INFINITE

一人の神は空間を作り、世界を脅威から守るために組織を作った。そんな組織の一員として招待されたファイター 達の日常、時にシリアスな物語。そんな彼らと出会った少女達の歴史物語。スマブラ主の二次小説ブログです

第15章、正と負の気配

神殿内で船乗りの男ラインバックに遭遇した一同は半信半疑で彼が所持する

船でイグジステンスを退け戻ることに成功する。現象の原因が霧であると知る

と同時に抜ける方法も知るが海図は男にとっても必要なものだと言い・・・
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「体中がひりひりする・・・いだっ」

「少しくらい我慢なさい」

「姉さん?何をしてるんだ?」



部屋から声が聞こえ扉を空けるとジョフレの目に飛び込んだのは体中

傷口を覆うものを貼っていた少女と消毒をしているルキノの姿だった



「彩花がユリシーズと手合わせして・・・それがこの結果よ」

「ユリシーズとか!?」

「まさかあそこまで本気になるなんて・・・それだけ強かったということ
 かしら?最初は手加減してたけれど途中から手加減がなくなって・・・」



思わず叫んだ後ルキノも驚いたような声で言うが



「どこかの偉い人が言ってた。魔力も川の水のように巡り巡って入れ替わらな
 ければ精度が落ちるって!久しぶりに奥の方の力まで使った気がするよ!」

「・・・・・・」

「いやー賢者ってやっぱすごいですね・・・!」




その時ルキノは思った。以前は見たことない生き生きとした表情に




「なんというか・・・あなたって・・・」

「え?なんですか?」

「・・・なんでもないわ」




そんな一方、とある部屋では血相を変えたミカヤの声が響いた



「なんですって!?ペレアスさんが!?」

「どうしたのじゃ姉上?」



部屋にやってきたサナキに対してサザは詳細を話していく



「ペレアス・・・確か姉上が就任する前のデイン王じゃな?」

「ええ。私が王になってから彼は『自分は赤の他人』だからってどこかへ行っ
 てしまったのだけど・・・まさか今回の異変の首謀者と疑われているなんて」

「これもイズカが関わっていたからか・・・」




ペレアスとは数年前亡きアシュナード王に代わり息子としてデイン王に就任した

前王の名である。しかし乳母のような存在であり側近であったイズカがラグズを

戦闘兵器なりそこないにする実験と計画を行っていたことが発覚。挙句の果て

に彼はアシュナードとはなんら血縁の関係がないことが発覚した



「いくら責任はなくとも関わっていたというのが惑わす原因となるか」

「ペレアス王も魔導士ではあるけれどこんな事をするはずが・・・」

「私も同じ気持ちだ。そう多く面識がないとは言え裁きの時世界の為に
 共に戦った仲間だ。そのようなものがこんなことをするはずがなかろう」





「ではどうする?ミカヤ、ベグニオン皇女」

「ペレアスを保護しましょう。彼を恐れ狙うものもいるかもしれない」

「それが得策じゃろう。真実を突き止める為にもすぐに彼の行方を探し出すのじ
 ゃ。ベグニオンからも兵を出す。しかるのち彼を保護しに部隊を向かわせよう」

「ありがとう。デインも総力をもって探します」




それから数日後、ミカヤたちの元にペレアスの目撃証言が届いた。すぐ

さま準備を整えたミカヤたちはペレアスがいるという場に向かっていた


「ベグニオンに向かう途中にある湿地帯で目撃されたらしい。どうやら周辺で
 隠れているようだな。あそこは人通りも少なく人目を避けるには都合がいい」

「経歴からの陰湿さは数年経った今も変わらねえということか」

「・・・あの、大変助かるのですがなぜフェニキス王やガリア王達まで・・・」



近くにいた人たちを見渡すとおそるおそるミカヤは尋ねる。続けてサザも



「あんた達が出るほど迫られた作戦でもないと思うが」

「生憎だが、妙な気配を感じたもんでな」

「気配?」



眉を顰め尋ねると後ろにいたリアーネが古代語で何かを告げる


「~~~~~」

「・・・確かに、奇妙な気配・・・いえ、力を感じます」

「どういうことだ?」

「正と負の力を感じる」


リュシオンの言葉に一同が表情を変える中言葉を発したのはミズキだ



「あの、正と負の力・・・とは?」

「あぁ、これもこの大陸ならではなのか。この世界は正と負、大きく分けて2つの
 力が存在し、ラグズは膨大な負の影響を受けると心身共に疲れを感じたり異
 変を感じる。負とは主に憎悪の感情が高まって起きる。普段なら影響はないが」



数年前のように幾度となく戦争が起きると人体に影響が現れる


「だが・・・なんだこれは?近づくたびに強くなる。奇妙としか言えないが
 ・・・負と正の気、両方の気配を強く感じる。こんなこと今までなかった」

「・・・まさかあの元デイン王が?」

「それは、正体を見るまでは何とも・・・」



ミズキとラグズたちの会話にミカヤの嫌な予感は募るばかりだった



「まさかペレアスさん、噂ではなく本当に・・・」



行軍しつづけること数時間、目的地に近づくと斥候の報告を元に広場

周辺の木に身を潜めるように一同は隠れていた。広場に影が見え



「・・・・・・」




一人の青年が歩いている。探していたペレアス本人だった。様子を伺っている

と物音が聞こえペレアスは気配に気づいたかのように茂みの方へ振り向いた

中から現れたのは防具と武器を身に着けた町人らしき姿の数々だった



「見つけたぞ!!」

「!」

「こんなところにいやがったか。今度は何を企んでいる!」

「ぼ、僕は・・・」





「あれは!?」

「どこかの国の兵・・・というわけではなさそうだな」

「村人でしょうか?」



男たちは手に持っていた武器を強く握ると持ち上げ青年の表情も変わる




「いけない、皆、ペレアスを助けに行くぞ!!」

「ペレアスさん!」



合図をおくると一斉に木の陰から飛び出しペレアスは驚いたように姿を見て叫ぶ



「ミカヤ!?それに・・・なぜ君達がここに・・・」

「皆さん武器を離してください!ペレアスさんは何もしていません!」

「!」



ミカヤの叫び声に村人達は呆気に取られたように武器を下した瞬間

一同の目の前の地面に魔法陣が現れると異形をした魔物が姿を現す



「イグジステンス・・・!」

「う、うわあああああ!」



村人の一人が叫び狂ったかのように手に持っていた斧を振り回すが頑丈

な鎧に跳ね返され先の尖った槍が身体に突き刺さり男はその場に倒れた




「総員、村人を安全な場所に逃がしつつペレアスと合流するぞ!」

「おうっ!」



イグジステンスとテリウス連合軍が交戦し始めるとエリンシアは告げる



「ユリシーズと彩花は戦線に遅れてきます。彼らに全て頼る・・・という訳で
 はありませんが彼らが到着するまでもう少し時間がかかると思われます」

「必要ない。ガリアの戦士の力・・・しかと受けるがいい」




怒涛の声が聞こえる中リュシオンが告げる



「近くに奇妙な気配が・・・皆、気を付けてくれ」

「~~~~~」

「俺なら問題ない。リアーネはラフィエルと共に後方へ下がっていてくれ」




広場の中央辺りに近づく頃には村人はすでに確保した通路で離脱していた。そ

して現れたイグジステンスも少数だった為苦戦することなく最後の一体を倒す




「ペレアスさん!」

「ペレアス!」

「ミカヤ、サザ・・・!」



2人が駆け出した瞬間、ペレアスの前に青い風が起きると目の前に誰かが現れ

た。突如姿を現した青いローブで身を包んだ人物に2人の足も思わず止まった



「な・・・!?」



顔は見えず特徴は全身を隠した青い衣服とそこから僅かに見える青い髪




「誰・・・!?」

「そいつだ!ずっと感じていた・・・」




リュシオンが前に出るとミカヤとサザの隣に並び正面の人物に問いかけた



「どういうことなんだ。お前からは正と負・・・両方感じる」

「・・・・・・」

「そんなこと、私が知るのは一人しか・・・」




その時、ずっと沈黙を守っていたローブの人物は口を開いた



「世界を繋ぐ者、未来を繋ぐ者」

「!」

「貴様らがそうだと言うのなら・・・」



ローブの人物は淡々と告げると手を翳した。その瞬間青黒い風がミカヤたちを

襲い最初に飛び出した場所まで吹き飛ばされていった。地面から起き上がると



「3人とも無事か?」

「問題ありません。しかし・・・」

「どうみてもただもんじゃねえだろ。やっと尻尾見せたって事か?」



遠くなった人物はさらに棒状のものを地面につきつけると無数の風から無数

の敵が現れる。そのどれもが獣の形をしておりこれまで見たことのない生物だ




「な、なんだ!?」

「ラグズに・・・似ている?けど違う・・・」

「油断するな。奴、奇妙な技を使ってくるぞ!」



再び体制を立て直すと一同は目の前を塞ぐ生物達を倒していく。その頃・・・



「こっちの方向で合ってますな」

「どうしてこう魔力使った後こういうことが起きるんですかね」



しかも例によって大量に使った後・・・とぼやいた声が聞こえると男は笑った



「はっはっは。世とはそういうものだ。すべてが都合よく行く事はない」

「おかげで一緒に出発出来なかったし、何事もないといいけ・・・」



その時風が吹き。少女は顔を歪めた



「・・・フラグ立てるから・・・」

「フラグ?」

「あ、いえ気にしないでください。・・・戦闘音のようなものが聞こえます」

「ふむ、ならば急がねばな」




音のする方へ駆けるとそこだけ木々が生えていない湿地に出た



「このユリシーズ、麗しき女王陛下の為、参上致しましたぞ」

「なにあれ、ラグズ?」



華麗に一礼する中呟かれた少女の声に顔を上げるとそこには魔物では

なくこの世界に生息する獣牙族のラグズのような無数の獣の姿だった



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次回

ペレアスと遭遇することに成功しかけた瞬間ミカヤたちを遮ったのはローブで身

を隠した人の姿だった。ラグズと互角以上の力を見せる中遅れて彩花とユリシ

ーズが到着する。この出来事が事態を大きく進展させる第一歩となり・・・


次回 第16章、「藍色に満ちゆく要」


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