INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第20章、真意と偽意

補充の為町に向かうが魔物の影響で店主の留守が発覚する。しかし行方を追い原

因が発覚、子供たちを無事保護するのだった。マロより武具の調達を終えると同

時に王国を塞ぐ岩を破壊する手立てが見つかり次なる行き先が決定するのだった
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「陸が見えて来た。このままいけば無事陸につけるだろう」


ウルキの言葉を聞くと一同は一息ついた。矢を補充するため立ち寄った

店の店主の一言により道は繋がれた。そして安心の理由はもう一つある



「あそこみたいに岩に囲まれてるっつーこともないっぽいな」

「よかった。あの方の言ったものが見つかると良いのですが・・・」



だが彼らは知らない。彼らの知らぬ場でうごめく影を





大陸にたどり着いた一同は一部を残し王都を目指していた。着陸してから

目に入るのは全てを照り付ける太陽と乾いた土。水分が微塵も感じられず

サラサラと風に砂が舞う。それはまるで『砂漠』のようだ



「あっちぃ・・・」

「水が心配だな。王都につくまでもつかどうか・・・」



想定外の気候に用意した水がみるみるうちに減っていく。そんな中歩き続けて

いると砂に囲まれている中遠くにキラキラとした輝きが見えた。もしやと思い








「おい、あそこに見えるのってもしかして・・・」






声につられるように遠くを見るとやはりあれは水のようだ。この地にとって天

国とも思える輝きと状況に一同の声は一瞬のうちに生き生きしたものとなる



「あれは・・・オアシス?」

「助かったわね。いったんあそこで休憩と水の調達を・・・」



そう告げた瞬間、何かの気配を察知しティアマトの視線は鋭くなった。他の者

も異変に気付いたようでオアシス周辺に青黒い煙が蠢いているのが見えた



「な、なんだあれは?」



誰かが声を発した次の瞬間、黒い影はみるみるうちに形を象り、人の身長を

遥かに越える筒状の魔物が姿を現した。すぐさま一同は戦闘態勢に入ると




「これは・・・まさか!」



セネリオが呆気に取られたように目を見開くと辺りを警戒する。するとオアシス

周辺にあった石場の上に周りの風景と比べ遥かに目立つあの姿を見つける


「なっ貴様・・・!」

「あの時の・・・アクア!?」

「貴方は・・・どういうことですか」



セネリオの問いかけに少女はただ彼らを見下ろしていた



「生き延びたければ、ここを切り抜けろ」

「おいお前、そこをどけ!もう喉が乾いて・・・」

「こいつらを倒せば水も手に入る。それだけだ」



ローブに身を包んだ少女が手を翳すと一同の前にも影と姿が現れる



「どういうつもりだ!?」

「・・・まずはこいつらをなんとかしてからだな」



迷うことなく武器を手にすると一同と魔物の戦いは始まった。彩花もまた彼女

の行動に騒然としながらも行く手を遮る魔物達に攻撃していく。・・・しかし



「っ!」


砂場に足を取られ転倒すると身動きが取れなくなっていた。ふと聞こえた声に

振り向くと戦っていた他の数人も同じような状況に陥り混乱の言葉を発している

それに気づいたエリンシアは地に足をつける者は不利だと気づき指示をかけた



「地に足をつける者は身動きが取りにくい。ティバーン様」

「・・・空を飛べるやつらで先陣切るぞ!」




彼らが全ての魔物を倒した時、どこを探してもローブの姿は見当たらなかった



「あいつは一体なんなんだ・・・」



苛立ちを感じさせる声がヤナフたちの耳に入る。そしてエリンシア達には他に

も彼女に関して気がかりなことがあった。それは過去に聞いた彼女の言葉だ



「彩花、教えてください。彼女は一体何なのですか」

「エリンシア?」



問いかけられ彩花は語尾が上がる形で返した。何故なら彼女の問いかける

表情はこれまでに見たものとは違う、不安と疑問を感じさせるものだったからだ



「ライ様達と以前会った事がある・・・と言っていましたが」

「俺も言われて考えたが記憶になくてな」



その言葉に彩花は返す。数年前・・・まだスマブラという組織が存在していた頃

世界中の王族を狙ってニンテンドーを襲った。その時スマブラも動き出しある者

の指示で七つの封印を解くように世界中を駆けまわっていた



「前にクリミアに魔物の大群が押し寄せた事があったでしょ?」

「えぇ」

「その後自分は指示でガリアに行った。その時ローブに身を包んだ人が来
 たのを覚えてない?ティバーンに至っては正体までみたと思うんだけど」



その言葉で、気づいたように告げる



「あの時の・・・!」

「思い出した・・・」



休憩を終え進み続けると砂漠を抜け町のような場所に出た。王都まではまだ

しばらくあり一部の者が情報を集めている間周辺に天幕を張っていた一同は

僅かな休息を取っていた。そんな中セネリオは暗い空の中歩いていた



「・・・・・・」



向かったのは別の天幕ではない。何かに惹かれるように暗闇の中を進んでいく

岩場を抜けた先に薄暗い景色の中でもはっきりとそのシルエットは映っている

セネリオの足音と共に、気づいたようにローブの人物は振り返った



「貴方は・・・アクア、でしたっけ」

「・・・・・・」

「何故あのようなことを?下手をしたら命を落とした者がいても・・・」




セネリオの問いかけに対しアクアは答えない



「どうして何も言わないのです。質問の意味が分かってるんですか?」

「答える必要はない」

「!・・・なぜですか」



拳を握りしめながらセネリオは告げた



「・・・僕は軍師です。軍を勝利に導く義務がある。貴方は彩花の一部と言
 いましたが、今のままでは貴方をこのままにしておくわけにはいきません」

「俺を疑っているのか。スパイではないかと」

「・・・っ」



鋭い目つきから発せられる言葉に言葉が詰まった。疑っていたのは確かだ

危険を、敵の意図を見抜き対策を立てるのが自分の役目。しかし決めつける

には証拠も情報も不十分過ぎる。ざわめく心の中セネリオは告げる




「わからないんです。考えれば考えるほど。貴方のすることが理解できない」

「軍師たるお前でもか」

「彩花の一部だと言うのなら・・・なぜ僕たちを襲うんです?」

「答える義理はない」

「まっ・・・!」



翻した衣服にセネリオが止めようとするが彼女はその場から姿を消した

その場に残ったセネリオに静寂が襲う。木々の音がなく不穏な静寂が








「・・・私にもアクアのしたいことがわからない。けど一つだけ分かることがある」

「何ですか?」

「アクアは、セネリオを認めている」



ざわめき落ち着かない気持ちをぶつけるように彩花の元を訪れる。がその

先で聞いた言葉はセネリオにとって不覚としか言いようのない言葉だった



「な・・・?彼女が・・・僕を?」

「アクアはね、セネリオによく似た人なんだよ」




数秒間沈黙が流れる。互いに何を考えているのかは予想がつかずセネリオは

彼女と出会った当初と、あの出来事を思い出した。その時彼女が言葉を発する



「・・・私もセネリオと同じなんだ」

「え?」

「私もね、周りの人から蔑まれ、一人で生きてきた」



その言葉に、衝動が隠せなかった



「な・・・ど、どういうことですか?」

「周りと同じ種族で君の世界の理で言えば私は蔑まれる理由なんてない。けど私
 は独りだった。独りに・・・なった。人が人を貶めるのに理由なんていらないんだ」

「・・・・・・」



種族とか差別とか、そんな明確な理由があってもなくても。本当は誰でもいいの

だろう、自分より下だと思えるものがあるならば・・・人は皆優越感に浸らねば不安

なのだ。人を貶めるというのは悪くも快感であり、安心できる源でもある



「本当は誰でもいいんだよ。自分が上と体感できれば」

「誰でも・・・」

「堕ちるのはあっという間で、周りが全て敵に見えた。だから友達って言葉が嫌い。
 仲間って言葉が嫌い。信用とか信じるとか・・・そういった正義に溢れた言葉が嫌い」



その時セネリオは何かを感じた。今までとは違う感覚の謎のざわめきを

それからしばらくしてそれは彼女の内から発せられるものだと気づいた



「これは君だから話すんだよ」

「それは僕が・・・貴方と似ているからですか」

「そう。全ての人間には裏がある。利益の為に保守の為に平気で嘘をつく」



それは自分が経験した事にも重なって見えた。彼女と同じ意を持っていた時と




「・・・だから僕は頼る事が嫌いだった。・・・アイクに出会うまでは」

「アクアはね、そんな私の人を憎んだり嫌う心が寄り集まったものなんだ」

「・・・アクアが・・・」



だからあんな目を、あんな表情をしていたのだ



「セネリオなら・・・少しはわかると思うんだけど・・・」

「・・・わかります。僕も・・・自分以外が嫌いでしたから」







「あの時は必死だった。どんな手を使っても2人を止めたいって」

「・・・連合軍とデイン軍の時の話ですか?」

「そう。だからいつもは奥にカギをかけた感情が・・・出ちゃったんだね」




(似ていると・・・思っていた)



似ていると思っていた、彼女は僕と。その理由が今明らかになった。だけど彼

女は僕にはないものを持っている。だから僕は聞くまで気づけなかったんだろう



「だというのなら理解できません」

「・・・何が?」

「信じる事が嫌いだと言うのなら、人が嫌いだと言うのならなぜ見ず知らずのデイン
 王達を助けようと思ったんですか?・・・両方の命を救おうと思ったのですか?」

「それは私の性格。信じられないけど関わったから、今見えてる部分はあの人
 たちはいい人だから助けたいってね。そういうところが中途半端なんだよね」



セネリオとは違い割り切れない。そこが甘いところだと少女は告げた



「・・・なぜこんな話を僕に」

「アクアが何を考えてるのかは私にもわからない。けどアクアは敵じゃない。ペ
 レアスさんの時もあの時も、行動には何か意味がある。多分皆は疑ってかかる
 だろうから、セネリオにはわかっていて欲しくてさ。・・・不器用なんだって」





「・・・不器用なんだよね。アクアも私も。・・・セネリオも」




ある日少女は6人に分かれた。それぞれに元の少女の性格のひとつひとつを強

調させ、それらは一人一人の身体に宿った。故にアクア達の事を『性格』と少女

達は呼んでいる。情熱、楽観、温厚、冷静、調和、冷酷・・・後に他にも現れるが



「そう。分かれた性格の中でも・・・アクアは闇の心が強調されたもの」

「信じられません。だってあなたは・・・」




「貴方は、あんなにも心優しいではありませんか」



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次回

アクアの正体を知るものの信じられないエリンシアとミカヤ。度々の違和感は

あれど彼女の中にそんな性格があるはずがない。信じて止まない2人だった

が彼女たちの心にアクアの告げた言葉が深く重く突き刺さっているのだった


次回 第21章、「虚ろに蠢く曇天」

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