近づいていく


「特にこいつの攻撃が…………」

「どうした?」

「この感じ、あの時と同じ……。……まさか」


まさかと思い、公園の入り口へ目を向けるとそれはいた。ゲームの世界

にいても違和感がない、むしろそっちの方がしっくりする模様の服。大きめ

なフードは顔を隠す程深く被られており、腰下まで伸びる上着。この国の

基準から遠くかけ離れ、紺色の生地と季節に合わない生地でできている


「……コスプレの人かな?」

「いや違う、あいつは……」


フードで隠れ顔や表情は見えないがあの衣服と僅かに出ている青い髪

は記憶にはっきりと残っている。それは学校の屋上で見たものと同じだ


「……」

「上田?」

「……少しここで待っていてくれ。……何の用だ?」



フィギュアを袋にしまい、ブランコから立ち上がると数歩前に出て問う。そし

て前へ出ると手に刀を顕現させ構えた。あの時のように突然襲ってくる可能

性が高いことへの警戒心だ。彼女は顔を見せることなく、徐々に近づく


「上田、知り合いなのか?」

「そんな穏やかなもんじゃない」

「当然、貴様をこの世から消し……」


その時、後方から巨大な轟音が聞こえ言葉は止まった。あまりの音に

思わずアクアから目が離れるが、目視では何も見えない。続いて彼女も

翔太に背を向け音の正体を確かめるように道路の方向へ振り返った


「今、すごい音がしたけど、一体なんだ?」

「事故……か?」


その音は巨大なもの同士がぶつかったような、もしくは固いものに打ち

付けられたような。考える限り現実的なのは車やバイクの衝突事故だろう

だが次の瞬間、それは明らかになる。茂みから物音がしたと思えば、そこ

から現れたのは動物とは違う異形の姿形をした存在、『魔物』の姿だった


「なっ!?」


三人の姿を捉えるなり襲い掛かる魔物たちに対し、駆け出すと翔太は勢い

よく刀を振るう。水平に振られた刃は魔物の胴体を切り裂き姿は消えていく


「……!」

「あっ」


青空が声を上げ、翔太もつられて視線を上げると魔物が少女へ向か

っていくのが見えた。しかし視線を上げた直後、相手の爪を避け魔物は

一瞬のうちに消えていった。その時少女が持っていたものは、特殊な

宝飾を持たぬ、いたってシンプルなデザインの剣だった


「剣……!?」


青空の驚きの声が聞こえ、やがて翔太の目に入ったのは公園の入口を

越えた道路で女子高生らしき二人組が魔物に襲われている光景だった


「きゃあああああ!」

「やばい!」


途端に刀を持ったまま駆け出すが、女子高生たちに対して魔物は

目前にまで迫っている。全速力で走っても今の速さじゃ間に合わない

どうにか間に合えと走り続ける中、思わずその声は漏れた



===================================

次回

アクアは冷たい目で翔太に再度警告を残し姿を消す。そんな一方、彩

花の前には再び謎の存在がある『試練』を言い渡すのだった。真意が

知りたい翔太は彩花に問いかけようとするが、それをアクアが遮り……


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