INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第31章、朧月

一同の前に現れたユンヌ、アスタルテによってイグジステンスの総大将

の名が明かされる。ファイターを助け出すためには条件がある。総大将

を決めるも、間もなくある因縁のある者たちが攻め入るのだった・・・
_______________________________

「あの時と・・・同じ。お気遣いありがとうございます」



そう告げるとその手に現れた剣を見て表情を一変させた




「あの時と同じ過ちを犯すわけわけにはいきません」

「まさか助けに行くつもりなのか?この状況で?」




「それは駄目だ。たった一人で勝てる訳が・・・助けるにしろたどり
 着く前にアイクの妹が・・・それに、君も集中攻撃を受けてしまう」

「・・・・・っ」

「あれは過ちではない。あの時の事を・・・攻め入る必要はない」



その時、周囲の声がざわついたことに気がついた。その正体は同じく武器を

下ろしていたゼルギウスが何も持たずに動いたことだ。一度は拍子抜けした

ルドベックだったが大声で叫ぶと弓矢が一直線に飛んでいった



「っ!」

「・・・!」



駆け抜けるものの数発が当たり数人が声を上げる中少女は告げる



「もう悩んで後悔はしたくないんだ・・・!」

「おい・・・!?」



次の瞬間、少女の姿は消え、小さな崖の上に現れると少女は詠唱する

そして目的の場所をしっかり見据えると剣を構え斜め上に振り上げた



「・・・!」



剣から刃のようなものが飛び交い縄を切るとミストは下に落ちる。次の

瞬間誰もが視界に入った姿に敵味方問わず衝撃をもたらすこととなる



「彩花!?」



立ち上がると剣を構えたままミストの手を引き走り出す。そしてすぐさま

目に入ったゼルギウスの元へ駆け寄ると敵が構えた弓から射られた

矢を風魔法で全て吹き飛ばしていく。一旦攻撃の波が収まると言った



「あんなことするなんて、死ぬ気?」

「何。君の事だからそう長くないうちに来ると思っていた」



ミストが唖然としてる中ゼルギウスの言葉にため息をつきながらも

笑みを浮かべると瞬く間にそれは戦闘用の鋭い目つきになる



「何を根拠にそんなこと言えるんだか」

「なんとなくだ」



場の空気が乱れた所で、エリンシア達も遮るものがなくなりそれぞれ構えた



「彩花!」


エリンシアの声に少女はミストと共に駆け寄った


「どうしてここに・・・ここは・・・」

「私は聞き分けが悪い事で有名なんです。一部の人にはね」



目の前に広がるのはイグジステンスではなく真人間。現にここに来

るまでに受けた傷の数々に少女の衣服は破れ血が滲み出ていた

彼女の事をよく知るエリンシアはその姿を見て一層蒼白な表情になり


「血が・・・」

「こんなの大したことない」

「今戦っているのは魔物ではなく、人間なのです・・・!」

「・・・・・・」

「今すぐ離れてください。でなければ・・・」







「この世界を護るのが私の使命」




兵士たちに囲まれる中、ふと発せられた声にエリンシアは反応した


「だけど・・・今戦ってるのは全て私の意思だよ。あの場所を無くしたく
 ないから。それはここも同じ。貴方達を・・・この国を守りたいから」

「え・・・」

「この気持ちに嘘偽りはない。私の、本心だよ」





「だから私は戦う」



戦闘が始まり、次々人が倒れていく。当然その光景は地獄絵図に近い

もので地面は赤く染まり、至る所に兵士が持っていたであろう武具が散

らばっている。その中を通り過ぎると次なる兵士たちとの闘いが始まる




『貴方達を・・・この国を守りたいから。だから私は戦う』

「・・・・・・」



一歩、また一歩と少女は確実に男の方へと近づいている。そして彼女を

遮る者たちは、彼女によって切り伏せられていく。刃の当たった場から血

が出ることはなく、兵士たちはゆらりと体制を崩すと地面へ倒れていった



「女王陛下、私達も戦おう」

「ゼルギウス殿。・・・そうですね、何としても・・・負けられません」



痛みは感じられなくとも、何かが軋むような、鈍るような感覚がしている



「ふん・・・」

「何年経っても、あの時の事は絶対に忘れない。・・・これで最後だ・・・!」



次第に近づき剣を振りかざそうととした時、彩花とルドベックの間を突

風が遮った。進むことを中断させる強さに後方へ押し出された。一体

何が起きたのか。それを確かめようと周囲を見渡すとそれは現れた



「・・・・・・」

「アクア!?」



アクアはルドベックの前に心の内を表さぬ冷酷な目で立っていた



「また貴様か!今度は何を企んでいる!?」

「・・・・・・」



しばらく沈黙を守っていたアクアだが、やがて棘のある声で告げた



「うかつに近づくな。奴はすでに・・・人としての心を失っている」

「え・・・?」



アクアが告げて間もなく、誰もが異変に気付いた。ルドベックの身体を囲む

ように銀色の風が吹くと次々と残っていた兵士たちが飲み込まれていった



「な・・・!?」

「なんだあれは!?」

「皆さん気を付けて!!」



雰囲気がガラリと変わると至る所に銀色の風の刃が飛び交いそれぞれは

咄嗟に武器を構えたり盾で刃を防いだ。異様な空気に圧倒されていると後

方にいたセネリオが駆け出しアクアの元へたどり着くと神妙な表情で告げる



「貴方は・・・」

「鷹の民を遠ざけろ。暁の女神もこの場に近づけさせるな」

「な・・・」

「さもなければこの気に飲み込まれるぞ」



一度は登場のタイミングに焦った一同だったが、アクアはこちらに敵

意を向けることなくそれは振り返った先にいたルドベックに向けられた



「く・・・」

「サナキ様!?」

「な、なんじゃこれは・・・息が・・・苦しい」

「ミスト、しっかり!」

「う・・・・・・」

「お二人も下がってください」





「アクア、これは一体・・・」

「奴は奴らに乗っ取られている」

「奴ら・・・ってイグジステンス!?」

「奴らも手段を選ばなくなってきたな。さあ、どう戦う」



(総大将は私、ちゃんとしないと・・・)



「どんな手を使ってくるかわからない。まずは様子を見よう」

「わかりました」



アクアの言った通り男は人間でないかのように怒涛の攻撃を繰り出した

それは光でも闇でもない。銀色の光であるがそれをこの世の物質に例え

ることはできない、そんな感覚だ。後に闇魔法が特攻という事が判明し

ペレアスを中心に戦闘を続けると、最後の一撃でルドベックは消滅した




「勝った・・・のか」

「かなり深手を負った者が多いな。急いで城に戻ろう」




一同は城へ帰還し、一連の騒動は幕を下ろした。謎が多く残る中




「霧が?」

「皆が帰ってくるって連絡が来た頃かな。海に充満していた霧が晴れた
 んだ。原理はわからないけど・・・皆の闘いと関係があるんじゃないかな」

「よくわからないけど・・・これで物資が行き渡らない問題は解決ね」




あの戦いから数時間後、セネリオは中核となる一員をある部屋に集めた



「アクアの事で、お話ししたいことがあります」

「アクアじゃと?」

「えぇ。皆さんと同じように、僕も彼女の行動に対し敵意を感じていました。
 あの人の一部だとしても、行く先々で行く手を阻む姿に疑っていました」





「・・・ですが、おそらく・・・僕たちを手助けしてたのでしょう」

「なんだって?」

「これまでの行動を見てそんなことが言えるのか?今回はともかくこれ
 まで俺たちに何度も刃を向けて来たんだぞ?遊びにしては質が悪い」

「はい。幾度となく魔物を生み出して僕たちを殺そうとしました」




数拍置いて、発せられた言葉に一同は反応を示す



「僕の推測ですが、思い出してください。彼女の呼び出した魔物との戦
 いの後のイグジステンスとの戦い・・・彼女の魔物と似ていたことを」

「え・・・?」

「正確には倒す方法、弱点が」



記憶を辿っていくと数人はセネリオの言っている事に気づいた



「・・・言われてみれば確かに」

「んん?どういうことだ?」

「彼女は・・・考えにくいですがやはりイグジステンスの仲間・・・?」

「いいえ、違います。ミズキ王子」

「んん?どういうことでしょうか・・・?」





「僕たちが先々の戦いに勝てるよう、彼女が似た性質の魔物と戦わ
 せることによってそれを僕たちに知らせたのではないのでしょうか」

「・・・!」

「だからこれまで僕たちはアクアと戦った時と同じ方法でイグジステンスを
 倒せた・・・ここまで誰一人欠けることなく生き残れたのではないでしょうか」



次の瞬間、室内は騒然とした。中でもスクリミルの声が室内に響く



「な、なぜそんな回りくどい事をしたのだ?事前に知らせてくれればよか
 ろう!わざわざ疑われるような方法で立ちふさがることはあるまい!?」

「そうだよ!仲間なら仲間だって言ってくれればよかったのに!」

「・・・まぁ、それが出来れば元から苦労はしないんだけどね」




その時、突拍子もなく発せられた少女の声に一員が振り向いた




「まあ、アクアなりに協力しようとしたんじゃないかな」

「・・・・・・」



そして気配を感じ別の方向を向くと、そこにはあの少女がいた



「アクア!」

「随分とお喋りになったものだな」

「僕は軍師としてすべきことをしているだけです」

「・・・・・・」

「それで、僕の読みは正しいでしょうか?」




貴様らが暗雲を照らす光となるのか。それとも無残に散る隕石の欠片

となるか。呟いたアクアの言葉は森の中で発した言葉と同じだった



「脅威を退けようとしたとして、今の貴様らでは到底不可能だ。だから」

「俺たちが成長できるよう、お前が立ち塞がった・・・ってか?」

「・・・そうともとれる。イグジステンスに比べれば俺の力は所詮といえる
 程度。そんな俺にすら勝てないようでは奴らに勝てる可能性はない」



「「・・・・・・」」



少女の言葉に反論するものはおらず。ここにいる誰もが意味を理解

したように黙っていた。沈黙が流れる中、やがてアクアが口を開く




「運命の時は近い。実力は不十分だが・・・それ以外に方法はない」

「・・・・・・」

「全ては貴様らにかかっている。奴らの運命も・・・この世界の運命も」






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次回

シグルーンの元に現れたのは以前矢と爆弾を売ってくれた商人マロ

とファイターの一人リンクの知り合いイリアだった。そんな中総大将に

任命された彩花だったがかつてないプレッシャーを感じていた・・・



次回 第32章、「伝説と現在」


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