INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第29章、与えられるもの、得るもの

イグジステンスからテトラを助けた彩花だったがミカヤ、サナキと共にある

場所へ連れてこられる。歴史感じるその場に現れたのは『彼女達』の一人だ

った。そこで彩花に課せられた封印と真相への手がかりを得るのだが・・・
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「さあ、これまでの行動で彼女について掴んだことを整理するわよ」



廊下の一角でエミーはテイルス、ナックルズ、ブレイズと囲んで小声で告げた

あれからスターフォックスは宇宙へ飛び立ち一同は休息と報告を含めテリウス

大陸へと戻ってきていた。いつ進軍が始まっても準備万端という状況下にあった


「・・・朝に弱い」

「・・・大食い。あの食い方は尋常じゃねえ」

「夜もそんなに強くない」

「・・・って何かが違う!そういうのが知りたいんじゃない!」



大声をあげ見上げるエミーに対し、テイルスの厳しい一言が突き刺さる



「そんなこと言ってもほとんど戦いの為に行動してるんだしそんな意外な一
 面とか見つからないと思うよ。それこそ大会とかに招待する勢いじゃないと」

「こんなに長引いたの初めてよ!エッグマンでさえこんな長いことはないわ!
 夜遅くなることもあるしお肌に悪いしもう最悪!おまけに戦いばっかりだし!」



そして今日も彼女の観察の為に追跡しているのだった。暇人かよというナック

ルズの声が聞こえた気がしたが気にせず扉のドアを僅かに開くと姿が見えた



「西軍を森の中を通って進軍させ・・・」

「それでは竜騎士達が行動しづらくなってしまいます。それに森は深くな
 るほど霧が立ち込めるので長時間の戦闘はあまり好ましくありません」

「え?じゃあどうすれば・・・」

「例えば、森ではなく川沿いに進軍して、陣営を立てるのはどうでしょう?」



机を挟んで何かを話しているようだ。話している相手はシグルーンのよ

うで紙に向かって駒を動かしては何やら話し合いをしているようだった


「川?それじゃ遠回りになっちゃうんじゃ・・・橋も渡らなきゃいけないし」

「確かに橋を渡る最中に奇襲に合えば大打撃です。ですがここを見てください
 。川沿いを通り、ここから森に入れば、迷う心配もなく短時間で向かえます
 。それに橋の向こうに川は流れてないので奇襲される心配もそうありません」

「た、確かに・・・!けど、仮に嵐とかで川が反乱していたらこの策は使えない
 んじゃ?向こうは川がないわけですし進軍スピード的にも不利になっちゃう」

「よほどの事がない限り嵐は段階を得て発生します。事前に知り川の流れを止
 めておけばその心配もありません。特にこのあたりの場合いくつも分かれて
 ますから、そうですね・・・特にここを塞げばいい感じに抑えられるのでは」

「う、ううん・・・!?そうなんですか?」

「こっちが下流ですから、水はこう流れ・・・ここでこう流れていくわけです」



どうやら兵法について話し合っているようで、次の瞬間少女は突っ伏した



「うわあ・・・やっぱり難しい・・・!」

「うふふ、その若さでそれだけできれば上等だと思いますよ。・・・まあ、例外は
 いますが。普段はゼルギウス殿やセネリオ殿に稽古をつけてもらってるとか」

「大体セネリオにはボコボコに反論されますけど」




「む、難しい話をしているね・・・」

「俺、頭痛くなってきた・・・」




その時、休憩としてどこかへ行くようで立ち上がった姿を見て驚きその場か

ら離れ隠れると2人は扉から現れ廊下を歩き始めた。当然3人も後を追うが



「想像以上に難しい・・・いや、策を考えるのが難しいだろうってのは知っ
 てたけど・・・学ぶべきことが想像以上に色々あり過ぎて頭痛くなりそう」

「ふふ」

「その日の天候から地形の移り変わり、特徴・・・他にも軍を円滑に進めるた
 めに状況や情報も把握してないといけないし・・・挙句の果てに他国や商人
 との会話でいかに勘付かれずに情報を抜き取るか・・・万能職業では!?」

「・・・彩花殿」




「?なんですか?」

「サナキ様から貴方に尋ねたい事があるそうで」



場所は移り変わり、2人の前でサナキは口を開いた



「・・・神についてどう思っておるのか、再度お主の意思を聞きたくてな」


その言葉を聞き、シグルーンの眉が動き少女の表情も僅かに変わった

少し俯いた少女の脳裏には、数年前の女神との戦いの一角が浮かんだ



「私は女神アスタルテ達は完全だと思っていた。だがそれは違うと言われた。考
 えてもわからぬのだ。現に彼女ら神の力で、我らは導かれているではないか」

「もし、本当に完璧だったらまずこんな事、起きないんじゃないかな」

「!」

「そうだな・・・私も人間だし、神様のことなんて知らないことだらけだ
 けど人と神って実はそんなに変わらないんじゃないかなって思う」



数秒間間が空き、その間少女は何かを思い出していた。そして


「私達は平和を望んでる。平穏であるため努力だってきっとする。けど、もし
 何も起きなかったら・・・この世に『異変』というものそのものが無かったら
 それは・・・すごい怖いことなんじゃないかな。だって、何も得られないから」

「怖い?それはどういう・・・」



問いかけた次の瞬間、サナキは答えを聞く前に考えるそぶりを見せた



「・・・もし、この世が創られた時から争い事がなかったら・・・我々は生きる
 術を見いだせなかった・・・?魔法もできず、武器もない。・・・そう考える
 と我々が地や身を守るのは、一種の生存本能と言える・・・ということか?」

「それもそうかも。サナキの考えは正しいと思う」





「・・・戦いが起きたり、辛いことが起きるのは、神様からの試練だと思う」

「試練?なぜそんな風に思う?神は我々の平穏を見守ってくださる存在、そん
 な御方がなぜ我々に苦痛を与える?おぬしはその説いができるというのか?」

「神様って意地悪で気まぐれで、それぞれ違う才能や外見、身分を与えたんだ
 よ?結果王で富に困らない人がいれば一日を生きるのが命がけの人もいて・・
 ・皆同じにしてくれればそんな問題起きないのにね。意地悪だと思わない?」



そんなこと考えたこともない、とサナキは難しい顔をした



「けどさ、面白いのが完全な人がいない事なんだよね。王は定めから逃れられな
 くて自由を求める。一方人は自由だけど裕福さを求める。誰かしら願いがあっ
 て・・・それぞれに試練が与えられてるんだよ。全て、人類が進化する為のね」

「進化・・・」

「結果、今身分の違う私たちはこうして協力し話せている。それは一つの
 試練を乗り越えた結果じゃないかな。サナキも、思い当たりはあるんじゃ?」

「・・・確かにある。定めではなく神が与えた試練か・・・」



人類は進化と退化を繰り返し、時を重ねている。それを神たちは喜んだり

悲しみ、よって幸福や新たな試練、天罰を下すんじゃないかな。本当は人

を救うのは神じゃなくて人で、神はそのきっかけを作っているに過ぎない



「だから私はそんな無鉄砲で不公平な神が嫌いだ。けど、そんな試練があ
 ったからこそ今の自分がいると思えたら・・・憎んでも憎み切れないなって」

「・・・・・・」

「私を独りにして、どん底に堕としたこの世界と神が嫌いで、異変や戦いを通じ
 て違う世界に変えた・・・そんな異変を引き起こした神とこの世界は・・・好
 き。身勝手で気まぐれだけど、神様も人のように不器用で不完全なんだと思う」



ふと反応がなくおそるおそる振り返ると、サナキとシグルーンは呆然とし

ていた。「あっ、え・・・」と不安心が募り右往左往していると彼女は言った



「・・・そこまで考えていたなんて・・・正直脱帽しました。道徳的というか・・・」

「『なんでこんな世界に生まれたの』『なんで、なんで』って散々神を恨ん
 できましたからね。もし変われなかったら・・・どうなっていたんでしょう?」

「それは・・・」

「いや、想像はつく。何度も思った。悪魔でも魔王でも、なんでもいいから私に
 力をくれないかなって。きっと手を差し伸べられたら迷わずその手を取った」

「な、なんだって?」

「例え世界を滅ぼうとする魔王だって、こんな世界が終わるのなら、私も
 世界を壊そうと協力するよ。生きていても、何の意味もないんだから。
 そして昔私を馬鹿にした人たちに絶望と恐怖を負わせて、乞わせるの」

「・・・・・・」

「まあ、その人たちは今どこにいるのか知らないし。もう会うこともないだ
 ろうけど。経験の中でなら、敵に操られて・・・皆を傷つけたり・・・とかね」

「「!」」



直後、遠くから声が聞こえると少女は立ち上がった。それに続くように

叫び声を聞き取るとサナキとシグルーンも立ち上がり、廊下に出た



(かわいそうだね、大変だったねって。・・・そんな言葉が欲しかった。ただ
 味方が欲しくて。だけど今は、同情を求めるのは違うんだろうなって思う)



いつまでも求めるだけじゃ何も変わらない。あの時はそれが一番必要だった

としても、今はその『過去』を得て、これから出会う物事に対してその『過去』

を生かしていく。皮肉なまでに・・・全ては繋がっているから





「ただいま~」

「おかえりなさい。何か・・・掴めましたか?」



エリンシアの問いに対し、スリッピーの前に出るとペッピーは咳払いした



「コホン。我々は彼女に言われた通りイグジステンスの一部をもって宇宙警
 察に行ってきた。そこでペパー将軍という者に解析を依頼したのだが・・・」

「かなり有力な情報が得られたわよ」




「ほ、本当ですか?」

「うむ。宇宙警察は数々の星で起きた異変や問題のデータや報告書が集まっ
 ていてな、それらと照らし合わせたところとある惑星で起きた事件と似ている
 ことに気づいたのじゃ。そして素材を分析した結果・・・同じものだと判明した」



ペパー将軍の言葉に周囲がざわつくと、再び咳払いに周囲は静まり返った



「その後事件は打ち切り、その惑星は危険区域として立ち入り禁止となった」

「・・・それが有力な情報か?これからどうするかはこっちで考えろってか?」

「そう慌てるな。この星の異変は彼らの元にも入っていたようで調査していた
 そうなのだが・・・おっと。・・・こちらペッピー・・・なに!?・・・皆の者、今惑
 星コーネリアにイグジステンスの大群が押し寄せていると連絡が入った」

「なんだって!?」



緊迫感を持たせたペッピーの声に続きスリッピーが叫び声を上げた


「被害は甚大、すぐさま救援に来てほしいという。すまないが、我々は
 今からコーネリアに向かう。この話は、それが終わってからにしよう」

「私達も向かいましょ!」

「そうだな、テイルス、飛行船で俺たちも向かおうぜ!」




こうして救援要請を受けたペッピー達は宇宙警察本部もある都市へ向かいテ

イルス達もまた彼らと共に惑星へ向かうのだった。彼らの所持する飛行艇の

関係で多くの者が星へ残ることとなったが大気圏を抜け、次第に見えたのは



「ひどい・・・」

「あちこちにいやがる。よし、さっさと倒しちまおうぜ!」

『我らはペパー将軍の安否を確認する!』

『了解!』



その頃、ニンテンドー内では・・・・・・


「あの空の向こうってどうなってるのかな」


ミストのつぶやきに対し、後を追うようにティアマトは空を見上げた。そ

れは彼らが飛び立っていった方向であり、彼らは瞬く間に姿を消した


「どうかしら。青い空がずっと広がってるのかも」

「・・・ねえ、ユンヌ達はイグジステンスに封じられたんだよね?」

「そうね。そして、アイクも・・・」

「あれ、メダリオンが・・・」


ふと何かに気づくとポケットからあるものを取り出した。淡い青色に輝く

メダルのようなもの。彼女らテリウスと女神を繋いでいた唯一のもの

まだ女神という存在が架空だったころ、唯一繋いでいた存在そのもの


「光が強く・・・まさか、また正の気が暴走して・・・?」

「ううん、違う。これは・・・・・・。・・・!」


いつもより光がつよかったメダリオンは突如天空へ光を放ち、雲に風穴

を開けたかと思えば光は屈折し、またどこかへと飛ぶように放たれた



「メダリオンの光が、どこかを指して・・・?」


視線を動かし光の指す方を向くが遥か彼方まで延び、どこに向かって

いるのか確かめられる場所にはないようだ。ただ、一つ確かなのは



「何かがあるってことか」

「すみませんラインバックさん。付き合わせてしまって」

「ここまで来たらもうどうってことねえよ。何か手がかりが掴めるか
 もしれねえし。まあ一応・・・色々とお前らには世話になってるしな」

「ありがとうございます」

「へっ。じゃあ俺はここで待・・・」


そう言いかけたが言葉は止まり、違和感に一同は首を傾げた


「・・・やっぱ俺も行くぜ。なーんかやな雲行きだしよ」

「雲?・・・晴れてるが?」

「比喩だよ比喩!なーんかやな予感がするんだよ!決して一人で待つのが
 怖い訳じゃないからな?一人になった瞬間襲われたらとか思ってる訳じゃ」



ラインバックの言葉に呆れ顔で対応している一同の中、ミカヤは呟いた



「けど、まさか光の先があそこを指しているなんて。・・・導きの塔」

「確か、あんたらんとこの女神を祀る場所だっけ?確か封印されたんだろ?」

「まあけど、ソレが反応したってことは何かあるんじゃないか?」



デイジーとテトラが告げるとミカヤは頷いた。そしてあの日サナキと彩花

が向かった以来訪れていなかった場所に一同は足を踏み入れ、階段を登

る道中に敵の姿はなく、最上階にたどり着いた時、メダリオンの光が増した



「・・・!」



すると正面に無数の光が集まるのが見え、それが何かを示すように一同

は息を呑むように見つめていた。しかしそれらが形作る前、異変は起きた




空中と地面にいくつもの魔法陣が現れると白い光と共にそれは姿を現す




「イグジステンスじゃと!?」

「っ・・・囲まれた!」


無数に表れたイグジステンスを見ると一同は武器を引き抜き構えた

誰かが駆け出すと戦いの鐘がなるかのように一同は駆け出した



「あの光に近づけさせるな!きっとあれには何かがあるんだろう」



目についた敵から倒していくと次第に数は減り、再び平穏が訪れた



『・・・・・・』



誰もがその光が露わになるのを待つかのように息を呑んだ。そして

やがて光は弾けるように発光すると中から人の姿が現れるのだった



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次回

一同の前に現れたのは封印されたはずのアスタルテとユンヌだった。イグジス

テンスを従えファイターたちを封印した正体が明らかになり、決戦への道筋も

明らかになる。決戦に向けて、一同は連合軍の『大将』を決めようとするが・・・


次回 第30章、「導き」


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