INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第16章、藍色に満ちゆく要

ミカヤ達の耳に飛び込んだのはかつて仲間であり元デイン王のペレアスが異

変の首謀者という容疑。真実を知る為行方を知ったミカヤ達はベグニオン方面

にある湿地帯へと向かう。ペレアスと共に現れたのは全身をローブで隠し・・・
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地上兵達が行く手を遮る獣達と交戦しているとローブの人物は気配を感じ

飛び退いた。その瞬間さっきまで立っていた場には化身した鴉の爪が



「・・・・・・」

「なかなかやるじゃないか」

「鴉王か」



表情を見せぬまま淡々とした声はそう呟いた



「色々と気になることはあるが・・・この状況を見る限り黒・・・ということか?」

「それが知りたくば、実力をもって聞きだすといい」

「ふ・・・そうさせてもらう」




湿地帯の広場に出た時、一同はラグズのような獣と交戦していた。2人は

近くまで駆け寄ろうとすると同じく獣たちが襲い掛かり魔法で退いていた



「個々の能力も高い・・・がこれは実体ではないようだ」

「幻?」

「おそらくは。そして術者がどこかにいるはず」




走り続けると一同がいる場まで追いつき一同も2人の姿に気づいた。その時既に

戦線は押し切っており交戦しているローブの人物とネサラの近くまで来ていた



「一緒にしたくないが・・・どこか似たようなものを感じるものでね」

「貴様と俺がか」





「っ!?ペレアスさん!?」

「彩花!?どうして君がテリウスに・・・」



驚くようなペレアスの隣に立っている人物。全てを隠し何も見えない


「あの鴉王と互角にやりあうなんて・・・」

「なぜこのようなことを・・・!?」




「俺はただ試しているだけだ」

「試している?」

「貴様らが暗雲を照らす光となるのか。それとも無残に散る隕石の欠片となるか」





現れた獣はかずは少ないものの個体の強さがこれまでと桁が違う。多くの者が

息を切らせる中強力なラグズ達の力によってローブの男はその場に膝をついた



「はぁ・・・はぁ・・・」

「さあ、俺の勝ちだ。小僧も・・・どういうことか説明しろ」

「ぼ、僕は」

「やはりお前もこいつの仲間なのか?」




困ったように青年は息を吸い込み、言葉を発しようとしたときそれは遮られた




「違う」



唐突に発せられた声に一同は声の発した張本人に集中した。その人物は一歩

また一歩と踏み出すとローブの人物と向き合うように目の前に立ちふさがった




「どういうこと?なぜこんなことを・・・アクア」

「な・・・」



誰かが声を発した数秒後、身を隠していた人物はフードの端を掴んだ。そして後方

に下げるとフードは落ち、その姿を見た瞬間誰もが目を見開かずにはいられなかった




「なっ・・・!?」

「女?しかも子供・・・それに・・・」

「どういうことだ・・・」



数々の声が上がる中気にもせずにその人物は告げた




「異変を、脅威を退ける者に相応しいかどうか確かめただけだ。この程度でやられ
 ていては到底世界など救えないからな。こいつはそのために利用させてもらった」

「り・・・な・・・!?」



パクパクと口を動かしているとそんな様子を見ていた一同が告げる



「どういう事?2人は知り合いなの?」

「ミカヤ、この人は僕を助けてくれたんだ」



尋ねたミカヤは少女ではなく言葉を発した青年の方を向いた


「イズカの件から今回現れた化け物は僕の仕業じゃないかって疑われて。僕
 は人目のつかない場所に逃げようとしたところ彼女が手伝ってくれたんだ」

「貴様を助けたつもりはない。弱者は土に還る、それだけだ」

「!」

「定めに散るか抗うか。それはここにいる者たちの選択にかかっている」




「っまさか・・・この異変について何か知ってるのか?」



少女は呟く。そんな少女にローブの人物は近づくと顔を見て告げた


「ここまでお前もまぬけだとは。だからこんな手間のかかることになるんだ」

「なっ・・・まぬけ!?」

「あれだけの情報を得ながら気づかぬことにまぬけ以外かける言葉があるか?」



彼女から発せられる空気と言葉はこの場を凍らせ異様な雰囲気となっていた

それは彼女がこれだけの身分や実力者が集まる中平然としているからだろう

彼らもまた素性の知れない少女に対し一瞬も気が抜けなかった







「あの男・・・ラインバックが探しているのは・・・」







城に戻ってきた一同。そんな中彩花と数人はラインバックのいる場に来ていた



「ラインバック、どこかで聞いたことあるなと思ったら・・・」

「まあ俺は有名な『あの』ラインバック様だからな!」

「貴方が探している相棒とは・・・リンクの事ですね?」

「なっ・・・」



少女がその名を発した瞬間、ラインバックの表情が一変した



「なんだあんた。リンクの事を知って・・・」

「だというのなら話した方がいいでしょう。今起きてることを」







「・・・プレイしたゲームすら忘れたとはお前の記憶力はニワトリ以下か」

「名前を聞いた瞬間思い出したよ。世の中には色んな伝説があるんだし体
 験した例も合わせると・・・けどまあ、まさかこっちの関係者と関わるなんて」

「話は大体わかった。で、何か用があって来たんじゃないのか?」



呆れたようにため息をつきながらそういうとゼルギウスが口を開く



「これは貴方に返そう」



そういい差し出したのは海図だった



「へっこれで俺も奴を探しに・・・」

「そうはいかない」

「なにぃ!?」




地図を受けとり笑みを浮かべた直後、発せられた言葉に勢いよく振り返った



「君にはこれから我々と同行してもらう」

「どど、どういうことだ!?」

「よく聞いてください。行方が知れぬものになったのは皆スマブラのファイターたち
 です。トゥーンリンクもまたファイターの一人。故に目的は同じということになります」

「そ、それがなんだってんだ」

「我々はこの世界に起きている異変を探ると共にファイターたちの救出を
 図っている。そして確信へ近づくためには君の持つ・・・海図が必要だ」

「フッ・・・そういうことか」



男は額に手を当てると数秒間、そして目を見開き叫んだ


「仕方ない、お前らを俺の子分にしてやろう!」

『・・・・・・』

「・・・まあ今はそれでいいや」




ため息をつき告げる彩花だったが次の瞬間、笑みを浮かべると言う



「けど他の人には言わないように。・・・命が惜しかったらね」



彩花とゼルギウスがラインバックと話している時、エリンシアとミカヤ、サナキ

の前にはペレアスと、彼と共にいた少女の姿があった。彼女の他にもいくつか

の顔ぶれがあるがラインバックと違い囲まれても少女は微動だにしなかった



「さあ城についた。話してもらおうか」

「随分と端的だな」

「当たり前だ。帰ってから全て話すとは言えお前からは正直仲間と思える臭
 いがしない。それどころか・・・何か裏を抱えてそうな危険な臭いがするぜ」




「まあいい、お前では話にならん。頭の回る者を出せ」

「お前がよくてもこっちは・・・」



その時。一人の青年がやってきて前に出た


「僕が話を聞きます」

「セネリオか。・・・まあいい」

「何故僕の名を知って・・・いえ、今はそんなことはどうでもいいです」



彼もまた鋭い目を光らせながら少女を見つめていた



「貴方は一体何者ですか?」

「・・・・・・」

「気のせいかもしれませんが・・・・・・いえ、そんなはずは」


途中まで言いかけセネリオは口を閉じた。その瞬間彼女は笑みを浮か

べた。今まで何一つ聞かれても何が起きても表情を変えなかった彼女が



「な、笑った・・・?」

「流石勘がいいようだな」

「な、ではまさか・・・一体どういうことです?」



「軍師殿、一人で分かったような顔されてもこっちはさっぱりなんだが」

「というより、貴様らは過去に会ったことがあるはずだが・・・?」

「な・・・?」



彼女はため息をつくと告げた。回りくどい言い回しはやめようと



「過去に会ったことがある?」

「覚えていないというのなら仕方ない。その程度だったという事だ」




「・・・覚えていませんか?数年前、彼女の様子がおかしかった事の事を」

「様子がおかしい?」

「・・・もっと正確に言えば彩花がアイクや連合軍に背いた時の事です」



彼らは思考を巡らす。かつてアイクが率いていた連合軍はベグニオン帝国と

デイン王国と戦っていた。しかし両者共に恩人である彩花は究極の選択だった




「そういえば、あの時妙に変な感じが・・・まるで別人のような」

「そして今いる彼女は・・・あの時の彼女と似たようなものを感じます。忘れるわけ
 がない。その目、その声・・・貴方は・・・あの時の彼女の正体ではないですか?」

「な・・・?」



その時、エリンシアを初め一同はざわつきはじめた



「その通り。俺は奴の一部」

「どういうことか説明して貰えますか」

「いいだろう。あの時貴様らはうっすら気づいていたはずだ。時々別人のように
 なると。あれは気のせいでも偶然でもなく、奴の中で生み出された別の感情だ」





「本来一つであるべきものが分かれた。それが俺だ」

「!」

「貴様らが俺を気に入らんのも無理はない。俺は、恨み、憎む為の存在だからな」

「な、どういうことですか?」





震えた声でこれまで沈黙を守っていたエリンシアが尋ねた




「あれほど優しい心を持った彼女に憎しみの心が・・・?」

「優しさなど自己防衛に過ぎん。奴の中は・・・全てが偽りで出来ている」



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次回

彩花の一部という少女は告げる、全てが偽りだと。連合軍に大きな衝撃を

もたらせた事実に悩ませながらもラインバックと共同関係を結んだ一同は

神殿で手に入れた海図を元に光の道筋が示す場へと向かう計画を立てる


次回 第17章、「異彩邂逅」


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